悲し
幻想郷のどこかの上空
「おろろ?おろろぉ!?」
「フフフ…巫女でこれじゃ、あっちはどうなるのかしらね?」
「卑怯ですよそれ!?」
「あら、やっぱ烏天狗は動きだけ?」
「て、天狗を舐めないでくださいよ…?私のスピードを持って襲い掛かればいくら風見幽香とて」ガシッ
「風見幽香とて…?その先が知りたいわね。もっとも、言う頃には魂だけかも…ね」
「あだだだだ」
「え、文さん!?」
「貴女の相手は私…のはずよ?」
「き、吸血鬼の相手ですか…あまり自信はないですがね。肉弾戦と言うのは…」
「さあ。始めましょうか」
「さながらフリーザですね…立ち方と外見が…では私はさながら孫悟空でしょうか。」
「何を言ってるのか分からないけど、主人公側がいつも勝つとは限らないわよ」
その下
「はぁ…っはぁ…この際どうにかして空まで上がらなくちゃいけないのか…」
うーん…正邪から受けた匠の状態はもうとっくに切れてるしな…別に登らなくても良くね?つうか武器でいいじゃん。ここら辺にある道具を使ってなんとかしてあそこまで届く武器作れねえかな…それかここからあそこまで届く長さの物
「…弓の作り方は知らねえしパチンコも分からねえし…石を投げても絶対に届かない…」
「あら、戻ってきてどうしたの?」
「博麗の巫女さん…」
まるで世界の終わりだな…と思うかのような事件である。
実際俺の人生は終わりかけている。俺に能力があればもう少し生きて行けたかもしれないのに…
そんなふうに己の無力感を叩き付けられるのは多分中学以来かな?
「…あークソ、能力でも有れば助かったかも知れねえのに」
「中途半端な能力じゃ幻想郷を相手取ることになるだけだからお勧めはしないわ」
「デスヨネー」
…これは酷いことになった…
はっきり言って逃げ切れる自信がない。逃げに関しては高校の教員を撒けたのによ…雨も降ってる…
「こりゃ降参物ですな…」
「そう。ならさっさと」
「だからちょっと上着借りるね!」バサッ
「ひゃあ!?」
…なんだこの巫女、色っぽい声出すんだなじゃねえよ。
相手の精神を攻めるのは基本です。決していやらしい目的はない。理由はただ一つ。
雨で濡れて風邪になるのは流石に御免だからな。ん?巫女の体調?
知るか。俺を殺そうとしてきた奴に配慮はない。死ぬ以外の配慮などいらんわ
「…さてどうしようか」
「服返してくれる?」
「ちょっと早いわよれい」
「…あ、紫。遅いじゃないの…ちょっと寒いから服取り返してくんない?」
「え、良いけど」
「…うわ、取り返された」
「いや、何が悪いのよ」
…能力に目覚めて欲しいとは思うが多分無理。ルパンの如き逃走も無理。ならば残された道はあと一つ。
「…素直に降参するくらいしかマジでねえのかな」ゴロッ
「それなら上の二人の努力が無になるからありがたいけれど」
「…それも嫌だな。四人の努力がなくなるってのはそいつらにとって嫌だろうし」
「四人?」
…指から銃弾出ないかな。ばしゅん!ばしゅん!なんつって。
式神とか分身とか身代わりとか…とにかく自分の分身みたいなのが作れねえかなぁ…?
ま、そんなことできたら外の世界じゃ1役有名人だぜ
「…正に隣の芝生は青いか。能力持ちに困ってる奴がいてもそれを羨ましがる奴がいる…結構マジだな」
「ことわざ?」
「霊夢知ってるの?」
「知らない」
「…あ、あそこだ!」ダッシュ
俺が走り出して向かったのは小さな小さな家。ここで何をしようかと聞かれれば答えは単純明白だ。
とはいえどここでストップして見返してみると二人とも付いて来ている。そうだ、そのまま着いてくるんだぜ…?
まるでヤザンだな俺…と思いながら常に走り続ける俺の精神力はいかがな物だろうか。
小さな小さな家。
「わっせ!わっせ…っと失礼します!」ガチャッ
「中に入っても誰もいないわよ!」
「自ら袋に入ってくれるなんてね。袋の中の鼠もいい所よ」
「…それならこのことわざを忘れちゃいけないね。窮鼠猫を噛むってね!」バッファン
「また煙幕!?」
「…違う…?」
「あばよ諸君!」カチッシュボッ
ドッカァーン!…という轟音と共に爆発する小さな家。
助かる見積もりは全くない無鉄砲な作戦だが二人とも巻き込めたようだな。粉塵爆発に…
「あっづ…ッ!」
「そ…ね」
「その足についた火も、雨ならすぐに消えるでしょう」
「…そうは…思わんね」
「ま、頭脳戦でこの妖怪の賢者に勝てたんだし、誇りに思って貰っていいわよ。あの世でね」
「ゆ…り…」
「?どうしたの霊夢!?」
「クソ…がぁ」
「貴方…よくもやってくれたわね」
「知らないな。俺はただ『偶然』にも粉が蔓延していた家で一服しようとしてたんだ」
「…下衆にも劣る屑が」
「死ね…!」
「…こっちは足に火が付いてるからほとんど死んだようなもんだけどね。雨で消えるかね」
「死に…なさい…っ」
「…そっちは爆発、こっちは火傷…釣り合わねえのはわかるが俺は知らん。神様がそう決めなさったのなら従わなくっちゃな」
赤い巫女にひどい言われようだが俺は気にしない。
知るかよ、バーカ。人並み外れた身体能力でも粉塵爆発には耐えれなかったから良しとするか。
ていうかご友人は無傷なのね…こりゃどうしたものか
「…うーん、どう考えてもここから逃げれるイメージが湧かないねぇ。無傷は想定してなかったからねぇ…かすり傷ぐらいはあって欲しかった」
「伊達に妖怪の賢者やってないわよ。屑が」
「さっきから友達に屑クズって…屑に失礼じゃないか?」
「そうね。存在する価値もない奴とでも言っておきましょうか」
存在する価値もない奴…ね。知らねえけどよくわかんねえから知らない事にしておくか。
…少し眠いな。流石に粉塵爆発は無理があったか。巫女様は片耳ぶっ飛んだのか髪が左右で違うし…これは普通か?
まあいいや。お先に暖炉であったまってようかな。
あ、そういえばアンチヘイトですけど。
無いです。基本的にこの作品に悪も善もないです。
ただ自分の行動をする奴らです。