IS〈インフィニット・ストラトス〉 射手の男   作:運命の担い手

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ようやく今回から本編が始まります。
これも皆様のおかげです。
では、どうぞ!


第16話「IS学園」

入学式も終わり、それぞれ新入生は自分のクラスに行き、先生が来るまで待機する。

俺は1組になって本音もそうだ。簪は4組になった。

で、今現在、俺はいまだかつてないほどの空間に包まれている。

 

『……………………………』

 

それもそうだろ。なにせこの1組には俺と先に動かした織斑一夏がいるのだからな。

 

「皆さん入学おめでとう。私は副担任の山田真耶です」

 

シーン………………

 

すいません。返事したくてもこの空気じゃ無理です。

 

「あ、え、えっと……今日から皆さんはここ、IS学園の生徒です。この学園は全寮制。学校も放課後も一緒です。仲良く助け合って、楽しい三年間にしましょうね」

 

シーン………………

 

誰か一人でも言ってくれてもいいだぞ。俺は無理だが。

なんとか平常心でいられるが織斑一夏のほうはガチガチになって(うつむ)いている。

 

「……くん。織斑一夏君!」

「は、はいっ!?」

 

緊張していたせいか呼ばれたことに驚いて大きな声で返事をした。それを何を勘違いしたのか何度もぺこぺこと頭を下げている。恐らく、怒っているのかと思っているのだろう。

少しやりとりをして織斑一夏は席を立ち、後ろを振り向く。

 

「えー……織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

おいおいそれだけか?何か言った方がいい。ほら、クラスの女子(ほぼ全員)が他にはと言わんばかりに見ているぞ。

 

「はー……すー……」

 

意を決したのか深呼吸をして―――

 

「以上です!」

 

がたたたた!

 

締めくくった。今ので俺以外全員コケたぞ。

 

「あれ?ダメでした?」

 

ダメだろ。せめて趣味を言えばいいのに。そうこうしていると誰かが入ってきた。そして―――

 

パアンッ!

 

「いっ―――!」

 

織斑一夏の頭に出席簿で叩いた。てか千冬さんだったのか。よく出席簿であんな音出せるな。

 

「げえっ、レヴィ!?」

 

パアンッ!

 

「誰が銃を二丁使う海賊だ」

 

言われてみれば、千冬さんの声似ているな。あながち間違いじゃない気がする。

 

「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」

「ああ、山田君。クラスのあいさつを押し付けてすまなかったな」

 

あれ?織斑一夏がポカーンとしているな。そう言えば、千冬さんがIS学園で教師をしていることを知らなかったんだったな。

 

「い、いえ。副担任ですから、そのくらいはしないと……」

 

なんで教えないのだろうか?まあいいか。

 

「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年を使いものになる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことをよく聴き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。私の仕事は弱冠十五才から十六才までに鍛え抜くことだ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな」

 

それは軍での言い方ではないだろうか。

だが、そんなことでは気にもしない女子たち。

 

「キャ―――――!千冬様、千冬様よ!」

 

なんて大きい声だ!鼓膜が破けそうだぞ!

 

「ずっとファンでした!」

「恐れ多くてお顔を見られません!」

「私、お姉さまに憧れてこの学園に来ました!北九州から!」

「あの千冬様にご指導していただけるなんて嬉しいです!」

「私、お姉さまのためなら死ねます!」

 

「……毎年、よくもこれだけの馬鹿者が集まるものだな。感心させられる。それとも何か?私のクラスだけバカを集中させてるのか?」

 

しょうがないと思うな。なにせ、元世界最強だ。期待を込めてそうさせていると思う。

 

「キャあああああっ!お姉さま!もっと叱って!罵って!」

「でも時には優しくして!」

「そしてつけあがれないように躾をして~!」

 

黄色い声の旋風がいまだに鳴りやまない。他の組の先生は抑え込むのに必死だろう。

 

「で?思えは満足に挨拶もできんのか、お前は」

「いや、千冬ねえ、俺は――」

 

パアンッ!

 

これでもう三度目だ。あいつの頭は大丈夫か?俺もあんな風にならないよう織斑先生、山田先生と呼ばないとな。

 

「織斑先生だ」

「……はい、織斑先生」

 

このやりとりで教室中にバレたな。

 

「え……?織斑くんって、あの千冬様の弟……?」

「それじゃあ、男でISを使えるっていうのも、それが関係して……」

「でもあっちの男の人はなんでだろう?」

「さあ?」

 

俺が聞きたい。だけど反応するのは無鉄だけだ。

 

「はあ……もう一人の男子。自己紹介をしろ」

「はい」

 

もう一人の男子とは俺しかいないな。

 

「弓塚士郎です。知っている人も多いだろうが俺は記憶がない。ひとりでも多く友達になってくれるとありがたい。趣味は家事全般、神話や英雄などを調べること。好き嫌いは特にない。質問などは休み時間にしてくれ」

 

こんなもんでいいだろう。

その後は全員自己紹介が終わり、一時間目の授業が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの二人よ。世界でISを使える男性って」

「一人は入試の時に動かして、もう一人は特別見学で触ったら動かしたんだって」

「世界的な大ニュースだったよね!」

「やっぱり入ってきたんだ」

「あなた話しかけなさいよ」

「私、行っちゃおうかしら」

「ちょっと!まさか抜け駆けする気じゃないでしょうね!」

 

一時間目の授業が終わるや否や、廊下には大勢の女子が、一年生から三年生までいる。

 

「よ、世界で最初にISを動かした男」

「そう言うお前こそ世界で二番目に動かした男だな」

 

IS学園でたった2人の男だ。これから三年間仲良くしたいのは当然だ。

 

「自己紹介でも言ったが、俺は弓塚士郎だ。士郎で構わない」

「分かった。俺は織斑一夏。俺も一夏でいい」

「これからよろしく頼む。一夏」

「こちらこそな、士郎」

 

互いに握手をした。そのせいか、なにやら変な声が聞こえた。

 

「これは織斑×弓塚かな……」

「いえ、弓塚×織斑のほうがいいじゃない」

「今年の夏コミはこれか……!」

 

聞こえない聞こえない。なーにも聞こえない。

 

「もし俺がIS動かさなかったらお前一人だったな」

「勘弁してくれ。想像しただけでも胃に穴が開きそうだ……」

 

考えたくもないだろうな。大勢の女性の所に男一人がいるのは息がつまりそうだ。

 

「……ちょっといいか」

「え?」

 

突然、話しかけられた。いや、一夏のほうか。

 

「……箒?」

「………………………」

 

知り合いか?よくは知らないが一夏に用があることが確かだな。

 

「一夏に用があるのだろ。俺の事は気にしなくていい」

「すまない」

「なに、いいさ。ほら、一夏さっさと行け。時間が過ぎるだけだぞ」

「え、え?」

「早くしろ」

「お、おう」

 

足早に一夏とその知り合いの女子は教室を出て行った。あ、名前聞くの忘れていた。

 

「しまった。俺一人になってしまった……」

 

これでは集中砲火を食らってしまう。どうする。

 

「一人になったわよ!」

「私、本当に行っちゃおうかしら」

「勇気があればなんでもできる!」

 

それは元気でないだろうか。まあ本音の所に行くか。用もあるし。でないと本当に集中砲火を食らってしまう。

 

「おい、本音。これ忘れ物だぞ」

「おー。ないと思ったら、ゆーみんが持っていたんだー。どこにあったのー?」

「玄関に堂々と置いてあったぞ。次の授業で必要な教科書なんだからな」

「そうだったんだー。ありがとー」

「ちなみにだが次の授業をどうするつもりだった?」

「ゆーみんに借りるー」

「俺が困る」

「ゆーみんと一緒に授業をうけるー」

「席が遠くて無理だ」

 

席は前で織斑一夏の後ろになっている。本音は後ろの席で廊下際になっている。

 

「本音と弓塚君、仲良いね。あ、私は谷本()()。よろしくね」

「私も言ったほうがいいかな。私は夜竹さゆか。よろしく、弓塚君」

「ああ。自己紹介でも言ったが弓塚士郎だ。こちらこそよろしく」

 

本音の近くにいた女子に名前を教えてくれたので俺も言った。

 

「ゆーみんと私は仲良しだよねー」

「まあそうだな。家に世話になっているからな」

「「え?」」

 

ん?なんだ?

 

「それって、同じ家で生活していたの?」

「ああ。何せ俺は記憶喪失だから本音の家、正確には4組にいる更識簪の家で入学までそこで生活していたからな」

「なるほどね」

 

そういえば父さんや母さんにも友達いたんだよな。いずれ会ってみるのもいいか。

 

「本音は谷本と夜竹とはもう友達になったのか?」

「そだよー」

「そうそう」

「だね」

 

早いなおい。俺も友達が増えるといいな。……IS学園だと女友達がほとんどになるが。

 

「あ、あの!」

「ん?」

 

後ろからやや大きめで声をかけられた。はて?どこかで見たような…………。

 

「俺に用か?」

「う、うん……えっと、その……」

「?」

「妹を助けてくれてありがとう!」

「……はい?」

 

お礼を言われた。もう一度言うがお礼を言われた。二度言ったのは大事なことだからだ。

 

「すまないが妹さんをいつ助けた」

「一週間ちょっと前くらいかな。覚えてないかな。マンションで火事があった」

「………………ああ、そうだったな。うん、あの時か」

 

確かに一週間ちょっと前にそんなことあったな。だけど帰った時の家での騒ぎですっかり忘れていたな。

 

「真美ちゃんは元気か?」

「元気だよ。あ、名前言っていなかったね。私は鷹月(しず)()。いやーもしかしてと思って声をかけてよかった」

「まさか助けた女の子の姉に会うとは俺は思わなかったな」

 

今思い出したがあの場にいたな。目立たないようにすぐ逃げたから姿しか見ていないし。

 

 

キーンコーン……

 

 

「おっと予鈴だ。席に戻らないと織斑先生に怒られるな。でないとあの出席簿の餌食になる」

「「「「あれは喰らいたくない」」」」

 

素早く席に戻っていく女子たち。俺もまた然り、素早く戻る。

 

 

 

 




さてさて、ようやく始まりましたよ。
これからどうなるか楽しみにしてください。
そういえば、ISの新刊が4月だそうですね。
楽しみですな!
ではまた来週。
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