IS〈インフィニット・ストラトス〉 射手の男   作:運命の担い手

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どうも梅雨が終わって蒸し暑い日が続いていますね。こまめに水分補給して熱中症にならないように皆さんも気をつけてください。
今回は繋ぎだけの話なのであまり期待しないでください。
ではどうぞ!


第40話「思い出色あせず、過去分からず」

早朝。いつものように素振りはせず、走っている。動きやすいように市販で買ったジャージを着ている。IS学園の運動着でもいいが、あれは少々街中では恥ずかしい。なにせ、絶滅危惧種のブルマだ。なぜそれなのかは不明。理由も聞きたくはない。

それはともかく、外はとても気持ちがいい。人の姿はそんなに見えないが少し肌寒い空気や見慣れない街の様子は俺にとっても新鮮で気持ちがいい。

 

「は……は……は……」

 

あのビデオを見た後は全員で買い物をした。ちなみにカレーで、料理したのは俺以外だ。俺は料理をしていないのではなく、料理をさせてもらえなかった。

楯無さん曰く、料理だけだと俺が一番上と言っていた。そこで見返すために俺は料理が出来なかった。寂しくは……ないとは言い切れないが。

味はバランスが良く、なめらかで美味しかった。特にジャガイモが煮崩れしてのは素晴らしい。使っているのは煮崩れしにくいメークインだろう。

 

「はあ……はあ……はあ……」

 

考えている内に実家まで戻ってきていた。軽くストレッチをして家に入る。

 

「あ、士郎君戻ってきましたか」

 

茶の間には虚さんがいた。テレビは朝のニュースをやっている。

 

「おはようございます、虚さん。みんなはもう起きましたか?」

「私と楯無様だけです。簪さんと本音はまだ寝ていますよ」

 

時刻は六時。俺にとってはもうすでに起きている時間である。毎朝五時に起き、マラソンに筋トレをするのが日常になっている。

 

「シャワーを浴びたらすぐに朝食を作ります。少し待っててください」

「いえ、それは私とお嬢様で作ります。士郎君はゆっくり浴びて大丈夫ですよ」

「なら、お言葉に甘えます。朝食お願いします」

「はい」

 

部屋に戻り、タオルと換えの服と下着を取り、風呂に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん……朝……」

 

目を開けると見慣れない天井が見える。えっと……

 

「あ、ここ士郎の実家だった」

 

隣には本音が寝ている。部屋割りは私と本音、お姉ちゃんと虚さん、士郎と分けられている。士郎以外は空き部屋になって、士郎は士郎のお父さんが使っていた部屋になっている。

 

「まだ六時前。少し早く起きちゃった」

 

いつもは六時半頃に起きるけど今日はいつもより早く起きた。寝不足ではないが、むしろいつも以上に寝付けた。

 

「ん……」

 

少し汗をかいていた。このままでも乾きそうだけどお風呂に入ろう。

タオルを持って洗面場で服を脱ぐ。

 

「……………………………」

 

鏡に映っているのはなにも着ていない私。そこで私はいつも思う。お姉ちゃんは胸が大きい。虚さんも大きい。そして本音も……大きい……!

小学生までは私と変わらなかったのに中学に入ってしばらくすると変わった。最初は少しだけだったが徐々に大きくなって今ではかなりの差が出来てしまった。

そう。私だけが胸が小さい。周りが大きくて、私だけが小さい。今最大のコンプレックス……。

 

「はあ……士郎も胸が大きい女性が好きなのかな」

 

最近本音が士郎を見る目が変わった。あれは私と同じ、恋する乙女。だから早目に士郎にこ、告白しようと思うけど恥ずかしくてできない。

 

「どうしよう……」

 

悩んでもしょうがない。お風呂でさっぱりしてご飯を食べよう。

 

 

ガラ

 

 

「?」

 

洗面場の戸が開いた。てっきりお姉ちゃんが驚かせに来たと思ったが全く違った。

 

「士郎?」

「え、簪?」

 

着替えとタオルを持った士郎だった。

………………今私は何も着ていない。………!!!!!!

 

「あ…………きゃああああああああああああああああああああ!」

「すま―――ごふぉ?!」

 

二式の腕を部分展開して士郎を殴った。すぐにお風呂に入って頭までスッポリ入る。

 

「何があったのって士郎君どうしたの!?」

「簪が悪いのでもなく俺が悪いのでもない……ただタイミングが悪かっただけ……それだけは確かだ……」

「何言っているか分からないわ!それに簪ちゃんがどうかしたの!?」

 

頭まで湯につかっていたのでまったく外から聞こえる声は分からなかった。今は一人にさせて……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと、士郎大丈夫?」

「ああ。顔以外は」

「ごめんね。殴っちゃって」

「いや、ノックぐらいすべきだった。どちらかというと俺の方が悪い」

 

朝食を食べ終え、簪が謝ってきた。あの後、本音に介抱された。楯無さんは……トドメといわんばかりに素手で殴られそうになったところに虚さんに助けられた。

楯無さんはおかず抜きでご飯と味噌汁だけでおかわり禁止となった。決めたのはもちろん虚さん。

 

「それよりこのビデオテープの事を沙織さん達に話そうと思う」

「いいの?」

「ああ。織斑先生にはこのビデオテープの事は黙っておこうと決めた。もちろん一夏にもだ」

「そうなんだ」

「セシリアは……少ししたら見せようと考えている」

 

せっかく両親が映っている映像だ。クラス対抗戦が終わった辺りに見せるか。

 

「十時過ぎにここを出よう。沙織さん達にこのビデオテープの事を見せて、聞かせてもらう」

「分かった。お姉ちゃん達には私が言っておくね」

「ああ」

「それで士郎」

「なんだ。行く前にどこか寄っていくところでもあるのか?」

「えっと、あのね……」

「?」

「見ちゃったよね……」

「何を……あ」

 

言いたい事が分かった。風呂での事だろう。ここは素直に言った方がいい。はぐらかすとどこに転ぶか分からない。

 

「言いにくいんだが……見た」

「/////////」

 

一気に顔が赤くなる。それもそうだよな。男は大抵見られてもどうとでもなるが女はどうにもならないからなおさらだ。

 

「変な所なかった?」

「なかったぞ。むしろきれいだった」

 

あまり思い出さないように率直に言う。肌はきれいで髪はさらさら。目はルビーのように赤い。楯無さんに負けないくらいきれいであると俺は思う。

 

「そうなんだ。えへへ///」

「どうしたんだ?」

「な、なんでもないよ!じゃ、じゃあお姉ちゃん達に言ってくるね」

 

部屋から出て行く。まあ嬉しそうだったからいいか。

予定通りに十時過ぎに家を出て、更識の屋敷に向かった。途中お茶請け程度のお菓子などを買って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更識の屋敷に着いて久しぶりに沙織さん達にあった。一か月ほどであるが。

 

「実は見せたい物があります」

「あら、なにかしら」

「このビデオテープです。中身は見てからのお楽しみという事で」

 

茶の間にあるテレビを借りてビデオデッキと繋げる。茶の間には部下はいない。必要がない限りは部下は呼ばないそうだ。

 

「それじゃ再生します」

 

再生ボタンを押してあの映像が流れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビデオを見終わり、沙織さん達に早速聞こうと思ったのだが…………

 

「はあああ………家から出たくない……一生外に出たくない……」

 

沙織さんが思った以上に恥ずかしかったようで聞くにも聞けない。孝司さんと彩乃さんはというと。

 

「青臭い青春していたな俺」

「今じゃいい思い出ね」

 

平然としている。今とほとんど変わらないからなんともないようだ。

 

「あれ?和也さんはどこで彩乃さんと出会ったんですか?」

 

ふと思った。なぜ和也さんはビデオテープに映っていなかったのかと。

 

「私と和也さんが出会ったのは高校を卒業して数年してからよ。だから写っていないの」

「……話では聞いていたがこうして高校時代の彩乃を見るのは新鮮味を感じる。とても良かったぞ」

「もう!和也さんたら!」

 

仲がいいのはいいが目の前でイチャイチャしないでほしい。虚さんと本音は慣れているかの平然としている。

それはいいとして。

 

「孝司さん。沙織さんをどうにかしてください。聞きたいことがありますから」

「別に俺でもいいだろ」

「それもそうですが念の為沙織さんに聞いた方がいいと思ったので」

「そうか。お前が聞きたい事は概ね分かった。なら、沙織の方が知っているはずだ」

 

すぐになんとか沙織さんを復活させた孝司さん。さすが夫婦。だが、イチャイチャしないでくれ。楯無さんと簪の顔が真っ赤になって恥ずかしくなっているし。

 

「で、何が聞きたいの?」

「父さんと母さんの事もありますが一番気になったのは一夏によく似た男二人と織斑先生に似た女の人です」

「そう……」

 

どこか寂しそうな顔になる。なぜ寂しそうな顔になっているのか気になったが敢えて聞かない事にした。

 

「分かっているけど黒髪が衛宮 春人で金髪がエリ・クロード。この二人は顔がよく似ているけど双子じゃないわ。春人君はずっと日本に。エリ君はずっとイギリスに。稀に見る世界に自分によく似た人って事よ」

 

そうなのか。世界には自分と同じ顔を持つ人が三人いると聞いているがこの二人そうなのか。だが、それは本当の事なのか。

 

「次に女の人、織斑 秋美。秋美は小学生の時から剣道していたそうよ。出会ったのは高校の時。その時はもう剣道の世界では知らない者はいないと言われていたわ。あと、剣術も出来ていたわ」

 

剣道の世界では知らない者はいないか。父さんと同じように有名だったのか。それは後で調べれば分かるか。

 

「その三人と連絡は取れないんですか?」

「ごめんね。それが出来ないのよ。高校を卒業した後、私は更識の長として色々と面倒事があってようやく落ち着いて連絡取ってみたんだけど―――行方が分からなかったの」

「―――――――――」

 

分からない?そんな馬鹿な。更識家の事はもう知っている。情報面の事であれば日本では恐らく一番、そして世界に通ずるかも知れないほどだと言うのにか。

 

「私も驚いたわ。足跡ぐらいは辿れると思ったのに分からなかった。尻尾すら掴めなかったわ」

 

この三人は何か大きな事に巻き込まれた。もしくは自らから行ったのか。他にも可能性があると思うが今は考える必要もないだろう。今回はただの確認だけ。

 

「今も捜しているの。それでも見つからないなんて……。まったく、あの三人はこうもかくれんぼが上手かったかしら?」

「いやいやかくれんぼって。………まさか高校の時にかくれんぼしたとかないですよね」

「あるわよ。体育祭のメインイベントでやった事があるわ」

「「「「「あるんかい!!」」」」」

 

俺、簪、本音、楯無さん、虚さんは咄嗟に叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだ。父さんと母さんは駆け落ちした後どうなったか分かりますか?」

 

駆け落ちしたのは知っていた。が、その後はよく知らない。そもそも知られたのは十年前の事故で発見されたからで発見されるまで何をしていたのか分からない。

 

「聞いた話だと海外の遺跡に入ったり、戦争中の国で欲しい物があるから介入したり、色々聞いたわ。てか大半が美樹が悟郎君に涙目で頼んだみたいよ」

 

俺の両親はなにやってんだよ。海外の遺跡に入るのは分かるぞ。でも、戦争中の国で欲しい物があるから介入するって。父さんも母さんの涙目だからって行くか普通。

 

「なんやかんやで楽しんでいたみたいよ。私には無理だけどね。美樹は遺跡とか古代文明とか好きだったし、悟郎君は美樹といればいいって言ってたわね」

「結局の所、仲のいい夫婦って事ですね」

「そういうこと」

 

駆け落ちした後の事の詳細は誰も知らない。だけど、二人が仲が良かった事だけは確かだ。

 

「所でよ。今日はこのまま家に泊まっていくのか?」

「着替えは実家に戻ればありますが……止まった方がいいですよね」

 

孝司さんが泊まるかどうか聞いてくる。実家に戻れば着替えなどがある。後半に声を小さくしたのは理由がある。

 

「和也さんがどことなく寂しそうな顔しているような気がするのは気のせいじゃないですよね」

「良い目しているな。本音ちゃんと虚ちゃんが二人ともIS学園に行っちまって寂しいんだとよ。あいつはああ見えても親馬鹿だからよ」

 

普段、ほぼ無表情な和也さんが寂しがっているのだ。よーく見ないと分からないくらいに。

 

「まだ日が高いので戻って着替え一式に夕食の材料を買ってきます」

「分かった。夕食の材料は沙織達に聞いてくれ」

「分かりました」

 

昼食を食べて休んでから実家に戻り着替え一式を持ち、大型スーパーで買い物をした。

その日の夕食は大いに盛り上がった。で、また楯無さんと虚さんがいつの間にか酒を飲んでしまってストリップショーになりかけたので止めた。そしてまた孝司さんの大事に取っていた酒が飲まれていた。

 

 

 

 

 




次一話やってからいよいよクラス対抗戦です。
あと一か月すればこの小説一年になります。色々あったなー。主に金銭問題が……。
別に記念するような話は作りません。てか作れません。
だってそんなに頭良くないんで。
次回は早いと今週の火曜で遅くて来週になります。
感想、誤字脱字などがありましたらお願いします。
では、次回で!
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