IS〈インフィニット・ストラトス〉 射手の男 作:運命の担い手
ゴールデンウィーク中は現実が忙しく、今が私の休みです。
てなわけで短いですが出来ました。
どうぞ!
ピットに戻るとオルコットが起きていた。無鉄を待機状態に戻し、簪たちの所に行った。
「オルコットさっきはすまなかった。威力が高過ぎた」
「いえ、お気になさらず。真剣勝負でしたのでああなるのも致し方ないですわ」
流石は代表候補生と言ったところか。あらゆることも考えているのか。立派なもんだ。
「士郎。帰ろう」
「お菓子~お菓子~」
「いいデータも取れたし、用もないでしょ」
本当ならこのまま部屋に戻るつもりだったがオルコットとクラス代表の事で話さないといけなくなった。
「すまない。少しオルコットと話しがあるから先に戻ってくれ」
分かったと言って三人はピットから出た。
「話しとはなんですの?」
「クラス代表のことだ。俺は一夏にしようと思っている。オルコットはどうする?」
「セシリアでいいですわ」
「分かった。俺も士郎でいい。で、セシリアはどうする?」
「全勝した士郎さんでいいのではないでしょうか。わたくしから見ても申し分ないですわ」
「それはありがたいが辞退させてもらう。代わりに一夏をクラス代表にしようと思う」
「なぜですの。何か問題でも?」
「知っていると思うが俺は記憶喪失だ。何かしろ問題が起きたらまずいだろ」
「あ、そうですわね。それならしょうがないですわ。わたくしも一夏さんでいいと思います」
ん?一夏さん?あいつセシリアを惚れさせたな。これでは織斑先生も苦労するのが少しだけ分かる。
「話しは変わるがセシリア」
「なんですの。何か聞きたいことでもありますの?」
「ああ。疑問に思ったんだがお前が代表候補生になったのはなぜだ」
「……………」
「大抵、代表候補生になるのは実力を持った者でそれに相応しい人材。これならIS適性の低い者でもなれる。しかし、セシリアはIS適正A+と出ている。単になりたいからなったわけでは
なく、何かしらの理由でなったという俺の予想だ。もし、嫌であれば無理に話さなくていい」
「……別に隠す必要もありません。教えてあげますわ。わたくし、セシリア・オルコットが代表候補生になった
セシリアが代表候補生になったのは両親の遺産を守るためだった。
母親は今のような女尊男卑になる前から女の身でありながらいくつもの成功を収めた人。セシリアに厳しかったがそれでも憧れる人だと。
だが、父親は名家に婿入りしたせいかいつも母親の期限を窺っていた。そのせいか一夏や俺のような男は皆そんな風だと思うようになったという。
ISが発表されてからはその関係は悪化し、親子三人で過ごす時間はいつの間にか無くなっていた。
その二人が亡くなったのは三年前の越境鉄道の横転事故。死傷者は百人を超える大規模な事故だった。
両親が残した莫大な遺産を金の亡者から守るためにあらゆる事を勉強し、その一環で受けたIS適正テストでA+が出た。
政府は国籍保持のため様々な好条件を出されて即断した。
「ふふ」
「なんですの急に笑って」
「なに、俺とセシリアは似ているのだと思ってね」
「似ている?どこがですの?」
「両親を亡くしているという所さ」
どこか共通していそうな気がした。なんとなくだが何か大切なモノを失ったと感じとっていた。
「さて、雰囲気が暗くなるのはやめにしよう。俺は織斑先生にクラス代表の事を言ってくる。では、また明日な」
「はい。また明日」
ピットから出て織斑先生の所に向かった。
◇
士郎さんは先にピットから出て行き、わたくし一人になりました。
「試合はすべて負けてしまいましたが本国にはいい結果が送れますわ」
負けはしまいましたが一夏さんの白式と士郎さんの無鉄のデータが取れたので本国も今回のことはあまり怒りはしないはずですわ。
貴重な男性操縦者ですし、ブルー・ティアーズのデータも取れたことなので文句のつけようがありませんわ。
「それにい、一夏さんのことももっと知りたいですし///」
一夏さんのことを考えると胸が熱くなりますわ。わたくしはあの方に恋をしてしまったようですわ。
「本国に連絡を入れる前にチェルシーにアドバイスをもらいますわ!」
早速、チェルシーの電話に掛けました。
「あ、チェルシー。わたくしです。実はですね……………」
後で知ったのですがこの時眠かったと言っていました。日本とイギリスとの時差をすっかり忘れていましたわ。
◇
「で、織斑でいいんだな?」
「はい。自分もオルコットも話し合った結果、そう決めました。こちらも出来る限りフォローするので」
織斑先生にさっきセシリアと話し合ったことを話した。反対も何もなかった。
「言い忘れそうになったがオルコットとの試合の最後は少しやり過ぎだぞ」
「それは自分も思っています。思った以上になってしまったのは自分の方が驚いていました」
「最後の矢……いや、剣か。あれはフルンティングだろ?ベオウルフが使っていたと言われた伝説の剣をどうやって出した」
「よく分かりますね。あれは投影で作ったようなものですよ。といってもまだ伝説の武器等はなかなかうまく出来ませんが」
「ほう。私の時のようにすぐに出来たのにか」
「はい。ちなみに織斑先生との入学試験で使ったのは干将・莫耶目という夫婦剣で、中国のとある有名な鍛冶職人が作ったものです」
「それが出来てなぜ他のは出来ない」
「それが分からないんですよ。まだイメージが足りないのか、何かが欠けているのか。
なんにせよ徐々に精度は上がっているので大丈夫です」
あとは何も言うことはないな。部屋に戻って一息いれるか。
「それでは失礼しました」
職員室から出て部屋に向かった。
どこかの海に潜んでいる一隻の船がある。いや、船というには大き過ぎる。
正確には巨大戦艦である。中の設備はどれも最新の物が多く、とても充実している。人員は軽く百人は超える。
その中である金髪の中年の男女が会話をしている。
「あの子と別れてもう三年になるのね」
「そうだね。でも、しょうがないよ僕らは狙われているんだから」
「それはそうだけど……自分の目で人目会いたいわ」
金髪の中年の男女は夫婦である。あることで狙われているのでこの巨大戦艦を所持している組織に匿ってもらっている。
「いつになるかは分からないけどきっと会えるさ」
「そうね。その間にあなたの性格を直さないといけないわ」
「え?僕はそんな性格悪かった?」
「そういうことじゃいわ。あなたが……Мだから、あの子に嫌われているのよ」
「ま、まさか……そんなことで僕は嫌われていたのか!?」
「今まで気づかれていないのが驚きよ。
それよりも早く彼の息子が記憶を思い出してここに戻ってきてほしいわ」
「そうだね。僕らはあの時、救われたから余計にだよ」
世界には多くの秘密がある。事故や見せかけた事件、突発的な犯行と思わせ実は計画的な犯行など多く存在する。
この中年夫婦もその一部である。
「セシリアに早く会いたいわ。それと士郎とは仲良くしてるかしら」
「大丈夫だよ。なんたって彼の息子だし」
「それもそうね」
娘との再会にはいつになるのか。それは誰にも分からない。
さてさて、伏線を張りました。
あまりここでネタバレはしません。
次を一話してからいよいよ鈴を出す予定です。
感想、意見がありましたらどうぞ送ってください。
ただ、私は心が脆いのであまり過激な批判はよしてください。