狩人と舞う白銀の翼   作:睦月透火

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やや強引な設定が見え隠れするけど、息抜きついでに書きたくなったのでw

こんなモンハンがあっても良いんじゃないかなぁ?


序章:冥府の灯火、再誕
誕生


 ……私が「転生」したのは間違いない……前世の記憶は無いけど、認識がヒトと同じだという事はすぐに判った。

 

 今、私は最初に私を見付けた男の人の腕に抱かれて、薄暗い洞窟の中に流れている川を渡っている……私はたぶん、ヒトとは違う生物に生まれ変わったのだろう。

 私を見る彼の眼は、ヒトの子を見るその眼とは明らかに違う眼だから……しばらくして、彼は人外の生物である私を外へ連れ出す事にした様だ……だが私は、それまで物凄く困った顔をしていたのが非常に気になっていた。

 

 生まれたばかりの()が、一体何をしたと言うのだろうか……?

 

──────────

 

 ……最初に見たのは、逆さまになった世界と……1人の男の人だった。

 彼は最初、物凄く驚いていた……何に驚いたのか、私にはサッパリ理解できなかったが。

 

「……まさか、こんな事が……信じられない……!」

 

 生まれたばかりの身体は、上手く力を込める事も出来ずにズルッと何かから抜け落ち……硬い地面へ私は投げ出されてしまう……痛くもなんとも無かったけど。

 しばらくもがいてると、ようやく全身に力を込められる様になり、ゆっくりと立ち上が……れなかった。

 というか、ハイハイ状態が精一杯で上手く立ち上がれない……逆さまだった視界は元に戻ったけど、目線は低いまま……やがて、徐々に近付いて来た彼の足元だけしか見えなくなり、その後少し間が空いて……唐突に抱き上げられた。

 

「……思ったより、小さいな……」

 

 うん、私もそう思ったよ……だって私の両手(?)が届く距離の彼の顔は大きいんだもん。

 サイズ差からすると、今の私は抱き抱えるタイプの巨大なぬいぐるみ程度しかないと思う……ふと、改めて自分の姿が気になって自分の身体を隅々まで見回す……

 

 わりと長い尻尾と大きめの翼……あぁ、やっぱり人外なのね今の私。

 それに、細身で指が長い両手……いや、この場合は前足だろう……鱗や甲殻というよりは、細かい鱗が重なり合って、逆に滑らかでスーツの様な仕上がりの皮膚(?)を纏っている……自分で触って見たところ、頭から後ろ向きに生えた角もある……

 

 抱き抱えられた事で何となく安心感を感じたのか、まだ上手く身体を動かせないからか……私はそれまでの思考も置き去りにして、彼に抱かれたまま眠ってしまった。

 

──────────

 

「……さて、コイツをどう説明するべきか……」

 

「そんなもん見たまま、ありのままで良いだろう?」

 

 そう言った彼と違う別の人の一言が聞こえた時、その気配と声にビックリして私は鳴き声を上げた。

 自分で鳴いておいて何だか可愛い、と思ったのは内緒である……

 

「おっと、起きた様だぜ?」

 

「起こした、の間違いだろう……だが、ちょうど良い……」

 

 ビックリ覚醒した私を再び彼が持ち上げ、小舟の操舵をしていたもう一人の強面の男の前に差し出される。

 恐怖は感じないが、何となく近寄り難い……立派に髪の毛と繋がっているアゴヒゲと、ワイルドな顔立ちの中年オヤジそのものの様な男の人だ。

 

「……ふぅむ、見た目はあの時の奴にそっくりだ……小さい以外はな?」

 

 どうやら、私の同族を前に見た事があるらしい……しかし、ちっちゃいと改めて言われると少し傷つくなぁ……

 不満だと言わんばかりの鳴き声が私の喉を鳴らす……おっと、感情が直で出てしまった

 その声にガハハとヒゲオヤジは笑い出し、抱いていた彼もフフフ、と堪えきれなかった。

 そのリアクションに私は不満度を上げ、ヒゲオヤジを引っ掻こうと前足を伸ばす……その動作に「おぉっと、こりゃ機嫌を損ねちまったか」と笑いながらヒゲオヤジは小舟の操舵に戻った。

 

 まったく……いくら私が人外でも、ちゃんと感情はあるんだからね

 

──────────

 

 彼らと共に、結晶の洞窟から出た私の眼に写ったのは……どこか見覚えのあったり無かったりする多種多様な生物たちが生きる世界だった。

 

「外のウラガンキン共には、まだ気付かれてねぇ……今の内にキャンプまで移動しよう、()()()()があっちに渡る前で良かったぜ……」

 

「そうだな……できるだけ急いで戻るとしよう」

 

──────────

 

 新大陸……この中では常識を覆す程の様々な生態を持つ生物達や、滅多に見られない古龍種すらも数多く見かけられている……そして以前にはゾラ・マグダラオスなる巨龍が、龍脈の地でその生涯を閉じようと現れたが、その影響はこの島全体を地獄に変える程の被害をもたらす為、島を拠点とする調査団に属する5期団ハンター等の活躍によって進行ルートを変えさせ、島の被害を見事に回避できた……

 だが、その後も数々の古龍出現を始めとした異常現象は収まらず、古龍を喰らう古龍「ネルギガンテ」や、龍脈の収束地で生まれし龍「ゼノ・ジーヴァ」など、異常現象は多発していく……

 しかしそれも、5期団のあるハンターによって調査と解決に成功し、新たに見つかった「渡りの凍て地」へとその足を伸ばす直前……龍人のハンターによって発見された難題が、調査団の手に委ねられるのであった……

 

──────────

 

「うぅむ、コレは……」

 

「……どう思う? さすがに放置は出来なくてな」

 

「まさかこのサイズが……」

 

  彼に抱かれたまま連れて来られたのは、人がたくさん居る場所……この雰囲気って、村って感じだよね……何かの拠点的な雰囲気はあるけど、そのほとんどが野晒しって……何か意味あるのかな?

 

「とにかく、コイツが奴と同種である事は間違いねぇ……妙に人慣れしている様だが」

 

「とても興味深いですねぇ……古龍種は基本的に人に対して強い敵愾心を示すものですが……

 この個体は人に対してさほど嫌悪もなく、時折興味すら示しています……突然変異なのか、単なる好奇心なのか……」

 

「……これ程まで間近で古龍を見るなんて、研究者にとっては奇跡と同じ価値がある……総司令の許可が出るなら、隅々まで調べ尽くしたいのぅ」

 

 研究者の老龍人の言葉に、苦い顔をする一同……

 どんなサイズとはいえ、相手は古龍……どんな事で機嫌を損ね、人に危害を加えるか……そんな事は想像したくもない

 しかし、当の本人(龍)は急遽片付けられた会議用の大テーブルの上で呑気に欠伸をしていた……するとそこに1人の狩人がやって来る

 

「爺ちゃん、アステラが何かヤバいとか聞いて来たんだ……が、何なんだ?

 ……ん? コイツ、子供の竜か?」

 

 総司令を爺ちゃんと呼ぶ彼は調査班のリーダー……彼はここアステラで産まれたハンターだ

 総司令の孫として新入りのハンターや若い研究者達を率い、新大陸の北に新たに建設された拠点「セリエナ」を預かり活動している……だが、アステラから異常事態の報せを聞き、居ても立っても居られず飛んで来たのだ

 

「聞いて驚くなよ、コイツは古龍……大団長や5期団の彼と闘った、あのゼノ・ジーヴァの幼体だ」

 

「ゼノ・ジーヴァ……!」

 

 驚愕を隠しきれない調査班リーダー、彼はゼノ・ジーヴァを見た事は無かったものの、直接死闘を演じた5期団推薦組のハンターや大団長の話を聞いていた為、その強さや恐ろしさはある程度の予測を建てていた……だが、目の前のテーブルに居座る同種は、その恐怖はおろか古龍本来の威圧感も、威厳の欠片も無い……首をもたげ、時折眠そうに欠伸をし、周囲の喧騒にたまに反応するだけ……

 

「……ゼノ・ジーヴァは新種の古龍だ、生態の一切が謎に包まれている以上、下手に手出しはできん……とは言え、当のコイツ自身がこの有り様だからな……」

 

 総司令の言葉に、苦い笑い顔を禁じ得ない一同……

 当のゼノ・ジーヴァ幼体こと私は、全員からの視線に疑問符を浮かべるのであった。

 

──────────

 

 あれから数日が経ち、私は調査拠点であるアステラのすぐ側にある古代樹の森で過ごしている

 日中は専ら海岸近くで日向ぼっこをしながら、時々来る研究者の相手をしたり、興味本位で覗きに来るハンター達の視線を独り占めしていた

 ……? 近くにドスジャグラスが居るでしょって? 彼らは私にぜぇったい近付かないんです……私は普通にオトモダチにでもなりたいのに、何を思ったか私が近付く度に住処を移動させていき、遂にはこの地域から出ていく始末……(´・ω・)ショボーン

 

「……居ました、彼処です!」

 

 遠目から聞こえてくる声……底抜けに明るそうな女性特有の高めの声色が響く

 足音と共に来たのは、一組の男女だった。

 

「……古龍ゼノ・ジーヴァ、再び出逢う事になるとはな」

 

 女性の方は分厚い書物を小脇に抱えながら私を観察し、1人で唸ったり書物を手に書き込んだりしている

 一方の男性は隙の無い気配を発しながらも、片割れの女性の行動にやや呆れ顔であった

 

(……この人達、今までの人と違う……)

 

 私は素振りこそいつも通りのまま、誰よりも強者たる雰囲気を出す男をじっと見つめる

 

「ニャ、ご主人の事をじっと見てるニャ……」

 

 視線に割って入る猫……アイルー、だったっけ……彼らは狩りの協力者として、人類と深い関わりがあるらしい

 私は人間からすれば脅威となる古龍らしいけど、私個人としては人間とは仲良くなりたい……私は、彼らアイルー達を見習う事で同様の立場を得られるのではないかと考えた

 ならば、彼らとコミュニケーションを図るのが第一段階かな?

 

『……不快なら謝る、私……見るもの全てが初めてだから』

 

「ニャ?! オマエ、話せるのかニャ!?」

 

『貴方達の言葉は理解できてるわ……』

 

「ご、ご主人!! コイツ、言葉が判るのニャ!!」

 

「「何だ(です)って?!」」

 

 アイルーの報告に驚く男女……どうやら、古龍とは今までコミュニケーションすら出来た試しすらなかった様だ……そりゃ驚きますよね

 

──────────

 

 で、また私は人だかりの中心になった訳ですが……

 

「アイルー達だけとはいえ、相互に会話が成立するとはな……」

 

「5期団所属のオトモによれば、我々の言葉自体は認識出来ているとの事……簡単な指示なら、機嫌を損ねない範囲で聞き入れて貰えるかもしれません」

 

「古龍との直接コミュニケーションが可能になれば、我々の調査の難易度もグッと下がる

 ……それ処か、今まで謎だった生態の解明に兆しが見える……こりゃあ大事じゃな」

 

 私が人の言葉を発する事は出来ないが、私の言葉はアイルー達には届く様だ……

 ちなみに私は人間の言葉はちゃんと理解している、何となくだけど価値観や感覚は人間のソレに近かったからね……他の個体がどうなのかは知らないけど。

 

「兎も角、この個体は我々の言葉が理解できる……ならば言葉は謹まんとな?」

 

 総司令のおじさんは、私の言語理解能力を気にして誤解や不快感を与えない様に言語統制を敷くらしい……価値観の相違があるならまぁ当然だけど、価値観ほぼ一緒だからなぁ……

 個人的には友達感覚でフランクに話して欲しいかなぁ

 

──────────

 

「オマエ、普通の古龍とは何か違うのニャ」

 

『……私には、古龍の常識の方が判らないわ……現に私は、アナタ達への嫌悪感なんて感じてないもの』

 

「そうなのかニャ?」

 

『……種族的価値観、と言うのかしら? 私には、アナタ達の価値観の方が好ましく思うのよ』

 

「じゃあ、ボクとオトモダチになってくれるかニャ?」

 

『そうね、私が何の役に立つのかは判らないけど……アナタ達とは、良い付き合いが出来そうですもの』

 

 大雑把な意識誘導みたいな手順を踏みながら、私はヒトと共に暮らすアイルーとオトモダチになった……私にとっては初めてのオトモダチ……名前はタマ、と言うらしい

 

 猫(アイルー)だから? 安直過ぎて私は必死に笑いを堪えた。

 

「……予想以上に上手く行ったな……いや、この個体がそうしたかったとでも言うのか……」

 

「何にせよ、これでも我々と敵対する意思はない事も証明できた……次はコミュニケーションを深め、謎の解明にも移りたい所ですな」

 

 老龍人の研究者は期待に目を輝かせている……が、私には古龍の常識とやらはほとんど分からない……まだ私は、産まれてまだ日が浅いしね

 

「……なぁ、コミュニケーションを取るのは良いんだが……コイツの名前は、どうする?」

 

 どうやら次の難題は、彼らの人間性と良識を試すモノらしい……




とりあえずここまでです。(´・ω・)

ただの妄想ストーリーですが、反響によっては加筆修正や連載も考えますので
感想よろしくお願い致します。m(_ _)m

【急募・方針】幼体ゼノ・ジーヴァ(オリ主)の名前は……?

  • 安直な奴を著者が決める(絶対やりたくない
  • 3話のアンケで候補くらいは出してよ?
  • 感想にて募集(なお決定次第、3話書いてね
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