IS〈インフィニット・ストラトス〉 射手の男 作:運命の担い手
修正していたら昨日の半分くらいになりました。
では、どうぞ!
「ま――――――」
ゴッ!
「でぃっ?!」
「みにょ?!」
いってええええ!なんだ、一体……。鉄でもぶつかったのか。
「いつつつ。あれ、本音?」
「うーいたいよー。あ」
どうやら俺は本音と頭をぶつけたようだ。ポカンとした本音だったが表情が変わってきた。
「う、あ……」
「ほ、本音、どうした?」
なぜか分からないが涙目になってきている。俺なにかした?
「うわああああ!良かった、良かったよおおおおおお!」
「え、や、ちょっ……」
思いっきり泣き始めた。というか号泣している。俺が寝ているベットに来てベッタリと、くっ付いて。
なにをした。俺は何をしたんだ?
「どうしたのほん……ね……」
中に入ってきたのは簪だった。ちょうど良かった!
「簪、本音が急に泣き始めたんだ。何か知っているか?」
「ふぇ……」
「え?」
ま、まさか……!
「うわああああああああ!」
「なんでさ!」
なんで簪まで泣くんだ!訳が解らん!というか簪も俺が寝ているベットに来てベッタリと、くっ付いる。
楯無さん達来るまで終始、泣き続けた簪と本音だった。そのせいで身体が涙と鼻水でベトベトだったのは言うまでもない。
「それで楯無さん俺はどうしてここに寝ていたんですか?」
ここはIS学園にある医療施設だそうだ。部屋には本音、簪、虚さん、楯無さん。それに癒子、清香、ナギの計七人がいる。
「憶えてないの?あんな事したのに?」
はて?あんな事とは一体?
「士郎、アリーナで私を守ってくれたんだよ」
「本音を守った?」
よし整理しよう。俺は弓道部に豆乳プリンをやって、それからアリーナで本音達にアドバイスをしに来て、それから……。
「あ」
そうだ。上級生二人がISを使ってケンカをして、逃げていたが転んだ本音を守ろうとして突き飛ばして、俺の腹が裂かれたんだ。
「ッ!」
僅かに痛みが走る。痛みは腹からだ。見ると―――傷が塞がっていた。
「もう治っているのか。さすがIS学園としか言いようがない」
「あ、あのね士郎」
「どうした本音?」
「ここに運ばれて士郎の身体を見た時には――――――傷が治っていたの」
「はあ!?」
傷が治っていた?そんな馬鹿な。致命傷といってもおかしくない状態だったんだぞ。それがなんで。
「ナノマシン。俺の身体に治療用のナノマシンが入っていたんじゃないのか。それなら納得がいく」
ナノマシンは治療用とされている事が多い。なので俺の身体もそれで治っているのが辻褄が合う。
「それはないわ。検査したけど身体には一切入っていなかったわ」
「それじゃ、どうやって治ったんだ?」
手術する前にすでに身体は治っていた。しかしナノマシンは入っていない。俺の身体、どうなっているんだ。
「あのー」
「どうかしたのかしら?えーと……」
「鏡ナギです」
「ナギちゃんね。それでどうしたの?」
遠慮がちに手を上げたのはナギ。簪と違って度が入っている眼鏡である。
「もしかすると自動修復機能が関係あるんじゃないかと」
自動修復機能。どのISにも備わっており、IS本体が損傷を受けても修復される機能である。例えで言えば、ケガをした所が血で固まり、皮膚を再生するという人の身体に備わっている治癒力と一緒。例外としては
「そんなはずは……あるかもしれないわね」
「え?」
「士郎君思い出してみなさい。あなたは誰にも反応しない無鉄を起動させたのよ。それで何らかの原因であなたの身体にも備わったんじゃないのかしら」
「お嬢様。そんな事あり得るのでしょうか。私にはそうとは思えませんが」
「でもこれが一番可能性が高いわよ。虚ちゃんは他にあると思う?あとお嬢様は言わないで」
「……ありませんね。にわかに信じがたいですが」
俺の身体にISの自動修復機能があるのかよ。改造人間か俺は。
無鉄と離れていても繋がっているのか。嬉しいようなおかしいような。どっちにしても自動修復機能のおかげで俺は助かったということか。
「それじゃ私達は帰るわ。またね」
「お大事に」
「じゃあね!」
癒子、ナギ、清香の順に言って病室から出て行った。
「あれ?俺は入院なのか?」
「そうだよ。いくら傷口が塞がっていても念の為一日入院しなさいって言われているんだから」
本音の言っていることが的確で鋭い一言を言うので言い返せない。悔しいが。
「それじゃ私達も……」
「楯無さんと虚さんは少しだけ残ってくれませんか?」
「それはいいけど、どうしてかしら?」
「まずは簪と本音が帰ってから話します。すまない、簪と本音は先に帰ってくれないか?」
「いいけど……」
「でもどうして?」
「無鉄の事でだ。色々と面倒な書類があってな、分からない所を聞くのに時間がかかるからさ」
こんなのは当然嘘。話す内容はさっきの夢の事である。簪と本音は裏の事をさほど知らないようだから下手に関わりを持たせたくはない。
「分かった。行こう本音」
「うん。じゃね士郎」
「ああ」
簪と本音が病室から出て、三人になる。
「で、本当はなんなの。無鉄に関しては手続きは終わっているでしょ」
「ええ。その前に虚さん」
「すでに盗聴や近くに人がいないかは確認していますので大丈夫ですよ」
「仕事が早い事で。それで楯無さんに俺の曾爺さんを調べて欲しいんです」
「いいけど、なんで曾爺さんなの?」
「ちょっと自分の家の事を調べようと」
「別に構わないわよ。虚ちゃん生徒会の仕事が終わったら調べましょ」
「分かりました」
「すいません。仕事の途中なのに」
「いいのいいの。お姉さんとして嬉しいから♪」
あの二人はなぜ俺の曾爺さんを調べろと言ったんだ。あ。
「一ついいですか」
「あら、なにかしら?」
「ザ・ジョイ、ザ・ソロー。聞いた事ありますか?」
「んーないわね。虚ちゃんは?」
「いえ。それがどうしたんですか?」
「知らないなら何でもありません。引き留めてすいません」
楯無さんと虚さんが病室から出て行く。いるのは俺だけになった。
「美沙夜がすでに報告していると思うが、一応俺から久宇研究場か社長に連絡をしておくか」
俺がこんなになったから久宇企業全体が騒いでいるかも。
研究場に連絡がつかなかったので社長の携帯に電話をかけると幽霊やら祟りやらと言われた。
生きてるぞこら。
「はい。二人目は大丈夫です。傷が治って、意識も正常です。会話もしていたので大丈夫です」
『そうか。報告を聞いた時は焦ったぞ』
IS学園の制服を着ている生徒の一人がどこかに電話をかけている。電話の向こうからは男性の声が聞こえる。
「あの時はすいません。私も焦っていたもので」
『仕方ないさ。目の前でそのような事が起きると誰しも焦るのは当然だ』
「ですが本来なら私が守るはずでしたのに咄嗟の対応が出来ずに二人目を危険に晒した事は変わりありません」
『確かにお前は女でISを使える。しかもISに乗っていた。それに対応出来なかったのは何の罰も与えないのは都合が良過ぎる』
「…………………」
話の内容は弓塚士郎の事である。二人目というのは弓塚士郎と世界でも認識されている。
『お前に対する罰は――――――
次の休日に帰って来る事だ』
「…………はい?」
『む。通信は良好のはずだが聞こえずらかったか?』
「い、いえ。ちゃんと聞こえていました」
『ならいい。何か問題か?』
「帰るだけが罰なんですか。減給なり行動制限をするなり他にもあるというのに……」
『結果的二人目は大丈夫だった。それでいいじゃないか。それとも自分から責めてほしいとかなのかい?』
「そんなんじゃありません!はあ……分かりました。次の休日に帰ります。国連委員」
『ああ。それじゃまたな、可愛い娘』
プツッと電話が切れる。
「次の休日、清香とナギの二人とレゾナンスで買い物に行く予定だったけどしょうがないか」
次の休日はすでに友達二人と買い物をする予定だったようだ。上司で父親から、次の休日は家に帰る事になった。
「ただいま」
「お帰りナギ。本音と清香とのトランプどうだった?」
「全敗。優勝は本音。なんであの子はあんなに強いの……」
「勝負事になると本音は強いわね」
「おかげで私のお菓子は全部なくなった」
「ご愁傷様。そろそろ寝ましょ」
「そうだね。お休み――――――
癒子」
感想、誤字脱字がありましたらお願いします。
設定は明日か明後日に上げる予定です。ただ設定が長いので二つに分けるかもしれません。
次回も楽しみにしてください。