IS〈インフィニット・ストラトス〉 射手の男 作:運命の担い手
花粉と風邪にやられて随分と遅れてしまいました。
すみません。
まだ治りきっていませんが、今週中に二話か三話ほど上げる予定です。
ではどうぞ!
「いいの士郎?」
「何がだ?」
俺は放課後、簪と一緒に第二整備室に向かっている。一夏は昨日に引き続き箒との剣道で特訓を受けている。
「来週の試合なのに手伝わなくてもいいのに」
「無鉄の整備をするついでだ。問題はないだろ?」
「そうだけど……」
簪は俺のことを心配してくれる。確かにISでの戦闘は入試試験以外したことないから余計に心配になる。だが……
「大丈夫だ。相手は代表候補だが、あれでは自信ではなく傲慢になっているから隙は必ずある」
あんな上から見下したような様子では付け込まれる可能性が高い。特に一夏と戦ったらその可能性がより高い。あいつはいい線いっているから予想外な事をするとも限らん。
「ま、そんなわけだ。気にしないでくれ。ところで何人で制作中だ?」
「えっと……私にお姉ちゃん、虚さん、本音。あとは二年生の先輩が三人で計七人」
「七人か。順調にいきそうだな」
「うん。昨日は山嵐を除いて武相のテストをして大丈夫だった。今は打鉄二式の製作と『山嵐』のプログラムの打ち込み」
「そうか。二つの班にしているのか?」
「そうだよ。あ、ここ。もうみんな来てるかな?」
「さあな。入るか」
入るとすでに人がいた。二年の先輩や三年の先輩がちらほら見える。
「今は人が少ないけど行事が近くなると人が多くなるってお姉ちゃんが言っていた」
「だろうな。ISの整備や調節には最低でも5、6人は必要だから行事が近いとどこの整備室も多いはずだ」
「かんちゃん、こっちこっち~」
本音がだぼだぼした制服を振っている。楯無さんに虚さんもいて他の人もいた。
「士郎君も簪ちゃんの手伝いするの?」
「はい。無鉄の整備のついでということで」
「そう。ところで来週の試合は大丈夫?」
「もう耳に入っているんですか。まあ、それなりに。それよりそちらの三人の先輩が気になっているようです」
まじまじと見ているので正直怖い。というかこの整備室に来てから周りの視線が痛いほど分かる。
「あ、紹介していなかったわ。三人とも自己紹介は各々してね」
「じゃ、私から。私は黛薫子、二年で新聞部副部長をしていよ。これ名刺ね」
「ども」
名刺を渡された。画数の多い先輩と覚えておこう。
「佐倉京子だ。ずっちんと同じ二年。よろしくな」
「はい」
握手をされた。どこかで聞いたような名前だな。なんだっけ?あ
「思い出した」
「なにがだ?」
「先輩の名前って魔法少女まどか☆マギカに出てくる主要キャラの一人と同姓同名だということを」
「やめてくれー!」
「あー士郎君?京子ちゃん気にしているからその話題に触れないようにして」
「あ、はい」
どうやら本人も気にしているようだ。あまり触れないようにしよう。
「私はぁ、フィーネ・エスタールですぅ。よろしくぅ」
「こちらこそ」
おっとりしている人だ。本音とすぐに仲良くできるな。
「さて、昨日の続きをしましょう。私、簪ちゃん、虚ちゃん、薫子ちゃんは打鉄二式の製作。本音ちゃん、京子ちゃん、フィーちゃんは『山嵐』のプログラムの打ち込み。士郎君は無鉄の整備が終わったらどっちか手伝って。それじゃ、分かれて作業しましょ」
楯無さんのてきぱきとした指示で作業が始まる。打鉄二式はこっちに来る前より出来ていて、山嵐のプログラムの打ち込み、正確にはマルチ・ロックオン・システムの構築は六割ぐらいになっていた。
「俺も作業に取り掛かるか」
空いている作業スペースで無鉄を呼び出し、各部位にケーブルを接続して以上がないか確認する。
「腕部異常なし、脚部異常なし、火器管制システム異常なし、PIC異常なし。他には――――――」
空中パネルをいくつも出してどこも異常がないかを確認。その後はズレがないかを確認する。ズレが生じると相手との距離、速度、反応、照準位置が狂ってしまい、戦闘に影響を及ぼすだけではなく、事故にも繋がる。
だからこまめに確認し、異常やズレがあったら修正しなくてはならない。
「異常もズレもなし。特にこれといったところはないな」
次に取り掛かるのは無鉄本体に少し手を加えてみようと思う。詳しく言うと脚部にあることをするだけ。
「さてと、あらかじめ作ってきたパーツを取り付けるか」
作ってきたパーツを量子変換させて出す。無鉄の両方の脚部に取り付ける。これだけだ。
「よし、取り付け完了。無鉄にこのデータを入れる」
実は更識家の蔵の地下で仮止めして試験をしたのでその稼働データを取っていた。稼働データには俺なりに工夫をしたので試験した時よりいい動きになるはずだ。
「おっと、バランサーの調整をしておかないと。忘れるところだった」
危ない危ない。来週の試合で不具合でも起きたらまずいからな。
「調整完了っと。さあ、どっちを手伝うか?」
打鉄二式は簪中心にして試験と最終確認をしているのでこっちは手伝はなくても大丈夫だろう。
「てことで山嵐のプログラムの打ち込みを手伝いに来ました」
「「いえーい!」」
「なぜテンションが高い?」
訳が分からん。そんなに苦戦してたのか?
「ゆーみんが来てくれて助かるよ―。頭が数字だらけになっちゃうところだったー」
「しょうがないだろ。マルチ・ロックオン・システムは全て独立稼働させることで高命中率、高火力のスペックを引き出せる。複雑で面倒だがこれも簪のためだろ?なら、やるしかない」
「甘い物くれるならやる気が出るんだけどなー」
「あるぞ」
「……え?」
「だから、甘いものあるぞ。といっても部屋にだが」
「今すぐ欲しい!」
「私もぅ!」
「先輩もですか!?」
似た者同士同調率高い!誰か助けてくれ!
「ほらほら、二人ともサボんな。来週には完成させんだから手を動かせ」
「「甘いものが~」」
佐倉先輩が二人を元の席に引っ張り着かせてくれた。
「すいません佐倉先輩。あとで先輩にも甘い物あげますから」
「悪いな。あと、名前でいい。お前も名前で呼んでいいか?」
「はい。では、作業の続きをしますか」
「そうだな。じゃないと、あいつらがまたサボりそうだからな」
「ははは………」
そんなこんなでプログラムの打ち込み曰く、構築を手伝い五時半まで続いた。ちなみに薫子先輩とフィーネ先輩も名前で呼んでいいと言われた。
二年の先輩のフルネームが分からないのでこちらで勝手に決めました。
京子のほうは魔法少女つながりで、フィーは適当に決めました。
明日の朝か夜に上げる予定です。
ではでは。