あべこべ世界でVやろう   作:ヨォ

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プロローグだヨォ

「くぁ…っ…おはよー!」

 

欠伸からの伸び。そして自分自身に挨拶をする。

ベットから降りてカーテンを開けると眩しい太陽の光が差し込んできた。

 

窓を開けて空気を入れ替える。

秋の朝特有の冷たい空気が頬を撫でた。

 

「ふぅ…今日もいい天気」

 

ここ3日は快晴が続いていて、冷たい風も吹き曇りにならない程度に雲があるため例年に比べてとても過ごしやすい日が続いているようだ。

 

窓の外を見渡すとチュンチュンと鳴く鳥と、スーツに身を包んだ女性が目に入った。

 

目があったので

軽く手を振ると彼女も振り返してくれた後、名残惜しそうにこちらを眺めながら歩き去っていく。

 

「…平和だなぁ」

 

僕はこの瞬間が1日の中で1番好きだ。

ここまで爽やかな気分でいられるのは中々に恵まれていると思う。

 

が、それもここまで。

 

僕は窓を閉め、鍵をかけた。

換気といっても窓を開ける必要は本来ない。部屋には換気扇(無音で高性能)が付いているので。

 

「……降りよう」

 

その言葉を呟くと、

どんよりとした気分が僕を襲った。

 

それでも2階から降りないわけにはいかない。

今日も学校があるのだから。

 

 

 

 

パジャマを脱いで

高校から支給された制服を身に纏う。

 

長袖Tシャツに赤色のネクタイ。

長ズボンに真っ黒なベルト。

 

そしてブレザーを羽織れば完成。ちょっとサイズは大きめだけれど、僕はまだ高校1年生。成長の余地はあるとして敢えて大きめを選んだのだ。

 

(…予想に反して、

 そこまで身長の伸びはよろしくないけど)

 

思わず苦笑をこぼしつつも、部屋の内鍵を開けてドアを開いた。

 

「たっ君おはよー!」

 

秒で閉めた。

ゴン、と鈍い音が向こう側から聞こえる。

結構な勢いで突撃してきたから相当痛いだろう。

 

「毎回やってるんだから学習しなよ…お姉ちゃん」

「うぇぇ…たっ君酷いよぉ」

 

再びドアを開けると

床に頭を抱えてうずくまる姉なる者がいた。

 

髪は金色に染めていて青色のカラーコンタクトをつけている。

 

基本早起きで僕が先に起きた事はほとんどない。

顔は小さく眉毛は細くまつ毛は長い。

胸部装甲は控えめだ。

 

おおよそ8割が美人と認める美貌を持つため第一印象で失敗したことは無いという逸話がある。

 

本人談だけど。

 

「もぅ。たっ君てば照れ隠しが痛いんだから」

「ガチで嫌がってるとは考えないのかい」

「そりゃもちろん。家族ですから」

 

…まぁ嫌いではない。

こんな姉だけど、やるときはやる。

発情したイノシシに襲われた時は骨董品の刀振り回して助けてくれたし、高校時代の成績は学年8位と力もあるし頭もいい。

 

何より、寝起きは暴走しがちだが僕のことを大事にしてくれる人。

 

この16年の付き合いで学んできた事だ。

 

「じゃ、僕は下に行くけど…一緒に行く?」

「うん!行こうたっ君」

 

手を伸ばしてきた。

……無視して階段をスタコラ降りる。

 

「あー!たっ君ひどーい!」

 

「お姉ちゃん手を握ったら

 朝食の時も離さないでしょーが!」

 

「ば、バレてる…!?」

 

驚愕、愕然、と言った表情。

ちょっと笑える。

 

僕はそんな姉を眺めながら

1階のリビングへと向かった。

 

 

 

 

リビングには炊き立ての白米と豆腐とわかめの味噌汁。キュウリとナスの漬物。昨日の残りの大皿に乗ったトマトソース煮のハンバーグが長テーブルに置かれていた。

 

「あ、兄さんに姉さん。朝ごはんできてるよ」

「わーい!圭ちゃんのご飯だー!

 いただきまーす!」

 

これを用意したのは、僕より、そしてお姉ちゃんよりも早く起きて朝ごはん…どころか家事全般をこなしている弟…圭だ。

 

「いつもありがと、圭」

「なんのこれしき」

 

圭は本当に何でもないような口ぶりで返答してきた。

多分、圭にとっては朝飯前なんだろう。

 

朝ごはん前だけに。

 

「ご馳走様でした!じゃ、行ってくるね!」

 

「「いってらっしゃーい」」

 

そうこうしているうちにお姉ちゃんはご飯を食べ終えたようで、慌ただしく家を飛び出していった。

今日も仕事が忙しいらしい。

 

…いつものことながら、

化物レベルの早食いである。

 

「兄さん。オレ達も食べよう。特に兄さんは今日日直なんだろ?」

 

「…あっ、そうだった!いただきまーす!」

 

…うちの学校は、()()()()()()()()()()()()()日直をやらせてもらえる。

 

このご時世、中々ない高校だ。

文武両道 男女平等をモットーに掲げていて、この学校では男子の過剰な訴えは退けるし、女子でもセクハラされたら、相手に罰を求めることができる。

 

更に男子に有利になる法律を一部無視して、金額負担は男女同額という…一部の派閥から大バッシングを受けそうな偉業を成し遂げてる。

 

よく解体されないよね…でも、

僕は、男を過剰に保護しないこの()()()大好きだ。

 

「ご馳走様」

「お粗末様」

 

そんなことを考えている間に朝食を食べ終えた。

食器をまとめて水に浸し、歯を磨く。

 

1分くらいかけて磨いたら水を含んで泡を流して顔を洗ったら準備完了。鞄を背負って圭に声をかけた。

 

「行ってきます」

「いってら。いつもより今日は一本速いやつに乗るんだから気をつけてな」

 

そう。他の高校では家の前まで男子専用車両が迎えにくるのだが、僕の高校だと指定の場所まで歩く必要がある。

 

これがまた、気持ちいい事この上ないのだ。この辺は山も川も近いのも関係あるのかもしれない。

 

この辺の人達はちゃんとマナーを守って生活しているから無駄な気苦労を負うこともないしね。

 

何よりセクハラが少ないのがいい。

僕の1日で2番目に好きな時間だ。

 

「…よしっ」

 

お気に入りのシューズを履いて、

僕は玄関のドアを開けて家を出た。

 

 

 

 

「…行ったな?」

 

オレは窓の外を覗きこんで、もう兄さんがいないことを確認した。

 

「ふぅ〜やっぱカッケェよなぁ…同じ血が通ってるとは思えねぇ」

 

そんな事を呟きながら、食器を洗って片付けて乾燥機にかける。

 

歯を磨いたら洗濯物を干して、ひとまず休憩。

 

自室へと向かい

パソコンを開いてあることの準備をする。

 

「あの視線に晒されながら毎日学校…いやまじですげぇよ」

 

準備があらかた終わったので大の字にゴロンと寝転がった。

 

…この世界では男子は働く義務がない。

 

平日の昼間からゴロゴロしてても特に文句は言われないのだ。

 

代わりに精液を国に提出する義務があるがな。

キモイ(小並感)

 

…まぁ、ゴロゴロ云々は家族への罪悪感がすごいので家事は自主的にやるようになったけど。

 

外には滅多に出ない。

男のオレが外に出ると、物珍しさから眺めてくる人。視線が股間に寄ってくるむっつりスケベの人。もはや性的欲求を隠さず荒い息を吐きながら近寄ってくる人。

 

まぁ見られること見られる事。

挙げ句の果てにケツを揉んでくる始末。

 

ぶっちゃけ疲れるのだ。

なのであの視線に晒されながらも学校に通っている兄さんは本当に尊敬できる。

 

男女平等校とはいえど、この世界の女性がどれだけ我慢できるかは未知数だ。

 

そして姉さんはそういう事をせずに、でも、大切に扱ってくれるので数少ない完全に信用できる人の一人である。

 

……説明が遅れたが、オレは元々この世界の住人ではない。いわゆる転生者だ。

 

精神年齢は30歳。立派なおっさんだな。

転生した理由は不明。

ある日気づいたら赤ん坊になってたのだ。

 

前世の名前は佐藤太郎。自分で言うのもなんだが、絵に描いたような普通の青年だな。

 

で、今世の名前が佐藤圭。ちょっとランクアップしたはずだ。人生2周目だしね。前世は16歳で乙ったけど。

 

転生特典とかもこれといってなかったし、そういうものなのかと理解を諦めた。

 

まぁ、でだ。

どうせ家にいるんだから、家でできることは何かないかと模索した結果。

 

「ヨォお前ら。朝だがちゃんとゲンキか?」

 

『もちろん!』

『圭ちゃんハスハス』

『ええい圭ちゃんの匂いを嗅ぐな!』

『画面上から匂い嗅ぐってなに…?』

『知らんのか』

『さてはオメー初見だな?』

『古参は圭ちゃんの付けてる香水をパソコン画面に吹き付けて手動4Dやってんだよ』

『なにそれ怖い』

『でも男(ショタ)の匂い嗅ぎながら会話するって

 実質直接会ってるようなもんじゃん?

 興奮するだろ?』

『しますねぇ!(食い気味)』

『それな』

『それな』

『それな』

 

業界唯一の男性Vtuberをやることになりました。




続きは未定だヨォ。
感想欲しいヨォ!
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