IS〈インフィニット・ストラトス〉 射手の男   作:運命の担い手

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どうもお待たせしました。スランプが続いて今だに遅くてすいません。
一応前より早く更新できたのが救いです。
それではどうぞ!


第59話「新しい武装」

「ふう…………」

 

学年別トーナメントに向けての対策を一旦やめる。

今のところ問題はない。ガン=カタ用の銃は完成している。テストも何度かしたのですぐにでも使える。

無鉄には追加武装や追加装甲、増設ブースターといったモノは予定はない。強いて言うならマニュアルモードに手を加えようと考えている。

マニュアルモードは本当の意味で思い通りに動かすことができる。パワーバランスや反射速度といった勝負の明暗が決まることがあるからだ。

念のためになにかのパッケージでも準備しておいておくか。色々とあるから選んでおいて損はないだろ。

問題はあるのはボーデヴィッヒだけか。

なぜあれほどまでに織斑先生に執着するのか分からない。いや、執着というより宗教に近いな。信じるのは構わないが、度が過ぎるとそれは狂信者になってしまう。今のボーデヴィッヒはまさに狂信者。本人に言ったら自分は至って正常だと言うだろうがこっちからすれば正常ではないとしか見えん。

 

「あ。なんか武装とか無鉄からメッセージがあったのを忘れてた」

 

山田先生と模擬戦をやる前に出ていたのを思い出した。久宇研究所に言っても使ってみるまで教えてくれないだろうな。向こうでの試作武器、武装も使ったあとで教えることになっているからだ。

明日の放課後にでも一夏との模擬戦で使うか。

 

「っ!また左腕か」

 

どうもアリーナでボーデヴィッヒの攻撃を受け止めてから痛む。それほど気にはしなかったが、念のためにストレッチをしてから寝るか。

 

 

 

 

 

この時はまだ大した問題ではなかった。事の重大に気付いたのは数日後になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「準備はいいか?」

「ああ。いつでもいいぜ」

 

授業は終わり、俺と一夏は第2アリーナにいる。あらかじめ予約をしていたのですんなりと入れた。学年別トーナメントも近いので予約をしておかないと入ることができなくなる。

 

「今回は新しい武装のテストになる。俺自身も使ってみなければわからない。悪いが実験に付き合ってもらうぞ」

「別にいいぜ。色々と世話になっているから気にすんな」

「なら、遠慮せずやらせてもらう」

 

―――新しい武装を使用しますか?

―――はい←

―――いいえ

 

 

ガコン!キュイン!

 

 

 

無鉄から鉄の音が響き、形が変わった。全体の色が銀色というより鉄の色のまま。顔を含めての肉体が見えないように装甲に覆われ、人の形は保っているがISらしさがほとんどなくなった。

……これって確か映画に出てたロボットに似ているような。それと映画のタイトルはなんだっけ?

 

「なんでパシフィック・リムのジプシー・デンジャーになっているんだ?」

「そうそうそれだ。…………なん……だと……!」

 

一夏がなんで知っているんだ?映画になっているから見に行ったか?

 

「公開日に弾と見に行ったからよく覚えているぜ。でもなんでそんな風になったんだ?」

「それは俺が知りたい。てっきり新しいシステムかどこかに内蔵武器があるかと思ったんだが、予想が大きく外れ過ぎる」

 

誰か説明してほしい。って都合よくいるわけないか。

 

『それは私が説明するわ!』

「「!!」」

 

アリーナのスピーカーから待っていましたと言わんばかりに張りきった声が聞こえる。視線を中継室に向けるとそこには古式先輩がいた。

 

「なんで古式先輩がこれについて説明するんですか?」

『だってそれ考えたの私だから』

「なに?」

『といっても実際作ったのは技術班の人なんだけど、私色々と意見も言ったし、責任を任せられている1人になったから当然ね』

「そうですか。では説明お願いします」

 

古式先輩はあの後、久宇企業のテストパイロットになり、将来が約束された。保護のため家族は久宇企業の敷地で過ごすことになった。敷地には他にも寮や家族のための住宅があるので心配はない。しばらく会えなかったが元気そうにしているのは知っていた。しかし、この武装に関わっているとは。

 

『そのシステムの名前はジプシー。織斑くんが言った通りパシフィック・リムのジプシー・デンジャーをそのまんまに変えることができるのよ。

武装は左右腕部に内蔵されたプラズマキャノン、両腕に蛇腹剣のチェーンソード、肘部にパンチ力を増幅するためのロケット推進機「エルボー・ロケットブースター」、胸に火炎砲の

ファイヤーバーナー、胸部から放出冷却。以上が武器の説明。飛行は出来るから安心して』

 

戦闘スタイルとしては一夏に近いな。古式先輩の言った通りならこの状態の時は近距離格闘戦になる。劇中でもそうだったからな。

 

『実際に戦ってみて。習うより慣れろって言うじゃない』

「そうですね。行くぞ!KAIJU!」

「KAIJUじゃねぇよ!」

 

両腕からチェーンソードを出して接近戦を試みた。

 

 

 

キィィィィンッッ!!!!

 

 

 

ちゃんとコーティングされているようなので雪片とまともにぶつかっても大丈夫のようだ。

 

「せい!はあああ!」

「くっ!?うおおおお!」

 

普段は手に剣を持って振るうが、今日は腕全体を動かさないと振れない。そのためか些か違和感があるが慣れれば問題はない。

お次はこいつだ!

 

「こいつでも喰らえ!」

「ちょ!?」

 

左腕のチェーンソードをプラズマキャノンに変えてガラ空きの腹に撃ち込んだ。

 

 

 

ドキュン!ドキュン!ドキュン!ドキュン!ドキュン!

 

 

 

「ぐっ!がっ!」

 

このまま撃ち込む。

 

「うらあ!」

「ちっ!」

 

やはり思い通りにはならんか。大振りにされて距離を空けてしまった。ここで退いたら押し込まれるなら―――

 

「はああああああ!」

 

―――こちらから進んで押し込むまでだ!

 

「これなら剣を振るうことができまい」

「だがそっちもできないだろ」

 

両腕をガッチリ掴んでいるので雪片を振るうことはまずできない。

 

「一夏忘れているぞ。コイツは近距離格闘戦だということを」

「?……あ!」

 

気付いてももう遅い。放出冷却開始!

 

 

 

シュゥゥゥゥウ!!!

 

 

 

「寒!寒い!」

 

こっちもちょいと寒い。だが白式が全体的に冷気を帯びて固まっている。コイツはイケる。

続いてコイツもどうだ!ファイヤーバーナー点火!

 

 

 

ボオオオオオオ!!!!

 

 

 

「あつつつつ!?熱い熱い熱い!!」

 

この近距離での炎はきついだろう。俺は胸が本当に熱い。ここいらでそろそろ決めるか。

 

「おおおおりゃああああああ!!!」

「へぅ!?」

 

空高くブン投げて、一夏より上に瞬時加速(イグニッション・ブースト)で上がり、エルボー・ロケットブースター起動。

 

「うおおおおおおおおおおお!!」

 

これを叫ばなければいけない。それは―――

 

「ロケットォパァァァァンチッッ!!!!」

「ぐほぅ!?」

 

これはまさしく名言。それにワーナーの偉い人も『ロボットって言ったらロケットパンチだろ』と言っていたそうだし。

一夏は大丈夫なはずだ。顔から地面にダイブしたようだが絶対防御があるからな。

 

『どう?このシステムは?』

「色々と言いたい事はありますが、まず全体的に問題はありません。あるとしたらファイヤーバーナーと放射冷却を使用している時温度が感じるのでなるべくこちらに伝わらないように修正してください。それ以外は慣れれば大丈夫です」

『分かったわ。連絡はこっちでするから報告書を簡単でもいいから8時までに研究所に送ってね。修正する部分は後日ファイルで送られるから』

「了解しました。それと元気にしていて何よりです」

『ふふ。これも弓塚君のおかげね。じゃまたね』

 

さて、のびている一夏を起こすか。

 

「おい起きろ一夏。まだするか?」

「やらねえ。最低でも引き分けにするつもりがフルボッコだよ」

「やるからには勝たんとな。今日は上がりにして身体を癒しておけ」

「そうする。にしても凄いんだな、お前の所属している企業は」

「ああ。優秀な者が多いければそれに比例して変態も多いからな」

「なんて言うか、その、頑張れよ」

「お前もな」

 

報告書を出す時にどうやって起動すればいいかと送ったら、「ジプシーON」と言えば起動して「ジプシーOFF」といえば解除されると返信が来た。

夕食後、簪と本音が遊びに来ていたので今日ののことを言ったら見たいと言ったので見せたらすごく興奮していた。

特に簪が怖かったとここに記そう。

 

 

 

 

 




感想、誤字脱字がありましたらお願いします。
今年の更新がヤバいくらいに遅い。前のように週一に戻るようにコツコツと頑張ります。
パシフィック・リムは個人的に好きです。特にロケットパンチと叫ぶところが。
それでは次回もお楽しみに!

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