ミミック派遣会社 ~ダンジョンからのご依頼、承ります!~   作:月ノ輪

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アストの奇妙な一日:アストのお家(で☆)騒動⑥

「ふんふん。じゃあまずは、厨房担当のとこから行きましょうか!」

 

 

「…勝手なつまみ食いは止めてくださいね? 会社じゃないんですから」

 

 

「……やっぱり、こっちの清掃担当からで…」

 

 

「露骨にやる気なくしすぎですよ…。 家族への分以外にも多めにお菓子詰めましたから、それをどうぞ」

 

 

「やった!」

 

 

魔法で作った予約表の写しを見ながら、次に向かう場所を社長と話しあう。……早速、ぬいぐるみの中から包装を開ける音が…。

 

 

まあ社長なら食い散らかすことはしないだろう。 あ、お菓子を持った触手が出てきた。食べていいお菓子か確認兼、お裾分けということらしい。

 

 

 

 

 

 

 

――もぐもぐ…。 さて、予約表を見る限り、宝箱の次の行き先は清掃担当。なら一旦そちらに向かってみることにしよう。

 

 

 

……そういえばさっき、この予約表写しを作って仕舞う時。流れるようにぬいぐるみの中に入れたのだが、長年勤めてくれている使用人に目を細められてしまった。

 

 

確かにやってること、子供の時の行動まんま。そう言われて今更ながらちょっと恥ずかしくなってきたけど…。社長が入っている以上、手放すわけにもいかないし…。

 

 

やっぱり、化粧ポーチとかの中に入ってもらった方が良かったかも…? 

 

 

…ま、いいか!私もあの時に戻ったみたいで楽しいし!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あらあら! お嬢様、どうなされました? お部屋のお掃除にございましょうか?」

 

 

ということで、まずは清掃担当の使用人たちの元へ。その場を統括するメイド長へ軽く事情を説明すると…。

 

 

「まあ…!! 初耳にございます…! そのような話は誰も口にしておりませんし、そもそもお嬢様のお部屋の物を勝手に持ち出したりは致しません!」

 

 

とのこと。予想通りといえば予想通りの回答である。 常に私の部屋を綺麗にしてくれている彼女達だもの、そのような無作法には人一倍厳しいはず。

 

 

なら仕方ない。部屋を維持してくれていたお礼と、見つけ次第ネヴィリーに伝える旨を伝えて次の場所に…―。

 

 

「―そもそも私共の担当の都合上、『魔法の宝箱』は別途に幾つか頂いているのです」

 

 

 

 

 

「え!! そうなんですか!?」

 

 

清掃メイド長の言葉に思わず驚いた声を出してしまった…! そういえばネヴィリー言っていた…各部署が魔法の宝箱をこぞって買い付けていたって…。

 

 

「お嬢様から賜りました箱を塵芥で汚すわけにはいきませんので! 他の部署でも、汚れ物の取り扱いが多いところには配備させて頂いておりますよ」

 

 

「でも、予約表にはここの名が…」

 

 

そう言いつつぬいぐるみの中から予約表を取り出して見せる。すると清掃メイド長は私の行動に顔を綻ばせつつ、回答を。

 

 

「何分素晴らしき御箱。用途は広く、幾つあっても足りないほどなのです。ですので、時折お借りしているのでございます」

 

 

「何に使っているのですか?」

 

 

「それはですね…―。 丁度清掃場所へ向かったところですので、確認されてゆきますか?」

 

 

 

 

 

 

 

実は箱がどんな使われ方をしているか気になっていたところだったのだ。その良案に乗っからせてもらうことに。

 

 

案内され、到着したのは近くの廊下。広めのそこは天井が高く、小型のシャンデリアが幾つか並んでいる。そしてその真下では、清掃担当使用人の一組が集っていた。

 

 

「あ、あれって…!」

 

 

そんな彼女達の足元に見つけたのは、魔法の宝箱。ただ、私があげたのじゃなさそう。

 

 

清掃担当の所有を示すマーク…ハタキや箒が描かれたシールが貼ってあり、全体も地味目な色に塗り直されている様子。まさしく専用品といった雰囲気。

 

 

そんな箱の中に、使用人は手を入れる。取り出したのは、シールに描かれている通りのハタキや箒、そして他諸々の掃除用具。

 

 

わ、更にゴミ袋まで出てきた。そこそこ中身が入っているのが。 なるほど、ゴミ袋を幾つも持って歩くより、ああして箱に仕舞えば…―。

 

 

―え? 更に何か取り出して…。 バケツ!? 注ぎ口付きの蓋こそされてるものの、水がたっぷり入っているバケツが出てきた!!

 

 

しかもあれ…見るからに…!

 

 

「もしかして、あのバケツも…?」

 

 

「お気づきになられましたか! えぇ、買い付けさせて頂いた『箱シリーズ』の一つにございます。言うなれば、魔法の宝箱のバケツ版。水を多量に持ち運べるのでございます!」

 

 

やっぱり…! まごうことなき箱工房製である。常に綺麗な水を必要とする清掃担当にとって、これ以上ない有用品であろう。

 

 

 

 

そんなことを思っていると、そのバケツの水は他のバケツやモップ絞り器に移し替えられ、清掃が開始される。

 

 

魔法を使えば掃除は楽にはなるが、やはり細かいところは手でやった方が完璧に仕上がる。彼女達は手慣れた動きで窓や壁、床や花瓶を綺麗にしていく。

 

 

……ただ、(主人の娘)が見ているからか、緊張しちゃってぎこちなくなっているような…。邪魔になってるよね…。

 

 

でも、あげた箱がどうなっているのかはまだ見てないし…。あれ、そういえば―。

 

 

「私があげた箱はどこに?」

 

 

「丁度到着いたしました。あちらにございます」

 

 

 

示された先に現れたのは、清掃担当の別部隊。彼女達が抱えているのは、これまた専用品とされている宝箱と…私がネヴィリーにあげた箱!

 

 

当たり前だが、何かを入れている様子。私に対し礼を払った彼女達は廊下の真ん中に立ち、宝箱を床に置いて、蓋を開き中身を……わっ!?

 

 

にゅっ…って! にゅって何か長いのが出てきた!? しかも、人より大きい…! 

 

 

 

あれはいったい…!  あ! 脚立!!

 

 

 

 

 

しかも、一つじゃない…! 使用人たちは箱の中から脚立を幾つか取り出し、シャンデリアの下に並べてゆく。

 

 

そして清掃用宝箱の中から出した布巾を手に、それを登りシャンデリア磨きを始めたではないか…!

 

 

 

「羽を使い浮き上がることは勿論可能でございますが、やはり一点に留まり続け、且つシャンデリアのような精密な物を取り扱うのは私共には難しゅうございます」

 

 

そう説明してくれる清掃メイド長。確かにそれは私でもかなりの手間。羽は疲れるし、安定しない。屋根も近いから、下手すればぶつかってしまう。

 

 

魔法を使えば少しは安定するかもしれないが、こういったシャンデリアは我が家の至る所にある。その度に魔法を使えば、間違いなく魔力が枯渇しちゃう。

 

 

「ですがあのように脚立を使えば、あの新人メイドでも簡単に掃除が可能となるのです。 ただ問題は脚立を運ぶ際にございますが…お嬢様から頂きました箱によって、見事に解決いたしました!」

 

 

脚立に登り、ぎこちないながらも一生懸命掃除してくれている若いメイドを指しつつ、清掃メイド長はそう嬉しそうな声を。

 

 

そういえば…私が子供の頃から、ああいった脚立を移動させるのに苦労している使用人たちを見ていた。どこかにぶつけないように、慎重に慎重に運んでいた。

 

 

そんな積年の手間が解消したんだ…。私が宝箱をあげたおかげで…。…なんか、嬉しい…!

 

 

 

 

 

「ついでですし、私も掃除のお手伝いをしましょうか?」

 

 

余りのうれしさに、ついそう切り出す。すると、清掃メイド長は慌てた様子に。

 

 

「いえそんな畏れ多い…!! お嬢様の玉体を埃にまみれさせるわけにはいきません!」

 

 

半ば叱られるように止められてしまった。まあ当然の反応のかもしれないけど…。私だって会社の自室とか、社長室の掃除とかはやれるぐらいになっている。

 

 

それに埃にまみれる、というのも今更。なにせ、色んなダンジョンをこの足で巡っているのだもの。埃はおろか、汗や泥や砂、各魔物達の羽や毛に包まれることだって日常茶飯事。

 

 

時には涎や虫や蜂蜜にだってまみれたり。そして基本的に……ミミックまみれである。よく社長達の触手に絡めとられてるし…。

 

 

 

まあそんなことを口にした瞬間、卒倒されるのは間違いない。ネヴィリーだってミミックの大群を見て気絶したのだから。

 

 

だから私ができるのは、皆にお礼を言って、邪魔しないように立ち去ることだけ…――。

 

 

 

「きゃっ…!!」

 

 

 

 

 

―!? 突如響き渡った悲鳴…! 声の方向は…脚立の上!! あっ! さっきの新人メイドが落ちかけてる!

 

 

羽で飛ばない分、シャンデリアや天井を傷つけはしないけど…こういう危険がある…! ただ勿論、落ちかけたら背に力を入れ、羽を動かせばいいのだが…!

 

 

「ぁっ…! ひっ…!」

 

 

あの子、駄目っぽい…! 私が見ている故の緊張か、不慮の事態に焦ってか、羽が固まっちゃっている…! 

 

 

あ、落ち…! 危ないっ――! 

 

 

 

 

(飛びなさいな、アスト! 市場での時みたいに!)

 

 

 

 

 

 

 

――そんな声が聞こえたと錯覚するほどに、俄かに社長入りのぬいぐるみが、私の腕ごと前へと飛び出す。

 

 

それに反射的に合わせた私は、即座に羽を動かし空中へ…! そしてあわや転落寸前の新人メイドの背を…支えた!

 

 

「大丈夫ですか!?」

 

 

「へっ…ひゃっ…お、お嬢様ぁ…! も、申し訳ございませんん……!」

 

 

涙声になりながら謝ってくる新人メイド。落ちる前に間に合ってよかった…!

 

 

―…そうそう。この間の市場では、ネヴィリーとのひと悶着で社長入りの宝箱を投げ飛ばしてしまったのだ。その時もこうやって私が飛んで、なんとかキャッチしたのである。

 

 

社長が言った(?)『市場での時』というのはそのことだろう。ただ…ちょっと違うのは…。

 

 

 

……少し…重い…! いや、新人メイドを貶しているわけじゃなくて…!

 

 

あの時は、社長の箱を両手で確保した。けど今は、社長入りぬいぐるみを片腕に抱きながら、片手でメイド1人を支えているのだ…!

 

 

せめて、両手使えれば……! …っへ…? 

 

 

 

 スルッ

 

 

 

 

あああっ!? 社長入りぬいぐるみが、腕からすり抜けて!? かなりぎゅっと押さえてたのに…!

 

 

…というか感覚的には、社長が自分から落ちていった気が…! って、そんな間に床に落ち……!

 

 

 

 スタンッ!!

 

 

 

……あ。普通に、華麗に二本足で着地した…。リビングアーマー型なのを活かし、騎士みたいなポーズまで取って…。

 

 

そして直後、ぬいぐるみらしくふにゃりと倒れこんだ…。使用人たちは偶然の動きだと認識したかもしれないけど、あれ絶対社長が動かしてる…!

 

 

 

…ま、まあ社長はとりあえずいいや…。 まずはこの子(新人メイド)を助けてと……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほ、本当に申し訳ございませんお嬢様…!! 大変な失態と非礼を…! この責は私の身に変えても…!」

 

 

「気にしないでくださいって! 怪我が無くて何よりです。これからも我が家のお掃除、よろしくお願いしますね」

 

 

平謝りする新人メイドを宥め、他の使用人にも日頃のお礼を言い、メイド長には箱の件を伝え、その場を去る。これ以上いると、もっと拗れそうだから…。

 

 

 

「いやー! 真下にバケツが無くて良かったわ! 下手すればボチャンだったもの!」

 

 

「ふふっ。あったとしても軽やかに躱したでしょうに」

 

 

「へへ~! アスト思い出のぬいぐるみだもの! 汚しはしないわよ!」

 

 

社長とそんな会話をしながら、次の行き先を決める。そうだ、ぬいぐるみのお礼ついでに……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はれま、お嬢様ではないですか! お菓子、美味しゅうございました」

 

 

「それは何よりです。 実は、このぬいぐるみを綺麗に洗濯してくれていたお礼を言いたくて…!」

 

 

――ということで、やってきたのは洗濯担当の使用人たちのところ。その中でも老練で、私も幾度もお世話になった洗濯メイド長の元に。

 

 

 

 

かつての私は箱入り娘であった。ただ、我が家は広いから不自由はそんなにしなかったのである。

 

 

さっきも言った通り、ぬいぐるみを抱えて屋敷中庭園中を駆け巡り、服もぬいぐるみも汚しに汚して戻って来た時もしばしば。

 

 

そんな時に活躍してくれたのが、彼女。お腹が空いておやつを食べている間、遊び疲れて眠ってしまった間、果てはお転婆を叱られている間に綺麗に洗濯をしてくれたのだ。

 

 

そして裁縫の腕も達人級。実はこのリビングアーマー型ぬいぐるみ、腕や頭とかが幾度か千切れたことがあるのだが…その度に元通りに直してくれた。

 

 

今なおこれをぎゅっと抱きしめられるのは、更に言えば社長が入っていられるのは、彼女のおかげと言っても差し支えないのである。

 

 

 

 

 

「――はれはれはれ…! お嬢様からそんなお言葉を頂けるなんて、これ以上の幸福はありませぬよ…!」

 

 

「まだまだ言い足りないほどです! この子だけじゃなく、他のぬいぐるみもあんなに綺麗なままで…!」

 

 

昔の思い出を交えつつ、彼女と歓談を。勿論、他の洗濯担当使用人たちにも感謝である。ベッドのシーツやカーテン、ドレスを始めとした服の数々を守ってくれていたのだから。

 

 

 

でも、長居してさっきみたいなことになるのは避けたいし…名残惜しいが要件を伝えて去った方が―。

 

 

「はれ、やっぱり……。 時にお嬢様。差し支えなければそのぬいぐるみ、一度私に見せてもらって宜しゅうございますかね?」

 

 

 

 

 

 

――っ!? 洗濯メイド長から、まさかのお願い…!! ぬいぐるみを渡せって…! 社長が入っているこれを…!?

 

 

「いえ、実は…。少々違和感のようなものを感じましてね。 なにか普段と違うような…。私が耄碌した故の勘違いだとは思いますが…」

 

 

…いや、耄碌どころか冴えわたっている…! 間違いなく普段と違うもの…! 中にミミックが詰まっているんだもの…!!

 

 

どうすべきか…。恩義ある彼女の申し出を下手に拒みたくないし…。…ん?

 

 

あ…! ぬいぐるみを抱いている腕に、仄かな感触…! 社長、またも隠れて私を突いている。ということは…―!

 

 

「そんなこと仰らないでくださいよ。 はい、確認お願いします」

 

 

平然と、ぬいぐるみを差し出す。 社長に計あり。ならば、託すべき!

 

 

 

 

「有難うございます。では、失礼いたしまして……はれま!」

 

 

受け取った洗濯メイド長はリビングアーマーぬいぐるみの頭部をパカリ。すると中から現れたのは…さっきの宝箱予約表。

 

 

そして更には、社長が箱から出したであろう小物個装菓子が幾つか。それを見た彼女は、相好を崩した。

 

 

「お懐かしゅうございますね…! まさにあの時のままで…!」

 

 

なるほど、そう来たか…! あの時…このぬいぐるみをポーチ代わりにしていた子供の頃と同じような中身を見せることで、見事誤魔化した…!

 

 

「久しぶりに帰って来て、少し童心に帰ってみようかなと…」

 

 

私も即座にそれに乗っかる。すると洗濯メイド長はとても優しき笑顔を。

 

 

「お嬢様、ぬいぐるみもそのドレスも、どれだけ汚しても綺麗にいたします。ですので、あの時のようにお庭をご存分にお駆け回りくださいませ」

 

 

「――ふふっ! えぇ、そうさせて貰います!」

 

 

 

 

 

 

さて、丁度良く予約表が出たので、ここで事情を説明することに。だがやっぱり…―。

 

 

「そのような無作法は致しませんよ」

 

 

と、清掃担当と同じような反応。どうやら社長の箱の行き先はここでも無かったらしい。

 

 

代わりに見つけた際のことを言い含め、そして流れで箱をどのような使い方をしているか聞いてみると…。

 

 

「それはでございますね…洗濯し終えた衣類やシーツ等を運ぶのに用いさせて頂いております」

 

 

 

 

これまた変わった使い方である。是非見せて欲しいと頼むと、洗濯メイド長は快諾を。

 

 

彼女に連れられ、裏手へ。そこでは幾人もの使用人が洗濯を行い、アイロンをかけ、一折一折丁寧に畳んでいた。

 

 

って、ここにも箱工房製品が! これまた洗濯担当の所有を示すシールとカラーリングの宝箱。中には回収してきた洗濯物がたっぷり。

 

 

なるほど、布は数が揃えばかなりの重量となる。だけどあの魔法の宝箱なら、いくら詰めても軽々と運べるのだから。

 

 

そして多分…あそこにある洗濯籠も箱工房製品! 能力は多分宝箱と同じで、形状が違うだけっぽい。

 

 

わ、丁度使用人の1人がそれに洗い終えた洗濯物を…次から次へと大量に入れていく…! そしてひょいっと持ち上げて干しに行った…!

 

 

 

 

私…会社で一人暮らしを始めて、ようやくわかったことがある。それは……濡れた洗濯物はすっごい重いということ!!

 

 

水を吸った布って、こんなに重量が増すんだって驚いたもの…! 特に『A-rakune』ブランドの服を沢山買ってからは顕著。

 

 

私一人分でそれなのだ。屋敷中の洗濯ものとなれば……想像するだけで腰が痛くなりそう……。

 

 

 

 

「お嬢様、あちらにございますよ」

 

 

――そんな風にきょろきょろしていたら、洗濯メイド長の案内が。そちらに顔を向けると…あ! 私がついさっき渡した宝箱!

 

 

そしてその前には1人の使用人がおり、更にそれを取り囲むように大量の畳み終わった洗濯物。洗濯メイド長の合図でその使用人は一礼をし、動き始めた。

 

 

 

まず、宝箱の底に汚れ防止のためらしい敷布を敷いて……。その次に畳まれた洗濯物を……おー! ひょいひょいっと宝箱へ詰め込んでいく!

 

 

まだ入る…! まだまだ入る…!! まだまだまだ入る!!! おー…おぉお…! 全部入っちゃった…!

 

 

「あの箱に入れて運びますと、どれだけ一度に運んでも腰を痛めることなく、畳んだ洗濯物が崩れることもありません。大助かりでございますよ! 代えがたい贈り物を有難うございます、お嬢様!」

 

 

深々と頭を下げる洗濯メイド長達。本当、喜んでくれて何より!

 

 

 

 

 

 

 

 

洗濯担当の元を後にし、再び廊下をふらふら。 周囲に誰もいないことを確認し、社長がひょっこり出てきた。

 

 

「ふー! あの方、随分と勘が良いわね! 私、結構本気で潜んでたのだけど!」

 

 

流石長年このぬいぐるみを守ってきたメイドさんねぇ。と、笑う社長。そして冗談交じりに肩を竦めた。

 

 

「もしかしたら私ごと丸洗いされるんじゃないかってビクビクしちゃった!」

 

 

流石にそれは無いとは思うし、仮にそうなったとしても全力で止めるけど…。…丸洗い社長…。

 

 

…ぬいぐるみに入ったままわしゃわしゃと洗われ、物干し竿にぷらんと吊るされる社長を想像すると……なんか凄く可愛らしくて……!

 

 

「アスト、すっごい顔がにやけてるわよ。 なに想像してるの?」

 

 

「へっ!? な、なんでもないですよ!」

 

 

社長から指摘され、ハッと我に返る…! そうだ、次向かう場所を決めなきゃ…!

 

 

まあでも、洗濯メイド長からああ言われたし―!

 

 

 

「それじゃあ、庭に出ましょうか!」

 

 

「はーい! 駆け巡りましょ~っ!!」

 

 

 

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