岩崎 花(♀):タラバガニがヤドカリ科と知った際、本気で食用でヤドカリを集めようとした。
上田 進(♂):今作で岩崎の何の身にもならない話を延々と聞かされる可哀そうな人。エアコンの設定温度を勝手に25℃以下にされると目に見えて不機嫌になる。
「なぁ、折り入ってお前に一つ頼みがあんだけど」
「俺もお前の頼みを断りたいって頼みがあるんだけど」
「オッケー、分かった。お前ん家ってクマ飼える?」
「何を聞いてオッケーって返事したんだよ」
「んなことどうでもいいから」
「その『んなこと』が俺の十割だったんだけど」
「とにかくさ、お前ん家ってクマ飼えるかって聞いてんだよ」
「逆に聞くけどなんでイケると思ったんだよ。無理だっての」
「まぁそうだよな、一応聞いてみただけだから」
「何だテメェ」
「最近いっそうウチに対する当たり強くない? とりあえず最後まで話聞いてよ」
「何だよもう」
「いやウチはさ、いい加減クマを独り立ちさせたいんだよ」
「は? お前ん家クマ飼ってんの? 独り立ちって野生に帰すって話?」
「いや。ここまで一つも合ってない。ゼロ点」
「何で俺が恥ずかしいみたいになってんだよ。じゃあ何なんだよお前の言いたいこと。そもそもクマってどういう事だよ」
「だからクマはクマだって。ソイツが独り立ちできないから」
「俺リピートボタン押してないんだけど。そうじゃなくて新しい情報よこせよ」
「だからクマはクマだって——」
「次それ言ったらこれで指挟むからな」
「さすがにホッチキスは笑えないって……分かったって。書いて説明した方が分かりやすいと思うから(サラサラ)」
「は? いやクマは俺も分かるし別に描く必要はねぇよ」
「……これなんだけど」
「……人々?」
「違うって。ちゃんと右側に矢印つけてるだろ? 『々』の方」
「……ゴメンマジで何言ってんの? そう言う新興宗教? クマを祀るとか言うヤツ? クマって何なんだよ」
「だからクマはクマだ……ゴメン、今のでのホッチキスはナシな」
「分かったから説明しろ」
「だから『々』ってカタカナの『ク』と『マ』が合わさってるみたいじゃん? だからクマなんだよ」
「……お前それで『々』をクマってずっと言ってたの?」
「そうだけどなんか文句ある?」
「いや……文句はねぇけど、今俺が劣勢っぽい状況にあることへの不満はある。てか『クマ』ってより『ノマ』じゃねぇか」
「……いやでもここまで生きてきてこれを捻じ曲げるのは」
「いやもう別にどうでもいい。うん、お前ん中でクマだろうが何だろうが」
「じゃあクマで話するけど……どうにか独り立ちするまでクマ飼ってやれない?」
「……概念を?」
「いやもう概念だろうが何だろうがどうでもいいから」
「こっちからしたら大問題なんだけど。てか独り立ちってそもそも何だよ、文字の」
「だって『々』って『人々』とか『散々』とかみたいに何かしら漢字がついてやれないと一人じゃ生きていけないじゃん?」
「こいつら生き物だったの?」
「だから独り立ちするまでの期間だけでいいから、どうか頼まれてくれない?」
「だから何を頼まれろと」
「だからクマの独り立ちだって。独り立ちするまでちょっと名前に付かせてあげるくらいでいいからさ」
「名前にって何だよ」
「だからお前の場合『上田々』か『上々田』になるってこと? 何だそれ」
「お前もよく分かってねぇじゃねえか。とにかく無理だっつの」
「じゃあ誰が買って独り立ちするまで飼ってやれるんだよ」
「知るか」
「……もしかしたらウチのクラスの佐木なら収まりがいいから——」
「やめてやれよ」
(※一応の補足+必要もない登場人物紹介)
々=『ク』+『マ』
々=『ノ』+『マ』
事実『ノマ』の方が分かりやすい……と思われる
ウチのクラスの佐木(♀):今作で初めて名前が出て巻き込まれた人。彼女自身内気な性格のため、あの後岩崎に押されて困惑していたが、即座に上田の鉄拳制裁が入り、何とか事無きを得た。