IS〈インフィニット・ストラトス〉 射手の男 作:運命の担い手
なんか書いているうちにアイディアが出てきてあとになります。
では、どうぞ!
クラス代表を決める試合の翌日。
「では一年一組代表は織斑一夏くんに決定です。あ、一繋がりでいい感じですね!」
山田先生は嬉しそうにしゃべり、クラスの女子もとても盛り上がっている。
「先生、質問です」
一夏が当然のように質問をする。分かりきっているが。
「はい、織斑くん」
「俺は昨日の試合、全部負けたんですが、なんでクラス代表になっているんでしょうか?試合に全部勝った士郎の方のはずでは?」
「それは弓塚くんが答えてくれます。では弓塚くんお願いします」
「え?」
朝のうちに山田先生にも説明したので俺が答えることになっている。
「俺は記憶がまだ戻っていない。今の所、問題はないがいつか問題が起きたら困るだろ」
「まあな。突然痛み出したりとかするのか?」
「いや、今はそういうのはないがいづれ起きるかもしれん。それだとクラス代表が務まらんだろう」
「そうだけど……他にもあるだろ?」
「もちろんだ。まずお前は専用機持ちの中で一番弱い」
「ぐはっ!?」
「
「ごほっ!?」
「だから、お前にクラス代表にすれば否応なく強くなる必要が生まれる。それにセシリアと話して決めた事だ。どうだ、納得がいくだろ?」
「納得はいくが、理解できないんだが……」
「それにな―――敗者は勝者に従え」
「完璧に横暴だ!」
何を言うか。敗者は勝者に従う。実に成り立っているではないか。
「織斑先生!やはり士郎の方が―――」
「別に問題ではなかろう。お前が単にやればいいだけだ」
「味方が誰もいない!?」
教師がそんなこと言っていいのだろうか。なんにせよ問題はない。
「いやあ、セシリアに弓塚君分かっているね!」
「弓塚君もいいけど織斑君もいいよね。問題なし!」
「折角クラスに男子がいるんだから、同じクラスになった以上持ち上げないとねー」
「私達は貴重な経験が積める。他のクラスの子に情報が売れる。一粒で二度美味しいね、織斑君は!」
…………問題はないはずだ。
「織斑先生少しよろしいでしょうか」
「時間はまだある。長くは時間は取るなよ」
「はい」
セシリアは織斑先生から許可を得て、クラス全体見渡せるように教壇に立った。
「先週、わたくしは皆さんに酷いこと言いました。申し訳ございません」
『!?』
セシリアがいきなり謝罪を言い、頭を下げたことに教室中がざわついた。
驚くのも無理はないか。あれほど罵倒していた人が謝罪と頭を下げればな。
「これでも許されないのであればわたくしはどんなことでも受け入れます。皆さんにはそれほど言ったので覚悟はしています」
『……………………………』
静寂が教室を包み、誰も喋ろうともしない。いや、どう言えばいいか分からないのだ。
そんな中、本音がセシリア立つ教壇に向かい、頭をなでなでする。なんでさ?
「布仏さん、何を?」
「セッシーは悪いこと言ったから謝ったんだよねー」
「は、はい」
「私はセッシーのこと許すよー」
「で、ですがそれだけでは十分では……」
「謝ったんだから十分だよー」
優しくセシリアに話す。頭を撫でながら。
「そ、そうだよ!謝ったんだから十分だよ!」
「酷い人だと思ったけど良い人だって分かった」
「反省しているし、もういいよ」
「これから仲良くしましょセシリア」
「もうみんな許しているよ」
「み、皆さん……ありがとうございます……」
クラスメイト達の言葉に涙するセシリア。これでセシリアを悪く思う者は少なくとも限りなく減り、何かしようとはしないだろう。
セシリアと本音教壇から降りて自分の席に戻った。
「あ、あとですね。わたくしが一夏さんに指導してもよろしいでしょうですか?代表候補生ですし、身になると思うのですが」
「ああ。それは助か―――」
バン!
「生憎だが、一夏の教官は足りている。私に、直接頼まれたからな」
もう分かるが遮ったのは箒だ。一夏の事になるとすぐにムキになる。というか机を叩くのは痛くないのか?
「あら?ISランクCの篠ノ之さんがAのわたくしに何か用かしら?」
「ラ、ランクは関係ない!頼まれたのは私だ!い、一夏がどうしてもと
してないぞ。あの場にいたが普通にお願いされていただけだ。
それにそんなに騒ぐと織斑先生が―――
「座れ馬鹿ども」
バシン!
「「うう……!!」」
叩かれるからな。いつも通りに出席簿で叩く。なぜあの出席簿からあんな音がするのは今だに謎だ。
「お前たちのランクなどゴミだ。私からしたらどれもひよっこ同然だ。まだ殻も破けていない段階で優劣を決めようとするな」
さすがにセシリアも反論したいが黙って聞くように言葉を飲み込んだ。
「代表候補生だろうと一から勉強してもらうと前に言っただろう。下らん揉め事は十代の特権だが、今は私の管轄時間だ。叩かれたくなくば自重しろ」
恐喝及び脅迫のように聞こえるがここで何か言うとあの出席簿が飛んできそうなので言わない。
「ではクラス代表は織斑一夏。異存はないな」
『はーい!(はい)』
一夏以外返事をする。
このあとの授業はいつも通りに進んだ。
◇
昼になり、クラス女子は食堂に行く人や弁当を持参する人、購買で買う人と分かれる。
俺は弁当を持ってきている。屋上で食べようと思うが一人ではいささか寂しいので誰かを呼ぼう。
「ゆーみんどこで食べるの~」
「屋上で食べようと思って誰かを呼ぼうとしていた所だ。本音も屋上で食べるか?」
「食べるよ~。今日はサンドイッチを作ってきたからねー」
「ほう。一人で作れたのか。これは驚きだ」
「えっへん!」
威張るようなことではないが本音にとっては一人で作れたのが良かったようだ。
「それでは屋上に行くか」
「はーい」
廊下に出るとなんと簪がいた。なぜここに?
「士郎はお昼どこで食べるの?」
「屋上で食べようと本音と向かうところだ。簪もどうだ?多くいれば食も進むぞ」
「そ、そうだね……」
なぜかがっかりしたような感じになったが気にすることでもないか。
「あら?士郎に簪、本音じゃない。どこに行くつもりなの?」
美沙夜が出てきた。いつもは昼は合わないんだが、これが初めてだな。
「昼飯を屋上で食べようと向かうところだ。美沙夜は食堂か?」
「あらかじめ購買で買ってきた弁当をどこで食べようかと思っていたけど……屋上にするわ」
「ならば早速向かうとするか。あまり移動に時間をかけては食べる時間が減るだけだからな」
てなわけで俺、簪、本音、美沙夜の四人で食べることになった。
なんというかいつも食堂で食べているから外で食べるのは新鮮だな。
「滅多に人が来ないと思ったが本当にいないな」
「そうだねー。屋上に来る理由なんてみんなそんなにないからねー」
屋上は誰一人いなかった。これは貸し切りのようなもので得した気分だ。
「士郎と簪は弁当なのね。少し分けてくれないかしら?」
「いいぞ。簪はどうだ?」
「構わない。いいよ」
「ありがと。いただくわ」
俺と簪は弁当を開き、本音はラップで包まれたサンドイッチを出し、美沙夜は購買で買ってきた弁当を出す。
「手の込んだ弁当じゃない。簪はともかく士郎も自分で作ったの?」
「そうだ。このくらい当たり前だ。料理は得意だから弁当を作ることなど造作もない。男が弁当が作るのは変か?」
「いえ、興味があったから聞いただけよ。それじゃ、おかず頂くわね二人とも」
「いいないいなー。わたしもいい?」
「いいぞ」
「本音、何がいい?」
美沙夜は俺の弁当にあるから揚げ一つ、簪の弁当からは卵焼き一つを取った。
本音は俺の弁当にあるから揚げ一つ、簪の弁当からは浅漬けのキュウリ一つを取った。
から揚げが人気のようで四つのうち二つ無くなった。
「美沙夜」
「なに簪。どうしたの?」
「士郎の料理はおいしいよ。そして、心折れないでね」
「どういうことよ」
「食べてみれば分かる」
簪は美沙夜に何か言っているようだがよく聞こえない。本音はもぐもぐと食べている。
「……!これは……そういうことね」
「大丈夫?」
「なんとかね。料理に少し自信があったけどこれは想像以上に美味しいわ」
やはりうまく聞こえない。仕方がないここは堂々と聞いてみるか。
「どうだ、美味しかったか?」
「ええ美味しかったわ。…………心が折れるくらい」
最後の方は聞こえなかったが美味しかったと言ったのでよかった。自分で食べるのと他人が食べるのでは違うから少々心配であった。
「ところで士郎。あなたは土曜の午後は暇?」
「暇と言えば暇だな。急ぎの用事はないし、これといったこともない」
暇と言うのは本当だ。無鉄は一日一回整備をしていた問題はない。勉強も今のところ問題はない。だからやるといったら訓練だけだが今は一夏を特訓させるだけだ。
「えーとね。その……なんというか……あー……」
「何が言いたい。はっきりしなくは返答に困る」
「はあ……分かったわよ。はっきり言うわ。
土曜の午後二時に久宇企業に来なさい」
「…………………………は?」
久宇企業?無鉄を作った久宇研究所の上のことか。なんだってそんなとこに行くんだ。
「ちなみにこれは社長命令よ。拒否権はないわ」
「社長命令……つまり美沙夜の」
「ええ。お母様からよ。今朝連絡があったの」
「………………」
美沙夜の母親。それは父さん、弓塚悟郎の元婚約者の久宇 舞弥のことだ。今は久宇企業の社長としている。
正直言うと行きたくない。会ったら何があるか分からない。不安でいっぱいだ。
「何もしないよな」
「………多分。こればかりは自信はないわ」
一気に死亡フラグが立ったなこれは。
「えっと、どういうこと?」
「なになに~?」
簪と本音は知らなかったな。言っても大丈夫だろ。
「実はな…………」
二人にありのままに説明した。無鉄のこと、久宇企業のこと、そして父さんと社長との関係を。
「というわけで非常に不安なんだ。これは行ったらおしまいのような気がする」
「フーラグが立った、フーラグが立った♪」
「ああ…………………」
「ほ、本音。それは言い過ぎ」
「えへへ~」
不安が一気に押し寄せてきた。逃げたい。どこか安全な所に逃げたい。
ここはIS学園でも俺は一応久宇企業に所属しているから無理か。
「とにかく、土曜の午後二時に久宇企業に行くわよ。ワタクシも付いて行くから多少なり大丈夫だと思うわ」
「分かった。行ってみなければ分からんからな」
「私も行っていいかな?」
「かんちゃんのメイドとして私も行くー」
「問題はないわ。事前に連絡をしておけば大丈夫」
こうして土曜の午後は久宇企業に行くことになった。ああ、不安だ。
さて次回は社長と対面だ。
うまく書けるか自信はありませんが頑張ります。
では次回もよろしくお願いします。