岩崎 花(♀):今作で何か常に文句言ってる人。彼女曰く『アオリイカってのは水中で他の生き物を煽って泳ぐからアオリイカなんだよ』(?)
上田 進(♂):今作で岩崎の何の身にもならない話を延々と聞かされる可哀そうな人。前に座っている岩崎が居眠りしている際、どのタイミングで頭を机にぶつけるかが分かるようになってきた。
「おかしい……やっぱりおかしいんだよ上田。ウチはちゃんと昔の人の言葉に従って行動してるのに……何がいけないんだよ」
「そりゃ授業中に脳科学でも解明できないような寝言立ててりゃ怒られる以外の選択肢ないだろ。そもそも何だよ『公衆電話交換手になりたい』って。この時代に」
「そりゃウチの記憶のログにも通話履歴にもないから知らない。それよりウチはちゃんと昔の人の言いつけ守ってんだよ?」
「昔の人は授業中寝てて注意されるだけじゃ済まないと思うけどな。そもそも何だよ言いつけって」
「だって昔から寝てたらいい事あるって言うじゃん?」
「言葉は存在せずとも昔からTPOの概念くらいはあんだよ。んでどういう事だよ寝てたら——って」
「だって昔から言うじゃん。『果報は寝て待て』って」
「……それを授業中に?」
「そうだけど?」
「末恐ろしいなお前。暴君でも起きて目を開いて政治やってんだぞ」
「でも実際いい事なんかウチの力でどうすることもできないじゃん? だから案外この言葉って間違っては無いと思うんだよ」
「反省文書かされてるって状況でよくもそんなこと言えたな。少なくともこの世界線だけは避けれただろ」
「だって最近全然いいこと無いんだもん。だからどうにかしていい事が起きるようにしたいんだってば」
「ほんの数秒前『自分の力じゃどうにもできない』って言ってただろ。何でそんなゲームのバグ技みたいな方法で幸運引き起こそうとしてんだ」
「上上下下左右左右……」
「起きるかバカ。指先で方向キー表現しようとすんな。とにかく寝て待てっつっても限度ってもんがあんだろ限度が」
「じゃあ高望みはしないからウチが今こうやって寝てる間に近にいる誰かがこの反省文を終わらせてくれるって信じてるわ。それじゃお休みバイバイ」
「……確かハサミはこの辺りに入れてたっけ」
「あー! 目ぇ覚めたわマジで。うっしゃ張り切って反省文書くぞ」
「いい目覚め出来てよかったな。果報だ」
「最悪だよ阿呆」
「ちなみに何で急に目が覚めたんだ?」
「いやだってそりゃこの紙切られたら『懲りずにまたやったのか』って先生に言われるかもしれないじゃん」
「前科あったのかよ。いやまぁ別に……かみを切るとは言ってもその用紙は別に切るつもりは無かったんだけど」
「そうなの? じゃあまた寝るわ」
「千円カットが無料で受けれるって考えたら果報だろ?」
「あぁさっきよりも目が覚めたなぁぁ!」
「そりゃ俺にとってもいい知らせだな」