今朝、幻想郷一帯に号外新聞が配られた。無料で
内容は…外来人のことについてである。
しかし外来人ということに付け加えて一つ…
そう。たった一つ誤解のようなものがあるのだ
それは…
博麗神社
「…文、これほんと?」
「はい!彼が幻想入りした時から見張っていたので!」
「どうやって?」
「にとりさん達に頼んで小型カメラ作ってもらいました」
「…すごい執念ね。しっかしまぁ…珍しいわね。ていうか消えなさいよブス」
「んふふ〜でも私たち不細工でもその人の目には綺麗に見えるらしいですよ?」
「…それが本当だったらね。あの風見幽香に対して美人…慧音にも美人」
「そんなこと、私達はその人の目には美人に映らなきゃ無理ですよ!」
「…外来人か…とは言っても、妖怪と人間は交われないわよ?」
「あ、ほんとだ」
…ちなみに。
補足だがこの2人の名は博麗霊夢と射命丸文。
どっちもこの幻想郷では不細工と称される…
それ故に射命丸文が配った新聞は誰も手を付けず、博麗霊夢が営む博麗神社には誰も賽銭を入れない。
というのは建前である。…まぁ射命丸文の話は事実だが。
博麗神社には人が来る…それも少しだが。
理由としては二つある。
一つ目は博麗霊夢は普段引きこもっているから。その顔で外に居ようものなら参拝客など誰1人も来ないであろう。
二つ目は神と人はまったく別の生き物として考えられており、博麗の巫女であろうと手出しができないと考えられているからである。
…まぁ妖怪が集まるところでもあるが…
そしてそこには能力だけなら神に近いとされる八雲紫が頻繁に来るのである。
大体2日に一度くらいの頻度で。
…何故かは知らない…
「霊夢〜」
「うわ不細工が来た」
「霊夢さん逃げましょ」
「嫌よせっかくの参拝客を逃したくないもの」
「…そうですか。」
「で、その外来人のこと!」キラキラ
八雲紫…能力だけなら神に近いと言われている賢者…らしい
本人曰く『私の能力で世の中全部ひっくり返してやろうと思ったことはあるけど幻想郷の比率としてはそうなるとまずいのよね』
と言っているように大体なんでもできる能力である。
境界とか無理やりすぎると思うのは私だけか?
とにかく。そんな八雲紫もこの世界では不細工である。
そのため必要な買い物以外は出かけずに家の中で運動したり仕事したりしている。
…ほとんど式神に任せっきりだが…一応本人としてはやってるつもりらしい。
そして外と幻想郷の行き来が自由に行える数少ない人物でもある。
まぁ…仮面つけてるからナンパなどはされてないしあまり外にも出ないが…
「…妖怪と人間は交われないらしいですよ」
「そうよ紫…諦めて人間に譲りなさい」
「こ、こいつら…!」
「…彼が永遠亭とか言う化け物だらけの気色悪いダンジョンに行ったらそこはもう天国のように見えるのかしら?」
「…あまり思えませんね…」
「ちょっとー!」
永遠亭…ここに行くなら道端で死ぬ方がマシだと言われる施設である。
一応病院である。が、不細工がかなり揃っているため…重症患者でない限りは運ばれないし入院=死であることは人里には知れ渡っている。
仮面を付ければ問題ないと言われているが仮面越しでも殺しにかかるレベルの化け物がいるとの噂も。
「…でも。あの化け物輝夜は彼にとっては1000年に一度の美女ってやつなのかしら?」
「…私達でさえ100年に一度の不細工って言われてんのよ?そんでもって私たちの世代を『悪魔の世代』って言われてるのよ?どこの海賊王よったく…」
「…憂鬱だわ。帰る」
「私も」
「出てけー」
人里
「仕事どうしよっかなぁ」
新太は悩んでいた。
働くことにするにしろしないにしろ住む場所がない。
どこか格安で売ってくれるところはないものか…
そう思っていた矢先である
「ちょっとお兄さん!」
「ん?なんですか?」チラリ
「私たちと一緒に遊ぼうよ!」
…はっきり言おう。新太にとって彼女達は不細工である。
顔だけで判断するのは良くないと思い直す…
そもそも逆ナンはよくあったことだ。それも気持ち悪いほど。
ラブレターなどいくつ捨てたものか…と考える日もあった。
だからこそ人を見た目で判断してはいけないのだ。
「あっと…」
「ねぇねぇ!」
「…私以外にもいい人はいるでしょうから…」ハハハ
「えぇ!?そんな人いないよ!?」
「そうだよ〜!」
「…すみません!」ダッ
彼は心の底から感謝した。
10代の時の夢…人力車。
それを叶えるために持久力と速さを身につけていた。
まぁ叶わなかったわけだが…
20代の時、勿体無いからとそれを維持するようにただ走り続けていた。
このおかげである。
「逃げた!?」
「私たちから!?」
「ゆ、許せ…!」
…この時代だから人力車になれそうだが…余り馬も使われない所である。
故に使えそうなものだがなぁ…
「さ、さすがにぃ…っはぁ…端から端まではきついか…!」
「おい!」
「ん?誰?」
「お前、なんで逃げたんだ!?」
「え?っはぁ…ちょっと待って…」
「…まあいいか。私は鬼人正邪!世の中をひっくり返す仲間を募集している!」
「はぁ…はぁ…」
鬼人正邪…本人曰く『革命を起こす者』だが周りから見たらただの『不細工なテロリスト』である。
それが鬼人正邪にとって気に喰わないことらしい。ナニイッテンダコイツ
ちなみにひっくり返す能力があるらしいが…それを使って自分の顔面偏差値をひっくり返せばよかったのでは…?
と思ったのは秘密である。
「…俺は阿部新太。よろしく!」
「で、続きだがこの新聞の内容本当か!?」
「ん?どれよどれ…」
目を通す。それは…冒頭紹介した新聞の内容…が!
一部盗撮写真がある!そして2人っきりの時しか会話をしていないはずの風見幽香を褒め称える内容も!
…実を言うと最初から撮られていたのである。
「うっそだろ…」
「本当か!?」
「本当だよ」
「ああよかった!」ダキッ
「おわっふ」
…なんだこの女…ん?
なんで逃げてきた?と言うことはつまり…
追いかけてきた?いやいや…時速30kmは出せるのに追いつかれた!?
最高時速40kmなのに追いつかれた!?馬鹿なありえん!
陸上競技なら世界に行かぬ限り三位以内は確実の俺についてきた!?
ありえん!と言うことは途中から追ってきた?
いや、だとしても走る人間が見えるはず…
「実はな!私はお前があいつらから逃げたところを追いかけてきたんだ!」
…は?ってことは息を切らさずに付いてきた!?
はぁ!?ありえん!馬鹿な!?粉バナナ!
「…もう色々と自信がなくなってきたよ…」
「なあなあ!この新聞の記事が本当なら私は美人に見えるのか!?」ワクワク
…そういやよく顔を見てなかったな…
「…こりゃ美人さんで」
「マジか!?」
「うん。さあ言っただろ?ちょっと失礼するぜ」
「ああそうだ!じゃあ住む場所を与えてやっから!その代わりに世界をひっくり返そう!」
「マジで!?」
「私の知り合いに格安で住む場所を提供してくれる奴がいるんだ!」
「本当か!?じゃあ後は仕事だな」
「仕事かぁ…体力活かして人力車でもやれば?」
「人力車かぁ…子供の頃の夢だったなぁ…」
「それならちょうどいいじゃん!さあ新太!まずは人が乗るところを作るぞ!」
「作るのかよ!?」
数時間後…というより素材なんてないから素材を取りに行ってるってことか…
「…まあこんなもんだろ」
「工作かぁ…俺あんまりやったことないんだよなぁ」
「フフフ…そこで私の能力!」
「能力ぅ?なんだそりゃ」
「やはり知らないか!私の能力はなぁ!なんだってひっくり返せるんだ!」
「なんと。」
「つまり…お前のその素人同然の状態をひっくり返して匠同然の実力にできる!」ヤー
「なんとそれは真か」
「そうだ!今からやるからなぁ…」カマエ
「来い…!」
「破ぁ!」
「!?…なんかできそうだ」
「よし作ってみろ!」
数時間後…夜です
「終わった…」
「おー!こりゃ凄い!本格的じゃないか!」
「一応ボンドとかでくっ付けたから明日くらいには大丈夫なはずだけど…」
「後は座布団とかだな。用意してあるぞ」ホレ
「仕事が早いな。…明日の夜まで待ちますかぁ」
「それが終わったら約束通り!」
「あいよ。世界ひっくり返すぞ」
なんか負けた気分。
なんでだろ?
時系列で言えばどれくらいなんだろうか…