岩崎 花(♀):今作で何か常に文句言ってる人。将来の夢の一つはかくし芸大会とかでやるようなメチャクチャ高く積みあがったグラスタワーのテーブルクロス引きをすることで、予行練習を家でやった。何も言うまい。
上田 進(♂):今作で岩崎の何の身にもならない話を延々と聞かされる可哀そうな人。ほんのごく僅かな生徒からは岩崎に対する邪険な反応のせいで、彼の恋愛観的はいわゆる『ソッチ側』なのではないかと疑問を抱かれている。
「やべぇ……面倒なことになった」
「どうした岩崎?」
「今の内の財布五千円札一枚と一円玉二枚しかない……学食買いたいけど何か買い辛いって言うか」
「あぁ、釣銭がかさむのを避けたいって気持ちは分かるな」
「くっそ、学校に両替機あればこんなことにはならないってのに……何で置いてねぇんだよ」
「置く道理がないからじゃないか?」
「でも実際両替ってすげー助かるんだよね、ゲーセンとか」
「それだけ目的でゲーセンに行ったりはしてないだろうな? アレ最悪注意受けるらしいぞ」
「そんなことしねぇよ、千円両替したらその千円分全部百円ゲームに突っ込んでる。それがウチの生き方よ」
「よく言えば豪快だが、難儀なヤツだなお前」
「ふと思ったんだけどさ、両替の機能考えたらあれ無料で出来るのってちょっとズルい気がするんだよな」
「そうか?」
「だってビジネスってのは誰かがサービスを受けたらそれを還元する? ってヤツだろ」
「お前そのセリフ誰の受け売りだ?」
「公民の授業の日高が言ってた」
「あー……何か思い出した」
「いやまぁ、日高はどうでもいいんだよ。ウチは両替ってのは使う人に都合がよすぎると思うから、もう少しシステム変えた方がいいと思うんだよ」
「両替のシステム変えるってどういうことだ?」
「うーん、一定の確率で百円玉が少なく出て来るとか? その分が利益になるとか」
「何だその子どもじみた悪意に満ちてるロシアンルーレットは」
「でもその位しか方法ないもん。それくらいの見返りを両替機は求めていいと思うんだよ」
「無機物が何の因果で見返り求めてんだよ。そうなったとしたらさっき言った一定の確率引き当てたヤツ哀れ過ぎるだろ」
「いいじゃんゲーム性があって。ゲームセンターに置いたら一つの遊戯の筐体になれるんじゃね?」
「遊ぶ客にはデメリットしかねぇじゃねえか。二度と行かんわそんなゲーセン」
「じゃあ上田はこれまで通り両替機は何の見返りも無しで利用できていいと思うの? 本当に?」
「別にいいだろ、何で最後に念押してこっちに罪悪感押し付けようとしてんだよ。何でそれで出来ると思ったんだよ」
「いや、まさかそんな上田がみみっちいやつだったとはな。百円くらいいいじゃねえか」
「お前それ自分が同じ立場でも言えんのかよ?」
「当たり前だろ! ……はぁ、もういいや、昼飯買って来るわ」
「なんで俺が悪いみたいな感じで切り上げれるんだよコイツ……」
「おい上田! 聞いてくれよ!」
「何だよ、昼飯買って来たんだろ?」
「いやそうなんだけどさ、マジで話だけ聞いてくれよ。さっき学食でパン買って来たんだけどさ……」
「おう」
「そん時のつり銭が十円玉一枚足りなかったんだよ! 出も後ろギッチギチに並んでてさ、さすがにウチも何も言えなかったんだわ……つり銭くらいちゃんと耳揃えて出せっつーの……」
「何て言うか、お前本当にみみっちいな」