岩崎 花(♀):今作で何か常に文句言ってる人。サッカーのオフサイドのルールを一つ覚えしており、そのことでマウントを取るのが好きである。
上田 進(♂):今作で岩崎の何の身にもならない話を延々と聞かされる可哀そうな人。名前の部分を岩崎にいたずらされ『止田』にされ、『止まるか進むかハッキリしろよな~』と囃された時は彼女に哀れみの視線を送ることしかできなかった。
「クッソ……気分悪い」
「吐くならせめてトイレ行ってくれよ」
「いやそういうニュアンスの『気分悪い』じゃないから。ちょっと昨日ヤなことがあってさ、正直あれは趣味悪いと思うんだよね」
「お前のいつもの話と同じレベルくらいか?」
「ウチのする普通の話が趣味が悪いとは随分ご挨拶だな。それでさ、聞いてほしいんだけど上田ってもしかしたらカステラって食ったことある感じ?」
「まぁ普通にあるけど……何で無い前提みたいな感じで聞いて来たんだよ?」
「いや、上田がそんな洒落たもの食ってる図が全っ然浮かんでこなくてさ。いつも都こんぶとか食ってそうだし」
「いつも都こんぶってどんなイメージ持たれてんだよ俺」
「まぁどちらかと言えばそういうお洒落なものから離れてる感じ?」
「現役の高校生がカステラの洒落度に追い付けてないって、もうお洒落なものってか完全に俗世間から離れてるってレベルだろ」
「そうか? まぁそれはいいんだけどさ、ウチが言いたいのはカステラの下の紙の部分なんだよ。最初は荒れの存在完全に忘れててさ、食べようとしたら案の定口の中でぐっちゃぐちゃになってさ」
「あー、あれか」
「そうそう。そこでウチはもういっそソレ作った工場に直接文句言おうかとも思ったんだよ」
「積極性ブッ飛んでんな。天性のクレーマーだな」
「だって実際アレあったら邪魔じゃん。イマイチピンと来ない国のお子様ランチの旗くらい意味が無いよ」
「その例え独創的すぎて感性に掠って来ないんだわ」
「カステラだけに掠ってこないってか?」
「うっせーカス」
「面倒だからってその返しはさすがに酷くね?今の会話も何らかのフラグになるって可能性もあるのに」
「んなピンと来ない旗とっととへし折っちまえ」
「まぁもう気にしないけど……あのカステラの紙って最初に取ろうとしたらさ、甘い部分取れちゃったりするじゃん?」
「まぁ分からんでもないな」
「取ろうとすれば美味しい部分を持ってかれて、だからと言って食えないヤツなんだよ? 青年漫画に出て来る妙に読者に人気のない主人公のライバルみたいな感じじゃね?」
「お前今日どうしたんだ? さっきの然りヘッタクソな例えのせいで話があんま入って来ないんだけど」
「そうか? ウチの中ではピンズドの例えのつもりなんだけど」
「ピンボケの間違いだろ」
「んだよそれ。まぁとにかくウチが言いたいのはカステラの紙の部分のことだよ。アレマジで要らねぇだろ」
「気持ちは分かるけど、付いてるってことは何らかに必要なものなんじゃねえの? 知らんけどさ」
「そんなフワッとした理由でいいのかよ……あっ、カステラだけに」
「お前絶対にグルメレポートしようなんて思うなよ?」
「何だよ~、今の結構うまかったじゃん……カステラだけに」
「カステラが美味いのは分かるけど、お前のその洒落はマジで食えたもんじゃねえな。それこそカステラの紙のがマシだわ」
「マジかよ、さすがにそれは言い過ぎだろ……あんな用無しの部分よりはウチの話がマシでしょ、洋菓子だけに」
「こんなカスみたいなテラー初めてだよ」