岩崎 花(♀):今作で何か常に文句言ってる人。言うまでもなく彼女のスマホの『ぶ』の予測変換は『ぶっ殺す』である。
上田 進(♂):今作で岩崎の何の身にもならない話を延々と聞かされる可哀そうな人。SNSで岩崎の発言でbotを作ろうとしたが、途中で気が病みそうになってやめた。
「なぁ上田、ヤバいよ。多くの日本人はとんでもない事実から目を背けている」
「今日の数学の授業は出席番号的にお前が当てられるだろ? 今のうちに現実を直視しとけよ」
「あれは分からないの一点張りでどうにかするからいい」
「そろそろマジでお前のことで職員会議開かれるんじゃねぇの?」
「そんな些末な問題はどうでもいいの! ウチが言おうと思ってるのは目玉焼きだよ!」
「些末て、今の自分の立ち位置考えたら案外あり得なくないぞ……んで何だ、目玉焼き? それがどうした?」
「やはりお前もこの問題から目を背けていたか……まぁハナから期待してはいなかったがな」
「俺もこれからのお前の言う事にはミリも期待してないが」
「ふふん、そんじゃ今日はその期待を超えて見せよう」
「元のハードルが低すぎるんだがな」
「そんなの知ったこっちゃない、ウチが言いたいのは『目玉焼き』っていうネーミングだよ。冷静に考えてみ? 目玉焼きってヤバすぎるでしょ、マッドサイエンティストでもそんなことしないよ普通」
「文字通り目玉を焼いてる訳じゃないんだし、見た目がそれっぽいからそういう名前なんじゃないか?」
「それなら考えてみなよ、それ言ったらワンタンメンなんて『耳汁』だよ」
「やめろ気持ち悪い表現すんな」
「ほら気持ち悪いでしょ? でもこれは目玉焼きと同じ理論なんだよ? 形状からそのまま名前つけるというのはこういう事なんだから。ほら、そう考えたら今回の話のレベルはハードルを越えて来たでしょ? ド正論だし」
「大体モグラタンクと言った所かな」
「もはや自分から飛び越える意識すら持ってないじゃん、パッシブ的に潜りに行ってんじゃん……でも実際気持ち悪いし名前をそのまま付けるのはダメでしょ?」
「言うてどっかの郷土料理に『耳うどん』なるものが存在するっていうのは聞いたことあるけど」
「えっ……ヤバすぎるでしょそれ、ウチ割と何でも食べれるけど常識的に考えてさすがにそれは」
「常識に考えなくてもマジモンの耳じゃないに決まってんだろ、具の形がそれっぽいだけで普通の食べ物だわ」
「いや、それでもさすがにその名前は良くないって、それ然り目玉焼き然り」
「じゃあどんな名前が良いと思うんだよ」
「まぁ耳うどんはさっき知ったからまだ何とも言えないけど」
「じゃあ目玉焼きに関してはどう思ってるんだ?」
「うーん、あえてシンプルに考えて良いと思うんだよね、それこそ『卵焼き』とか」
「お前それ本気で言ってんのか?」
「当たり前じゃん」
「じゃあ本来の卵焼きはどう呼ぶんだよ?」
「あっ、そうか……元から卵焼きってあるじゃん」
「マジかよ、マジだったのかよ」
「うーん、それならやっぱ目玉焼きの方を変えないとだな。それなら……そうだ、形的にUFOとか?」
「それはもう焼きそばだよ、もう全く別のとこまで飛んで行ってんじゃねぇか。めんどくさいからもう目玉焼きでいいだろ?」
「うぐぅ……ラストチャンス!」
「まぁ別に期待してないしどうでもいいけど」
「えっと……卵を焼いてて、丸くて、砂糖をかけるから……それなら——」
「ちょっと待て、様々な目玉焼きにかける調味料論争に一石を投じてきたせいでその先の話がもう入ってこない未来しか見えん。え? 何? 砂糖って言った?」
「うん、普通に美味いよ」
「いや流石に砂糖はキツイわ」
「何だよ、試したこともないくせに」
「試す試さない以前の問題だろ。さすがに俺の感覚ではそれは絶対ないわ」
「何だよー、塩対応だな」
「それが美味いっていう証拠のソースが少なすぎるんだよ」