お前が何言ってんのかちょっとよく分からない   作:開屋

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登場人物紹介

岩崎 花(♀):今作で何か常に文句言ってる人。一時期メッシュに憧れたが手元に道具が無かったため、絵の具を使い髪を染めようとした、が当然見るに堪えないことになった。

上田 進(♂):今作で岩崎の何の身にもならない話を延々と聞かされる可哀そうな人。散々岩崎に突っ込んできてるが直接的に手を挙げたことはほぼない。彼なりに相当我慢してるんだろうね……


一体全体何の恨みがあってこんなこと……

「なぁ上田、人ってのは残虐なものだとは思うが、ダルマ落としってのは人の残虐性の全てが内包されてると思うんだよ」

 

「開口一番訳から分っかんねぇな。今の言葉にお前の全てが内包されてるわ」

 

「何で分かってくれないんだよ! だってよく考えてみろ、自分の身長の数倍もある不安定な足場の高所からほんの少しずつあんな危険な道具で足場を削られていくんだよ? それも上手く行った日はまだ大丈夫かも知れないけど、万が一失敗してみ? 何が待ち受けてると思う?」

 

「何がって言われても……何が待ち受けてんだ?」

 

「……落下死だよ」

 

「無ぇよ」

 

「しかもアレって小っちゃい子どもとかがやってるの見たら、何の躊躇いもなく一番上のダルマを思いっきりハンマーで撲殺したりするヤツもいるんだよ……それ見てウチは思ったんだ……ダルマ落としってのは子供の頃から人間に嗜虐心を与える恐ろしい玩具なんだって」

 

「ダルマ落としをそんな風に見てる奴がいるっていう事実が一番恐ろしいと思うが」

 

「それにあの遊びではダルマの運命ってのは全てが遊ぶ人間に委ねられてるってことだろ? つまりはダルマの態度次第で遊ぶ人間の行動が変わってくるってワケだ」

 

「ダルマの態度って何なんだよ、あんなずっと不愛想な顔してるオモチャに態度も減ったくれもないだろ」

 

「そうなんだよ、ウチら人間はダルマのポーカーフェイスの中に隠れた命乞いを見透かすことができないんだ。それも子どもとかだと尚更にな……だからその結果ダルマの誠意は伝わることなく子どもは残酷にもダルマを恐怖のドン底に陥れるんだよ……」

 

「その程度の俺の発言への理解度で『そうなんだよ』ってよく言えたもんだな、マジで今年一お前が何言ってるか分かんないわ」

 

「とにかくあの遊びは間違いなくヤバいって! 即刻法律で規制すべきだと思うんだよ」

 

「んな法律出来る訳ねぇだろ。何だダルマ落とし規制法って」

 

「甘いよ上田! 人間の性格形成において幼少期はすっげー大切なんだよ? 小さい頃にあんな何かを支配するような感情を覚えさせるような遊びさせたらダメに決まってるだろ!?」

 

「その理論だと、どんな幼少期を過ごしたらお前みたいになるのかってのが俺は今まさに気になって仕方ないんだが……その何もかもに疑問を抱くというか面倒くさい所とか」

 

「面倒くさいとは失礼だな……ウチの幼少期? 別に普通だよ、トランプとかでよく遊んでたし」

 

「小さい頃からトランプってちょっと早い気がするけどまぁ、どんなゲームしてたんだ?」

 

「よくやってたのはダウトとか?」

 

「全っっ部ダメな所受け継いでんじゃねえか。普通の幼少期って発言がもうダウトだよ」

 

「何でだよ、ダルマ落としとかそんな野蛮な遊びやってるよりは全然いいだろ!?」

 

「小さい頃からダウトやってる方がよっぽどヤベーよ」

 

「でもウチはそのおかげで物事を正しいかそうでないってのを見分けられるようになったんだよ?」

 

「はいダウト」

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