登校後、教室にて。
「え、美咲? マジで? マジで今日俺も行かなきゃいけないの?」
「そこをなんとかお願いします!!」
何があったのかって?
この前のLI〇Eの後、美咲とバンドについての話をしたのよ。それでわかったことが3つ
・美咲が誘われた(半強制)バンドのメンバーは、うちのクラスの弦巻こころ。商店街の時にいた水色髪、松原花音先輩。同じく紫髪、瀬田薫先輩。その後なんやかんやで入った北沢はぐみ。そして、美咲、ミッシェル。
・美咲=ミッシェルだと認識してるのは、松原花音先輩ただ1人。他の3人は認識していない。そもそも、ミッシェルをキグルミだと思わず、マジモンの熊?熊の妖精?だと認識している。小さい子がミッ〇ーをそのまんまミ〇キーだと思ってるのと同じ原理。中の人なんていない。そんなこと考えてる彼女らは高校生。JK。
.美咲はどうにかして脱退したい。なるべく穏便に。でも、その松原花音先輩を見捨てるのは非常に申し訳ない。先輩はいい人。
とりあえず、美咲は巻き込まれてしまったので、早く脱退したいのだと。それで、俺に協力を求めてきたわけだ。
ちょうど今日、バンドの会議があるらしいので、それに美咲の友人枠で参加してほしいと。その中で、できるなら上手く脱退させてほしいと。なるほど非常にめんどくさそうだ。
「お願い!!直斗にしか頼めないの!!」
「え……お前、他に友達いなかったの?」
「は?」
「ごめんなさい冗談ですだからマジトーンでは?とか言うのやめてください」
美咲をイジるのはいいけど、本気で怒らせてはいけない。わかったね?
「んじゃ、ちょっとこころに話つけてきて」
「えぇ……俺が?」
「うん」
「はぁ……はいはい、わかったよ。ちょっと助けてやる」
「ありがと。流石直斗」
俺優しいからさ(自画自賛)。困ってる幼馴染を放ってはおけないんだよねー。
「こころー」
「あら? 直斗じゃない! どうしたのかしら?」
「今日のバンドの会議、俺も混ぜてー」
「もちろんいいわよ!!」
「え、ノリ軽っ。聞いといて申し訳ないけど本当に大丈夫なのか?」
「だって、楽しいことは、皆でやればもっと楽しくなるでしょう?」
「いいやつかよ」
こんなに良さそうなのに、なんで美咲が脱退したがるのかわからんな。まあ、美咲はそういう皆で騒ぐようなことはあまり好きじゃないからなぁ。
◆◇◆◇◆
放課後。俺はこころと美咲の案内の元、こころの家に来た。こころって大企業の社長の娘なんだよね。だから、家も豪邸なんだろうなぁ……
「着いたわよ!!」
「……ははは!!面白い冗談だねこころ。俺の目の前に見えるのは豪邸ってレベルじゃないくらい豪邸な豪邸だぞ」
「豪邸豪邸うるさい。確かに気持ちはわかるけど……」
「え? もしかして、ここが本当にこころの家なの?」
「その通りよ!」
「残念ながら、こころは嘘ついてないんだよね……」
「嘘だっ!!」
何あれ? テレビとかで見るようなレベルの豪邸だぞ? いや、テレビでもあそこまでの豪邸なんて見たことないぞ。こんなのがうちの近くにあったなんて……世界は狭いんだな。
「それじゃあ、入るわよ!!」
「おおおおおおお邪魔します!!」
「緊張しすぎ」
「逆に緊張するなっていう方が無理だろこんな豪邸」
ここまで来て入らないという選択肢もないけどさ、流石に怖いわ。だって、豪邸だよ? 少しでも傷つけたら弁償するのにどれくらいかかるのよ? 俺、そんなにたくさんはお金ないよ?
「ご心配ありません長尾様。万が一何かが破損するということがあっても、私達の方で対処可能ですので」
「それは助かる……って、どちら様で?」
「申し遅れました。私、こころ様直属黒服の者です」
「……ボディーガード的な存在ということで?」
「そのように思っていただいてかまいません」
ボディーガードもいるってマジかよ。恐ろしいな弦巻家。
◆◇◆◇◆
豪邸内部。俺は、美咲とこころ以外のバンドメンバーと会った。
「はぐみ、久しぶりじゃん」
「なーくんだ!!久しぶりだね!!」
「え?2人とも知り合いだったの?」
「一度だけ同じクラスになったことがあるからさ。美咲と違うクラスになった時に」
「あー、中2の時か」
北沢はぐみ。なんやかんやで入ったメンバー(詳細は知らん。多分俺が帰った後の話だ)。実は、はぐみとは中等部からの付き合いで、中2の時は一緒のクラスだったんだよね。逆に美咲とは中2の時は違うクラス。
「はぐみがバンドやるなんて、ちょっと意外だな。ソフトボールと両立できるのか?」
「大丈夫!! できるよ!!」
「そうか」
はぐみは、地区のソフトボールチームでキャプテンを務めている。運動神経がめっちゃいいんだよね。授業でやったソフトボールで剛速球を投げてきて本気でビビったのも、今ではいい思い出だ。あの時はマジで命の危機を感じたね。
「君が直斗かい?」
「ん? あなたは……?」
「瀬田薫だ。よろしく頼むよ」
そう紳士的な動作で言ったのが瀬田薫先輩。この人女性だと聞いてたんだけど、俺よりイケメンじゃん。もうね、イケメンオーラが溢れ出てる。羨ましいわ。
ただ、美咲曰く「残念な人」らしい。ミッシェル=美咲を理解してないところがとかかな? 純粋なだけなんだよきっと。純粋なのはいいことだ。
そして、もう1人。水色髪の先輩、松原花音先輩がいるはずなんだけど……
……
…………
…………………………
「あ、電話だ……って、花音さんから?」
「一応出てみ。遅れるとかの話かもしれないし」
「だよねー。もしもーし。どうしましたかー……え? 迷った? それはどういう?……そのままの意味? えぇ……」
迷った? なんで? ここと花咲川は特別遠いわけじゃないぞ? そもそも、こんな目立つ豪邸のある場所、そう簡単には忘れないはずだぞ。
◆◇◆◇◆
「美咲ちゃん、さっきは本当にありがとう」
「大丈夫ですよ。ここまで方向音痴なのはちょっとびっくりしましたけどね……まさか真逆の方向に行ってるなんて」
「ご、ごめんね……」
松原花音先輩。美咲が言うには、唯一、自分=ミッシェルを認識していてくれている人らしい。だからまともな人だと思ってたし、実際まともな人なんだけど、極度の方向音痴だった。グーグル〇ップを見ても目的地にたどり着くことができないとか(本人談)。
ま、まあ、とりあえずこれで全員揃ったわけだ。ミッシェルはいないけど美咲はいる。よって全員いる。はい解決!!
「皆揃ったところで一つだけいいか?」
「どうしたのかしら?」
「うちの美咲がご迷惑をおかけしていないでしょうか?」
「あんたはあたしの保護者か」
「そうだよ?」
「むしろあたしが保護者じゃない?」
「え?」
「え?」
「2人とも仲いいんだね。もしかして、付き合ってたりするの?」
「「いや、それはない」」
「本当に仲いいんだね……」
とりあえず美咲の保護者として挨拶しといたら、なんやかんやあって花音先輩に仲良しだと言われた。幼馴染だから多少仲がいいのは認めるけど、付き合ってはないぞ?
「それじゃあ、早速ライブについて決めましょう!!」
「唐突過ぎない?」
「直斗、こころはそういう人なの。諦めて」
「えぇ……てか、もうライブするの? このバンドできて1週間くらいしか経ってないんだよね?」
「そうよ!!」
「初めてのライブ、楽しみだねー!! わくわくするよ!!」
「ふふ……儚い……」
「ふ、ふえぇ……こころちゃん、ちょっと急過ぎないかな?」
「心配しなくていいわ!! あたしたちなら絶対できるもの!!」
「絶対できるって……こころは松〇修造だった?」
「違うから。流石にそこまで暑苦しくはないから」
俺はまだ知らなかった。
収集不可能でわけがわからない会議がこれから始まることを。
次回に続く……
文字数的にね(メタい)、会議の話は次回にします。今回はその導入って感じ。
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