岩崎 花(♀):今作で何か常に文句言ってる人で先に喋る方。琵琶湖があるなら滋賀県は海があるといっても過言ではないと今でも思っている。
上田 進(♂):今作で岩崎の何の身にもならない話を延々と聞かされる可哀そうな人で先に喋らない方。割とキッチリしているように見えるが、PCには常にタブが2桁数残っていたりする。
「あーもうめっちゃ雨降ってるじゃん今日……テンション下がるわ」
「いつもその位で居てもいいんだけどな」
「いいの? 今の状態のウチ、普段では信じられないようなウザ絡みすると思うけど」
「普段ですら信じられないウザ絡みしてるんだぞお前は」
「まぁそれは知らないけど、ところで上田って空色ってどんな色のイメージ?」
「始まったよウザ絡み。答えないとダメな質問か?」
「答えるまで椅子の背で机ガンガンするの止めない程度には」
「まぁ空色っつったら水色とかそんなイメージだけど」
「なるほどなぁ……つまり今のお前にはこのクッソ雨が降ってる空が水色に見えるのか」
「指挟むぞ机と椅子で」
「逆ギレじゃん。ウチ何か変なこと言った?」
「どうしてお前は言うことの全てで人をイラつかせられんだよ。どこに売ってんだその才能」
「そんなつもりもないし何言ってるか分からんけど……欲しいの?」
「売るな陳列棚からしまえ。んなモン」
「とにかくウチは空色っていう言葉がおかしいと思うんだよね。今日みたいなクッソ雨降ってる状態じゃ空色は灰色じゃん?」
「よしんばそうだとしても別にいいだろ。その日の天気次第で言葉の意味変わるとか面倒臭すぎるし」
「そもそも今みたいじゃない時の空の色が水色っていうのももしかしたら違うんじゃないか?」
「だから突発的に哲学始めんな」
「うちらが水色だと思い込んでいたのも実は……空色という名の色なんじゃないか?」
「一応手元にある口を閉じれる道具にセロテープとホッチキスがあるんだが、どっちがいい?」
「それ片方綴じてんじゃん……そんな野蛮なこと言うお前にはきっとウチの言うことが理解出来ないんだろうなぁ……」
「なぁ」
「どうした?」
「お前の好きな漫画の趣味ってセンス無いよな」
「んだと殺すぞ」
「どっちが野蛮だよ。とにかく空色っつったら大体水色みたいなもんだろ」
「じゃあ今も?」
「今もだよ」
「でも必ずしもそうとは限らないじゃん。その時その時で変わっても不思議じゃないじゃん」
「それ言い出したらキリがないだろ」
「じゃあ逆に聞くけどさ、上田はずっと考えてることとか気分とかは同じなの?」
「そりゃその時その時で変わるけど——」
「だろ? ウチの言ってることは間違っては——」
「お前と話すときは大体打ち切られた漫画のこと考えてるよ」
「『ない』くらい言わせてくれよ、もう少しだったんだから……ちゃんと考えてくれよウチの話してること」
「何を考えろってんだよ。俺の意見は『空色は水色みたいなもの』でいいだろ」
「だから違うんだって」
「じゃあちゃんとこっちが納得できるような意見出してくれよ。空色=水色みたいな」
「納得できるような意見って言われても、お前が納得するかしないかはそっち次第じゃん」
「それを踏まえた上でだよ。ここまでハッキリ違うって言うんだったらあるんだよな?」
「そ、そりゃあるに決まってんじゃん——」
「じゃあ説明してくれ」
「だから、空色って、水色じゃなくて何というか……もっと空の色っていうか……」
「玉虫色の答弁しか出ねぇじゃん」