みほ「大隊長車からひまわり中隊、あさがお中隊へ、状況報告をお願いします。」
カチューシャ「ひまわり暫定中隊長から大隊長へ、大規模砲撃により黒森峰のパンター二両と中隊長車ティーガー1を喪失、他は損傷がある車両もあるけど戦闘続行に支障はないわ。それと今の中隊副隊長はベルゲパンターの橘よ。これからたんぽぽと合流するから持ちこたえてね!」
ケイ「あさがお中隊長から大隊長へ、喪失車両なし、うちのA1が大きく損傷、現在修理を完了して護衛のラビットと一緒にあさがお本隊へ合流中、知波単の九五式が偵察で残っているわ」
みほ「大隊長からあさがお、ひまわりの両中隊長へ、了解しました。無理せずにたんぽぽと合流してください。無理そうならたんぽぽの後方で警戒をお願いします。」
※原作とは違いますが作戦通信では「誰から誰へ」を徹底してもらいます。
福田「福田からケイ殿へ、あさがお中隊が足止めした部隊は修理を完了して中央集団と合流中。」
ケイ「ケイから福田へ、了解よ!引き続き偵察をよろしく!」
これまでの巨大砲弾…大洗陣営の誰もが打開策を考えていた。
みほ「大隊長からひまわり、あさがおの両中隊へ、誰か頭上からの砲弾を見たひとはいませんか?」
沙織「それなんだけどみぽりん、橘さんの車両から暗号通信来てたから解読しといたよ!」
秋山「武部どのすごいですね…水島の暗号を解読するなんて…」
沙織「えっ?ただの三重暗号だったよ?ゆかりん」
秋山「ただの!?…なるほど、ほんとに怖いのは味方ってことですか…。徹甲弾装填完了!」
沙織「ねえゆかりんどういうこと?」
※この時手宮が使った暗号は平文(和文モールス)をC2暗号(通称カレー暗号)にしてその上でローマ字を使いアルファベットに崩したものをB4暗号にしたあとローマ字翻訳で和文に戻せるところだけ和文に戻して和文英文の混ざった文をさらにA32暗号にして送信するもの。
婚活戦士ゼクシィ武部はこれを「ただの三重暗号だったよ?」と言っているが実際には暗号解読と暗号解読の間でローマ字翻訳が必要だったりする。
秋山「水島の暗号は私の友達の無線マニアでも解読できなかったとだけ言っておきます。」
沙織「ゆかりん私達以外に友達いたんだ…」
冷泉「沙織、失礼だぞ」
秋山「ひどいですううう武部どのオオオオ」
みほ「沙織さんありがとう。………ぷぷっ!」
秋山「どうなさいましたか?西住どの?」
みほ「なんか戦争とかの日本軍みたいな通信だなって思ったの」
五十鈴「内容を知りたいので読み上げていただけますか?」
みほ「ええっと、
『ヒマワリ中隊ベルゲパンター発、大隊長宛。高地ニ飛来スル砲弾八巨大ナリ。我ソレヲ目視ニテ確認セリ。口径ヲ推定700粍以上ト認ム。タダシソノ弾道ハ山ナリナリ。ヨッテ列車砲ノ可能性ヲ含メ至急対策ヲ検討サレタシ。』
だって。」
秋山「まさか…ドーラとかはないですよね?だとしたらもっと着弾の間隔が広いはずです…」
沙織「あとあさがお中隊の朝木くんからも連絡来てるよ。こっちは平文だったよ。」
みほ「だいたい一緒で違うのは『二着目ノミ異ナル弾道ノ二発ノ同時着弾ヲ観測ス』の一文だね。」
秋山「カール…ですかね?」
沙織「カールってどれ?」パラパラパラ
冷泉「沙織のノートはあくまでも「戦車道連盟が認めている戦車をまとめたノート」だから自走砲のカールはないぞ」
秋山「橘どのが配ってくれた資料の資料87 カール自走臼砲と表95 カール自走臼砲の性能諸元に詳細が載っているであります。」
その資料87にはカール自走臼砲のプラモデルの写真があった。その隣の資料88、89には想定される改造を施された戦車道仕様のプラモデルの写真があった。
カチューシャ「ひまわり中隊暫定中隊長から大隊長へ、ベルゲパンターがその砲弾の迎撃に成功しているわ」
みほ「えっ?迎撃してたんですか?」
カチューシャ「ひまわり中隊暫定中隊長から大隊長へ、そうよ。だからおそらく車長と砲手は砲弾を視認してるんじゃないかしら?」
みほ「大隊長からひまわり中隊中隊長へ、了解、すでにその事は暗号電文で確認しています。」
カチューシャ「ひまわり中隊中隊長から大隊長へ、そう、ならよかったわ。」
彼女らはこのほんのわずかな情報から「巨大砲撃のヌシはカール自走臼砲だ」と仮説を建てた。そしてそれを証明すべく、ある小隊が編成される。
みほ「大隊長からカメさんチーム、アヒルさんチーム、ミカさん、アンチョビさんへ、皆さんでどんぐり小隊を編成、巨大砲弾の発射元へ向かってください。なるべく気づかれないように偵察して、可能であれば撃破もお願いします。」
朝木「植田、バズーカと唐辛子。バズーカは三連装のまま、装薬(ガスコンロのガスと酸素の混合気を圧縮したものを詰め込んだ薬莢みたいな塩ビ管。バズーカの火薬代わり。)は一杯まで詰める。」
植田「なんだ突然。」
朝木「部隊の再編成をしている敵集団の頭上にばらまく。」
植田「唐辛子の球はキューポラの縁に直射することを想定しているから今回のような用途にはダメだ。」
朝木「なら何を使う?」
植田「いつものカラーボール。」
遠藤「色は蓄光ゴールドと蓄光シルバー、蓄光イエローの三種類しかないけど?どれにする?」
朝木「もちろんゴールド。」ガチャコン
ケイ「そのバズーカやっと使うのね。」
遠藤『朝木車から福田車へ、敵集団の位置の諸元送信求む!できるだけ車長がキューポラから顔を出している車両の諸元を頼む』
福田『福田車から朝木車へ、了解であります。ではひまわりを追撃していた車両群の指揮官と思わしき車両を。D3区画、そこのLEの68、そこのC6のなかのえーっと南西の角を零として北に6メートル40センチメートル、東に5メートル80センチメートルにキューポラから顔を出した車長がいるであります。』
玉田「おいっ!福田に何を吹き込んだ!」
細見「いかがわしいことを吹き込んだのであれば背負い投げ60回であります!」
遠藤『朝木車から福田車へ、了解。攻撃を開始する。』
朝木「装填完了…大川、125メートル先で停止、はい」
正確に停止する。
朝木「装薬よし、閉鎖機閉鎖よし、照準よし、後方よし」
植田「次発準備よし」
朝木「発射!」
ぽぽぽん!
かわいらしい音が辺りに響く…ことなくエンジンの音に掻き消される。
そして通信が入る
福田『初弾別「車長」に命中!諸元修正、西に36メートル50センチメートル、北に24メートル30センチメートル!効力射!』
遠藤『こちら朝木車、了解。』
朝木「ずいぶん風に流されたな…。やるぞ!装填よし、閉鎖機閉鎖よし、照準修正よし、後方よし!」
植田「次発準備よし!」
朝木「発射!」
いやがらせも始まったばかりである。
ついにバズーカが動き出しましたね。