IS〈インフィニット・ストラトス〉 射手の男   作:運命の担い手

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書けた書けた。これでやっとクラス代表戦が終わった。
さて、長話をするつもりはないのでどうぞ。


第27話「クラス代表戦・後編」

「「「最後のやり過ぎ」」」

「正直俺も思った。だけど、あれで結構威力落としたつもりだぞ」

 

戻って早々簪、本音、美沙夜に怒られた。仕方ないか、あんな威力のある武器を使ってしまったからには。

溜める時間が長いとそれに応じて威力と放つ速度も増す。だから、あまり溜めず放ったがそれでは威力に不安があったので真名解放をした。そのせいで思った以上に威力が上がってしまった。

オルコットには悪いことをしたな。起きたら謝ろう。

 

「左肩以外は目立った損傷がないわね。それにしても驚いたわ」

「何がだ?」

 

無鉄の左肩を修理し、補給をしていると美沙夜が訪ねてきた。

オルコットは本音が見ている。簪は修理の手伝いをしている。

 

「マニュアルに切り替えた事よ。一部をマニュアルにするならともかく全部マニュアルにするなんて正直気が狂ったかと思ったわ。それにFCSを切るなんて」

「ひどい言い草だな。俺にとって全部マニュアルにした方が動きやすく、FCSは邪魔にしかならん」

「はあ……全世界の代表候補生にそれを言ったら間違いなく怒るわよ」

「そんなに代表候補生がいるはずも……あ」

「なんなの……あ」

 

簪が酷く落ち込んでいる。しまった、簪は日本の代表候補生だった。

 

「あー簪。今言ったのは俺の場合だからな」

「どうせ私は姉さんとは違うし全部マニュアルに出来ないしFCSに頼らないといけないですよ……」

「どうするのよ。責任取りなさいよ」

「そうだそうだ~」

「それは分かるが……」

 

まずい。ものすごくマイナス思考とネガティブになっている。どうしたらいい。あ

 

「詫びと言ってはなんだが、夕食を三日作るというのはどうだ?」

「(ピク!)」

 

お、これはいい反応だ。これで機嫌直してくれたらいいが。

 

「………五日」

「え?」

「夕食五日でいい」

「日にちが増えているが問題はない。だから、機嫌を直してくれ」

「分かった///」

 

頭を撫でたら簪の顔が赤くなった。なんでだ?

 

「はあ……あなたよく女性の頭を撫でられるわね」

「嫌がってはいないし、したいからしただけだ」

「…………士郎。あなたは意外と鈍感ね」

「なんでさ」

 

一夏とは違うぞ。断じて違うぞ。大事な事なので二度言った。

 

「で、彼とはどんな装備でいくの?さっきの試合のようにするつもり?」

「いや、それはしない」

「じゃあなに?」

「ふ。それは―――」

「「「それは?」」」

 

次のことを言ったら、呆れたと言われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、箒」

「なんだ、一夏」

「ものすごく勝てる気がしないのは気のせいかな」

「奇遇だな。私もそう思っていたぞ」

 

はあ……。なんなんだよさっきの試合。セシリアのでっかい銃とビットを躱しながら士郎は両手に持つマシンガンを弾幕で張って、それに応戦するようにセシリアも巧みにビットを操っていた。

俺の時には使わなかった近接ブレードも使っていたし。中盤こそ士郎は押されたが終盤になるにつれ徐々に押して最後に出した矢?を放って見事セシリアに当たり勝った。

 

「最後の矢は一体なんだ。オルコットは確かに当てたはずだ。それなのに落ちなかった。と言うことはあれは普通の矢ではないことは確かだ」

「それが一番分からないんだ。箒は知らないか。ISの武器にああいうのがあるのは?」

「一通りに見たことはあるがないな。なにせ弓と矢という時点で聞いたことがないし、見たこともない」

「うーん」

 

それもそうか。武器と言ったら普通は剣、銃、盾と言ったものが多い。箒の言うとおり、弓と矢は聞いたことがない。

 

「あれはもしや……」

「どうしましたか織斑先生?」

「すまない山田君。少し席を替わってくれ」

「え?ええ、分かりました」

 

千冬姉が山田先生が座っていた席に座り、パネルを操作し始めた。

 

「ふん。やはりな」

「えっと、織斑先生一体何をしてたんですか?」

 

とにかく千冬姉に聞いてみることにした。

 

「弓塚が最後に放った矢。正確には剣を調べていた」

「剣?だけど、あれはどう見ても矢でしたよ?」

「そうだ。確かにあれは矢だ。だが元は剣だ」

 

どういうことかさっぱり分からない。箒も山田先生も分かっていないようだ。

 

「あの矢は北欧神話に出てくるベオウルフが使っていたと言われているフルンティングという剣だ」

「「「へぇー……………ええええ!?」」」

 

俺と箒、山田先生はあまりのことに驚いた。なにせ神話に出て来る武器を使っていたのだ。驚かない方がおかしい。

 

「織斑先生は驚かないんですか。士郎は神話の武器を使っているんですよ」

「これでも驚いているぞ。昔見ていた本を思い出して、気になって調べてみると、とんでもないことが分かったからな」

 

そうだろうか?至って普通にしか見えない。

 

「織斑先生。それじゃ、俺が負けるのは分かっているもんじゃないですか」

「その心配はないだろう。さて、そろそろ時間だ。早くアリーナに出ろ」

「え?あ、はい」

 

とにかく白式を展開してカタパルトに乗る。

 

「一夏。せめて一撃くらい入れて見せろ」

「なんとか入れて見せるさ。じゃあ行ってくるぜ箒」

「ああ」

 

カタパルトから射出され、アリーナにはすでに士郎がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、一夏。今のお前はどれくらい強い試させてもらうぞ。

 

「お前の武器はその雪片一つだけだろ?」

「ああ。でも、負けるつもりはねえさ!」

 

雪片を構え、いつでも戦えるようしている。

こちらはあれでもしよう。

 

「一夏。最初に言っておくが今俺は拡張領域(バススロット)には一切武器はないぞ」

「はあ!?」

「なんだ。そんなおかしな顔をして」

「お前、今武器一つもないのか」

「そうだと言っているだろ。耳でもおかしいのか?仕方がない。今表示しておこう」

 

アリーナ中央に大き目に無鉄の武器情報を出す。

ざわざわとアリーナの観客席から聞こえる。

 

「武器なしで勝つつもりなの。あの一年」

「なめているの?」

 

ちなみに二、三年もいる。専用機持ちはIS学園でも少ないから少しでも情報が欲しいのだろう。

あと、会話がよく聞こえる。二、三年生からは不満な声が聞こえるが無視しよう。

 

「本当に武器一つもないんだな。それで勝つつもりか?」

 

確かにそうだな。だが……

 

「それでもお前くらいなら勝てるつもりだ」

「む……」

 

こちらを睨んでいる。気にはしないが。

 

『それでは三回戦、始めろ』

 

織斑先生の合図と同時に一夏が突撃して来た。

 

「うおおおおおおお!」

 

勢いよく振るって雪片が俺に当たりそうになる。

しかし、俺は避けない。

右手を前に出してとある剣を投影し、雪片とぶつかり、火花が散る。

 

「な!?」

 

一夏は驚き、少し下がる。だが、なにより驚いているのはこの剣だろう。

 

「なんで……お前が……それを……持っているんだよ……」

「武器がないのに持っているのに驚いているのか」

「それもそうだけど。お前が持っているのは……」

「ああ。お前が思っている通りだぞ。これは―――」

 

織斑先生が現役時代に使っていた唯一の武器。

 

「雪片だ。それも当時織斑先生が使っていた武器だ」

 

『ええええええええ!!』

 

そう言うとアリーナ中から驚くような声が上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うう……ここは……?」

 

わたくしは弓塚さんと試合をして戦って最後に矢に当たってそれからは……

 

「あ、セッシー起きたね」

「あなたは……クラスの布仏さんですね。なぜここに?」

「ゆーみんを応援しに来たからここにいるんだよー。それとここはゆーみんのピットだよー」

 

見渡すとここはわたくしがいた別のピットだと気付く。

 

「え?」

「セッシー気絶しちゃったから覚えていないもんね~」

 

ということは試合は……

 

「負けたのですね……」

「まあそだねー。あ、ゆーみんとおりむーの試合が始まるよ」

 

モニターを見ると弓塚さんと一夏さんの試合が始まろうとしています。

それとセッシーとは恐らくわたくしのことで、ゆーみん、おりむーとは弓塚さんに一夏さんのことでしょう。

 

『お前の武器はその雪片一つだけだろ?』

『ああ。でも、負けるつもりはねえさ!』

 

ああ、一夏さん。頑張ってください。応援していますわ。

 

『一夏。最初に言っておくが今俺は拡張領域(バススロット)には一切武器はないぞ』

『はあ!?』

『なんだ。そんなおかしな顔をして』

『お前、今武器一つもないのか』

『そうだと言っているだろ。耳でもおかしいのか?仕方がない。今表示しておこう』

 

そう言うと弓塚さんは拡張領域(バススロット)のデータを表示した。

 

「弓塚さんは何を考えていますの?これでは物腰ですわ」

「まあ普通そう思うよね~」

「どういうことですの?」

「それは試合が始まると分かるよ~」

 

織斑先生の合図と同時に一夏さんが弓塚さんに突撃して斬りかかりそうになるが―――

 

「な、なんなのですの!!あれは!?」

 

弓塚さんの右手が一瞬光るとそこには近接ブレードが握られていた。

 

「驚くよね。あれは無鉄の能力(スキル)の一つ、投影って言うんだよ」

「とうえい?」

「ゆーみんの説明だとね、剣であれば大体は造れるだって言ってよー」

「えっと、つまり拡張領域(バススロット)に何もなくてもそのとうえいという能力(スキル)だけでも戦えるということですの?」

「ビンゴー!」

 

それですとあの弓と捩じれた黒い矢もそれで出来た物なのですね。

一夏さんと弓塚さんは互いに剣一つで戦っています。

それはまるで遥か昔の騎士の戦いだと思えるほどでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガキィィィィン!!

 

 

「ふうっ!」

「はああああ!」

 

 

ガキィィィィン!!

 

 

火花が散り、これで何回目かは忘れてしまった。もとより数えてはいないが。

 

「どうした一夏!これでは勝つのは夢のまた夢だぞ!」

「はっ!これからさ。今に見ていろ!」

 

一夏は確かに一週間前より確実に実力が上がっている。太刀筋も悪くない。だが……

 

「ふん」

 

 

ガキィィィィン!!

 

 

「くっ!」

 

直線的で尚且(なおか)つ、教科書のような動きでは先読みは容易だ。

 

「すでにシールドエネルギーは四割を切っているはず。それでは機体が良くても動かす者が未熟では性能は半分も出せはしない」

「そんなこと分かっているさ。だから、一撃一撃を振りながら強くなる!」

 

幾度も挑み、果敢に攻めてくる一夏。それに応えるかのように俺も剣を交じり合う。

 

「だとしてもこのままでは負けてしまうぞ」

「それでも俺は勝つ!」

「む!?」

 

今の太刀筋は危なかった。この戦いの中でも成長しているのか。全く羨ましくも恐ろしいものだ。

 

「では次ので終わらせる。構えないと終わるぞ」

 

雪片の特殊能力を発動させ、青白い刀身が現れる。一夏も雪片の特殊能力を発動させ、青白い刀身が現れる。

同じ剣、同じ特殊能力。あちらは何度か発動させることは出来るが俺のは一回限りだ。なにせ、まだ完璧に投影は出来ていない。

通常の近接ブレードならともかく、この雪片は構造が複雑なうえに一次移行(ファースト・シフト)で使えるような仕組みのせいか構成材質は理解できるが製作技術が読み切れていない。

俺がまだ投影を扱いしきれていないのが原因だろう。が、今は考えるのはよそう。

目の前にいる者は戦いながらも成長し続ける戦士。気を抜けばあの青白い刀身の餌食になる。

 

「「……………………」」

 

互いに無言のまま剣を構え直す。シールドエネルギーはこちらは八割弱。あちらは四割を切っている。差は歴然だが、その差を埋めることが出来るのがこの雪片。

相手のシールドエネルギー残量に関係なくそれを切り裂いて本体に直接ダメージを与えられる。すると絶対防御が発動して大幅にエネルギーを削ぐことが出来る。

まさにISの中では現代の伝説の剣と言っても過言ではないだろう。

 

「……………!」

 

先に動いたのは一夏だ。無言のまま接近し、眩く青白い刀身が俺に向かって振り落されようとしている。

避けはしない。避けれるが敢えて避けない。ギリギリまで引き寄せる。

 

 

フォ……!

 

 

今だ!

寸前で躱すことが出来た―――が右肩を掠ってしまって二割ほど削られたが技後硬直をしている隙に空きっぱなしの腹に一閃!

 

 

ザシュッ!!

 

 

白式のシールドエネルギーは0になり、一夏の雪片は元に戻り、俺の勝ちだ。

 

『勝者、弓塚士郎』

 

『ワアアアアアアアアアアアアア!!!!』

 

歓声が上がっているが俺は一夏の所に向かった。

 

「ああ、結局負けちまった。最後の一撃は入ると思ったんだけどな」

「だが、最高の一撃だったぞ。完全に躱すつもりだったが掠ってしまったから驚いたぞ」

「当たんなきゃ意味ないだろうよ」

「まあそうだな。とにかくにいい試合だった。これからお互い頑張っていこうじゃないか」

「ああ」

 

握手をするとアリーナ中から拍手が贈られた。

 

 

 

 

 

 




次もいつになるか分かりません。
落ち着くのにまだ時間が掛かるのでお待ちください。
それでは次回もよろしくお願いします。

それと八巻はどうするか悩んでいます。
もしなにかあれば、意見をください。
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