IS〈インフィニット・ストラトス〉 射手の男   作:運命の担い手

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やっと書けた。
遅くなりましたが、どうぞ!


第25話「クラス代表戦・前編」

「来ないな。俺のIS」

「そうだな。調子は大丈夫か?」

「ああ、バッチリだ!箒の特訓のおかげで自信がついた!」

「そ、そうか。よ、良かったな///」

 

今日はオルコットとの試合の日。戦う順番は一夏とオルコット、俺とオルコット、一夏と俺になっている。つまり、総当たりで多く勝った者がクラス代表になる。

試合が終わるごとにISの整備と補給、休憩の15分がある。

 

「士郎もありがとな。知識もそれなりについた」

「そうでなければ俺も困る。だが、試合では互いに全力でぶつかり合おう」

「ああ!」

 

一夏はこの一週間で確実に力をつけていた。箒の話によれば三日目までは負け続けていたが四日目からは押されたり、勝つのが多くなったというのだ。

これは将来化ける。もしかすると、千冬さん以上になるかもしれん。

 

「にしても本当に遅いな。もう10分は過ぎている」

「そうなんだよな。千冬ね…じゃなかった織斑先生が連絡の一つくらい寄越してもいいのによ」

「連絡を待つしかないだろ」

 

試合時間が過ぎていてオルコットはすでにアリーナの中央で待っている。

モニターで見るとISを身に纏い、右手に銃が握られている。外見からすると中距離から遠距離の射撃タイプだな。

 

「お、織斑くん織斑くん織斑くんっ!」

 

山田先生が駆け足でやってきた。何気に転びそうと思うが今はそうはいかない。

 

「ふむ、山田先生。落ち着いたらどうです。深呼吸をしたら少しは落ち着きますよ」

「そ、そうでよね。す~~は~~、す~~は~~―――」

 

数回してようやく落ち着きを取り戻した。奥からは織斑先生もやってきた。

 

「来ました! 織斑くんの専用IS!」

「織斑、すぐに準備をしろ。アリーナを使用できる時間は限られているからな。ぶっつけ本番でものにしろ」

 

本来ならフォーマットとフィッティングは試合前に済ませておくのだがアリーナの使用時間はそれほど多くはないので試合中に済ますしかない。

 

 

ガコンっ

 

 

ピット搬入口が開く。上下の防壁扉が向こう側にいた一機のISがいた。

 

「これが……」

「はい!織斑くんの専用IS『白式(びゃくしき)』です!」

 

 

ザザ……

 

 

「ッ!」

 

突然頭にノイズような音が響く。だが、すぐに治まった。なんだったんだ、今のは……

 

「ん?どうした弓塚。何か考えごとか?」

「いえ。なんでもありません。大丈夫です」

 

織斑先生が気付いたようだが別にどこも悪くないので大丈夫と言った。

 

「すぐに装着しろ。時間がないからフォーマットとフィッティングは実践でやれ」

 

急かされて、一夏はISに触れる。

 

「あれ……?」

「どうした?」

「いや、なんでもない」

 

なにか思った感じとは違ったのか?

 

「背中を預けるように、ああそうだ。座る感じでいい。あとはシステムが最適をする」

 

白式が一夏を包むように装甲を閉じる。それと同時にフォーマットとフィッティングが開始し、一夏の視界を中心に空中投影ディスプレイが浮かび上がる。

それにはオルコットの機体情報が表示されているようだ。

 

「ISのハイパーセンサーは問題なく動いているな。一夏、気分は悪くないか?」

 

ん?一夏のことを普段は織斑と呼んでいるのに今は名前で呼んだ。表情はいつも通りだが内心では一夏のことが心配なんだろう。

 

「大丈夫、千冬姉。いける」

「そうか」

 

一夏が名前で言っても怒らないとは……。ちゃちゃ入れたら何されるか分からないから黙っていよう。

 

「箒」

「な、なんだ?」

「行ってくる」

「あ…ああ。勝ってこい」

 

一声かけておくか。

 

「一夏」

「なんだ士郎?」

「油断するなよ」

「いや、油断できないんだが……」

「そうだったな。なら、全力でやってこい。今のお前の、な」

「!ああ!」

 

ピット・ゲートが完全に開き、カタパルトに乗る。一夏はカタパルトから火花を散らしながら、一気に弾丸のように打ち出された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、逃げずに来ましたのね」

 

目の前には鮮やかな青色の機体『ブルー・ティアーズ』を纏うセシリア。右手には二メートルを超す長大な銃器

 

 

―――検索、六七口径特殊レーザーライフル《スターライトmkⅢ》と一致―――

 

 

が握られていた。すでに試合の鐘はなっているので、いつ撃ってきてもおかしくない。

 

「最後のチャンスをあげますわ」

「チャンスって?」

「わたくしが一方敵な勝利を得るのは自明の理。ですから、ボロボロの惨めな姿を晒したくなければ、今ここで謝るというのなら、許してあげないこともなくってよ」

 

 

―――警戒、敵IS操縦者の左目が射撃モードに移行―――

 

 

言っていることとやっていることが逆になってんじゃねーか。

 

「そういうのはチャンスとは言わないな」

「そう?残念ですわ。それなら―――」

 

 

―――警戒!敵IS射撃体勢に移行。トリガー確認、初弾エネルギー装填―――

 

 

「お別れですわね!」

 

 

キュインッ!

 

 

「ッ!」

 

咄嗟に右に避けて白式の左肩が掠った。箒との特訓がなければ直撃していた。

白式は俺に合わせて最適化している最中だ。一次移行(ファースト・シフト)になるまでの辛抱だ。

 

「そんじゃ、行くぜ!」

 

右手に武器の一つというより一つしかない近接ブレード(名前が分からない)を呼び出し、構える。

 

「中距離射撃型のわたくしに近距離格闘装備で挑もうだなんて……笑止ですわ!」

 

引くわけにはいかない。激戦が、始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほう、今のを掠っただけか。てっきり直撃だと思ったが」

 

今俺と箒は管制室で見ている。一夏がカタパルトで射出された後、織斑先生に管制室で見ていいと言われたので甘えて来た。

 

「箒と特訓が生かされたのでしょう。でなければ直撃していたと思われます」

「そうなのか?すまないな篠ノ之、弟が迷惑をかけたな」

「い、いえ。私もいい刺激になりました。それと昔のように織斑先生と打ち合ってみたいと思っています」

「なら、今度時間があったらそうしよう。手加減はせんぞ」

「!はい!」

 

一夏が箒の実家が剣道場だったなら、織斑先生も通っていたのか。だから、ISでの戦闘でもそれで接近戦がメインか。

 

「それにしても一夏はなんで近接ブレード一本で戦っているんだ?」

「現役時代の私のマネか?」

「いやいや、さすがにそれはないと思いますが」

 

調べてみるか。えーと…………………………は?

 

「箒、織斑先生。今分かったんですが、えーと…………」

「なんだ弓塚。はっきり言え」

「そうだぞ。もったいぶらず言うんだ」

「……白式には近接ブレード一本しか搭載してないそうです」

「「は?」」

 

なんで近接ブレード一本しかないんだ?しっかり調べたがやはり一本しか表示しなかった。

 

「そうだとしたら一夏は接近するしか方法がないのではないか!」

「落ち着け箒。俺に言われても困る。だが一次移行(ファースト・シフト)になれば、武装が増えるかもしれん。それまで耐えればいいだろ」

「そ、そうだな」

 

というものの押されているのには変わりはないんだがな。

だが、一夏のISの起動が二回目。それに初の戦闘だというのにこうも動けるとは、本当に実力だけなのか?

もしかして遺伝子が関係して―――

 

 

―――DNA情報はあくまでも力や運命を秘めていると言うことだけしか言えないわ。

   運命に縛られてはいけない。

   遺伝子に支配されてはいけない。

   生き方を選ぶのは私達なのよ。―――

 

 

「ッ!」

 

今度は女の声か。一体なんなんだ。まるで何かを思い出すように突然頭に声が響く。そう、忘れてはいけないと。

 

「見てください!織斑君が何かしようとしています!」

 

山田先生の声に反応してリアルタイムモニターを見る。

 

「これは……」

 

無理矢理な機動でビットを避けてオルコットに近づくために急激な加速してライフル銃身とブレードがぶつかり、銃口がそれて難を逃れる。

すぐさま距離を取り、ビットで反撃をするがをするが4機あるうちの1機を斬り落としたのだ。

 

「一夏。お前はこの短時間で弱点を見抜いたのか?」

 

だとしたら、とんでもない奴だな。これは一夏との戦闘は気は抜けない。こちらが喰われる。

 

「すごいですね織斑君。ISの起動が二回目とは思いません」

「あの馬鹿者浮かれているな」

「どうしてわかるんですか?」

「さっきから左手を閉じたり開いたりしているだろ。あのクセが出る時、大抵簡単なミスをする」

「はぁぁぁ……。さすがご姉弟ですね。私には分かりませんでした」

 

山田先生が何となく言ったことに気づいて織斑先生がハッとする。

 

「あ、あれでも一応私の弟だからな……」

「あー、照れてるんですかー?照れているんですねー?」

「……………」

 

山田先生そんなこと言ったら。

 

 

ガシッ!

ギリリリリリリリ!

 

 

「山田先生……」

「いたたたたた!!」

「私はからかわれるのが嫌いだ」

「わかりました!わかりましたから、離して―――あううううっ!」

 

ヘッドロックが山田先生に炸裂。照れ隠しをヘッドロックでするのはかなり酷ですな織斑先生。

 

「………………」

 

箒は気にせず、ずっとモニターを見ている。ただただ、ずっと見ている。

付き合いは長くはないが、箒は両手を合わせて無事を祈るようなマネはしない。そういう性格ではないからだ。

 

「ふむ」

 

そして、試合は大きく動く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

獲った!

 

全てのビットを斬り落とした。ライフルの銃口は間に合わない。確実に一撃が入る絶好のタイミングだ!

 

「距離を詰めればこっちが有利だ!」

「―――かかりましたわ」

「え!?」

 

 

ガコン

 

 

腰にまだあったのかよ!くそ!

 

「おあいにく様、ブルー・ティアーズは4機だけではありませんのよ」

 

回避が間に合わない。しかも、レーザ射撃じゃなくてミサイルだ。

 

「くっ!」

 

振りきろうとするが追尾してきた。

 

 

ドカァァァァッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一夏!!」

 

ミサイルが一夏に当たり爆炎が立ち上る。思わず箒は声を上げた。

 

「「機体(IS)に救われたな、馬鹿者め」」

 

俺と織斑先生の声が重なった。

煙が晴れるとそこには一次移行(ファースト・シフト)を終えた、真の純白の機体がいた。

 

「織斑先生。準備がありますので俺はピットに戻ります」

「いいのか?試合はまだ終えてはいないぞ」

「気になりますがどっちとも気は抜けない『相手』です。ですので、早めに準備をする必要があります。それでは全試合が終わった後で」

 

管制室から出て一夏やオルコットがとは違うピットに向かった。

 

向かいながらリアルモニターを出して試合の状況を把握する。

どうやら、結果はオルコットの勝利だそうだ。リプレイで見ると一夏は雪片の特殊能力を知らずに使ったようで急激にエネルギーが減り、自滅した。

 

雪片はバリアー残量に関係なく切り裂いて、直接本体にダメージを与える。そうすると、絶対防御が発動して大幅にシールドエネルギーを減らすことが出来る。

ただし使用時には自分のシールドエネルギーを転化するので消耗が激しい。織斑先生は当たる瞬間に発動させて斬るだけにしてエネルギーの消費を抑えていたようだ。

 

「さて、あのビットは少々厄介だが対策は万全。抜かりはなし」

 

ピットに到着して準備を着々と進める。

 

 

 

 

 

 




試合はあと二話ほど。
タグ追加は三話ほど先。
次回は早くて月曜日、遅くて水曜日。時刻は不明。
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