岩崎 花(♀):今作で何か常に文句言ってる人。喫茶店で初めてウインナーコーヒーという文字を見て好奇心で注文し、来たものを見て落胆を隠せなかった。
上田 進(♂):今作で岩崎の何の身にもならない話を延々と聞かされる可哀そうな人。後ろから岩崎にイタズラで背中に定規を入れられた際、背筋でそれをへし折った。
「上田、今日はこれをやるぞ」
「学校来た時から随分とデカい紙袋持って来てたと思ったら……何だよこれ」
「これはウチらが生きていく上での不条理が全て詰まったものだ。と言う訳で机ひっつけてくれ」
「人生ゲームじゃねえかこれ。んなもん学校に持って来たヤツ初めて見たわ。あとやらねえよ」
「でもこのゲームは実際にやらないとウチのメッセージが伝わんないんだよ!」
「元よりお前の発信するメッセージは波長がブレブレなせいでどれもこっちのアンテナでは受信し切れてねえよ」
「今はそんなこと言ってるみたいですが、残念ながら次の瞬間お前は人生ゲームをやりたくなります」
「エセ催眠術師でもそんなこと言わねぇよ。しかも自分で『残念ながら』って言っちゃってんじゃねえか。そんで敬語使うんならせめて俺の呼び方の部分もどうにか出来ただろ、お前て」
「今日は一々文句が多いなぁ、『これから人生ゲームをしたくなります……』いつも以上に突っかかってくるじゃん」
「そっやお前が一々突っかかってくる段差作ってくるからな。嫌でもつまづくわ」
「『これから人生ゲームをしたくなります……』別にウチはそんなつもりないんだけど」
「サブリミナルヘッタクソかお前。むしろその部分が一番浮き出てきてんじゃねえか」
「じゃあとにかく人生ゲームやろうぜ。そしたらうちの言いたいことが分かるはずだから」
「嫌だって言ってんだろ、とにもかくにも無いわ」
「じゃあやる代わりに言い分を聞かないか、やらない代わりに言い分を聞くかどっちか選べ」
「なんだその『うんこ味のカレーか、カレー味のうんこどっちがいい?』みたいな選択肢は。分かったよ、話聞くからその千ドル札しまえ」
「しゃーねーなー。まぁいいや、ウチが思ったのって人生ゲームってかなりヤバい遊びだと思うんだよ。人生をゲームの中に落とし込んで、最終的に持ってる金で優劣を競うんだよ?」
「言っても所詮ゲームだろ」
「所詮ゲームとは言えども金で優劣をつけるって常識的に考えたらマジでヤバいと思うんだよ。」
「学校に人生ゲーム持って来たヤツがよく常識を語れたもんだな」
「こんなルーレット一つの運次第で自分の人生を落とし込むなんざ正気の沙汰じゃねぇぞ……作ったヤツは何を考えてたんだ……」
「重ね重ね言うが、学校にこれを持ってくるヤツがいるってことを製作者も想定してねえよ」
「こんなゲーム如きでウチのライフスタイルを決められるとでも思ってんのかよ……?」
「お前はフリースタイル過ぎるわ」
「でも実際自由なくらいがいいと思うけどなぁ。人生ゲームみたいな型にはまった生き方はヤだもん」
「言うほど人生ゲームって型にはまってるか? ゴール目前に月の土地を買うとかみたいな大分ヤバいマスがあった気がするが」
「マジかよめっちゃ人生エンジョイしてんじゃん。ウチもそんな人生がいいな」
「手のひらドリルかよ。てかお前の人生の終着点の目標って月なの?」
「まぁそれに限っては無いけど何かやっぱり面白いことしたいよね。普通の人にはまず出来ないような」
「だから普通の人はこんなもん学校に持って来ねぇんだっての」
「そんなこと言ったって……じゃあ逆に聞くけど誰が人生ゲーム学校に持って来ちゃダメだって言ったんだよ!? なぁ!?」
「それ言いだした辺りからもう先生来てたぞ」