岩崎 花(♀):今作で何か常に文句言ってる人。『黙ればシャクヤク、喋ればラフレシア、普段の態度はウツボカズラ』と呼ばれるくらい、大人しくしていれば見てくれは良い。あと別に口が臭い訳では無いよ。
上田 進(♂):今作で岩崎の何の身にもならない話を延々と聞かされる可哀そうな人。うっすら抱いていた教師になりたいという夢を、前の席のとある女子に木端微塵にされたらしい。かわいそうだね。
「なぁ昨日の心霊特集の番組見た?」
「あー、夜やってたやつか。割とああいうのは好きだし見てたぞ」
「いや聞いたのは上田にじゃないんだけど」
「ん? あぁ、ちょうど後ろ誰か通ってたのか紛らわしいな」
「? まぁいいや。ってかああいうのが好きってお前幽霊フェチなのか? ひょっとしてお前守備範囲ヤバいな、ネクロフィリア超えてんだろ」
「何で怪奇を性の対象として見てる前提で話が進んでるんだ。そんな奴の方が幽霊とかよりよっぽど怖いだろ」
「またまた~、照れちゃって。まぁいいや」
「いや良くねぇよ! その前提で話進むのは俺にとって全然良くねぇよ。何でお前山積みになった問題を全部『まぁいいや』の五文字で終わらそうとするんだよ」
「だってどうでもいいし。それでさ、ああいう番組見てたらウチの学校の七不思議のこととか考えちゃって」
「あー、まぁ確かに学校には怪談とかはつきものだな、あと断言しておくが俺は幽霊をそう言う風に見てないからな」
「照れ隠しが鬱陶しいな、まぁいいやそういうことにしとくか。そんでウチなりに調べたんだけどどうやらうちの学校にもそういう幽霊の話あるっぽいんだよね。ウチ自身は見たことないけど」
「確かにお前そういうの好きそうだな、いつも実体のない話ばっかしてるし観察対象が実体のないものとなれば惹かれるんだろうな」
「もしかしてウチ今バカにされた?」
「してないしてない。お前の気のせい」
「まぁならいいんだけど。それでウチの見つけた幽霊の話なんだけどさ、ウチの学校調理部ってあるじゃん?」
「ああ、あるな」
「そこの部室に髪の長い女の幽霊が出るんだってさ」
「まぁ水回りもあるしそういう話に繋がりそうではあるが……何かありがちな話だな」
「でもウチが気になったのは、最近その幽霊が全く現れてないってことなんだよね、それまではちょくちょく幽霊が出てるって話だったらしいんだけど。普通頻繁に幽霊って出ないじゃん? その辺り珍しい話だと思うんだ」
「……それ幽霊部員だろ。ただ部活に来てない部員の話だろ」
「あとウチが気になるのは、新聞部にも同じように髪の長い女の幽霊が出るって話なんだよね」
「調理部の話終わったのかよ。んで今度は新聞部か、むしろそこが話題作りのためにデマ飛ばしてんじゃないのか?」
「その幽霊は部長に憑りついてるって噂があってさ、基本的にあそこの新聞って部長がメインになって刷ってるらしいんだけど、そいつが憑依してか前より好評になったんだって、もしかしたら何か幽霊が知恵与えたとか? ちょっとメルヘンじゃね?」
「……それ幽霊じゃなくてゴーストライターだろ。何でお前は幽霊ってのをそんな履き違えて結果を出すんだ……ってかどっちも髪の長い女って調理部の部員が新聞部の方に移っただけだろ、んなことで七不思議みたいな話産まれてんのかよアホらし」
「へぇ、そう? でもやっぱウチは幽霊だと思うけどな~、そう思わない?」
「だから俺はそうは思わんって言ってんだろ」
「だから言ってんのお前にじゃねぇよ!」
「じゃあ誰に聞いてんだよさっきから! 俺の席一番前だしさっきに関しちゃ誰も後ろとか通ってなかっただろ?」
「いや、さっきからウチはずーっとお前の後ろにいる女子に聞いてんだけど。そこの髪の長いの」