IS〈インフィニット・ストラトス〉 射手の男   作:運命の担い手

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第7話「協力」

「頭が痛い……」

「途中から記憶が全くないです……」

 

朝からあきらかに気分が悪そうな楯無さんと虚さんが茶の間でダウンしてた。それもそうだろ。2人が飲んだのは日本酒で高い物だったそうだ。孝司さんが飲んでいたのだが席を外している間に飲んでしまったのだ。あの日本酒はなかなか手に入れない代物らしく、いつ手に入るか分からないそうだ。

孝司さんが戻ってきたときには一杯分しか残っていなかったのでがっかりしていた。和也さんが励ましていたな。

 

「ほらほら朝からダラダラしていないで手伝いなさい。士郎君を見習いなさい」

 

俺は朝食の準備の手伝いをしている。料理しているのは母親組で俺も料理が出来るので手伝っている。

 

「あ、士郎君。この豆腐を切って、味噌をお願いね。食べる人多いから分量には気を付けてね」

「はい」

 

父親組はあと少ししたら起きるそうだ。簪は朝から倉庫で用があるからいないが時間になったら来るそうだ。本音はぐっすり寝ているそうなので誰かが起こしに行かないといけないそうだ。

 

「あとは大丈夫だから本音を起こしてくれないかしら?」

「わかりました。起きなかったらどうすればいいですか?」

「担いでもいいから連れてきてね。変なところさわっちゃだめよ?」

「しませんよ」

 

あとのことを任せて本音の部屋に向かった。

 

 

 

「もう~食べれない~……むにゃ……」

「見事なまでに寝ているな」

 

ぐっすり寝ている本音には悪いが朝食がもうすぐできるので起こさないとな。

 

「本音起きろ、朝だぞ」

「もう少し寝かせて~……」

「朝食が抜きになるぞ」

「睡眠第一……」

 

確かに生活の中で睡眠は大切だがこれはこれ、朝食は朝食だ。

 

「はあ、しかたがない。担いでいくぞ?」

「いいとも~……」

 

寝ぼけて返事をしているが、まあいいか。よっこらしょいと。

 

「……んー……うお!?なになに!?」

「暴れるなよ、落としたら俺が怒られるからな」

 

少し歩いたらようやく目を覚ましたのか本音がジタバタ動いた。肩からおろして一緒に歩く。

 

「ちゃんと起こしてもらえば起きれるよ」

「ちゃんと起こしても起きなかったら担いだんだ。これは彩乃さんから言われたことだ」

「そうだったの。まあいいか。ところでゆーみん。今日の朝ご飯はな~に?」

「着いてのお楽しみだ。それとそのゆーみんはどうにかならないのか?こちらは名前で呼んでいるから別に名前で呼んでいいぞ」

「ゆーみんはゆーみんだからいいんだよ~。これは決定事項だよ~」

「まあいいか。人それぞれだからな」

「そだよ~」

 

そんなこんなで話しをしているうちに茶の間に着いた。俺と本音以外はみんな座って待っていた。

 

「それじゃ全員そろったことだし、いただきます」

『いただきます』

 

沙織さんの号令で朝食を食べ始めた。

 

「お!なんだ。今日の味噌汁はいい具合だな」

「ちょうどいいな」

「それは士郎君が調節してくれたのよ」

「あら、そうなの?私はてっきりお母さんがしてくれたと思ったけど」

「楯無は虚ちゃんと一緒にダウンしているときに手伝ってくれたのよ」

 

他には食材を切っただけだからそんな大したことはやってないけどな。

 

「……ごちそうさま…」

 

ん?簪はもう食べ終わったのか。早いな。

 

「…いつもどうりに倉庫にいるから何かあったら呼んでね……」

「分かったわ。あまりこんをつめないようにね」

「うん……」

 

沙織さんから注意を受けて、簪は食器を片づけて倉庫に向かった。

 

「そういえば簪は倉庫で何をしているんだ?」

「ISを作っているんだよ~」

「は?」

 

本音に聞くとISを作ると言った。まさかひとりではないだろうな。

 

「そだよ~」

「それはすごいな。しかし、そんなに簡単ではないはずだが……」

 

ISはロボットを作るのと同等のことだ。ロボットはひとつひとつの動作には膨大な計算が必要だ。昔、日本が二足歩行ロボットを作るにしても大勢の人で挑み、幾度も失敗をして数十年後に人らしい姿で世に出たのだ。

それを簪はひとりでやるのと同じことだから、かなり労力が必要だ。

 

「そのことなんだけどあとで部屋に来てくれないかな?」

「まあいいですよ。やることはISの勉強だけですから」

 

楯無さんから部屋で来るように言われた。厄介事ではなければいいが。

 

 

 

 

「入りますよ」

「どうぞ」

 

楯無さんの部屋に入ると虚さんもいた。

 

「それでいったいなんですか?」

「えっと、あのね……」

「?」

 

歯切れが悪いな。厄介事はじゃないよな。

 

「その……お願い!」

 

パンッ!と手を合わせて、いきなり拝まれる。

 

「はい?」

「妹をお願いします!」

「はあ……」

 

楯無さんの一世一代の告白のような告白と虚さんの呆れた声がはっきり聞こえたことだけは確かだ。

 

 

 

 

「バカですか?」

「うぐっ!?」

 

話しはこうだ。俺より早くISを動かした一夏のせいで簪の『打鉄二式』が遅れている。開発元は倉持技研で、一夏のほうに人員が全員回っているので未完成である。

しかし、簪はひとりで打鉄二式を完成しようとしている。理由としては楯無さんがひとりでISを作ったからである。だが、楯無さんはひとりで作ったのではなく、虚さんや本音たちの協力で作ったのである。ひとりで作ったというのは周りの人が勝手に言っているだけだそうだ。ただ、楯無さんは七割くらいを作っていたそうだが……。

楯無さんと簪は最近までは仲は悪くはなかったのだが、簪がひとりで作ると言った時に「あなたが私に追いつくのはありえない、無能、勝てる要素なんてひとつもない」などを言ってしまって、仲が悪くなり、溝ができてしまったのだ。

 

「で、俺にどうしろと?」

「簪ちゃんと仲直りしたいのと打鉄二式を作るのに協力してもらえないかしら?」

「お嬢様が余計なことを言わなければ仲が悪くはなかったんですけど」

 

虚さんの指摘で楯無さんが小さく見えてくる。けど、なんで俺なんだ?まあいいか。

 

「はあ……努力はしてみますが期待はあまりしないでくださいよ。ISのことはなぜか覚えているのでやってみます」

 

参考書とか見ていた時にISの基礎、基本が分かっていて、機体の改良や武器の製作もできることに気付いた。

 

「お願いね。私たちが言うと簪ちゃんは余計意地になるからどうしようもないのよ」

「あ、お願いひとついいですか?」

「お願い?」

「ええ。倉庫にはIS関連の部品や材料がありますか?」

「あるわよ。それがどうしたの?」

「無鉄の整備と改良、武器の製作をしようと思いまして。いいですか?」

 

無鉄には武器があるが、俺は作ってみたい武器があるので試したいし、無鉄は作られた当時のままなので手を加えたほうがいいと思うからだ。

 

「いいわよ。けど、火薬を使うときは細心の注意を図ってね」

「部品や材料は倉庫に入れば分かるます。気軽に使って下さい」

「はい」

 

とにかく倉庫に行くか。まず何を話せばいいかな?

 

 

 

 

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