まだまだ私側の進行が超絶的に遅いので、2人目のリン・オルタナティブさんとのコラボを一時的に閑話として展開させて頂くことにしています。
進行が追い付けば、正式に本編内へ組み入れますので
それまでは「先読み閑話」としてお楽しみください!
閑話:奇しき赫星との遭遇
アステラの周囲を囲む古代樹の森に、怒りに燃える獣竜種の咆哮と……およそ生物の出す音とは思えない様な、奇妙な咆哮が木霊する。
私はいつものように森で日光浴をしながら、海岸へ釣りに出るハンター達を眺めたり、付近を散策するテトルー達と時々会話をしながらのんびりと過ごすつもりだった。
古龍研究者の1人から「古代樹の森に、赤い彗星が森に墜落した!」と聞いた。
普通は彗星なんて物が落ちたのなら、この一帯は消し飛んでしまっている筈だ。
だが詳しく話を聞くと、その彗星は普通では有り得ない高度を飛び、常識では考えられない軌道を描いて落ちたという……
……それはもしかすると、古龍なのかもしれない。
私もこれまでに様々な古龍と出会い、戦い、話し、経験を重ねた……彼らはそれぞれが特異な
水と電気を操る「
これまでの体験から、常識外の現象を発するその多くは「古龍」に由来する出来事が多かった……ならば、今回の
研究者はその推論を元に、過去の文献にヒントが無いか探すと話して去る……
その直後に響いたのが、冒頭の表現でしか表せない音だ。
声に反応した私を止めるべく、レクスが声を掛けた事には気付いたが……奇妙な感覚と好奇心には抗えず、私は古代樹の森へと飛翔した……それがまさか、こんな事になるなんてね……
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見つけたのは奇妙な感覚のするオーラを身に纏ったアンジャナフと……私と同じ銀色の身体をした、初めて見る生き物……
……いや、最初は生き物と思うには歪過ぎると感じた存在だった。
全身を銀色の甲殻が覆い、およそ翼とは思えない……あるはずの翼膜が一切見当たらない、奇妙過ぎる1対の翼……いや、あれを正確に言うのなら「翼脚」かな?
その翼脚はまるで人間の腕みたいに自由に動き、後方を向いていた部分が前を向き……6発の赤いエネルギー弾を発射してアンジャナフを攻撃している……それが可能な構造をしているのだろう、物凄く奇妙な翼(?)よね。
(うーん、これは……どっちに味方すれば良いのでしょうか……?)
いつもと違うアンジャナフ君と、見たこともない銀色の龍……どちらに加勢するべきか迷った私は、ひとまず静観する事しか出来なかった。
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意外な事に、アンジャナフの方が優勢に出た為……私は未知の龍の方に加勢しようと「ブレス攻撃」のエネルギーチャージを開始……今までの経験から、私の
その威力は最早「生物の攻撃とは思えないものだ」と言われている為、余程の事が無ければ防がれる心配もない。
アンジャナフへ当てるくらいならもう慣れきっているので、この距離で外す……なんてヘマもしないし、まずは威力を抑えた牽制で、アンジャナフ君には火傷ダメージで撤退して貰おう。
偵察から強襲へと作戦を変更し、高度を落としつつ軽めにチャージしたブレスをアンジャナフに向かって放つ。
上空から断続的に放たれた熱線は、アンジャナフの身体に吸い込まれる様に命中し、容赦なくその皮を焼き焦がす……
銀色の龍は突然の横槍に少しだけ呆然としたが、私が『援護します』と言ったのが伝わったのか、コクリと頷いた……聞こえるけど喋れない……最初の頃のマサトさんと同じタイプなのかな?
だが、それは違っていた……アンジャナフは火傷のダメージを負った事で撤退すると私は踏んでいたが、奇妙なオーラが膨れ上がり、怒りの感情が遠くからでも分かる程に怒りの咆哮を上げた。
その時だ……
『さっきの熱線、それで
……パイセン? それはアンジャナフの事だろうか? 凄まじく疑問に思ったが、彼が意思疎通出来る「古龍」である事は分かった。
彼の口ぶりから、なにか作戦があるのだろう……私は『それなら任せてください』と返事を伝え、高度を再び上げてブレスをチャージする……銀色の龍は軽やかなステップでアンジャナフの突進を避け、アンジャナフが彼の方へ向き直ったタイミングで咆哮した。
あんな独特の甲高い咆哮は産まれて初めて聞いた……だが、タイミングと位置関係、距離を見た私の頭は彼の意図をしっかりと認識し、ブレスを弾丸状にしてアンジャナフの足元へ数発ほど撃ち込む。
込められたエネルギーは小規模ながら大地を吹き飛ばし、地脈エネルギーの流れが一時的に乱れてアンジャナフを容赦なく襲い……周囲もろとも爆散させる。
僅かとはいえ……抉れた地面に足を取られてバランスを失ったアンジャナフは盛大にすっ転び、銀の龍の眼前で無防備な姿を晒す。
『喰らいなッ!
若干中二病的な雰囲気のする名と共に、銀の龍から紅い閃光が放たれる。
それは瞬く間にアンジャナフの身体を包み込み、その生命エネルギーを容赦なく根刮ぎ掻っ攫っていく……
その威力もさる事ながら、私が紅い閃光から感じたのは……言い表せない奇妙なエネルギーの流れであった。
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全てが収まり、倒れ伏すアンジャナフだった
もう生命の鼓動も、血と一緒に流れ出るエネルギーすらも全く感じられない……まるで、あの紅い閃光が根刮ぎアンジャナフからエネルギーを奪い去ったかの様だった。
『……倒した、のですか?』
『そう……だな。獰猛化の証拠も消えてるし、問題はないハズ……』
獰猛化……またしても奇妙な単語だ。
そして私よりも大きい、この奇妙過ぎる存在……たぶん古龍だと思われる彼。
その彼に色々と質問を投げかけて、この溢れ出る疑問の渦を解消したかったのだが……レクス達の到着によってその機会はしばらくお預けとなってしまったのであった。
少し短めですが、先方と内容を合わせる為なのでご容赦を。
なお、便宜上本小説の中でシオンが「龍気」と呼んでいるものと
バルファルクが操る「龍氣」は完全に別物であり、
シオンの言う「龍気」とは、モンスターがそれぞれに保有している生命エネルギーの総称……言ってしまえば「地脈エネルギー」の一部と言っても良いものです。
さて、この後……未知の存在に出会ったシオン達。
新大陸調査団の前に突如として現れた、この銀色の龍の正体とは……?