瘴気の谷の最深部、テトルーを追ってレクスを発見したけど……
彼の側にはなんとあの「ヴァルハザク」が……?!
瘴気の谷最深部……龍脈のエネルギーが満ちる地の奥底で、
少し前に古代樹の森に姿を表した、あの時のヴァルハザクだった。
『……どういう意味ですか? 手を出させてないとは……そもそも、アナタは誰にそんな指示を……?』
通常種のヴァルハザクに関する情報は既に閲覧済みなので、ほぼ知らない事は無いのだが……今、目の前に居るこの古龍……ヴァルハザクではあるのだが、何か雰囲気が全然違う。
全身を覆い隠す腐肉が少ない上、なんか全体的に白っぽい……「
『……アナタは……何者なのですか……?』
自分の中でも結論は出ていない……マサトさんもこの古龍とは初対面らしく、うんうん唸って頭を捻っていた。
『……ボク? ヴァルハザクだよ……?』
ようやくその一言で合点がいった。
どうして通常種だとばかり考えていたのだろうか……一部の大型モンスターや古龍には、アレが居るではないか。
そう、通常種とは一線を画す、特殊個体が存在する事を。
『……特殊個体の、ヴァルハザク……』
独り言の様にそう呟くと、検索結果0となっていた「
《この古龍の特徴は「瘴気の谷」だけでなく、「古代樹の森」の環境にも適応し、特殊な菌類との共生関係を構築……その体表に育つ菌類は胞子を利用して他種の
いくら利害が一致している相手とはいえ……菌類と共生している事や、彼等と連携して共闘するというのは凄まじい能力である。
『……無事でよかった……レクス……っ……』
しかし、私にはヴァルハザクの事などどうでも良かった……レクスが無事だった、それだけが気がかりだったから。
だが、同行していたレオンさん達はそうではない……目の前の脅威に警戒を怠らず「レクスを連れて戻れ」と私を呼んでいた。
『……キミの探し人だったんだね、それなら良かった』
状況を知ってか知らずか、呑気にそんな事を言う白いヴァルハザク……彼も人間に対して悪意を持たず、むしろ興味を持っている様だった。
『大丈夫です、レオンさん……彼は、私達に敵意を持ってません』
私の言葉に半信半疑なレオンさんでしたが、マサトさんが警戒を解いた事でミラルダさん達も武器を降ろしたのに驚いていた。
私はレクスを両腕で抱き抱え、駆け寄ってきたクリスに介抱を任せてから改めてヴァルハザクの姿を見やる。
『……ココで生きているモノは少ないの……だから、その人が上から落ちてきた時は本当に嬉しかったよ……でも、ココは外の生き物には向いてない……もし、ココで死んだら、空っぽの身体だけで動く
『空っぽの身体……
『あの時のゾンビ達の事だろうね……となると、さっきのは彼の力じゃない……という事かな?』
マサトさんが何か独りで納得してる……ゾンビ? アレ? 後でちゃんと教えてよ……
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『……レクスの様子は……?』
「大丈夫です……幸いにも大きな怪我は無いですし、体力こそ消耗してますが命に別状はありません……驚きですが、本当にあの古龍が彼を保護してくれていたんですね……」
クリスの言葉に、みんなの安堵の息が漏れる。
死を司るとまで言われるヴァルハザクが、
『本当に、ありがとうございました……彼を守ってくれて……』
『……うん……そう言ってくれたのは、キミが始めてだよ……少し前に、お外の生き物と会った時は怖がられただけで終わったから……』
『……少し前? 君は前にも、人間と会った事があるのかい?』
マサトさんの問い掛けに、目を細め……ゆっくりと頷くヴァルハザク……
『あの時は2人……少し衰えた感じの生き物だった……その2人は、
ヴァルハザクの言葉に、複雑な心境に包まれる一同……状況的に、彼の言葉を聞き入れる余裕が無かったとはいえ……もし聞き入れていたら、と希望的観測を禁じ得ない。
『……そうだったのか……。
ところで、キミの
『……? ヴァルハザクだよ?』
ふと沸いた疑問をマサトさんに問い掛けられ、彼は先程と同様にヴァルハザクと答える……困った事に、彼は自分の種族名と
「……う~ん、この子……精神的に、まだ幼い気がします……受け答えが何処か、子供っぽさがありますし……言葉選びも、単純な感じがして」
クリスの言葉に、更にマサトさんは幾つか質問をし……彼はこう答えてくれた。
『……ん、ココはボクのお家……あっちはお庭で、赤い子はたまに噛み付いて来るけど、みんなが助けてくれるの……
お外の森は明るくて好きだけど、ちょっと前に出た時は寒かったから……
お外に近い道の所に居る、あの黒いのは嫌い……でも、あの小さい子達は、可愛くて好き……さっきも「助けて」って言ったから……「めっ!」ってしたの』
聞いた内容は、順番に……この場所の事、オドガロンの事、森に来た理由、ギルオスの事……そして最後のは、テトルーの事だ。
言葉選びは確かにまだ子供みたいだ……図体や年齢と、古龍の精神年齢は比例しないのか……
『う~ん、精神年齢はともかく……こうやってコミュニケーションが出来るのに、名前が無いのは不便だね……』
マサトさんの意見は尤もだ……彼の事を他人に知らせる為にも、他のヴァルハザクと混同しない様な「固有名称」が必要だ。
ミラルダさんが「それなら、私達で付けましょ? この子に
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「……大丈夫ですよシオン、レクスは私達の知る『最高のハンター』ですから」
『……そうですね……』
デュークさんとレオンさんは「勘弁してくれ」とレクスを運ぶ準備に取り掛かっており、マサトさんとミラルダさん達……そしてクリスと私もレクスを彼らに任せ、名付け合戦に参加した。
一頻り全員が、彼に相応しい名前を付けようと意見を出し合うが……なかなか納得の行く名前は出てこない。
「……なかなか出て来ませんねぇ……良さそうな名前」
『私はもう出し尽くした気がするよ……シオンは?』
『……う~ん……、命……終点……冥府……災害……』
「……? シオンちゃん?」
アミラさんが私の顔を覗き込んで来る……ブツブツとヴァルハザクとこの谷のイメージを言葉にしていき、私は
『……ネメシス……』
『……え"っ?!』
『……何というか、一番しっくり来るので……』
「……良いですね、その響き」
しっくり来る……という私のイメージを伝えると、クリスがこの名前を良い響きだと評し、ミラルダさん達も「うんうん」と良さそうな印象……ただ、マサトさんだけは如何にも「驚愕」という表情で固まっていた。
『……なぁに?』
『アナタの名前よ、今日からアナタの事を「ネメシス」って呼ぶ事にしたの……「ヴァルハザク」っていうのは、アナタの
『……そうだったんだ……じゃあ、ボクの名前はネメシス……?』
『……そうだよ……もう良いや、それで』
彼の勘違いを訂正しつつ名前を覚えさせる……マサトさんは何故か呆れたような諦めた様な、微妙な雰囲気を出していたけど……彼は素直に自分の名前を受け入れてくれた。
『ボク、ネメシス……ボクの名前はネメシスだよ……ネメシス、それがボクの名前……』
覚えたての単語を反芻するように、自分の名前を自己紹介風に連呼してるネメシス君……生まれとしては私の方が幼いけど、精神年齢は私の方が上だから君付けでも良いよね?
名付けが終わるのとほぼ同じタイミングでレクスの輸送準備も整い、後はこの谷を出るだけ……となったのだが……
『……その人を連れて出るのは……多分ムリだよ……あの空っぽの身体、ボク以外の生き物は必ず襲ってたから……』
……ちょっと待って……マジで忘れてたわ。
というか、さっき私達もキッチリ襲われたでしょ……何で頭からすっぽ抜けてるのよ……
瘴気の谷の頂点、死を纏うヴァルハザクとの邂逅。
見た目は凄まじくヤバいけど、中身は物凄く良い子ですよネメシス君……
人間……というか外の生き物自体に興味津々みたい。
レクスは無事だったけど消耗してて起きれない……
しかし、搬送しようにも上には何故かゾンビがウヨウヨ……
どうなる次回……?
あ、来年も良いお年を……(´▽`;)ゞ
次回、あなたが求める○イオハ○ード度(レベル)は……?
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15%(フレーバー的な感じ)
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35%(そこそこ似てる感じ)
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50%(ほどほどに合わせて)
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90%(公式コラボと同等で)
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こうなったら天元突破ダァ!