色んな世界を渡り歩く男は、早く元の世界に戻りたい。   作:アラランド

7 / 7
第七話「スペース・クロウラー」 その③

ここで君のスタンド「スペース・クロウラー」の能力を簡単に説明しようか。

スペース・クロウラーの能力は、「時空間を破壊するエネルギーを生み出す」というもの。

そんなこといきなり言われても多分ピンとこないだろうから、ここからは場面ごとにその都度解説を挟むことにしよう……

 

今、君は杜王町駅近くの薄暗い裏路地にて、不良集団に絡まれている最中だ。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「てめえ挨拶もなしにシカト決め込むとはいい度胸してんなあ?おい」

「……」

 

奴らの中から2人だけ俺の後をつけてきていたようだ。

多分俺の態度に特にキレた奴らなのだろう。

奴らの1人が、俺の肩を突き飛ばしながら裏路地壁の方へと追いやっていく。

 

「なんか言ったらどうだよこのスカタン!」

 

男の1人が俺に殴りかかってきたが、意外と恐怖心はなかった。

スタンドを持っているという安心感なのか、優越感というか、説明はしづらいがとりあえずこの男たちを返り討ちにできるという確信はあった。

 

「ぐえっ!!」

「うおっ、どうした!」

 

俺のスタンドが、男の頬を5cmくらい窪ませるくらい勢いよく殴りつけたお陰で、彼は後方5mほど先にふっ飛ばされていた。

スピードと破壊力は申し分ないように感じた、ステータスもそれなりに強いスタンドらしい。

 

「……うああああっ!!!!」

 

吹っ飛ばした男が急に叫んだ。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

そうここだよな、君が困惑したのは。

彼がどうなったかは君もその目でしかと見たと思うが、それは要するに君のスタンドが生み出したエネルギーが、拳を通して人体に注入された結果というわけだ。

 

本当に興味深いよ、君のその能力は。

君自身まだよくわかっていないと思うがその力、かなり強力なものだ。

 

思い出してみろ、苦戦なんてしなかっただろう……?

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

吹っ飛ばした男の体に、異変が生じていた。

男の体の中心、胸あたりの時空が歪むように収縮していたのだ。

男は恐怖に怯えた顔をしていた、どうやら腰を抜かしているようで立ち上がることすらできないようだった。

 

「お前なんだよこれ! 体がおかしいぞ!」

 

もう1人の男がその様相を見て声を震わせながら叫ぶが、その声すら、彼の耳に入ってはいかなかった。

 

「おまえ、俺に何をした!あぁ、うわああああっ」

 

一瞬だった。

男の体は、一瞬でその中心のエネルギー球のようなものに吸い込まれていった。

俺は科学者ではないが多分理解できる、現代科学で説明できるような現象ではない。

それこそブラックホールのような、圧倒的な重力で物を吸い込むような様相だった、彼の体はひん曲がっていたんだ。

掃除機に布を吸い込ませた時のような感じ、と形容したらどうだろうか、布であれば形を変形させるのは容易いが、吸い込んだのは人体だ。

人体がグニャリと曲がりながら吸い込まれていったんだ。

 

吸い込むと同時に、そのエネルギー球は淡くなっていき、高く響く音を残して消えていった。

 

もう1人の男は既にいなくなっていた。

どうやら恐怖で逃げ出したのだろう、この現象を見ていてすっかり逃してしまっていたが、恐怖に叫びながら離れていく足音が聞こえていた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。