あべこべ世界でVやろう 作:ヨォ
多分9千文字いくのはコメントで水増しできるVtuber回だけなんじゃないかなと最近思い始めました。
人生ゲーム。
自分に見立てたコマを車に乗せて、1〜10の数字が書かれたルーレットを回し、出た目だけ進む双六の進化版のようなゲームだ。
止まったマスによってお金がもらえたり、逆に払わなくてはいけないイベントが発生する。
他にはプレイヤー同士、又はノンプレイヤーキャラクター…略してNPCと結婚することで親睦を深めることもできる。
つまり、オレがあいつと…!?みたいな感じで盛り上がりを見せることも可能なのだ。
そして、
最終的に持っていたお金が多いものが優勝となる。
職業も止まったマスによって変わってくるのだが…底辺だとフリーター、頂点は社長と現代社会に沿った内容のものが多い。
実に多様性を持ちつつも本質は運ゲーという
多人数向けのゲームである。
が、ちょっと安直に選びすぎたのかもしれない。
「なになに…?『出世街道まっしぐら!100万円を手に入れる』やったあ!またお金ゲットォ!」
つよい。強すぎる。姉さんに運ゲーをさせてはいけないということを失念していた。
姉さんの職業は地上ルートでは最高の『社長』だ。
社長は手に入るお金も多いが、減ってしまうお金も多い諸刃の剣の職業…と、公式の職業説明欄にも書いてあるのに姉さんはことごとくお金の手に入るマスに止まる。
そんなのばっかりだから姉さんは現状独走状態。
基本1番が嬉しい姐さんは大喜び。
大喜び、なのだが…。
「『出世街道まっしぐら!家族もいないあなたは消費するものもない!ボーナスそのまま100万円ゲット!』…独身社長への説明文ひっどいッスねこれ」
このゲーム。
なぜか独身への当たりがすごく強い。
いや、待遇はいいのだ。
寧ろ結婚している方が減るものは多いし、実際さっきの文章だって、結婚した人には『出世街道まっしぐら!家族へのサービスにボーナスを使い残った20万円をゲット!』と、言った指示が出る。
なのに、なんなんだろう。
『家族もいないあなたは消費するものもない!』
この一言に込められた独身への悪意。
「お、お姉さん…メンタル大丈夫なの?すっごく空元気に見えるけど…巧くん?」
テレビゲームじゃあないせいか、最初に会った時のようなオドオドした性格に戻った神崎さんが兄さんに尋ねる。
けどダメだ、今の兄さんは…。
「ハハッ。僕にはわかる…お姉ちゃんから出てくる闇の波動が…!絶望の序章が…!」
職業『厨二病』なんだから…。
「巧くん!?操作キャラに引っ張られないで!?」
「ああいや神崎さん。これ仕様なんッスよ。ほら、『職業になりきれ』って書いてあります」
「あっ本当だ…」
必ずしもなり切る必要は無いのだが、説明書には『みんなで職業になりきろう!』と書かれているからにはなるべく従った方が楽しくなるだろうしな。
姉さんも兄さんもそれを忠実に守っているのだ。
「アッハッハ!大金持ちー!
ひとりぼっちのお金持ちー!
酒ぇ!金!名誉に優勝!
ぜーんぶ私のものだぁ!」
「くっ…俺の中に眠りし
…ちょっと二人ともハマり役すぎて怖いな!?
でも兄さんはノリノリに見えて顔真っ赤だ!
だいぶ無茶してるな!
姉さんは姉さんで
社長のイメージはそれでいいのかよ!?
姉さんの中の独身社長はみんなヤケクソなのか!
……この世界の惨状考えると割とあり得るかも!
どうするべこれどうツッコミ入れたらいいかな。
「…はぅっ。
皆さん演技派…私はこのくらいしか…」
むにゅっ。
腕に抱きつかれた。
やわらけえ。
「…いやまあ確かにオレたち結婚しますけども」
「なら問題ないよね…私たちは新婚夫婦だよ」
そう言って体重をオレに預けてくる神崎さん。
顔は真っ赤だけど、フニャッとした笑顔を浮かべている。
…なるほど?つまり神崎さんの中の結婚とは、こうして密着してコーヒーが甘くなる生活をするということになるんっすね。
「うーんかわいい」
「あなたの妻だもの」
「そうでした」
もうゴールしてもいいかな。
あ、だめだわ大炎上する。
オレじゃなくて神崎さんが。
嫌がらせがとんでもないことになりそう。
この世界でも特定班いるらしいしマジで気をつけなければいけないのだ。
だけど…まあ。
ゲームだしいっか。
「クォルルラァ!何見せつけてくれてるのかしらぁ!?
わたしにも幸せわけなさいよお!」
あっ社長に目ぇつけられた!
すっげぇ切実!
「……申し訳ありませんが幸せとは分散させてはいけないものですので…」
腕を掴む力がこもる。神崎さん…演技派云々言ってた割に大分上手っすね。
あと独占欲強い。
「フッ、やはり神の名を持つものということか…。
ここまで俺をイラつかせてくれるとはなあ…」
「姉さんはともかく兄さんは結婚してるでしょ!?」
「そうだった。
…こほん!あれは我が傀儡にすぎぬ!」
「しれっと最低だよ兄さん!」
「えっごめん」
「素直か!」
兄さんはそういう人だったな!
そういうとこ好きよ?
「えっと、確か俺の番っすよね。回しまーす!」
これ以上問答を続けてるとぐだぐたになる(既になってるか)ので空気を切り替えるためにもオレはルーレットを回す。
…出た目は『9』ほぼ最高の目だ。
因みにだが、オレと神崎さんは結婚してはいるものの同時にコマを動かすことはない。
あくまでもプレイヤー同士だからな。
片方が遊べなくなるのはアウトだろう。
で、とまったマスには…。
「…『家族が増える。
車にひとつピンを追加する』」
簡潔に、それだけが書かれていた。
おおう…中々プレイヤー同士でこれはキツいな。
気まずい。
シン、と空気が凍る中、一言目を発したのは神崎さんだった。
「うふふ…ねえあなた。この子今お腹を蹴ったわ」
「神崎さんッッッッ!?」
この人ダイナマイトに油ぶっかけて火炎放射器ブッパしやがった!
ああっ!
何気に子宝に恵まれない兄さんも若干羨ましそうにこっち見てる!生暖かい視線!
ってか、なり切るって言ってももう産まれた後だからその方向性は違うと思いますよ神崎さん!
「お、おおおお姉さんは認めません!
こ、こんなに若いのに子供なんて…!」
「ウフフ…愛情に年齢なんて関係ねーですわよ」
「神崎口調おかしくなってる…」
強気だ!ゲーマーモードとは別種の強気だ!
これあれだ見たことあるぞ。
ヤンチャだった一人娘が子供抱えて大人しく
「体の負担はすごいことになるのよ!?」
「愛にできないことはありませんの!」
ギャーギャーと口喧嘩を繰り広げる姉さんと神崎さん。これ多分終わんねぇな。
オレはゲーム続行を諦め、スマホを取り出し時刻を確認する。もう9時40分を過ぎていた。
…ま、青少年(この世界では清少女か?)のクリスマスにしては若干早いが今日はここまでにしよう。
片付けもあるし、
これ以上はご近所迷惑になりかねない。
「神崎さん、姉さん。
もういい時間だし今日はもう寝よ?」
「うん、圭の言う通り。明日も朝からはしゃぐんだし、そろそろ寝て体力を回復しておこう」
オレ達の声を聞いた2人はピタリと喧嘩を止め、ちょっと気まずそうに互いに謝りだした。
「…うっ、確かに。ごめんなさい神崎ちゃん。大人気なくって」
「いえ!こ、こちらこそムキになってしまって…すみません…」
「お詫びに一緒にお風呂はいかが?」
「あ、それは
「なんでよー!一緒に入りましょ!?」
と思ったらまたなんか攻防が始まりやがりましたよこの人たち。
仕方がないのでオレ達でゲームを片付けて、先にお風呂を頂くことになった。
何気に一番風呂をもらえてラッキーだったとさ。
めでたしめでたし。
余談だが。
結局2人で入ることになったらしい。
姉さんのゴリ押し強いな…。
姉さんは風呂場で神崎さんに…
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真面目な話をした
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百合っぽい発言をした
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萌えるシュチュエーションを聞いた
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エッチなことをした