狩人と舞う白銀の翼   作:睦月透火

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YouTubeにモンスターハンターワールド:アイスボーン出演モンスターのサイズ比べ動画が挙がってました。

いやぁ、デカ過ぎですよ……ゾラ・マグダラオス。
活火山がそのまま動いてる様なモンですしね……

さて、今回は少し考察とか混ぜながら
この物語の核心部分に迫るお話です。


接触

 渡りの凍て地での雪崩騒動から数日後……私達は今、龍結晶の地に居ます。

 

『……此処が、私の産まれた地……ですか』

 

「ああ、この地の最深部……龍脈の集束地で、私はお前を見つけたのだ」

 

 私の第一発見者である龍人族のハンター……デュークさんの案内で、私はレクスとクリス、そして大団長と共に、「私の産まれた地を見たい」という願いを叶えて貰っているのである。

 

「……いつ来ても、ここの雰囲気は慣れません……」

 

「ああ、常に誰かに見られている……そんな気がするな」

 

 レクスとクリスは何度かここに来た事がある模様……いや、当然か……私の同族と遭遇し、本能のままに暴れるソレを放置できず、討伐するしかなかったのだから。

 

「……シオン? どうした?」

 

『………………』

 

 レクスの言は正しい気がする……私にも感じるのだ、そこかしこから私達に向けられた「誰かの視線」を。

 

「シオン?」

 

 この地に来るまでの道中は、ほぼ火山地帯の様なものなの……そんな極限環境を通過して此処に住み着く変わり者など、居ないハズ……此処には食べ物も無く、植物すらも生えてない……あるのは凄まじい程の密度でエネルギーを蓄えた『龍結晶』が露出した壁面や床があるだけ。

 

「……オン、……シオン!」

 

『……?! えっ? な、何ですか……?』

 

「んもぅ……呼び掛けても返事が無いから、ビックリしたわよ?」

 

『……スミマセン、色々と気になってしまって』

 

 思考を誤魔化し、私はレクス達と再び歩きだす……

 生物の気配すらないこの地の奥底で、私という種(ゼノ・ジーヴァ)が産まれた……種族の成り立ちすら生物の概念を超えたこの種族(私という存在)の秘密を解き明かすには、この調査は外せない……何かしらの手掛かり、その欠片でも良い……ある種の強迫観念に苛まれた私は、総司令へと直談判し、今回の調査を取り付けさせたのである。

 

「……ココだ、此処から川の流れに沿って、船で行く」

 

『深さは意外とありますね、私は後ろから泳いで行きましょうか……』

 

 川の上はそれほど開けてないので、私は小舟の後を泳いで付いていく……

 設置されたベースキャンプの側にある小川……というか、龍結晶の隙間に流れ込んだ地下水の流れに沿って、更に奥地……深奥部へと進む。

 

──────────

 

 どれ程進んだだろう……辿り着いた場所は四方を土壁と龍結晶に覆われた、巨大な空間……

 ココは下層らしく、見上げると更に上の層……そして遥か上方から外の光も差し込んでいた。

 

「……また、ココに来る事になるとはなぁ……今度はコイツと一緒によぉ?」

 

 大団長の言葉に、僅かに顔を歪めるレクス……

 それもそうか、此処で彼は以前に……私の同族(ゼノ・ジーヴァ)と死闘を繰り広げ、討伐したのだから。

 

 確かに彼には、思う所があるのだろう……でも、当の同族である私には、何の感傷も湧かなかった……龍としてはそれで正しいのかもしれないが、私には……それが逆に哀しく思えてしまった。

 

「シオン……()いてるの?」

 

 何となく察したのだろう、クリスが私の雰囲気を感じ取り、私の顎などに触れてくる……

 本当はそっとしておいて欲しかったのだが、触れられた途端に感情が抑えきれなくなり……私は自らクリスの手に頭を押し付けながらその場に座り込んだ。

 

「……落ち着いたら、調査を始めよう」

 

 デュークさんの声も、何となく哀しみに揺れている気がした。

 

 

 しばらく撫で回されて、ようやく私の心も落ち着いたので調査を開始……

 前回は討伐任務だったのでろくな実地調査も出来ず、デュークさんは単身で調査をしようと来た所で私を拾ったらしい……なので本当にこの地帯の本格的な実地調査は、今回が初となる。

 

「床も壁も、そのほとんどが龍結晶だな……」

 

「あぁ、そして耐熱強度だけは異常だぜ……なんせコイツ(シオン)のブレスを何度も浴びた部分でも、僅かに溶けていた程度だ」

 

 大きく中空に突き出た部分は、スリンガーで石ころを当てただけで落下してくるものの……実験と称してぶっ放した私のブレス攻撃を受けても……ある程度赤熱化しただけで、ほとんど破損らしい破損をしなかった。

 

『……龍脈の流れは、確かにあの()の所へも流れています……今は、()()()()()()状態ですけど』

 

 デュークさんの記憶によれば、私はあの繭の様な場所から溢れ落ちるようにして出てきたのだという……調査ついでに飛翔し、繭の直近まで近寄ったが……何らかの痕跡すら認められなかった。

 

 いや、あるにはあった……だが、それは私が出てきた時の痕跡だろう。

 ただのエネルギーの塊から、生物は発生するのだろうか……それとも、龍脈と呼ばれるこのエネルギーは、通常では考えられない現象を引き起こす事が出来るのか……

 

 やはり、ココに残っている痕跡だけでは……真実に辿り着く事は出来ない……

 

『……分からない事が増えただけでしたね』

 

 新たな事実や発見は確かにあったが、どれも龍脈の謎に迫るには遠く及ばない……私はそう結論付けようとしたが。

 

「いいえ、まだ試して無い事があります」

 

 大団長とデュークさん、そして私が首を捻る中……クリスが私にある提案をしてきた。

 

「シオン、ココの龍脈の流れをもっと詳しく確認出来ませんか? ほら、あの時スイレンが『龍ならば、龍脈から知識を得られる』って言ってましたし、シオンがココの龍脈に干渉……ないしは触れる事で、何らかの情報が得られる可能性はあると思うんです」

 

 丘珊瑚の台地に住まう古龍、ネロミェールのスイレン……彼女の言が正しいのなら、私がココの龍脈にアクセスすれば何らかの情報が得られる……古龍が古龍たる所以と力は、龍脈という存在にある、と仄めかしていたっけ……

 

「……確かに、龍脈自体から情報が得られるのなら、これ以上確実な情報は無いだろう……尤も、そのスイレンと言う奴の言葉が真実だったら……という前提になるがね」

 

 デュークさんはスイレンと直接逢っていないから、疑うのは当然だ……でも、私は彼女を信じていた、もう一度……彼女の導きにすがってみようと思う。

 

『もう一度、彼女の言に従ってみる……という事ですね……と分かりました』

 

 私は大地に己の龍気を浸透させ、大地に流れる龍脈を再び探す……この地の龍脈の流れは規格外な程巨大、そして緩やかに流れている……位置を掴むのも容易だった。

 

『……接触しました、干渉を試みます……もし、何かあったら……』

 

「心配するな、俺が側に居てやるよ」

 

「私もです!」

 

 私の首元に触れながら、レクスとクリスの2人が頷く……私もその粋に応え、意識を龍脈の中へと集中した。

 

『……行きます!』

 

 扉を開け放つ様に……龍脈のエネルギーの流れへと、私は自分の意識を接続する。

 

 直後に感じたのは、幾つもの記憶の欠片……私が今まで経験した日々、龍として生まれた瞬間……それすらも次々と遡り、忘れていた人としての記憶や前世の常識……止まる事なくどんどん遡り、前世の生を受けた瞬間……更にその先に続く()()に気付いた私は、その内容に驚愕するのだった。

 

『そんな……事って、なら……今の私って……?!』

 

 

──────────

 

 レクスとクリスに見守られ、シオンと呼ばれる古龍(小さなゼノ・ジーヴァ)は静かに目を閉じ……地下を走る巨大な龍脈の流れにアクセスしている。

 その光景を見ながら、大団長……グランは思った。

 

(龍脈の謎を解く……それが、自らの謎を解く事にも繋がる……か、シオンよ……お前は一体何者なんだ……?)

 

 デュークが偶然発見し、連れて来た未知の個体……小さなゼノ・ジーヴァ。

 

 人を襲わず、時に興味深く見続け、機微良く言葉に反応を示す……

 そして人語を解し、他の古龍との接触から、遂に対話まで行うようになった。

 時に思慮深く、自らの出自や世界の成り立ちを考察する……

 

 その姿はまるで、姿の違う「人である」かのように……

 

「……本当に、お前は何者なんだろうなぁ……?」

 

──────────

 

 

 この日、私から見えるこの世界は激変した……

 

 何だろう……上手く言葉に出来ない。

 

 少なくとも、私が知りたかった謎……私が何故生まれたのかという理由……

 それはこの先……遠くない未来に待つ、抗えない運命の幕開けを示唆するものでもあった。




原作とどう解釈を変えればだいぶ悩みましたが……
ラストシーンを感動モノにするために、敢えてあやふやなままです。

……だいぶやっつけ仕事かもしれません。

とりあえずこれ以降、シオンの何かが変わります。

次の舞台となるエリアは?

  • 古代樹の森
  • 大蟻塚の荒地
  • 陸珊瑚の台地
  • 障気の谷
  • 龍結晶の地
  • 渡りの凍て地
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