IS〈インフィニット・ストラトス〉 射手の男   作:運命の担い手

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遅れましたが上げることが出来ました。
では、どうぞ!


第32話「パーティー」

「ここがIS学園ね」

 

外は夜になっており、IS学園の正面ゲート前に一人の少女がいた。見た目は日本人のように見えるが中国人である。

 

「えーと受付ってどこにあるんだっけ」

 

上着のポケットからくしゃくしゃになった紙を取り出す。

 

「本校舎一回総合事務受付……って、だからどこにあんのよ」

 

紙には手続きの場所の名前は書かれているが地図がない。これはIS学園独自のもので案内図がない。IS学園は確かに高度なセキュリティーで守られ、24時間警備態勢が整っているが何事も用心に越したことはないという理由で地図がない。

そのため来る者は実際来ないと分からない。

 

「自分で探せばいいんでしょ、探せばさぁ」

 

考えるより行動で示すのが少女の個性の一つ。良く言えば『実践主義』、悪く言えば『よく考えない』と世間では言うが。

人を探すにしても、時刻は八時過ぎていてどの校舎も灯りが落ちているので当然生徒は寮にいる時間だ。

 

「そうだ!飛んで探せばいいか!あ……ダメだ。あれにも書いてあったじゃん」

 

いい名案だと思ったが『アナタの街の電話帳』三冊分に匹敵する学園内重要規約書を思い出して、やめる。

手続きも終わっていないのに学園内でISを起動させたら、事である。最悪、外交問題にも発展る。さらに悪くなると、専用ISの没収、代表候補生の資格剥奪にもなる。

 

「あー……人いないかな。一人くらいは――――――あ」

 

少し先に少女がいる。暗くてよく見えないが確かにIS学園の服を着ているので学生であることが分かる。

 

「ねーそこの人。ちょっと教えてもらいたいことがあるんだけどいい」

「?」

 

なるべく大きい声で呼ぶと学生服を着た少女は後ろを振り向いた。

 

「……なんでしょうか?」

「あなたここの生徒でしょ。私、転校に来たんだけど道が分かんないから場所教えてくれない」

「転校生ですか。珍しいですね、この時期に。と言うことは代表候補生でしょうか?」

「そうよ。私は代表候補生よ。で本校舎一回総合事務受付ってどこ?」

「アリーナの後ろが本校舎です。灯りがついているのですぐ分かると思います」

「分かったわ。ありがとう、じゃあねー!」

 

ボストンバックを担ぎ直し、中国人の少女は瞬く間に消えて行く。

 

「…………………………」

 

先ほど案内した少女は紫髪で褐色肌に眼鏡をしている。感情は乏しく見え、無表情である。

 

「中国からの代表候補生の転校。本部に連絡を入れておきましょう」

 

再び歩き始め、寮にある自室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、これで全部完成だ。あとは持って行くだけだ」

 

夕食時に俺は食堂のキッチンを使っていた。理由はクラスメイトが一夏のクラス代表就任パーティーをするという事を聞き、料理をすることにした。食堂の一部を使いそこでやるそうだ。

他の組も来るなこれは。多めに作っておくか。材料はおばちゃん達が好きに使っていいといったので大丈夫。そのためにある条件を飲んだからな。

料理はオムライス、コンソメスープ、ポテトサラダ、酢豚、。デザートはプリン、ショートケーキ。しかし、結構な量を作ってしまった。

一クラス以上の人数分を想定したとはいえ、いささか作り過ぎた気もするがなんとかなりそうな感じがする。デザートはお持ち帰りできるから大丈夫だ。

 

「織斑君が今食堂にいるわよ!」

「なんかパーティーするみたいね」

「やだ。私制服で来ちゃった」

「別にいいと思うけど……」

 

そうこうしているとどうやら主役が来たようだ。運びながら行くか。

 

「盛り上がっているな。悪いが運ぶものが多くて一人では足りないから何人か手伝ってくれ」

「あ、弓塚君その料理どうしたの?」

「これは俺が作ったのさ。味は本音が保証してくれるから大丈夫だ」

「どうなの本音?」

「ふふふ。ゆーみんの料理はすっごくおいしいよ~。なんでも作っちゃうから種類も豊富だよ~」

 

本音がこう言ってくれたので五人ほど手伝ってくれた。その内二人は本音と簪だ。簪がいたのは本音に連れて来られたからだそうだ。

 

「いつ見ても士郎の作る料理はおしいそうだね」

「それはどうも。簪も料理上手いだろ。俺は種類が多いだけさ」

「ゆーみんもかんちゃんも料理上手だねー。私はそんなに作れないけどー」

「少しづつやればいい。急いでしても失敗するだけだ」

「そうだよ。私手伝うから言ってね」

「うん、分かったよ~」

 

全部運び終わって並べるとテーブルの上が全部埋まった。本当に大丈夫なのか心配になってきた。

 

「食べてみてくれ。感想を聞きたいからな」

 

なぜか全員オムライスを選び、一口食べる。

 

『…………お』

「お?」

『おいしいぃぃぃぃぃぃ!!!!』

「っ!?」

 

鼓膜が破けそうな大声だ。耳が痛い。

 

「卵がトロトロでフワフワ!」

「それにケチャップライスにムラがない!」

「私、今まで食べてきたオムライスより断然おいしい!」

「これはなんという幸せだ……!」

「今私は猛烈に感動している!」

 

どれもこれもオーバーリアクションが多いがとにかくおいしいということは分かった。

 

「オムライス以外もあるから食べてくれ。ちなみにデザートはお持ち帰りできるようにしてあるから食べきれなかったら言ってくれ」

『はーい!!』

 

さて、主役の所に行きますか。

行くと一夏は箒と一緒に食べていた。傍から見れば恋人同士に見える。

 

「どうだい主役。感想はどうだ?」

「祝ってくれるのは嬉しいんだが正直微妙だ。それにしても士郎、料理上手いな。今度コツを教えてくれ」

「いいぞ。まあ今は食べてくれ。結構量が多いから正直残すのは心苦しいからさ」

「これほど料理が出来るとは思わなかったぞ。私にもぜひ教えてくれ」

「ああ。…………一夏のためか」

「なっ!?わ、私は!」

「どうした箒。何か取って欲しいのあるのか?」

「なんでもない!あっちにあるのを取って来る」

「おい待てよ」

 

はあ。一夏の事となるとすぐに熱くなるな。

しかし、みんなよく食べている。徐々にだが量が確実に減っている。これなら残す心配はない。

 

「すいぶんと賑やかだな。主役はどこにいる?」

「料理がたくさん並んでいますね」

 

いつの間にか織斑先生と山田先生がいた。格好はまだ学校で見たまんまだ。

 

「織斑先生に山田先生。どうしたんですか?」

「夕食を食べに来たのさ。それと食堂がやたら賑やかだな。何かしているのか?」

「ええ。一夏のクラス代表就任パーティーをしているんですよ。あそこに俺が作った料理を並べているので良かったらどうぞ」

「そうか。ならいただこうとしようか。山田先生はどうする?」

「もぐもぐ……はい?」

「「…………………」」

 

すでに食べていた。オムライスをスプーンで食べて子供のようにした見えない。本当に教師なのかが怪しくなってきそうだ。

 

「…………いや、なんでもない。ではいただこうとするか」

「どうぞどうぞ。このままパーティーにいるんですか?」

「いや、ある程度終わらせただけだから少しだけいる。何か用意があったのか?」

「いえ、これといったことはないのですがデザートがあるので持ち帰るようにしておきます」

「すまないな。お前も何かと大変だろうに」

「そんなことありません。自分がしたい事やっていることにすぎませんから気にしなくていいんですよ」

「そうか。所で何か思い出したことはないか?」

「…………断片的にですが少しだけ」

「何?」

 

実のところこの間の事を誰にも言っていない。楯無さんだけでも言おうと思ったが、織斑先生に言ったほうがいいと判断した。なにより、恩人だからだ。

 

「それで何を思い出した」

「男性三人の声と女性一人の声です。

男性それぞれの言葉は

―――俺達は政府や誰かの道具じゃない。戦うことでしか自分を表現できなかったが、いつも自分の意思で戦ってきた

―――言葉を信じるな。言葉の持つ意味を信じろ

―――俺の剣は活人剣だ

です。

女性は

―――DNA情報はあくまでも力や運命を秘めていると言うことだけしか言えないわ。

   運命に縛られてはいけない。

   遺伝子に支配されてはいけない。

   生き方を選ぶのは私達なのよ。―――

と言っていました」

「……そうか。これから何かしろ思い出すことがあるだろう。その時は私にいつでも相談してもいい。別に遠慮することはないぞ」

「ありがとうございます」

 

その後、織斑先生と山田先生は残りの業務を終わらせるために戻った。その際、デザートを持ち帰った。

ちなみにパーティーは九時過ぎまで続いた。

 

 

 

 

 




ちらっと出てきた少女分かる人いるかな~。
いると思うけど。
さて次は設定を上げた後で33話をあげる予定です。
ではまた次回で。
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