IS〈インフィニット・ストラトス〉 射手の男 作:運命の担い手
今後、更新遅れるかもしれません。
それではどうぞ!
放課後になり、剣道場に俺、一夏、篠ノ之の三人と女子数名がいる。
「はあああ!」
「くっ!」
今は一夏と篠ノ之で手合わせをしている。やはり、一夏はブランクが大きいようで苦戦して、篠ノ之は無駄な動きなく、竹刀を振るっている。
「はっ!」
「い!?」
簪は今日から二年の先輩たちに協力してもらい打鉄二式の製作の続きをすると本音が言っていた。当然ながら本音、楯無さん、虚さんも手伝うことになっている。
「いってー。箒、強いな」
「お前が弱くなっているだけだ。昔はお前の方が強かっただろ」
「そうだけど……やっぱりブランクがかなり響いているな」
「そうだな」
どうやら終わったようだ。
「篠ノ之、どうだ?一夏の腕は?」
「だめだな。かなり落ちている」
「そうか。だが、来週の月曜には付け刃でもしないとまずいな」
「ああ」
来週の月曜までになんとか様になっていればいいが、これしかないからな。
「ところで士郎。お前、剣道できるのか?」
「いや、剣道はしたことはないがこっちに来るまで泊めてもらった家で木刀で打ち合ってたくらいだ。だから、剣道のルールは知らん」
「へえ。そうだったんだ」
孝司さん以外には最低一勝はしているが孝司さんとは良いとこ止まりだ。
「弓塚……弓塚……どこかで聞いたような……」
「どうした、箒?」
なんか篠ノ之が考えている。俺の名字がどうした?
「……………………………ああああ!思い出した!」
「「うお!?」」
びっくりした。いきなり大声出すな。
「弓塚と言えば昔、父から聞いたことがある。学生時代に一度も勝てなかった相手がいたと」
「それが弓塚……父さんのことなのか?」
「多分そうだ。弓塚と言えばお前しかいない。なら、お前の父親に違いない」
「だな」
篠ノ之の父親と父さんは学生時代に会っているのか。なんとも不思議なこった。
「聞くところによると弓塚には剣術があるようだな」
「まあな。といっても奥義とかはないがな。戦い方が少し違うだけさ。なんなら今するか?」
「臨むところだ」
「分かった。いますぐ準備する」
防具を付け、竹刀を二つ持つ。いつも木刀だから少々違和感があるが問題はない。
「二つ使うのか?」
「ああ。弓塚家は剣の才能がないに等しいから手数が多い二刀流にしている。卑怯とか思うないよ?」
「思わないさ。では早速はじめよう」
「そうだな」
互いに向き合いそれぞれ構える。
「構えないのか?」
「いや、これが構えだ。自然体のほうが俺にはいいからな」
構えは両腕がダラリとしているので構えてないように見える。
「手加減は不要だ。こちらも全力で挑むから、そちらも全力で来てもらおう」
「無論だ。では行くぞ」
「ああ。現役の力、見せてもらうぞ」
「それでは……双方、構え!」
剣道部の部長さんの合図と同時に互いに前に出て、三つの竹刀が剣道場に響く。
圧巻だ。さっき俺と箒の試合とは比較にならないほどに今目の前で起きている士郎と箒の戦いは凄まじい。
箒の鋭い一閃を士郎は紙一重で躱し、今度は士郎が反撃で竹刀を二つを巧みに使って攻めるが箒は一本で受け流したり一手先を読んでいるかのように躱す。
両者共に一歩も譲らない。これほどまでに激しく打ち合っているのに二人は息が乱れていない。
今の俺じゃ、箒どころか士郎に勝てない。体力はそれなりに自信はあるがさっき箒と試合をすると呆気なくやられ、体力もほとんど尽きた。ブランクが思った以上にあると確信した。
「これすごい……」
「篠ノ之さんも強いけど弓塚君も強い」
「単に強いじゃなくて次元が違うわ……」
剣道場に来ていた女子たちが思い思い言っている。たしかにこれは次元が違う。このままだと来週の試合ですぐに負ける。
だから、今からでも、少しだけでも強くなって勝つために努力を怠らないようにしようと強く決心した。
「ふっ!」
「はあああ!」
何度打ち合ったか分からないほど竹刀がぶつかり合う。互いに決定打や有効なモノを決めることが出来ず、気付けば二十分が過ぎていた。
「篠ノ之。これで最後にしないか?」
「そうだな。決められない以上、ここで決着を付けるべきだ」
間合いを取り、それぞれ構え、一瞬を待つ。
「………………………………」
「………………………………」
剣道場は耳が痛くなるような静寂に包まれ、そして―――
「しっ!」
「やああああ!」
同時に踏み込み、竹刀が
「この勝負」
「ああ」
「「引き分けだ」」
そう言うと士郎と箒が持っていた竹刀が音を立てて割れた。
……………割れた?
「嘘!竹刀が割れた!?」
「普通割れないよ!」
「竹刀って割れるんだ」
割れるくらい打ち合っていたのか?あ、昔千冬姉と箒のお父さん、柳韻さんとの試合で竹刀を何本か割っていたな。
「ふう……」
面を外して持ってきたタオルで顔を拭く。思った以上に篠ノ之はやるな。実力どのくらいだろうか?
「篠ノ之、剣道の試合で最高でどの位までになったことがある?」
「そうだな。去年の剣道で全国大会で優勝したぞ」
「おお……結構な実力だな。そんな相手と試合したのか俺は」
それなら納得だな。あれほどの実力を持つのはそんなにいないと思う。
「そういうお前こそ大した実力だ。久々にいい汗をかいた」
「それはどうも。今度やる機会があるなら勝たせてもらうぞ」
「それはこちらのセリフだ。そうだ、弓塚。名前で呼んでいいか?」
「別に構わないがどうしてだ?」
「篠ノ之では言いにくいだろ。だから、名前でいい。それに楽しかったからな」
「そうか。なら、俺も名前でいい。これで対等だ」
「ああ」
さて、それはそうと。
「部長さん、竹刀を壊してしまいすまない」
「いいのいいの。とてもいい試合だったし、参考になったわよ?」
「ですが、壊したことには変わりありません。篠ノ之の分も弁償します」
「そういうなら……ちょっと待ってね?えーと、これがこのくらいであれがこのくらいだったから……」
どこからともなく電卓を出して計算し始める部長さん。部費をあまり多く消費しないために苦労しているのだろうか?
「士郎。私は自分の分は払うからいい」
「いや、俺が払う。ちなみにだが竹刀は一本あたりどれくらいなんだ?」
「そうだな。安いものなら二千円前後で、高いものなら三万くらいかそれ以上だ」
「そうか。なら大丈夫だ。貯蓄は十分だからな」
「だが、それでは私が納得できん」
「では、箒は払えるのか?」
「……正直厳しいな」
「そういうことだから別に気にしなくていい」
「すまないな」
「なに、困ったときはお互い様だ」
「話しはいいかな?これくらいだけど本当に大丈夫?」
部長さんが電卓に出ている数字をこちらに見せて聞いてくる。ふむ。さすがIS学園良い物を使っているな。
「大丈夫です。これくらい問題ありません。明日の放課後ここで渡します」
「分かったわ?明日待っているからね?」
「はい」
なんでこの部長さんは疑問形なんだ?独特な話し方だ。
「さて、俺は寮に戻るが一夏と箒はまだするのか?」
「ああ。休憩した後またする」
「そうか。では先に戻る。今日も勉強することを忘れるなよ」
「分かってるって」
防具を片づけ、剣道場から出る。
部屋に戻り、シャワーを浴びる。
「あれはいったい……」
箒と試合の最中、頭に誰かの声が響いていた。
―――俺達は政府や誰かの道具じゃない。戦うことでしか自分を表現できなかったが、いつも自分の意思で戦ってきた
―――言葉を信じるな。言葉の持つ意味を信じろ
―――俺の剣は活人剣だ
とても懐かしく、憧れるような男達の声。どこでいつ聞いたのかさえ分からない。
だけど、心強く頼りになる人な感じがした。
最後の方は分かる人多いですよね。
何話かしたらタグを増やします。
ではまた来週!