岩崎 花(♀):動物界脊椎動物門脊椎動物亜門哺乳網サル目真猿亜目峡鼻下目ヒト上科ヒト属ヒト種。今作で何か常に文句言ってる人。
上田 進(♂):動物界脊椎動物門脊椎動物亜門哺乳網サル目真猿亜目峡鼻下目ヒト上科ヒト属ヒト種。今作で岩崎の何の身にもならない話を延々と聞かされる可哀そうな人。
「今日は……ブドウ味かぁ、60点」
「お前ホントいっつもアメ持ってきてるな」
「まぁ何となく? こういうお菓子好きだし」
「ふーん、まぁ俺も駄菓子とかは好きだけど」
「駄菓子か……なぁ上田ちょっといいか?」
「ちょっともよくないからダメです」
「前々から気になってたんだけどさ、駄菓子っていう言い方どうかと思うんだよね」
「俺はお前の有無も言わさずに話を進めるところどうかと思うんだよね」
「いいじゃん、別に減るもんじゃあるまいし」
「俺の惰眠を貪るための貴重な時間が減るんだよ」
「惰眠が貴重とか言う言語パラドックスやめろ。んなことはいいから話聞いてくれよ。あのさ、駄菓子って何か言い方ヒドくね?」
「どういう風に?」
「だって頭に『駄』って付いてるんだよ? これって駄犬とか駄作とかと同じような言い方してるってことじゃん? なんかオシャレな感じの菓子がそういう言葉使って雰囲気でマウント取ってるのが見え見えな感じがしてヤなんだよ」
「菓子がマウント取るってそれもうただのトッピングじゃねえか。上に乗っけてるだけだよ。てか菓子サイドは別にそういう言葉使ってるわけじゃねえだろ」
「だからさ、駄菓子にもウチが何らかの救済をしたいんだよ」
「人はこれをありがた迷惑って言うんだろうな」
「迷惑って何だよ失礼だな」
「いやだって別に駄菓子サイドはそんな事お前にそんなこと頼んだ訳じゃあるまいし……」
「……ウチはそんなか細く小さな声にも答えてやりたいんだよ!」
「0と1は全くの別物だと分からんのかお前は」
「てなわけで今から上田にも駄菓子の新しい呼び方を考えるのに協力してほしいんだよ」
「そこ人任せかよ」
「だってうち一人じゃあんまりいいの思いつきそうにも無いし……三人寄れば文殊の知恵って言うじゃん?」
「三人もいねえし、これに関しちゃ二人合わせても一人分にも満たねえんだよ」
「うるせー! んなこと言いからとっととお前も考えろ!」
「予備動作無しでキレんなよ」
「だってウチはこんなに真剣に悩んでるというのに全然協力してくれないもん。こんなことに付き合ってくれるの上田だけだし」
「協力相手を前にしてよく『こんなこと』って言えたなお前。お前もその程度のこととしか見てねえじゃねえか」
「その程度って何だよ!?」
「今日のお前言葉尻捉えて噛み付かないと気が済まねえのか?」
「んなことはどうでもいいから早く駄菓子の……あっ」
「何だよ?」
「いい呼び方思いついちゃったかも……もっと市民権を与えられたような感じの名前で尚且つ駄菓子をシンプルに格上げした……」
「菓子の市民権って何だよ。元々それが与えられてないとか駄菓子の製造が違法みたいになっちゃってんじゃねえか。禁酒法かよ」
「名付けて普通菓子!」
「それ逆に余所余所しくないか?」
「そう? 普通であるのっていいことだと思うんだけど」
「いやまぁそうなのかもしれないけどさ……その言い方何か逆に取っ付きづらいわ」
「でも『駄』よりかはいいと思うんだけど、駄を普通に変えたら普通犬に普通作ってなる訳じゃん」
「どいつもこいつも押しつけがましいな。何だ普通作って作者のいい訳が見て取れるわ」
「でも普通菓子って良くない? 少しランクアップした感じがするし」
「取っ付きやすさが売りのモノをランクアップさせたらもう何の特徴も残らんぞ」
「えー……そんなに言うならちょっと別の言い方も考えて……それなら凡菓子?」
「ポン菓子みたいになってんじゃねえか、んで結局それも駄菓子だよ」