岩崎 花(♀):今作で何か常に文句言ってる人。中華まんを食べてヤケドをする確率は脅威の80%。それでも彼女は反省しない。
上田 進(♂):今作で岩崎の何の身にもならない話を延々と聞かされる可哀そうな人。今でこそ冷静な彼だが小学生時代は常に給食のデザート争奪戦の最前線にいた。
「こんなこと言いたくも無いんだけどさ……どうしても集団の中にいたら浮いちゃう奴いるよな?」
「お? 自己分析か?」
「だってさぁ、冷静に考えたら『ファッ?』てなるぜ?」
「俺は今のお前に『は?』ってなってるけどな」
「は?」
「人の言ったことを返すのはオウムだってできるぞ」
「るっせぇなぁ。とにかく聞いてくれって」
「分かった今から読書用の百科事典持って来るから待っててくれ」
「ウチさ、前々から思ってたんだけど」
「耳に歯でも詰まってんの?」
「何かさー、音楽でドレミってあるじゃん?」
「それがどうしたんだよ」
「……アレの『ファ』って明らかにそこに入るべきヤツじゃないと思うんだよ」
「今はその話をするべきじゃないと思うんだよ」
「今じゃなかったらいつこの話するんだよ?」
「まぁ何か密室に閉じ込められた時とか」
「オッケー今から教室のカギ全部掛けるから話聞け」
「やめろ」
「じゃあ話聞いてくれるな?」
「脅迫だけは手慣れてるよなお前」
「とにかくドレミの次の『ファ』が明らかに浮いてるって話をしたいんだよ」
「浮いてるって何がだよ」
「いやだってなんか違うじゃん。次のソとかラとかシはあれだけどさ、ファって何だよ。何で1.5文字になっちゃうんだよ」
「小さい文字の事0.5ってカウントするヤツ初めて見た」
「これってウチらの感覚で言えばさ、『いろはにほへと』のヤツで突然『ぞゅ』が出て来るみたいなもんじゃん?」
「おい待て今のどうやって発音した?」
「だから『ぞゅ』だって」
「急に未知の言葉作んな。てかどう文字起こしすんだそれ」
「だから『ぞ』にちいさい『ゆ』で……」
「何だそのこそばゆい言語」
「とにかくファだけ1.5文字だし気持ち悪いってことが言いたいんだってば」
「知らねぇよそんなこと言われたって」
「……もしかしてお前は気にしたことが無いの?」
「何であると思ったんだよ……てかアレだろ? そもそもドレミの音階って確かイタリア語か何かだし、俺らの感覚でどうこう言っても無駄だろ」
「じゃあ何でそのイタリアは今のウチらのことか考えてくれなかったの?」
「お前スゴイな。多分織田信長よりワンマンだぞ今の言葉」
「となると、どうやってイタリアに新しいの考えてもらうかって話になって来るな」
「来ねぇよ」
「……そう言えば日本って昔は『いろはにほへと』でドレミやってたよな?」
「ドレミやってるって何だよ、新しい薬か?」
「これなら1.5文字も出てこないしイイじゃん。使いやすいし」
「お前以外馴染まねぇよその道具」
「こうなると次にすべきは『いろはの歌』をつくるところからだな」
「いろは歌じゃねぇかそれ」
「違うって。あの『ドはドーナツのド』のやつの日本バージョンを作るんだよ」
「あっそがんばれよ」
「何か今までで一番気持ちが入ってない励まし貰った気がするんだけど」
「まぁ『キ』も『モ』も『チ』も音階に入ってないから」
「なんかすごい適当言ってない?」
「言ってない言ってない。んでお前の中の『い』は何の『い』にするんだよ」
「んー……ドーナツが四文字だから四文字の『い』で始まる言葉か……難しいな」
「嘘だと言ってくれよ信長様」
「……イタリア?」
「お後もよろしくねぇな信長」