岩崎 花(♀):今作で何か常に文句言ってる人。社会のテストではペリーとペルーを間違えたのはもちろん、小学生の時には『愛知は名古屋県の首都』というモンスター級解答をしており、その才能の片鱗を幼い頃から垣間見せていた。
上田 進(♂):今作で岩崎の何の身にもならない話を延々と聞かされる可哀そうな人。元々別の高校に入学する可能性もあったが、せっかくの高校時代に勉強がメインになるのが嫌だったので少し志望校のレベルを下げてこの高校に入学した過去がある。それがこのざまである。
「んー……全然分かんねぇ……」
「生き方が?」
「まだそこまで根詰めてねえよ。どうやったら天才のウチの成績が伸びるのかなぁって思ってさ」
「そりゃまた結構な悩み事なこった。でもそれは結局お前が避けてきた『勉強をする』ってことで事足りるだろ」
「え~? でもウチはちゃんと勉強してるよ?」
「どのくらい?」
「少なくともウチが満足するくらいには。もうこれ以上やったら死ぬって思う位はやってるよ」
「その時間で時計の針はどのくらい動いてるんだ?」
「大体四分の一周くらいかな?」
「それは長い方の針か、それとも短い方の針か?」
「どっちだろう、ずっと動いてるからあんまり長さ気にしたことないかも」
「CM一つ分じゃねえか。よくそれで満足って思えるな……」
「ウチにとってはもうそれが限界なんだってば」
「どう考えても努力不足じゃねえか。てか考えるまでも無いけど」
「ウチにとってはそれ以上やったら辛いんだってば!」
「天才名乗る割にもう色々ボロボロじゃねえか。そんなこと言っても結局は一パーセントのひらめきと九十九パーセントの努力ってエジソンも言ってたし——」
「ああぁぁうっせえ! 二度とその言葉口にすんな!」
「お前の怒りのスイッチどこで入ったんだよ。こんなの防ぎようがないしお前の存在がもはや天災だよ」
「その一パーセントの努力とかいうヤツだよ! ウチは精いっぱい努力してんのに全然結果が伴わないしそんなの出来るヤツの言葉じゃん」
「その口振りだとすでに自分が出来ない奴って認めてんじゃねえか。自己評価の振れ幅エグいなお前。てか一パーセントの努力はまさに今お前が実践してることだろ、ひらめきにほぼすべての比重掛けてどうするんだよ。一パーセントはひらめきの方だっての」
「……さっきのはちょっと言い間違えただけだって。そんでウチは努力してもダメだって分かったから、さっき上田が言ってた通り逆転の発想でひらめきの方に掛けてみたいと思ってるんだよ」
「お前の切れかけのフィラメントのひらめきの電球でそれはさすがに無理だろ」
「切れかけとは失礼だな。何でそんな風に思ってんだよ」
「これまでのお前との全ての会話を総合的に判断した結果だよ。そっちのひらめきの電球のフィラメントさっきの怒りでほぼ焼き切れてんだろ」
「そんなこと言ったってどうなるか分かんないじゃん。もしかしたらウチはものすごいひらめきをするかもしれないし、それがテストの時に活かせたら全教科百点とか取れちゃうかもしれないんだよ?」
「そんなのエジソンでも努力を諦めるレベルだろ。第一学校のテストとかほとんど記憶系だしひらめきでどうにかなるもんじゃないだろ。歴史とかどうするんだよ」
「それは……ひらめきだから、例えばその過去の出来事に思いを馳せたら情景が浮かんできて……それで『ハッ!』ってひらめく感じじゃない?」
「ほぼイタコじゃねえか。降霊術出来りゃそんなもん世話ねえんだよ」
「ここで発揮されるウチの逆転の発想!」
「何だそのだっせぇカットイン」
「出来ないと言われたことをやるという逆転の発想を利用した方法をウチは今思いついたんだよ!」
「お前無謀と逆転の発想を履き違えてないか? もうスニーカーと鉄ゲタのレベルだよ」
「ここでウチがイタコができるようになれば歴史の問題は恐るるに足らないって訳だ」
「え? 何? 恐るるに足らないようにするためにお前恐山行くつもりなの?」
「そんくらいの心意気はウチにだってあるさ! 目標を達成するための努力はウチは惜しまないからね!」
「なんもかんも間違った結果で結局努力に頼ってんじゃねえかテメエ」