岩崎 花(♀):今作で何か常に文句言ってる人。台風の日はテンションが上がるらしく、去年の台風シーズンにテンションが上がり外に出たところ、よその家の瓦が顔の横を掠めた時はさすがの彼女も命の危険を悟った。
上田 進(♂):今作で岩崎の何の身にもならない話を延々と聞かされる可哀そうな人。彼にツンデレという言葉を掛けると、般若の面の如き険しい表情になるのでやめておこう。
「前々からウチは思ってたんだけど、商品の名前ってのはちゃんとそれに見合ったものをつけるべきだと思うんだよ」
「藪から棒にどうしたんだよ、あと絆創膏だらけの手も」
「これは昨日ウチがやったとある実験の結果だ。そしてそれにより導き出された事実が一つある」
「もうおバカの予感しかしないんだけど……」
「それは『安全ピンってのは名前を冠するほどに安全とは言えない』ってことだ!」
「ああもう何やったかがもう言われなくても分かる……何で自分の体使って針供養やってんだよコイツ」
「それでまずウチのやった実験なんだけど……」
「みなまで言わんでよろしい。どうせ針の部分で自分の指刺しまくったんだろ?」
「確かにそうだがそれだけじゃない。いろんな方法を使って試してみたんだ」
「刺し方のアプローチ誰も気にしてねえよ。痛々しさのフルコースとか要らんわ」
「まずは小さい子どもが興味本位で弄ってた延長線で刺さったパターンだ」
「それはもう親の監督不行き届きだろ。んなもん子供の手の届くとこに置いとくなよ」
「使い方を知らない子どもは弄ってるうちにきっと針の部分を出してしまうと思うんだよ。ウチも子どもになったつもりでやってみたんだが、割と早い段階で刺しちまった。そん時の絆創膏がここのやつだ」
「んなエビデンス示さなくてもいいから……」
「次は一番鉄板のパターンだな。ちょっと急いでる感じでピンの部分を外すパターンだ」
「安全ピンの刺し方の鉄板って何だよ、さも当然のように鉄板のパターンが組まれるほどの想定してんじゃねえよ」
「やっぱ慌ててもいいことはないって感じだったね、ちなみにそん時の絆創膏はこれだ」
「その情報誰も求めてねえよ鉄板のくせにそんな感想ざっくりしてんのかよ。何でチクッと刺した感想がそんなフワッとしてんだよ」
「もういっぺん今の言ってもらっていい?」
「うっせぇコンパスで刺すぞ」
「分かったよ……あとまぁ考えられえるとすれば別のモノ取り出そうとしてたまたま外れた安全ピンに指が当たるパターンだな」
「安全ピンの刺すバリエーションの説明全部聞かなきゃならんのか俺」
「そうは言っても大分簡略化してるからな? 厳密に分ければあと二百通りくらいは……」
「何でこんなクソどうでもいい分類に生物学的分類レベルの分岐があるんだよ」
「ちなみにさっき言ったパターンでの絆創膏はここのやつだ」
「だからそこはどうでもいいっつっただろ。どんな星の下に生まれたら安全ピンの刺した位置全部説明されるんだよマジで」
「とまぁこんな風に安全ピンとは言っても実際の所は言うほど安全じゃないと思うんだよ」
「もう製造業者は名誉毀損で訴えていいと思うんだ」
「はぁ!? ウチの傷だらけの手を見てもそんなこと言えんのか!?」
「何でそのセリフをこのシチュエーションで言っちゃうんだよ。絶対タイミング間違ってんだろ……」
「上田にはウチの苦労なんて分かってもらえないんだろうな……ウチはお前をそんな人間に育てた覚えはないぞ……」
「おうお前の親がお前に対して同じこと思ってるだろうよ」