IS〈インフィニット・ストラトス〉 射手の男 作:運命の担い手
四月に入ってから信じられないほど忙しくなってしまって執筆が遅くなってしまいました。
まだ忙しいので次はいつになるか分かりません。
ともあれ、やっと書けましたのでご覧ください。
「時間まであと5分か」
武装は対オルコットように変更済み。弾薬も十分。設定は全てマニュアルに切り替えてある。
「準備万全なようね」
「なぜここにいる美沙夜」
いつの間にか美沙夜がいた。全く気付かなかった。
「応援しに来たのよ。戦うのはまだ二度目でしょ。緊張していたらほぐしてあげようと思っていたけどその必要はなさそうね」
「ああ。なにせはじめて戦った相手は織斑先生だったからな。あの人以外に緊張はほとんどしないだろ」
「ご愁傷様。ワタクシは織斑先生とは戦いたくないわ。戦ったら生きた心地しないし」
「それは言い過ぎ……でもないか。正直な所そうだった」
あの時は集中して勝つことに一身になっていたが次の日に思い返していたら生きた心地しなかった。
経験は財産と言うがあれは一回限りで十分だ。
「それよりそこに隠れている二人はいつまでそうしているの?」
物陰から二人の女子が出てきた。てなんだ。
「簪に本音どうした?」
「えっと応援しに……」
「お菓子もらいに~―――」
ゴン!
「応援しに来たんだよ!」
簪が目にも止まらぬ速さで本音の頭に拳骨をした。さすがにまずいと思ったのか真面目に答えた。
やはり簪は変わったな。良くも悪くも。
『時間になりました。オルコットさん、弓塚君はアリーナの正面に集まってください』
山田先生のアナウンスによる指示が出たので無鉄を出してカタパルトに乗る。
「し、士郎!」
「なんだ簪?」
「頑張って」
「ああ」
「ゆーみん勝ってね~」
「そのつもりだ」
「思いっきりやりなさい」
「当然」
勢いよく俺と無鉄はカタパルトから射出され、アリーナ中央に出た。
◇
白式に乗りながら補給をしている。これから士郎とセシリアとの戦いが始まる。どのくらい強いのだろうか。千冬姉を不意打ちまがいで倒したって言ってたけど結構強いんだろうな。
「織斑、よく見ておけ。お前と弓塚がどれくらいの差であるのかを。そして、これから先、望むと望まざると、ずっと比べられる事になる」
「そのくらい分かっているさ千冬姉。俺はもうISとは無関係じゃいられないってことぐらい。それに今は士郎の方が強いけどすぐ追い抜いてやるさ」
「ふ、意気込みだけは一人前だな」
あれ?結構本気で言ったんだけど。
「それと織斑」
「はい?」
バァァァァン!
「あだ!?」
「織斑先生と呼べ」
「すいません織斑先生……」
いってー。油断するとつい言っちまうんだよな。慣れるのにまだ時間が掛かるなこれは。
「さて、そろそろ始まるぞ。試合中はずっとモニターを見ていろ。弓塚を追い越すのだろ?」
「もちろんさ!」
試合は間もなく始まろうとしていた。
◇
「オルコット。さっきの試合は危うくやられそうになったな」
「そうですわね。ですがわたくしも代表候補生の一人。先ほどのようにはなりませんわ」
ふん。いい目になっている。一夏との試合で何かが変わったのか一週間前とは違う。
「では全力でお相手してもらおうか、代表候補生?」
「いいですわ。相手になって差し上げましょう」
オルコットは先ほどのレーザーライフルを出し、俺は両手に小型マシンガン2丁を出した。
「あら?その銃はデータにはありませんがどうしましたの?」
「これか?これは自作したものでな、データは出ないはずだ。待ち時間の間にデータをコアネットワークに流しておいたからそろそろ出るはずだ」
「あ、出ましたわ。それにしてもよく作れますね」
「まあな。作ると決めたからには手は抜かんさ」
『それでは試合を始める。カウント三秒後だ』
アナウンスは山田先生から織斑先生に変わったようだ。空中パネルがさん3と表示された。
「「……………………」」
互いに無言になり、いつでも撃てるように姿勢を整える。
2
オルコットは前の試合のように早撃ちで来るはずだ。
1
なぜなら―――
0
「は!」
「ふっ!」
ロックされているからな!
「喰らえ!」
カウントが0になったのと同時に読み通りにオルコットは早撃ちをした。読めていた事なので掠る事無くすぐに反撃に転じた。
今両手に持っている小型マシンガン2丁は織斑先生と戦った入試試験で使ったD90デュアルを強化したD90カスタムだ。
D90デュアルとの違いは連射精度を大幅に強化、射撃時間の延長だ。しかし、秒間火力はD90より劣る。
「どうだ。二丁拳銃スタイルの武器はそうそうないからやりづらいだろ」
「そうですわね。ですが、それだけではわたくしは負けはしませんわ!」
ちまちまとシールドエネルギーを削っているが相手はレーザーライフル。一発一発が強いから当たるとこちらと違い、多く削ることが出来る。
弾幕を張っていてもそれを突き破って撃ってきている。まあ、こっちは実弾、相手はレーザーだからしょうがないか。
「これならどうです!」
レーザーライフルで撃つのをやめ、フィン状のビットがこちらに向かってきた。
「む!」
一夏の時より攻撃が鋭くなっている。少々避けずらいがこれくらいなら。
「よ!は!」
だが、このままでは押される。ここは一気に……ん?
「ビットを戻した?」
どういうことだ。ビットとレーザーライフルをメインとした戦いのはずだが両方とも出していない。
「なっ!?」
武器を出せずにこちらに接近してきた。一体何をするつもりだ。
「インターセプター!」
「っち!?」
近接ブレードを叫びながら出した。本来、呼びながら出すのは初心者の方法だ。一夏との試合では近接ブレードを出さなかったと思われたが出すのが苦手とだと今はっきり分かった。
キィィィィン!!
「驚いたな。射撃型のISで近接戦闘に切り替えてくるとは。想像もしなかったぞ」
「苦手な物をあえて使うのは時としては強くなるのでしてよ」
「同感だ」
なんとかD90カスタムを交差してインターセプターを防いだ。これでは互いにどうしようもないはずだ。
「あなたは何か勘違いをしていますね」
「どういうことだ?」
「知っておりますがわたくしは並行処理が苦手で銃とビットを両方操ることが出来ません」
「ああ。一夏との試合で分かっている」
「ですがビット四つを操ることは出来ませんが―――」
まずい!本能がそう叫ぶが回避が間に合わない!
「一つくらい操ることが出来ましてよ」
オルコットの後ろから空中に浮かんでいるビットに左肩に当たる。それと同時に右手のD90カスタムをビットに当てて破壊した。
「くっ!」
―――左肩装甲にダメージ。戦闘に支障なし、戦闘継続可能。
無鉄から状況報告を受け、戦闘に支障ないのなら問題ない。
「やってくれるな」
「油断大敵ですわ」
さて今度はこちらから攻めるか。
「全システムをマニュアルに変更、及びFCSをオフ」
「なっ!?」
無鉄に指示を出す。やはりオートでは射撃があまくなり、FCSで狙いがずれる。マニュアルにすると操縦が難しくなるがオートではできないことが増え、動きが断然違う。
FCSは入試試験と同じ感覚だ。
「あ、あなた!マニュアルにするとどうなるのか分かっていますの!それにFCSを切るなんて無茶ですわ!」
「分かっているさ。操縦が難しくなるのだろ。だが、俺にはこっちの方が動きやすいし、FCSは妙に狙いがずれるから外しただけだ」
「無茶苦茶ですわ!」
「そうだな。それとオルコット」
「な、なんですの」
「―――これから本気で行くぞ!」
「受けて立ちますわ!」
左手にあるD90カスタムをバススロットに戻す。
右手に改、左手に新式を
「はっ!」
弾丸がブルー・ティアーズにいくつも当たり、シールドエネルギーが減っていく。
後ろに回り込まれたがそのまま後ろを向いたまま狙撃を行う。ISは360度全方位が『見える』が『認識』しようとしない限りそれは『見えている』ことにはならない。
これは人の目に問題があるからだ。見る対象が中心とするとそこははっきり見え、認識できるが周りは大体見えているだけで認識していないので『見えてはいない』ということになる。
と言ってもぼやけているだけだ。
「くっ!先ほどとは明らかに違う正確な射撃。悔しいですがお見事ですわ!」
「それは嬉しいな。代表候補生に褒められるとは」
互いに旋回し、撃ち合う。はっきり言うとオルコットはオートを使うところが多いので俺に分がある。オートだと自動的に相手をターゲットサイトに入れ自分で撃つようにしているので
タイミングがずれる。
「さて、一気に決めさせてもらう」
会と新式を戻す。代わりに両手には遠雷を出す。さすがにこいつは反動が強いから両手で撃たないといけない。
「行きなさい!」
腰に付いている残りのビットを出して俺に向かって撃ってくる。最小限の動きで躱し、一機のビットに狙いを定めて撃つ。
バンッ!!
遠雷。その名の通りに遠くで鳴る雷ように銃声が響く。
ボン!
ビットが破壊され小さい爆音が鳴る。
「まだですわ!」
残りのビットを巧みに操り、当てようとするが全て躱す。それと同時に残りのビットを撃ち、破壊した。
「あなた一体何者ですの?これほどの腕前はわたくしと同等。いえ、それ以上ですわ」
「何者と言われてもただの記憶喪失者だ。絶賛記憶を思い出している最中だよ」
思い出せているのはごく僅かだが。
「セシリア・オルコット」
「なんですの?」
「今から放つ矢を撃ち落としてみろ。まあ、撃ち落とせたらだが」
「ふん!矢ぐらい落としてみせますわ!」
ただの矢ではないがな。
遠雷を戻し、代わりに黒い洋弓を投影して左手に持ち、右手には捻じれた黒い矢を投影して放つ態勢にする。
ギィィィ
引き絞った弦は
「赤原を行け、緋の猟犬!―――」
投影する際に出来るのは元の武器を再現するかアレンジをすることの二つだ。
そして捩じれた黒い矢は元々剣だった。それは北欧の英雄ベオウルフが振るった剣。その名は
「―――
古より伝来する名剣で、長い柄を持ち、刀身は血をすするごとに堅固となると言われていた剣。
放たれた矢は得物を喰らうかのようにオルコットに迫る。
「ッ!?」
咄嗟に避けて、余裕の顔でこちらを見る。
「撃ち落とすまでもありませんわ。避けてしまえば―――」
「言っておくが俺が狙い続ける限り追撃し続ける。だから撃ち落とせてみろと言ったんだぞ」
「なっ!?くぅぅぅ!!」
後ろから来たのを急旋回で避け、アリーナ中を飛び回るように動いた。
後ろ向きになりながらレーザーライフルで矢を撃ち落とそう構え放ち、見事に当たる。
が、当たっているのに矢は落ちず迫って来る。
「どうして!当たったはずですのに!?」
混乱しているが撃ち続ける。しかし、いくら当てても矢の勢いは衰えず、追尾され続けるという恐怖が迫っている。
「――――――――!」
そしてついに―――
ゴォォォォン!!!!
矢に当たり、激しい爆音がなる。
上から気絶したオルコットが落ちてくる。ISはエネルギー切れのようで纏っていない。このままでは間違いなく死んでしまう。
「少々所かやり過ぎたな。試合が終わったら織斑先生から説教されるな」
見過ごすことなくオルコットを受け止める。
ま、何はともあれこの勝負は―――
『勝者、弓塚士郎』
『ワアアアアアアアアアアアアア!!!!』
織斑先生の宣誓でアリーナの歓声が上がる。
うむ。勝者だけが味わえる勝利の美酒というものだな。
「このまま戻るか。オルコットは簪たちに任せよう」
このあとは一夏と試合か。果たして俺が勝つか一夏が勝つかどちらになのか分からん。
さて、今度は一夏と士郎です。
まだ序盤しか書けていません。
なるべく早めに上げたいと思っています。
それとISの第二期が決まったそうですね。
楽しみだ!