IS〈インフィニット・ストラトス〉 射手の男 作:運命の担い手
「は、は、は、は……」
「ひい、ひい、ひい、ひい……」
ここはIS学園近くの浜辺。IS学園は島丸ごとになっているから不思議ではない。IS学園には国際規約があり、ISとの比較や新技術の試験にも適しており、重宝されている。
しかし、この国際規約は解釈によっては危険にさらされる可能性が高いが高度なセキュリティと厳重な警備で守られているので今のところはも危険なことは起きてはいない。
「どうしました山田先生。なまってきたのでないか?」
「多分、そう、だと、思い、ます。最近は、書類、仕事が、多くて、運動、不足に、なって、いた、もので」
黒髪の女性は織斑 千冬。かつては日本代表を務めていた。第1回IS世界大会(モンド・グロッソ)総合優勝および格闘部門優勝者。ある事件をきっかけに選手を辞め、今はIS学園の教師をしている。彼女を「ブリュンヒルデ」と呼ぶものが多い。
緑髪の女性は山田 真耶。元日本代表候補で、ISの操縦技術は千冬が認めるほどの高さを誇る。実際より低く見えるせいか幼く見える。高校時代では千冬の後輩である。
「あそこの木片まで走ったら休憩しましょう」
「は、はい!」
千冬が先に走り、真耶が後ろからよろよろにながらも追いかけていく。
◇
「あー生き返ります。すいません、織斑先生。ジュースを奢っていただいて」
「気にしなくてもいい。私の日課に付き合った褒美だ」
自販機の近くにある椅子に座り、二人はジュースを飲みながら休憩をしている。今の二人は絵になるくらい、いい光景だ。
「ん?あそこにずいぶんと大きな木材が打ち上げられているな」
「えっと…そうですね。つい昨日まで海が荒れていたので色んな物がありますね」
二人に視線の先には浜辺に様々な物が打ち上げられていた。小さい物はペットボトル、木片、ガラスの破片など、大きい物は家を建てるときに使う角材、看板、ドラム缶などがある。
「近くで見てみますか?」
「そうだな…見てみるか」
飲み終えたジュースをゴミ箱に捨て、二人は浜辺に歩み寄った。
「結構あるな。これは業者の者は大変だろうな」
「そうですね。さすがにこれは大変ですね」
触らず見るだけだが、千冬は何か違和感を持つように見る。まるでこの中に何かを探すように。
「どうしたんですか、織斑先生?」
「あそこに密集している木片辺りが妙に気になってな」
「別になんてこともないですけど」
「私は探ってみるが山田先生はどうしますか?」
「用事はないですし、一緒について行きます」
千冬はさっそく違和感を感じた密集している木片を探ってみるとすぐにそれは見つかった。
「…山田先生こっちに来てくれ」
「なんですか?何か見つかったんですか?」
そう見つけたのは……
「これは人そっくりの木片ですね」
「そうですね。人によく似た木片…じゃなくて人ですよ!」
「すまない。こういうのはせいぜいドラマしか見たことがないので動揺してしまった」
「私もそうですよ!えっと、まずは…」
人だった。見たところ外傷はないが春先の海は寒いのでひとまず浜辺に引きずって呼吸はしているが救急車を呼ぶことにした。
ちなみに性別は男で年齢はおよそ千冬の弟と同じくらいであった。