あべこべ幻想郷に核爆弾を   作:覚め

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I'm don't like you

…合ってます?この文


嫌いな物

地霊殿

 

「…ガンタンク…キャタピラなぁ」

 

「きゃたぴら?」

 

「機械仕掛けの馬車だよ…で、なんですかお燐さん」

 

「えっとね…その…とっても言いづらいことなんだけど…」

 

「はっきりしてくれ」

 

「…あはは…お兄さんをここで管理することに」

 

「なんだ。そんなことか…言っておくが俺は守られるのも守るのも嫌いだ。んじゃご主人様に礼でも言っておいてくれや」

 

「え、えぇ…?」

 

…生前の記憶がちょっと薄れて来てんのかな。なんだか殺される時の記憶が思い出せなくなってる。記憶力の差かなぁ…にしてもどうやってここから出るってんだ。どう足掻いてもどう行動しても地上に一歩踏み出せば俺は烏に死体を食われちまう。八咫烏っぽい奴ならさっきの館に居たが多分別種だろ。

 

…橋!それ以外に何もない!

 

「…結局、この橋が一番癒されるってか」

 

「あら、また来たの?その行動力がまた妬ましい…」

 

「…ここって煙草売ってるか?」

 

「一応。とは言っても…地上の物よりもっと危ないからお勧めは出来ないわね。マリ…なんとかが入ってて中毒になるらしいけど」

 

「…マリファナか。せめてシンナーだろとは言いたいが…なんでそんなのが?」

 

「言っちゃえばここに人間はいないから。マリファナなんて鬼達からすれば人間が吸う煙草と一緒の感覚らしいわ」

 

「俺はこの煙草を吸い終わったらどこで健全な煙草を吸えば良いんだか…」カチッシュボッ

 

「少なくとも、その煙草が地底では最後の健全な煙草ね。はー…少し疲れた」

 

「人間少し疲れた足を動かすくらいが丁度良いんだ…っと、あんたは妖怪だったか?」

 

「嫌な人間ね…妬み殺してやろうか?」

 

「勘弁勘弁」スパー

 

…煙草も無し、死ぬ価値無し、寝る場所無し、彷徨う場所有り。

死なねえんだしこの際地底でも彷徨うか。もう既に死んでるから死ぬことがあるのかどうかわからないけど…成仏が実質の死かな?まま、ええわ

 

「…人ってのは難しいな」

 

「人じゃなくてもそれは思うわよ」

 

「そうか…それじゃ、喜怒哀楽がある生物ってのは面倒臭えな」

 

「はぁ…結構ロマンチックが好きなのね」

 

「ロマンチックは好きじゃないが男の浪漫は好きだ。男の浪漫ってのはこの世界じゃまるで当たり前だがな。」

 

「どんな浪漫なのか気になるわね…全くもって妬ましい」ガリッ

 

「おいおい、爪を噛むなよ。お美しい指が汚れていくぞ。」

 

「…」

 

「男の浪漫ってのはな。銃弾もロケットも戦車も素手でぶっ壊し、その目標はどんどんとデカくなり、やがては世界である敵を倒す。そんなもんさ。」

 

「男の浪漫は意外と安いものね。ほとんど勇儀が叶えてるじゃないの」

 

「…浪漫はいつか捨てなきゃ行けないけど、この世界じゃ捨てる物ほど大切に取っておきたくなるよ…」スパー

 

「全く同感ね。ロマンチックな願いほど叶わない事を知っているのになかなか抜け出せない…困ったわね」

 

…どうやらこの世界じゃ捨てて行ける物を持っていても変わらんようだ。隣の金髪美女さんが語っている…親父はどうやって母さんを口説いたんだろうか。母さんは俺の目からも他人の目からも美人に映る…その割には自分に自信がなかった。そんな母さんも車に轢かれて死んだがな。あの時の俺に戻りたいよ…交通事故なんて、起きなきゃ良いのに…

 

「…今日はもう寝る。俺が人に頼るなんざ無理だ。」

 

「…そう。どこで寝るのかしら?」

 

「この橋。この橋なら誰も通らねえしな。立ちながら寝てるさ」

 

「…そう」

 

…数時間後。ん?地底に日にちなんて概念あるんですか…?

 

「…やっぱり眠るのはストレス解消になるな。八雲紫に対するストレスはまだ消えそうにないけどな」

 

「八雲紫…貴方ここに連れて来られたっぽいわね」

 

「その通り。管理人さんからここに置かれて蓋をされちゃった。臭いものに蓋をしろって言うけど俺って臭い?」

 

「蝿が集ると臭いらしいわ。死人に臭いなんてあるのか知らないけど」

 

「そりゃそうだ…けほっけほっ…花粉かな」

 

「花粉?ここに花なんて」

 

「俺の隣に棘のついた金色の薔薇が咲いてやがる。花粉はそいつからだ」

 

「フフ…それって、私を褒めてるのかしら?」

 

「もちろんさ。面倒な役はもう2度とごめんだからね。さっさと成仏するか冥界に帰るかしないとこれの精神ぶっ壊れそうだ」

 

「…成仏?」

 

「言ってなかったか?俺、亡霊なんだわ」

 

「亡霊…それなら成仏した方が良いんじゃない?それが魂になるか。魂になった方が良いと思うわよ」

 

「別に俺は何かするためにいるわけじゃねえんだがな」

 

魂ってなってなんか楽することでもあんの?覗きが楽になるとか?いや、それはないな。神に誓ってそれはない。

…成仏した方が良いのかなぁ。嫌われ者の俺を祓ってくれる神様巫女様なんざどこにいるのか知りたいけどね。いや、お釈迦様か?孔子様か?尊師か?…わからんけど誰か俺を祓ってくれそうな奴は…命蓮寺とやらの住職さん。優しそうだったし…って地上じゃねえか!畜生地上に行かなきゃ成仏できねえってのにどうすれば良いんだよ俺!

紫さんが迎えに来てくれるか、それともそのままゴミ捨て場に捨てられたゴミ袋のように烏に突かれるか。衛生面で悪そうだから遠慮しとくわそんなん。

 

「…煙草はもういらないかな」ボシュッ

 

「…良いの?」

 

「今辞めないとマリファナに手を出しそうだからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




実は主人公の死体ってまだ地上に残ってるんですよね。
なんでか、分かります?嫌われすぎて死体すら無視されるんですよ。操られることなく時間だけがすぎていってやがては何も無くなる。
幻想郷って恐ろしいですね。
でも僕はそんな幻想郷が好きです。
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