常識人で苦労人な幼馴染   作:弾正

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なんか色々と高評価もらえて嬉しい。ありがとうございます!! この調子で頑張るぞい


人はそれを「カオス」って呼ぶんだぜ

 さあ、始まりました第1回バンド会議!! 今回の議題は「初ライブについて」。参加メンバーは以下の6人!!

 

 

 ・容姿端麗! 頭脳明晰! 文武両道! 超ハイスペック、長尾直斗!!

 ・熊とあたしは一心同体!冷静なツッコミ王、DJ担当の奥沢美咲!!

 ・破天荒! 元気! 全ての始まりにして元凶! 弦巻家の後継者、ボーカル担当の弦巻こころ!!

 ・運動神経の塊! 地元ソフトボールチームの英雄、ベース担当の北沢はぐみ!!

 ・儚さ溢れた純粋な紳士! イケメン系女子、ギター担当の瀬田薫!!

 ・超絶方向音痴! なぜそこで迷う! でも実は比較的常識人、ドラム担当の松原花音!!

 

 

 

 

 

 

 

 「……直斗、そのテンションはいつまで続くの?」

 「え? 声に出てた?」

 「うん。それと、あたしは熊と一心同体でもなんでもないから」

 「あたしはいつも元気よ!」

 「わーい! なーくんに褒められたー!」

 「私が紳士、か……どうやら褒めてもらえているみたいだね」

 「あはは……否定できないかな……」

 

 

 失礼。つい声に出てしまっていたみたいだ。

 

 

 「それと、あんたが頭脳明晰だったら世の中の人大体天才になれるから」

 「美咲お前それはどういう意味だ」

 「よーし、それじゃあ、今度こそ会議始めますかー」

 「おい待て話を逸らすな」

 

 

 美咲に無理矢理軌道修正されました。悲しいです。ぴえん。

 

 

 さて、会議に入る前に今回の目的をもう一度確認しておこう。表面上の目的は「初ライブについて決める」ことだ。だけど、俺はあくまで部外者。バンドに入ってるわけではない。だから、あまり本気でここに関わる必要もない。

 真の目的は「美咲を助ける」こと。どうにかして脱退に話を持っていくことだ。特に細かいプランは決まってないが、そのことを忘れずに発言するようにしなければ。

 

 

 よし、現状分析終わり!!! 会議スタート!!

 

 

 

 

 

 

 

 「ところで、ライブって何をするのかしら?」

 「「「………………」」」

 「よくわかんないけど、楽しいことをするんだと思う!!」

 「儚いことをするのさ……」

 

 

 衝撃の発言に常識人サイド沈黙。流石の俺も黙ってしまった。

 

 

 「……いやいやいや。こころがライブをするって言い出したんでしょ!? なんで知らないの!?」

 「楽しいことと聞いたことがあるわ!!」

 「楽しいことかもしれないけど! そうじゃなくて、具体的に何をするのかとかさ」

 「わからないわ!」

 「笑顔で言うなー!!」

 

 

 美咲大変そうだなー(他人事)。

 仕方ない。ここは天才である俺が説明してやろう。

 

 

 「こころ。ライブっていうのはね、お客さんの前でバンドで演奏することをいうんだ」

 「そうなのね! とても楽しそうだわ!!」

 「すごい! なーくん物知りだね!!」

 「いやーそれほどでも」

 「常識だから。調子に乗らないで」

 「今日も美咲は辛辣です」

 

 

 美咲に酷いこと言われた気がするけど、とりあえずライブが何かはわかってもらえたみたいだ。安心安心。

 

 

 「んじゃ、ライブが何かわかったと思うんで、細かいことを決めた方がいいんじゃないっすか? 日程とか場所とか演出とか」

 「早速明日やろうよ!!」

 「よしはぐみ少し落ち着け」

 「世界中でライブをするのよ!!」

 「できないから! 常識的に考えて!」

 「演劇をしながらのライブというのはどうだろう?」

 「そ、それは多分ミュージカルだと思うな。ライブとはちょっと違うかも」

 「あ、はぐみ、来た人皆にコロッケ配りたい!!」

 「それライブ関係ないでしょ!!」

 「子猫ちゃんたち皆に愛の恵み、か。儚いね」

 「先輩、儚いの意味わかって使ってます? わかってないっすよね?」

 「空を飛べたら楽しいと思うわ!!」

 「あ、危ないよこころちゃん!」

 「そ、空を、飛ぶ、か……」

 「なんか薫さんが急に震えだしたんだけど」

 「そっか!! 空からコロッケを皆に配ればいいんだね!! こころん天才!!」

 「コロッケが潰れちゃうから!! グシャっていっちゃうから!!」

 「空から、コロッケを、配る……ふふ、実に、儚いね」

 「薫さん大丈夫?」

 「し、心配しないでくれ花音。私は大丈夫だ」

 「それ大丈夫じゃない人が言うセリフっすよ。薫さん、もしかして高所恐怖症?」

 「……否定はできないね」

 「あ!! 空中で楽器って弾けるかな?」

 「練習すればきっとできるわよ!!」

 「そうだね!! はぐみ、頑張るよ!!」

 「そこ頑張るところじゃないから!!」

 「あはは……空中でドラムは叩けないかな?」

 

 

 どうしてこうなった。

 もうめちゃくちゃだよ。俺がツッコミ役に回らなきゃいけないなんて緊急事態だ。ツッコミ役は美咲1人でいいというのに。

 てか、会話の流れが早すぎて俺もついていけてないんだよなあ。こころが空を飛ぶとか言い出して、はぐみがコロッケ推してて、薫先輩が高所恐怖症で、花音先輩が優しくて、美咲が大変で、俺も大変なのか? 情報量多すぎ。とりあえず薫先輩が高所恐怖症なのは意外だったな。

 

 

 そして、この後もこんな感じで会議は続き……

 

 

 ◆◇◆◇◆

 

 

 1時間が経過した……

 

 

 「……美咲」

 「……何?」

 「……今の時点で決まっていることは?」

 「……ない」

 「「はぁ〜……」」

 「だ、大丈夫?」

 「大丈夫だ、問題ない」

 「問題大アリでしょ」

 

 

 いや、大丈夫?と聞かれたら条件反射でこの言葉が出てきたんだもん。実際めっちゃ疲れたヤバい。

 

 1時間だぞ? 30分の国民的アニメが2本見れるぞ? 1日の24分の1だぞ? それだけの時間話し合ったのに……

 

 

 「何の成果も、得られませんでしたぁぁぁぁぁ!!!!!」

 「ふえぇ!? 直斗くん、落ち着いて!!」

 「あ、これはほっといて大丈夫なやつです」

 「ちょっとは心配してほしかった。心配してくれた花音先輩はほんといい人だわ」

 「褒められてる……?」

 

 

 褒めてる褒めてる。美咲の言う通りのいい人だわ。癒し的な存在。可愛い。

 

 

 「そして、ここでミッシェルが大砲からドカーン!! ってなるのよ!!」

 「コロッケも一緒に飛ばそうよ!! お客さん喜んでくれるよ!!」

 「美味しい食べ物と熊の妖精のコンビネーション……あぁ! なんて儚いんだ……!!」

 

 

 いやもうこっちは知らん。どうしてこうなったし。大砲どこから出てきた。

 

 

 「いやいやいや!! ミッシェルそれじゃ死ぬから!! コロッケも形崩れちゃうから!!」

 

 

 美咲が思ってたことを代弁してくれました。助かったぜ。

 

 

 「大丈夫よ! ミッシェルは強いのだから!」

 「ミッシェルを何だと思ってるの……」

 「子供に夢を与えてるけど実際は金で動く生物?」

 「……」

 「やっぱり駄目かー……そうだ! とーちゃんに丈夫なコロッケを作ってもらえばいいんだ!!」

 「丈夫なコロッケって何?」

 「コロッケというワードのせいで腹減ってきたな……そうだ。持ってきたチョコでも食べよ。花音先輩も食べます?」

 「なんで持ってるのかが気になるけど……頂こうかな」

 「…………」

 「まあそう言わないでくれ美咲。皆に笑顔を与えるのが、演奏する私たちの義務というものだろう?」

 「他の方法考えましょうよ」

 「良いこと言いますやん薫先輩。あ、花音先輩、どうぞ」

 「ありがとう!」

 「………………」

 「ん?どうした美咲急に無言で近づいてきて」

 「ふんっ!!」

 「痛っ!? え、なんで叩いたの?」

 「あたしが苦労してる隣で呑気なこと言ってるの見るとイラッてくる」

 「暴力的な女の子は嫌われますわよ美咲さん?」

 「あー、もう……ただでさえあの3バカで大変だっていうのに……」

 

 

 うん。やっぱり俺はこうでなくっちゃ(自己確認)。美咲を煽ってイジってからかってこその長尾直斗だぜ!!……そのうちガチで怒られそうでちょっとだけ怖い。

 

 

 ◆◇◆◇◆

 

 

 その後、結局何も決まらず、会議は終了した。

 

 

 ってわけで帰宅!! マイホームが待ってるぜ!!

 

 

 「……あれ? 俺、今日、なんのために行ったんだっけ?」

 「あたし、途中から普通に会議に参加しちゃってたんだけど……脱退が目的だったのに……」

 「やっべぇ俺もめっちゃ話し合いしてたわ」

 「「はぁ……」」

 

 

 美咲を脱退させるという目的から大幅に脱線して、普通に会議に参加してた俺たち。だってさ、あれを無視して脱退進めようってこと自体が難しいよ。どうしてもほとけない。ほっといたら多分ヤバいことが起きる。

 

 

 「美咲」

 「何?」

 「諦めてバンドやったら? 人生何事も挑戦だ」

 「同い年には言われたくない」

 「そーだよな。でも、お前、ずっとほどほどに過ごしてきたんだし、ちょっとくらいはいいんじゃないか?」

 「……直斗のくせに生意気」

 「ひどっ」

 

 

 この野郎……人がちょっと真面目になっただけでこれだよ。なんで? え、日頃の行い? 俺の日頃の行いは天国余裕で行けるレベルなのに?

 

 

 「まあ、あれだ。愚痴くらいはいつでも聞いてやるよ」

 「いつも聞いてもらってるけどね」

 「それもそうか」

 

 

 最初は、美咲が脱退したいと言うならそれを手伝おうと思ってた。でも、今回の会議でちょっと変わった。あの4人は皆個性的だけど、個性強すぎるけど、決して悪い人だとは思えない。美咲を任せることができそうだ。あ、これ父親のセリフみたいだな。美咲の保護者名乗るなら間違いではないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 「そうだ」

 「ん?」

 「直斗もバンドに入れば良いんだよ」

 「断る。誰が好き好んでガールズバンドの中に堂々と乱入するんだよ」

 「直斗なら女の子好きだと思って」

 「俺変態じゃないよ?」

 「違うの?」

 「違うよ?」

 

 

 とりあえず美咲は一回自分の言動を見直すべきだと思うの。俺は決して変態じゃないから。健全な一般高校生男子並みくらいだから。




後書きで書くことないから一言

美咲って、可愛いよね
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