常識人で苦労人な幼馴染   作:弾正

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総合評価600ポイント突破! ありがとうございます!
そして、ガルパ4周年ですね。僕はドリフェス引きましたけど、そこそこ良かったっす。美咲は出てきてくれてないけど……悲しい。


反抗期の娘を持つ父親って絶対大変だよね

 「ここが蘭の家か」

 「中々の豪邸だ」

 「どう? すごいでしょ!」

 「なんでひまりが得意気なんだよ……」

 

 

 結局、ひまりと巴に頼んで、蘭の家に連れてきてもらった。広い。和風。流石は華道の名門。

 他のアフグロメンバーはというと、つぐみは入院中。モカは蘭を(強引に)引き連れて遊びに行った。蘭パパと話してる途中に蘭が来たら色々と大変なのでね。

 

 

 「でも、こころの家と比べると……」

 「あれは広すぎるからね……」

 

 

 でも、それ以上の大豪邸を知ってる俺たちからすると、失礼だけど、ショボく感じてしまう。弦巻家がおかしいだけなんだけどさ。

 

 

 「よし、んじゃ、突撃するか」

 「待て直斗。本当に行くのか?」

 「もちのろん」

 「蘭のお父さん、結構怖い人だよ……?」

 「じゃあやめとこうかな」

 「ここまで来てやめないでくれる?」

 「流石に冗談でーす」

 

 

 まあ、蘭が怖いから(失礼)、お父さんも怖い人なんだね(もっと失礼)。

 

 

 「直斗、蘭のお父さんに会う前に、一つだけ聞いていいか?」

 「なんだ? 昨日の晩ご飯なら麻婆豆腐だったけど」

 「いや、晩ご飯はどうでもいいんだ。そうじゃなくて、なんでお前はアタシたちのためにここまでしてくれるんだ?」

 

 

 あー、そういうところ気にする? 気にしちゃうんだ? さっすが姉御。細かいところまでよく気づく。

 

 

 「……一つは、俺のめんどくさい性格かな。人を放っておくってことができないんだわ」

 「……」

 「もう一つは……家族のことで後悔はしてほしくないから、かな」

 「どういうこと?」

 「気にするな。とっとと行くぞ」

 

 

 さて、蘭パパとご対面といきますか。

 

 

 ◆◇◆◇◆

 

 

 「君が長尾直斗君か」

 「はい」

 「私のところにわざわざ来たということは、何か要件があるのだろう?」

 「はい」

 「でも、その前に、一つだけ尋ねていいかな?」

 「はい」

 「……君と蘭は、一体どういう関係なのかな?」

 「はい……って、はい?」

 「さっきからはいしか言ってないじゃん」

 

 

 蘭パパのところに行ったら最初に言われたのがこれだよ。俺と蘭がどんな関係なのかって……そんなこと言われても……

 

 

 「実は先月からお付き合いさせていただいております」

 「嘘っ!?」

 「マ、マジか!?」

 「娘はやらん!」

 「変な嘘つくな! あ、これ嘘だと思うので皆さんも落ち着いて」

 「痛い痛い痛い痛い!!! 謝るからつねるのはやめてくれって!!!」

 

 

 ピリピリした場を和ませようと思った俺の気遣いなのに……美咲は厳しいなぁ。

 

 

 「嘘だったのか……もしかして、実際は君たち2人が交際しているということかな?」

 「なんでこんなやつと付き合わなきゃいけないんですか。いくら蘭のお父さんの発言と言っても、それは許しがたいですよ」

 「そんなに否定しなくてもいいじゃん。あたしもこんなバカと付き合うなんて絶対嫌だけど」

 「え~。お似合いだと思うんだけどな~」

 「上原さんそんなこと言わないで」

 「……これは、どういう反応をするのが正解なのだろうか」

 

 

 蘭パパがすごい困惑してる。なんか申し訳ないな。突然娘の関係者が訪ねてきたと思ったら、隣にいる人をを全力否定し始めるんだもん。俺が蘭パパの立場だったら考えることを放棄してるね。

 

 

 「……すまないが、茶番をしに来たのなら帰ってくれないか?」

 「「ごめんなさい」」

 「ひまり。この2人で大丈夫だと思うか? 主に直斗」

 「うーん……まあ、なんとかなるでしょ!」

 

 

 人の家でふざけ過ぎるのは良くないね。こればっかりは俺たちが悪い。そのうち9割は美咲だけど(反省の意思ゼロ)。

 

 

 はい、そろそろ真面目にやりましょうか。

 

 

 「んじゃ、蘭のお父さん。建前とかめんどくさいんでズバッと言いますよ」

 「ああ、構わないぞ」

 「なんで蘭と向き合って話さないんです?」

 「……君に私たちの何がわかるというのかな? そもそもなぜ私が娘としっかり話していないと?」

 「ちょっと直斗。いくらなんでもいきなり過ぎるって」

 

 

 俺、正直者だからさ、思ってることがどんどん出てくるんだよね。と言っても俺の主観なんだけど。巴やひまりから聞いた話を基に俺が考えた美竹家の実態的な。

 

 蘭パパは蘭に華道を継がせたい。そのためにもくだらないバンドはやめさせたい。でも、蘭はバンドがしたい。その思いは本気。だから、バンドを否定してくるパパの言うことなんて聞けない! ってところかな。まさに気持ちのぶつかり合い。蘭ちゃん反抗期ね。反抗期で片づけるのはあれだけども。

 蘭パパも蘭パパだよね。もっと娘の言うこと聞いてあげた方がいいと思うよ俺は。

 

 

 「蘭のお父さんは、蘭に華道を継がせたいんですよね?」

 「その通りだ。美竹家は代々華道をやっていてね……それを私の代で絶やすわけにはいかないんだ」

 「なるほど。それで、蘭には華道に集中するためにバンドを辞めてほしいと」

 「そういうことだ。巴ちゃんとひまりちゃんには悪いが、蘭がやっているバンドはただのごっこ遊びにしか見えない。はっきり言って時間の無駄だ。幼馴染で仲が良いのを否定するつもりはないが、別にバンドを続ける必要もないだろう」

 「っ……!!」

 「巴、落ち着いて!」

 「上原さんの言う通り。色々と言いたいことはあるんだろうけど、とりあえず待って」

 

 

 めっちゃ言うやん蘭パパ。巴がキレそうになってるよ。姉御怒らせると絶対怖いからやめてって。

 まあ、蘭パパの言いたいこともわかるよ。伝統を絶やしたくないんだよね。華道とかちょっとかっこいいって思うし。俺にはできないけど。絶対難しいじゃん。

 

 

 「じゃあ、一つ聞きますけど、お父さんはAfterglow……蘭のバンドのライブ見たことあります?」

 「ないな。それが何か?」

 「ごっこ遊びかそうでないかは、せめて見てから決めません?」

 「だから言ってるだろう。時間の無駄だ」

 「それ言ったら、蘭からしたら華道は時間の無駄だと思いますよー」

 「は?」

 「蘭がお父さんに反発して華道絶対やらないというのもあれだとは思いますけど、お父さんもバンド絶対認めないって言ってるじゃないですか。流石親子。考えてることが似てる」

 「……つまり、私に何をしろと?」

 「今度蘭のバンドがライブやるんすよ。これはあくまで俺個人の意見なんですけど、バンド辞めさせるにしても、まずはそれ見てから考えてほしいっすね」

 「………………」

 

 

 見たこともないものを全否定っていうのは良くないと思うなぁ。俺みたいな高校1年生のガキが偉そうなこと言ってるという自覚はあるけど、蘭パパは頑固過ぎると思う。もっと頭を柔らかくしようぜ。

 

 

 「……ふふ。私としたことが。娘と同い年の子供に諭されるとはな」

 「ってことは」

 「わかった。今度やるというライブ、見に行くとしよう。そのためにも、一度蘭としっかり話し合わないとな。巴ちゃんもひまりちゃんもそれでいいかな?」

 「はい!」

 「……わかりました」

 「さっきは悪く言ってすまなかったな。だが、もし私がライブを見て、バンドをごっこ遊びだと判断したら、その時は蘭にバンドを辞めさせる。そのつもりであるということは知っておいてほしい」

 「蘭のお父さんを納得させるライブするから、しっかり見ててくださいね! あ、チケットは蘭が持ってるはずだから、後で貰ってください! ほら、巴もいつまでも怒ってないで!」

 「……そうだな」

 「ということらしいので、練習頑張れー」

 「……えーっと、これはとりあえず解決ということでいいのでしょうか?」

 「いいんじゃね? 後は本人の問題だし」

 「最後は適当だね」

 「まあ、あのツンデレ赤メッシュならなんとかするだろ」

 

 

 俺はやればできる子だからな。蘭パパを説得するなんて簡単なことなのさ。実際、紗夜先輩とお話ししたあの時と比べればめっちゃ簡単よ。あれは辛かった。メンタルがゴリゴリ削られたもん。

 

 

 ◆◇◆◇◆

 

 

 「それで、話があるって言ってたけど、何? あたしもそんなに暇じゃないんだけど」

 

 

 そう言って私を睨んでくる娘、蘭。華道については、電話ではよく話してはいたが、こうして直接話すのは初めてだったかな。

 

 

 「蘭、改めて聞こう。華道を継ぐ気はないか?」

 「ない」

 

 

 そう答える娘。これで継ぐと言ってくれれば話は早かったのだが……流石にそうはいかないか。

 

 

 「それはなぜだ? 華道が嫌いだからか?」

 「……別に、華道は嫌いじゃない。でも、あたしにとってはバンドの方が大切だから」

 「では、バンドを続けられるというのなら、華道の勉強もしてくれるか?」

 「……え?」

 

 

 突然のことに目を丸くする蘭。それはそうだろう。今までバンドを辞めろと言っていた父が、急に態度を変えたのだから。驚くなという方が無理がある。

 

 

 「実は今日、私をある人物が訪ねてきてね。色々と話したんだ。それで、私の考えも少し変わった」

 「……」

 「今度、ライブをするのだろう? それ次第では、バンド活動を認めてもいい。どうしても続けたいというのなら、ごっこ遊びではないことを証明してみせろ」

 「……いいの?」

 「勘違いするな。まだ認めると言ったわけではない。あくまでライブ次第だ」

 

 

 長尾直斗君。不思議な少年だったな。冗談を言ったかと思えば、急に真面目に話をし、私の怒りに触れそうなことをも平然と言ってのけた。中々にたくましい少年だ。

 

 

 「父さん……! ありがとう、ございます……!!」

 「お礼を言うには早いのではないか?」

 「そうだね……次のライブで、必ず父さんを納得させるから。だから、ライブ、見に来てください!」

 「いいだろう……ふふ、成長したな、蘭」

 

 

 でも、彼はどこか悲しい目をしていたな。いや、悲しいというより、あれは嫉妬か? どこか羨ましがっているかのようにも見えた。一体彼は何を考えていたのか……また今度話してみたいものだな。あの少年はもしかすると、大きな何かを抱えているかもしれない。あのような目をする高校生は今まで見たことがないからな。

 

 

 「では、ライブに行くのに必要だというチケットを貰えないか? ひまりちゃんが言うには、蘭が1枚持っているらしいのだが」

 「え? あれは一回全部ひまりに預けたはずだけど」

 「「………………」」

 「蘭。次会った時にでも貰ってきなさい」

 「わかった」

 

 

 どうやら、あの少年よりも心配するべきことはたくさんあるらしい。




この小説完結するのか不安になってきた今日この頃。頑張って完結まで持っていきたいと思ってはおります。
今回、美咲の影薄かった希ガス。
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