ミミック派遣会社 ~ダンジョンからのご依頼、承ります!~   作:月ノ輪

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顧客リスト№67 『バニーガールのバニーカジノダンジョン』
魔物側 社長秘書アストの日誌


 

 

「わぁっ…!」

 

「わお~! ひゃっふ~っっっ!!」

 

 

あっ! 社長!? 私が驚いている隙に腕から飛び出して、そのままどっか行っちゃった…! でもまあ、無理もない気はする。ここに入った瞬間、なんだか身も心も浮き上がってしまうかのようだもの!

 

 

依頼文面である程度の事情こそ知っていたものの、聞くと見るとでは大違い! とある場所に目立つよう置かれた転移魔法陣を潜り抜けた先に、こんなダンジョンが作られていたなんて! まるで別世界に来たみたいである!

 

 

だって、魔法陣に入る前に広がっていた風景とは全く違うのだもの! (すすき)夜風に揺られ風情を感じられるダンジョン、青草照らされ暖かき雰囲気漂うダンジョン――それらとは真逆と言ってもいい!

 

 

広きこの空間を包む壁は重厚ながらも気品が感じられ、柱には見事なる彫刻、天井にはまるで宝石を散りばめたかのようにキラキラ光る照明がこれでもかと! 更に床にはふわふわの絨毯……あ、よく見るとこれ芝生だ。

 

 

コホン! そして各所には、そんな照明を凌ぐほどに場を彩る様々なスロット、ルーレット、カードゲームテーブルなどなど! それらが鮮やかに輝き、訪れている人々と共に愉快で和気藹々とした小気味よい音を放ち、このダンジョン全体を包んでいるのだ!

 

 

まさに豪勢で煌びやかで、ちょっとアンモラルさすら感じられる空間! そう、ここはカジノ! 『バニーカジノダンジョン』である! 

 

 

そしてそして……! そのダンジョン名で『もしや』となったであろう! 驚くなかれ、このダンジョンの主はなんと――!!!

 

 

「ようこそ当カジノへいらしてくださいました、アストさん」

「ぴょーんっ! まずはウェルカムお団子、どうぞっぴょ~ん!」

 

 

「カグヤ姫様! イスタ姫様!」

 

 

そう、バニプリ…バニープリンセスのお二人! つまりここ、バニーガール達による新設ダンジョンなのである!

 

 

 

 

 

 

「此度もまた(わたくし)共の依頼を聞き届けてくださり感謝いたします」

 

「でもそれはあとあとっぴょ~ん! まずはダンジョンを楽しんでっぴょん!」

 

 

「ふふっ! はい、そうさせて頂きますね!」

 

 

落ち着いていて涼やかな美しさを誇る月の如きカグヤ姫様。常に元気一杯で快活な可愛らしさを誇る太陽の如きイスタ姫様。知っての通り、お二人は以前から懇意にしてくださるお得意様! …もはやその枠を超え、この間ちょっと共演までしたのだけど!

 

 

そう、このカジノダンジョンへの転移魔法陣が置かれているのは『お月見ダンジョン』と『イースターダンジョン』の入り口だったのである。だからこそここの床も、絨毯ではなく芝生なわけで。

 

 

もっと言えば柱全ては竹製で、彫られているのは兎モチーフ柄。各所にさりげなく飾られている花瓶は『御石の鉢』レプリカで、そこにはススキや『蓬莱の玉の枝』レプリカ。更には卵やお団子お餅や臼杵も飾られており、こう見ると割と彼女達らしさ満開のダンジョンだったりする。

 

 

でも、だとしても。私も社長も、ここのことを聞いた際、驚かざるを得なかった。だってお二人…もとい、お二人の服装!

 

 

「その衣装、お嫌だったのでは…!?」

 

 

思わず聞いてしまった! だってお二人……! 以前お会いした際の御姿とは打って変わっているのだもの! 

 

 

お月見ダンジョンの時は、随所に和柄が描かれ、和袖や帯がついたバニーガール達の伝統装束…加えてカグヤ姫様は全身を厚く覆う十二単を身に纏っていらした。イースターダンジョンの時は、レオタードやボンテージ部分がふわっふわで柔らかそうな毛で覆われていた服を……!

 

 

けど、今のお二人が来ているのは……うん、だってそれ……!!

 

 

「うふふ…! 存外着心地は良いもので」

 

「人間達の発想もたまには悪くないっぴょん!」

 

 

首や手には蝶ネクタイ&付け襟とカフスだけを付け、カグヤ姫様は照るような黒、イスタ姫は輝くような白のボディスーツ…ただし、胸元から肩、脇、腕は艶やかに、背中に至っては目のやり場に困るほどに大きく美しく晒し、対照的に足にはタイツやストッキングにハイヒールを履いて見惚れるほどのレッグラインからヒップラインを浮かべさせ、場のアンモラルさを跳ね上がらせているそれは……!

 

 

「どうっぴょん? 私達のバニーガールスーツ!」

 

「似合っているのあれば幸いですが……」

 

 

「ええ! とってもお似合いです!」

 

 

もはや言うに及ばず! まさにカジノでよく着込まれているあのバニー服なのだ!! 勿論お二人とも本物兎耳や兎尻尾が生えているため、それらは付けていないが……違和感なんてないに決まっている!

 

 

ただ……露出度的には普段の彼女達の衣装と同等、あるいは少ないレベルな気がするのだが……なんでイケない感じが倍増している気がするのだろう……。これが場の雰囲気、あるいは先入観というものだろうか? または人間の業……?

 

 

そもそも、イスタ姫様方はそのバニー服に怒っていらしたはず。人間がバニーガールの伝統装束を模倣し、変態的なものにした、と。……いや、まあ、元々のも…うん。ということで、さりげなく聞いてみると――。

 

 

「そうだったっぴょんけど~むむむ…! どこから説明したらいいっぴょん、お姉ちゃん?」

 

 

言いたいことが沢山あるのか、恥ずかしがりつつ混乱した様子のイスタ姫様。するとカグヤ姫様は淑やかに微笑みを浮かべて――。

 

 

「うふふ。実を申し上げますと、アストさんに背を押されたのですよ」

 

 

 

 

「私ですか!?」

 

 

「えぇ。それと社長さん方ミミックの皆さんにも。ふふっ、実は(わたくし)共、今年の運気は絶好調でございまして。それならば何か新しいことをと考えていたのですが……」

 

 

「そこで思いついたのがこれっぴょん! 憎くも気になるバニーガールスーツ! 私達のことを一年中発情期とか言って来た万年発情期連中がパクった衣装なんて着るもんか! って思ってたぴょんけど……」

 

 

と、憤慨気味だったイスタ姫様はそこで白く丸い尻尾をふりふり、耳をぴょこぴょこさせながら私の手を取り――。

 

 

「アストさん、私達の衣装を喜んで着てくれたっぴょん! そんでこの間一緒に番組に出た時、楽しそうにお仕置き副隊長を演じてたっぴょん! それで考えを改めたっぴょ~ん!」

 

 

「は、はぁ……???」

 

 

お礼を言うように、握手したままぴょんこぴょんこ跳ねて…! 私も引っ張られてがくんがくん。な、なんだかイスタ姫様以前よりもお力が強いような…!? それだけ喜ばれているのだろうけど。

 

 

そして私がバニーガールの装束を着たり、企画のコスチュームを纏いキャラを演じたのとそれにどんな関係が? 社長に乗せられせがまれ恥ずかしながらも…けど実は内心気になってたから楽しく着替えていたあれらが一体…?

 

 

「ふふっ。イスタ、言葉足らずよ。なんと申し上げましょうか…アストさん方のその楽しそうに様々な衣装を着られているのを見て、私達も選り好みはいけないと考えまして」

 

 

私達自身も村娘の衣装を身に纏い楽しませて頂きましたし、とかつて共演した『笑ってはいけないダンジョン』に思いを馳せてくださるカグヤ姫様。そして何処かに消えた社長に思いを馳せるように笑みを。

 

 

「更には社長さん方ミミックの皆様がどのような衣装…もといどのような箱でも見事なる力を発揮なされているのも大きな後押しとなりまして。何事もまずは経験、と思い直したのです」

 

 

「そして着てみたっぴょんけど…これが案外ジャストフィットだったっぴょん! だからこうして新しいダンジョンも作ってみたっぴょん! アストさんのおかげっぴょん!!」

 

 

わわわわ……! イスタ姫様のあまりの興奮ぶりに身体がちょっと浮きあがって…! あ、あと……褒められて(?)心も一段とふわふわな感じに…!

 

 

な、なんだか変なところで喜ばれてしまったが……私のコスプレがお役に立ったようで何よりである……???

 

 

「ということでアストさん!」

 

 

へっ? イスタ姫様が急に私の背に周り込んで? そして嬉しそうに軽く跳ねつつ、押してきて……もしかして!?

 

 

「今回も用意してあるっぴょん! 是非着てほしいっぴょーん!」

 

 

やっぱりそういう流れ!! もはや断れない!!

 

 

……でも、まあ……やっぱりちょっとは興味があったし……ふふっ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――と、着たのはいいんですけど……なんで金色のなんですかぁ!?!?!?」

 

 

いやもうイスタ姫様方に誘われるまま着てしまったのだけど! ギラギラでビカビカの真っ金金のバニーガールスーツを! ラメまで入ってるし! 他のバニーガール達もカラフルなスーツを着込んでいるとはいえ……流石に派手が過ぎる気がする!!! 

 

 

「うふふ! とってもお似合いですよアストさん! これを着こなせる者は私共の中でもそうはおりません」

 

「超カッコいいっぴょん! まるで私達のリーダーみたいっぴょーん! さっすがお仕置き部隊副隊長っぴょんね!」

 

 

ううう…! でもカグヤ姫様とイスタ姫様が手放しで誉めてくださっている以上、脱ぐことは出来ないし……。ただでさえ相変わらず属性過多になるからとウサ耳をつけないデーモンガールスタイルなのだから……! ……お尻と胸周りがちょっとスースーするぅ……。

 

 

もはやこうなったら……社長も道連れにしてやる! この社長用に用意されたラメ入りギラギラビカビカ派手派手ピンクバニーガールスーツを絶対に着せる!!!

 

 

よもやこれを予期していなくなった訳ではないだろうけど……寧ろ嬉々として着る人だもの。それでも逃しはしない! 見つけ次第着替えさせてみせる!

 

 

 

――そう意気込み、カジノの光の中に消えた社長をカグヤ姫様達とともに捜索。潜む気もない社長はすぐにみつかったのだが……。

 

 

「……えっと、社長……?」

 

 

「ぁぅ……? あっアスト!! 良いところに!!! ね、お金貸して!! お願い!!! 帰ったらすぐ返すから!!!! 倍にして返すからぁ!!!!!」

 

 

私の顔を見るや否や半ベソでお金の無心をしてくるとは思わなかった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

いや本当、発見は簡単だった。やけに人だかりができていたカードゲームコーナーに向かうと、困惑するディーラーバニーガールの前で社長、テーブルに突っ伏していたのだもの……。それはもう見事にぺしゃんと。

 

 

「一体何をしたんですか……?」

 

「ぁぅぅ……あ、冷たくて気持ちいい…! アストの肌は暖か~い…! ……ちょっと眩しいけど」

 

 

眉を顰めつつ席に寄ると、社長は助けを求めるように私をギュッと。そして少しおさわりを堪能してから、溜息交じりに吐露した。

 

 

「自分がこんな弱いとは思わなかったのよぉ……1050年地下お団子工房行きにされても文句は言えないわ……」

 

 

「そんなところないっぴょん!?」

 

 

真に受けてしまったイスタ姫様はさておいて。社長、ゲームにボロ負けしたのだろうということはわかるが……。

 

 

「一体いくら賭けたんですか?」

 

「手持ち全部……」

 

 

財布を取り出しひっくり返してみせる社長。中からはコイン一枚も出てこず、ほんの僅かの埃が舞い落ちるのみ……。さっきの無心から予想済みだが…まさか本当に……!?

 

 

えぇと…基本的に出先での金銭管理も私が行っているのだが……それが私の社会勉強理由だし、ほぼほぼ一緒に行動しているから。故にほとんどの場合、私が様々な支払いを用立てている。

 

 

けど、それとは別に社長が使える財布はご自身の箱の中に持っていて貰っているのだ。単独行動時や緊急時に使って貰うための。だから、社長という身分に相応しい金額を入れておいてあって……。

 

 

なのに、それを、この短時間で全て……!? あまりに茫然とする私に、カグヤ姫様が恐る恐る確認を。

 

 

「……アストさん、そのご様子だと社長さんが幾ら使われたがご存知で……?」

 

「300万G(ゴールド)ほど…正確には339万G(ゴールド)入れておいてました……。今朝も確認しましたし、間違いありません……」

 

「ぴょあっ!?!?」

 

 

目を丸くし耳をビンッと立て驚愕を露わにするイスタ姫様…! カジノであればそれぐらい瞬きする間に消えて当たり前? えぇ、普通であればそうなのかもしれないけれど……。

 

 

「どうやったら私達のカジノでそんな大金額使えちゃうっぴょん!!!?」

 

「数千G(ゴールド)もあれば一日遊べるレート設定なのですが……?」

 

 

ダンジョン主である姫様二人が叫んだ通り。ここ、高額賭けが無いどころか、カジノのようでカジノではないのである!

 

 

 

 

 

最初にイスタ姫様が現れた際、トレイにウェルカムドリンクではなくウェルカムお団子を乗せて持ってきてくれたのがわかりやすい。確かにカジノな造りとバニーガールスーツの影響でアンモラルさこそ漂って入るが……その実ここの本質は、かつてミミック達を派遣した他バニーガールダンジョンなんら変わりないのだ。

 

 

そう、お月見ダンジョンもイースターダンジョンも、『バニーガール達が丹精込めて作ったお団子やお餅を頂け、ちょっとしたゲームで遊べる』というのが意図するところだった。このバニーカジノダンジョンも同じ、ただゲームに重きを置いているだけなのである。

 

 

だからほら、あっちの方。お洒落なバーが誂えられているが……よく見ると背後に並んでいるのはお酒の瓶ではなく、お茶の壺だったり、急須だったり、三方(さんぽう)だったり。美しく盛られた一口サイズのチーズやチョコレートが提供されて…いるかと思えば、チーズ入りやチョコ入りお団子だったり。

 

 

更にドリンク提供は大体が湯呑やティーカップ。カクテルグラスもあるにはあるが、入っているのはとっても濃く淹れられた緑茶だったり。その一部を担当バニーガール達はトレイに乗せ、しゃなりしゃなりと新しく来た来訪者に配っていたり。

 

 

そんな感じの飲食場がこのダンジョンの至る所にあるのだ。まるで以前あったお団子屋の店舗がそれに代わっただけのように。なんならゲームテーブルと同数かあるいは多いぐらいに。 ね? 形が変わっただけでかつてと同じでしょう?

 

 

 

そして、肝心のゲームもかなり安全。まず、現金をカジノチップと交換するのだが…そのレートは格安。100G(ゴールド)…お団子が一つ二つ買えるぐらいの値段で、チップ100枚。一枚あればどのゲームでも遊べるし、スロット等の枚数がいるゲームであれば、さらにそのチップ一枚が専用のメダルの山と交換できる。

 

 

そして勝った負けたを繰り返し散々遊んだ後にチップを交換所に持ち込むと…その枚数に応じて販売されているお団子お餅と引き換え可能! 更には、そこだけでしか手に入れることのできない特製品とも……!

 

 

実は先程ウェルカムお団子として特別に頂いてしまったのだが……輝く月のようにキレイで、そこに餅を搗く可愛らしい兎の姿が描かれていて、味も幾つでも食べられてしまうほど甘くて美味しくて……!! 私も商談後に遊ばせて頂いて是非それを手に入れようと思っていたほどで――。

 

 

――へ? 換金所はないのかって? そんなものはない。……いや、別に『私はよく知りませんけれど、皆さんあちらの方に向かわれますね…』とかではない。本当にないのだ。全部お団子に交換するしかないのである。

 

 

先に述べた通りである。カジノであってカジノではない、と。ゲームはあくまで二の次。バニーガール達が作った美味しいお団子お餅を楽しむのがメイン。以前と変わらず、誰でも楽しめるように構成されたダンジョンなのだ。

 

 

……なのに……なのに…………。

 

 

「「「どうして(ぴょんっ)……!?」」」

 

 

「……えっと……その……」

 

 

「……既に散財済みのもの、とやかく言う気も、意味もありませんが……」

 

「いえ、アストさん。これは由々しき事態でございましょう。ですので特例ながら――」

 

「返金するっぴょん! 受け取れないものっぴょん!!」

 

 

呆れ言葉を選ぶ私に、対応に動き出す姫様方。――とそこで社長がおずおずと手を振った。

 

 

「なんか勘違いさせちゃったぽいけど……流石にそこまでは使ってないわよ?」

 

 

 

 

 

「へ?」

「あら?」

「ぴょん?」

 

 

「ほらアスト、よく見て。これ有事用の社長財布じゃなくて、お小遣い用の財布よ。買い食いとかする用の」

 

 

首を捻る私の前に、社長は再度空財布を……って本当だ、300万ほど入れてある社長財布じゃなかった…! 当たり前ながら、社長は社長で普通に財布を持っているんだった。

 

 

「こっちのは実質会社のお金なんだから、いくら何でもギャンブルで溶かすなんてしないわ!」

 

 

そして社長財布の方を箱からチラリとだけ見せ、胸を張る社長。どうやら私の勘違いだったらしい。だってあんな深刻な表情で無心してくるのだもの……。

 

 

「なんだ……ってそれも少しは入ってませんでした? 8万5000G(ゴールド)ほど……」

 

 

「えぇ! ……それは全部……ね……。だから……えっと……」

 

 

「……んー……」

 

 

褒めるべきか呆れるべきか。社長財布に手を出さなかった自制心は見事だし、それに比べると10万未満程度の損害は微々たるもの。自分のお金なんだし。

 

 

とはいえ充分大きい散財だし、数千Gで一日遊べる設定なのにたった数十分足らずでそれを使い切ったのだ。本人が言った通り、ギャンブルの才はなさそうである。

 

 

となると、無心は跳ね付けるべきなんだけど…………でも……この上目遣いで目をウルウルさせておねだりしてくる社長を前にして……くぅっ……!

 

 

「……わかりました。ほどほどにしてくださいよ?」

 

 

「! うん! やったー!」

 

 

カグヤ姫様方を目で止めつつ財布代わりの魔法陣を開き、中からとりあえず10万ほどを出して社長へと……渡す前にちょっと逃げ場潰し。

 

 

「――ですが、ひとつ条件をつけさせていただきます」

 

 

「えぇ! タダで借りはしないわ! 私に出来ることだったらなんでも!」

 

 

「言質はとりましたよ。では、はいどうぞ!」

 

 

「わーい! 何倍のお団子にして返すわね! さあ、ぷれいす・ゆあ・べっと!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、鮮やかに擦りましたね……」

 

「ひぃん……ごめんなさい……」

 

 

分かっていたっちゃわかっていたけど……渡したお金、速攻で消失した。そして直に見てわかった。社長、一回一回に賭けすぎなのだ。チップ1枚…1G分から遊べると言うのに、一万枚分とか普通に賭けるのだもの。

 

 

「上だけでもテーブルリミットをかけるべきかしら、イスタ?」

 

「賭け金の制限っぴょん? そのほうがいいかもっぴょん」

 

 

そのせいでカグヤ姫様方がそんな話を始めてしまっているほど。……正直言うと確かに、他のプレイヤーが数枚ずつ賭けている中、大量のチップを机の上に山盛りにして遊ぶのはちょっと楽しそうだったけど。

 

 

そして当の社長もそれが目的だったらしく、山盛りチップの他にわざわざ私にウサ耳をつけさせた上に椅子に座らせ、その太ももの乗ることでクッションに。更にカグヤ姫様とイスタ姫様という美人バニーを両傍に侍らせてわざとらしくふんぞり返ってみせていた。さながらVIP客のように。

 

 

そこに私達社長呼びも相まって、かなりの衆目を集める結果となり、場はかなりの盛り上がりを見せたのであった。まあ、それもあっという間に儚く終了した訳だけど。

 

 

――とはいえ、それで済ませたのが社長の素晴らしいところであろう。なにせミミックの能力を使えば不正なんてし放題なのだから。

 

 

例えば先程のカードゲームテーブル。ディーラーや他の客の隙を突いてカードシュー(カード入れ)ににゅるんと入れば、次のカードは覗けるしカードの順番を入れ替えることすら可能。勿論、カードシューは不正防止のために透明だったが……社長の実力であればその程度意に介さないだろう。

 

 

他にもルーレットのウィール(回転盤)の隙間から中に入ったり、スロットの筐体に潜り込んで弄ったり……およそ普通は出来ない不正がミミックならばチップを賭ける動作ぐらい簡単に出来るのだ。しかし、社長は幾ら負けようが私に泣きつこうがその発想を塵ほども出さなかった。人として高潔で、純粋にゲームを楽しんでいる証左であろう。

 

 

「でもアスト、お金借りた条件ってこれでいいの?」

 

 

けど、それはそれ! 丸裸となった社長には利子、もとい条件の支払いを。今の社長は私の抱える箱の中で自らの恰好を確かめるように胸をぺたぺたお尻をふりふりウサ耳ぴょこぴょこ。そして私のほうへ可愛らしくこてんと首をかしげ…ふふっ!

 

 

そう、あのラメ入りギラギラビカビカ派手派手ピンクバニーガールスーツを着てもらったのである! 予想通り社長、嫌がることなく寧ろ嬉々として着てくれた! だから――。

 

 

「ちょっと違いますって社長。私の課した条件は、『バニーガールスーツを着て、私と一緒に遊んでもらう』です!」

 

 

社長ばっかりズルいのだもの! 私だってゲームで遊びたい! 勿論社長みたいな無茶な賭けはしないで、社長達と一緒に!

 

 

「そうっぴょん! 楽しいゲームは他にも沢山あるっぴょん!」

 

「是非心から堪能していってくださいましね、うふふっ!」

 

 

姫様方もそう仰ってくださるのだし、商談前にもうひと遊びさせていただこう! まずはチップを交換してと!

 

 

 

 

 

 

 

 

社長入りの宝箱の中へ零れ落ちそうなほどのコインを詰めて、いざギャンブル! 大丈夫、これだけあっても金額は大したことはないのだ!

 

 

そして重さも。社長が調整してくれているのもあるけど、チップは竹製。軽めに作られているのである。なお社長、今度はチップ風呂ならぬチップ箱に埋もれることを楽しんでいる。

 

 

では早速ゲームに! 社長はテーブルカードゲームに引っかかっていたけど、勿論他にもいろいろある。例えば、ルーレットやスロット、ダイスゲームなどなど! 球が、リールが、サイコロがコロコロクルクル、目が回ってしまいそう!

 

 

更にこのバニーガールダンジョンらしいゲームも! あそこに設営されているのは、小さめなレース会場。そこではなんと……!

 

 

「頑張れ~! 三番うさ丸~!」

「走れ走れ! 跳ねろ跳ねろ! 五番きなこ!」

「あぁ……一番…ラビラビがぁ……文字通り道草食いだしたぁ……」

「ちょっ!? 七番マロン動いて……寝顔可愛いねぇもう…!」

 

 

かなりの盛り上がりを見せるそこは、競馬ならぬ、競兎! バニーガールの眷属である兎達のレースである! ゲートに収められ横一列に並ぶふわふわふるふるもふもふの姿はもうそれだけで見る価値がある。

 

 

そして各ウサ一斉にゲートから走り出し……後は兎の気の向くまま。ブスンブフン言いながらゴールまで駆け抜ける子もいれば、隣の子に絡む子、芝生を呑気に食べだす子、もはやゲートからも出ない子、コース自体から跳び逃げる子……一戦一戦手に汗握るほんわかレースなのだ!

 

 

そうそう、話が前後するが……先程社長が居たテーブルはバニーガールがディーラーをしていた。けど…兎がディーラーをしているところもあるのだ。一応監督役のバニーガールこそいるが……もはやそこではゲームもお団子も二の次、テーブルの上を行き来する兎を愛でることが最優先になっている。

 

 

私はそこに行かないのかって? ふふっ、だってもっと可愛い兎を抱っこしているでしょう? なんて!

 

 

勿論眷属兎だけではない。バニーガール達もディーラー以外を楽しんでいる! ダンジョンであることを活かし、腕自慢なバニーガール達が闘技を行う、キャットファイトならぬバニーファイト会場も!

 

 

天井より降り注ぐスポットライトを浴び、優雅に、可愛く、勢いよく、格好良く――それぞれのパフォーマンスでバニーガール達が登場! どの子もバニー服が似合っているが……ファイトは中々に本格的だった!

 

 

ううんそれどころか、なんだかどの子も普段以上に強い気がした。蹴りの勢いなんて壁や床を貫通しそうなぐらい! それを見てイスタ姫様も火がついたようで、乱入していっちゃったし! そして圧勝していたし!!

 

 

 

そんな風に数々の賭けを(隙あらば賭け狂おうとする社長を諫めながら)楽しみ、疲れたら近くのバーカウンターでお団子やお茶に舌鼓。そしてまた遊んで、最後の最後に――。

 

 

 

 

 

 

 

 

「――では、始めるといたしましょう。天運が導きます饗宴を。『めぐりあひて 見しやそれとも 分かぬまに 雲隠れにし 夜半の()()かな』。ふふっ、是非そのようなことが無きように』

 

 

「「「おおおぉお~(ぴょんっ)!!!」」」

 

 

上から降り注ぐ天光の如きスポットライト、そして腰かける本物の御石の鉢から放たれる淡き輝きに、幽美に風雅に照らされるカグヤ姫様…! 天を摩する壇上に座する彼女へ、私達は喝采を!

 

 

「まさしく美しき月の女王陛下! 超カッコイイ~!」

 

「えぇ! とっても素敵です! 思わず平伏してしまうほどです!」

 

「ぴょふふふ~! 流石お姉ちゃんだぴょんっ!」

 

 

今更ながら……このダンジョン中央部には、一際高く作られたドーム型の天井、そしてそれに触れんばかりの巨大な壇があるのだ。円形の階段で構成されたその壇の頂上には、バニーガール達の五つの至宝が一つ、御石の鉢を利用し作られた玉座が。

 

 

カグヤ姫様はそこへ座り、今の口上を。本当、社長の言う通り、周囲の様々なゲームを睥睨し見守るような彼女は、美しき月の女王である!

 

 

「うふふ…! そのように褒めていただけるなんて、緊張の甲斐がございました」

 

 

と、玉座から降りて来てくださる女王陛下、もといカグヤ姫様。その姿は変わらず(つや)やかなる黒曜のバニーガールスーツだが、背には火鼠の皮による女王の如き重厚にしてスマートなマント、首には子安貝による星のように煌めくネックレス、手には竜の首の玉による威光放つオーブ。そしてそんな彼女の頭には更に――。

 

 

「社長さん、やっぱりあれ良い案っぴょん! 冠みたいっぴょん!」

 

 

「えへへ~! アストの悪魔角&ウサ耳を見て思いつきまして!」

 

 

イスタ姫様がそう話されている通り。カグヤ姫様の頭には、残されていた至宝の最後の一つ、蓬莱の玉の枝が。金銀に輝く玉をつけるその枝を、なんとカグヤ姫様は冠のように…というより角のように。なんだか超絶レアなジャッカロープ(角付き兎)のよう。

 

 

「これぞまさしく兎角。他の二つのダンジョンとは違う神秘的な風情を醸し出したかったところなのです。こちらの妙案、有難く頂戴させていただきますね!」

 

 

カグヤ姫様も気に入られたご様子で。私のウサ耳付きよりかは属性過多ではないし、寧ろ五種の至宝を纏うその御姿はこのダンジョンの長カジノクイーンらしさ満点。そして先の前口上も合わされば――!

 

 

「ふふ~! アイテムラリーの開会宣言はもう言う事なしですね!」

 

 

「ですね! ということは……」

 

 

「そうっぴょん! 社長さん達から派遣してもらうミミック達を……!」

 

 

「えぇ、どこへどのように配置するかが全ての鍵となりましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、ここからが本題。依頼の件である。つい遊びほうけてしまったから引き締めていこう! とはいえかつてと依頼内容は同じ。『アイテムラリーのお手伝い』。

 

 

カグヤ姫様方、お月見ダンジョンでは五種の宝のレプリカを、イースターダンジョンでは五個の卵を集めたものに褒美を与えると言うイベントを行っていたのだが、今回もそれを開催するらしい。

 

 

ということでそのお手伝いをしていた私達にまたもお呼びをかけていただいたわけだったのだが……今回は先の二つとは勝手が違う。どのようにミニゲームを配置し、どのようにアイテムを配るかもまだ決まっていないご様子。そこで私達に一緒に考えて欲しいとのことだったのだ!

 

 

「うーん……。まずコンセプトに何かお考えはございますか?」

 

「そうっぴょんね~。お月見ダンジョンはお姉ちゃんのさらさら~って感じで、イースターダンジョンは私のぴょんぴょん!って感じだったぴょんから~」

 

「そのダンジョンに見合った雰囲気のものが良いかと考えておりますの。ですので、此度は派手にと考えております」

 

「成程! ではそうですね~。あっ! じゃあこんなのは! すっごい大きなビンゴを作って~……あ、あとこういった筐体のゲームを――」

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

 

「―――と、言う案も如何でしょう…?」

 

「まあ! それも素敵かとアストさん! 是非採用させてくださいな!」

 

「メモメモと…ぴょわ、大分集まったぴょんね~!」

 

「これだけプランがあればとっかえひっかえも出来そうですね~!」

 

 

プレゼンは白熱し、沢山のミニゲーム案が出揃った。そのどこにバニーガール達や眷属兎、バニーガールスーツミミック達を潜ませるかも協議済み! 更には迷惑客への対処方法も!

 

 

あとは姫様方がどれを選びどれを各所に配置するか! ふふっ、楽しみである! ――でも……。

 

 

「あの、今更ながらですが……。つい色々と規模の大きい物も挙げてしまいましたが……大丈夫なのでしょうか?」

 

 

ふと気になってしまったのは、そのプランの数々の大仰さ。姫様方に促され思いつくままに挙げてみたが……どの施設も作成に手間がかかる代物。ダンジョンというのを加味してもである。

 

 

しかも中にはミミックを潜ませるために新設するものすら。ミミックはその場にある物、あるいはそれに似た偽物を活用することで潜伏する魔物なのに……もはやあべこべである。そこまでして我が社のミミック達を活用していただかなくとも……。

 

 

「ふふ、それほどまでにお力をお借りしたい逸材ということでございますよ。それにご安心下さいませアストさん。私達の五種の秘宝、これらは特異な力を秘めておりまして」

 

「全部揃っていると、ここの――故郷にある石や砂を好きなだけ自在に操って変化させられるっぴょん! このカジノの施設とか、他のダンジョンの建物とかもそれで作ってたっぴょんよ! あ、でもお団子とかは勿論本物っぴょんよ?」

 

 

そんな力が! ……ん? 故郷? このカジノダンジョンが開かれている場所のことだろうけど……。

 

 

「あら? アスト、ここのこと気づいてなかったの?」

 

 

「へ……?」

 

 

「あら、社長さんはお分かりになられておりましたか!」

 

 

「へへ~! 実は何度かマオ…魔王様達と一緒に訪れたことがありまして!」

 

 

「まあ! あぁ、もしや……かの『彗星分裂』の際でございましょうか?」

 

「この間共演した時、先代魔王様から聞いたっぴょんよ! あれ本当のことだったぴょんね!」

 

 

「そうなんですよ~! その時もここに来まして、彗星をえいやって――」

 

 

……盛り上がる社長と、姫様方。それって……? と、カグヤ姫が混乱する私へ微笑み――。

 

 

「うふふっ。話は変わりますが、此度のアイテムラリーの褒賞は改めることにいたしました。何分自らの運が絡む此度のダンジョン、そこへ幸運の加護を褒美として授けるのは些か興が冷めましょうし」

 

 

「え、そうなんですか!? では、一体何を……?」

 

 

「ぴょふっふっふ~! アストさんなら一目でわかるかもしれないっぴょんよ~」

 

 

ニマニマしながら、何処かへと跳ねていくイスタ姫様。テンションが高いのか、その跳ね具合は以前お会いした際よりも、先程までよりもかなり高い。その健脚を活かし、彼女が持ってきたのは……。

 

 

「これっぴょん! どうっぴょんアストさん?」

 

「石……?」

 

 

……うん、手の内に収まるほどの大きさの石。白くて、ゴツゴツしていて、それでいて魔力がふんだんに……ッ!?

 

 

いや、待って! この魔力量、尋常じゃない! まさかこれ……!

 

 

「『ルナストーン』ですか!?」

 

 

「おおお~! 本当に一目でわかるなんてっぴょん!」

 

「ふふっ、流石でございますね!」

 

 

いやいやいや…! 姫様方はそう褒めてくださるけど……それどころじゃない! なんでルナストーンが……最高レベルの入手困難品である魔鉱石が!?

 

 

知っての通り、ルナストーンは月の石! 月は魔力の根源とも称されるほどで、その姿その輝きはありとあらゆる魔物、そして魔法を操る者の源! 武器にも装備にも魔道具にも装飾品にもどんなものにでも打って付け! そんな月の一部であるルナストーンが、人魔問わず垂涎の品が、何故ここに!?

 

 

しかもこのサイズ! これほどであればかなりの値段に……! 普通は時折月より落ちてくる隕石から欠片程度を採取するしかないというのに……一体どこで――!?

 

 

「アストさん、これが私達の故郷の石っぴょん!」

 

 

「へ……!?」

 

 

イスタ姫様、ニッコニコで…え!? 故郷の……つまり、このダンジョンがある、ここの……!? ――と、カグヤ姫様もクスクスと笑みを零し――。

 

 

「イスタ」

 

「はーいっぴょん! せ~~のっ! ぴょぉおおおおんっっっ!!!」

 

 

わわっ!? イスタ姫様、急に真上に跳び上がって!? もはや飛行しているかと見紛うぐらいに!? そして――!?

 

 

「ぴょおぁ~~~ぴょおんッッッ!」 

 

 

玉座の真上、天井を勢いよく蹴りつけた!? い、一体何を……――えっ!?

 

 

 

 

 

 ―――ガコンッ

 

 

 

 

なっ……!? イスタ姫様が蹴った場所がスイッチにでもなっていたのか…天井が、壁が、眩い光に包まれ変化していく!? そして透明……に……えっ…………。

 

 

「こ、これって……ここって……!?!?」

 

 

輝きに圧倒され閉じていた目を開けると……周囲の光景は様変わり! 地には荒涼ながらも霊妙さに満ちた…ルナストーンが果てまで広がって!? そして空は暗幕に覆われたかと目を擦ってしまうほどの一面の天の原!

 

 

更にその空の遠くに輝くは全てを焼き尽くさんばかりに煌めく陽球…! その間に挟まり、カジノクイーンの玉座に背負われる形で白や緑や青が美しく映えさせているのは円い……大地!? ま、まさか……!!!

 

 

「まさかここ……月ですか!?!?!?」

 

 

「ぴょんっとっと! そうっぴょん! 私達の故郷っぴょん!」

 

「ですのでご安心くださいな、素材…ルナストーンは幾らでもご用意できますの」

 

 

……な、なるほど……そ、それならば色々と納得……。確かに改めて体の調子を確認してみると、この場の魔力は転移魔法陣をくぐる前とは全く違う……! 別世界と言っても――って、もしかして! ここに来てからなんだか浮き上がってしまいそうな感じがしたのって、このせいだった!? 

 

 

「訪れる方々にとっては周囲の月光が毒となりかねないため、または降り注ぐ隕石が怯えさせてしまうため、普段は先程のように閉じておりますが……」

 

「スポットライトとかの灯りとして時々使ってるっぴょん! お姉ちゃんに当ててたのもそうっぴょんけど、さっきのバニーファイトでも使ってたのもそうぴょん! 私達が当たると力が漲って来るっぴょんから、白熱の戦いができるっぴょん!」

 

 

そう説明してくださる姫様方。少なくとも、バニーガールの方々が強かったりジャンプ力が高かったのは気のせいではなさそうである……。えぇと……――。

 

 

「ミミック、要ります……???」

 

 

 

……あっ。しまっ、思わず内心がポロっと…! だ、だって…! 自在にダンジョンを改造できて、好きに強くなれるなんて……! 少なくとも護衛役のミミックは必要なさそうな……!

 

 

「うふふっ! いいえアストさん。私共には皆様の御力が必要なのですよ。便利なように聞こえますが、私共に出来るのはその程度。各所に潜み、都度盛り上げてくださる方はミミックの方々以外におりませんもの」

 

 

「それに実は……力が漲り過ぎちゃうっぴょん。この間変態を蹴りつけたっぴょんけど……壁を貫通して外まで飛ばしちゃって、あわやクレーターひとつ増やすとこだったぴょん」

 

 

「そ、そうなんですか……」

 

 

ま、まあ確かに今までも依頼主が強い…それこそ神でありながら、ダンジョンを盛り上げるため、または手を増やすためにミミックを雇ってくださったことは幾度もあるし……今回もそういう感じで良いのだろう……。

 

 

しかし、なんと言うべきか……。バニプリのお二人が、バニーガールの方々がそんな力を秘めていたなんて……。そして、幾ら故郷だからとはいえ月にカジノダンジョンを建てるなんて……。

 

 

「流石、虎と(たつ)の間に挟まっているだけあるわねぇ」

 

 

「社長、何言ってるんですか……?」

 

 

「さあね? あ、そうだカグヤ姫様! 一つ思いつきましたよ! 迷惑客の格好い~い倒し方! あとですね~……」

 

 

……新事実(私だけだけど)を踏まえ、更にプランを提案していく社長……。と、兎に角。ミミック派遣の商談は成立で良さそうである。

 

 

そうそう、ミミック達が不正しないことは保証しよう。皆社長に鍛えられた子達だもの。――ただし、ホストの意志によりゲストへ利をこっそりと与える場合は別だが。

 

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