お前が何言ってんのかちょっとよく分からない   作:開屋

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登場人物紹介

岩崎 花(♀):今作で何か常に文句言ってる人。納豆のタレの袋を開けられず、怒りのままに扇風機に入れて羽の回転で開けようとしたら案の定も案の定な結果に終わった。

上田 進(♂):今作で岩崎の何の身にもならない話を延々と聞かされる可哀そうな人。あまり運に恵まれるタイプではなく、2年連続正月のおみくじは凶を引いている、そして大抵『待ち人』のところをメタクソに書かれている。当たっちゃったね……


いや、どっちもいらないでしょ

「ウチは人としての尊厳を失う前に是正しないといけないことがあると思うんだ」

 

「開幕からどうした? 無いヤツが言っても説得力はないと思うが」

 

「いや、ウチは寸での所でそれを守るために大切なことに気づいたんだ」

 

「ああ、無くしてから気づく大切なものってあるよな」

 

「だから無くしてねぇっつーの。ウチが言いたいのは虻蜂取らずって言葉なんだけどさ」

 

「突拍子も話の脈絡も何も無いな、虻も蜂もないじゃん」

 

「……その言葉からするに上田はもう既に人としての尊厳を失ってしまってるようだな、非常に残念だけど」

 

「万が一お前が人だとしたら人語を解せない自分にガッカリだよ、まぁそんなことある訳ないし落ち込みはせんが」

 

「ウチが言いたいのは虻も蜂もどっちも人にとって必要なのかってことなんだよ、だってそんな虫食べるのって爬虫類とか鳥とかが基本でしょ? でもこんな言い回しをしてるってことは少なくともこの言葉を使う人は虻や蜂をそう言った目で見ているっていう事じゃん?」

 

「ねぇよ、未来の昆虫食のソレじゃねぇか。まぁ蜂の子とかは食べるとは聞くけど少なくともその慣用句を食べるの感覚で使うヤツは基本いないだろ」

 

「そうやって考えることをやめて過去のモノを享受するだけだったら人じゃなくても出来るんだよ。今の上田は考えることをやめてひたすら惰性で生きてるってことだ」

 

「見上げた意見だな。それじゃお前は常日頃からしっかりと物事を考えていて少したりとも惰性では生きてないってことなんだな?」

 

「そりゃもう当たり前よ。ウチはそんないい加減には生きてないもんね」

 

「ふーん、じゃあ寝る時もそうなんだ」

 

「え?」

 

「常に物事を考えているってことはつまりはそういう事だよな?」

 

「お、おう。そうだよ? もちろん少したりとも気を抜いたりはしてないし」

 

「じゃあ昨日授業中先生に起こされたその瞬間もそうだったんだな?」

 

「……え?」

 

「あの時の肉食の爬虫類みたいに机に涎を垂らして、なにかブツブツ言ってた時も何か考えてたんだよな?」

 

「あ、えっと……」

 

「確か俺の記憶では『うどん……そば……』とか言ってた気がするんだが、まさか四六時中しっかり物事を考えてる岩崎さんが夢の中でそんな食欲に溺れてたりしてないよな?」

 

「そ、そうだよ? あの時のウチはうどんとそばでどっちを食べるかどっちかで悩んでたんだから、結果的には考えてるってことだし?」

 

「無理があるだろその解釈……んで結局どっちにしたんだ?」

 

「それがさぁ、決めようとした直前に起こされたから選べなかったんだよね。虻蜂取らずってやつ?」

 

「このやり取りの時間返せよ」

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