ミミック派遣会社 ~ダンジョンからのご依頼、承ります!~   作:月ノ輪

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閑話⑬
ミミンの奇妙な数日:箱から飛び出ていきそうな、宝物①


 

 

――これもまた、とある日々の出来事。されど此度に於いては視点が変わる。語り部を務めるは普段の当事者……アスト・グリモワルス・アスタロトではない。所謂神の視点、第三者視点と言われるものでお送りする。その理由は、すぐに明らかになる。

 

 

 

 

さて、時刻は朝。場はミミック派遣会社内の一室から始まる。巨大な宝箱型の建物が一角にあるそこは、社の長たるミミンの私室。

 

 

「すぅ……すぅ……んへへぇ……」

 

 

カーテンの隙間から漏れ入ってくる朝日がさらさらと揺蕩う中、彼女はベッドで……ミミックには珍しく宝場ではなく、布団にくるまり心地良さげに寝息を立てている。

 

 

と、そこへノックの音が響く。丁寧な、しかしそれでいてどこか力強いその呼び出しはしかし、未だ夢の中のミミンには届かず。更に数回響く音もまた、無情に消えゆく。

 

 

その返答に痺れを切らしたのだろう、部屋の扉は勝手に開かれる。大股気味に入ってきたノックの主はカーテンを勢いをつけて開ける。瞬間、止められていた朝日が押し寄せ、部屋全体を照らした。

 

 

「んん……んんぅ~……」

 

 

だがそれでもミミンは目を覚まさない。それどころか日から逃げるように、無意識に布団を被る……否、布団の中へひゅっと身を引っ込める。それを見て、カーテンを開いた人物は軽く溜息をつく。

 

 

「社長」

「んぅ……」

「朝だよ、起きな」

「あと五ふぅん……」

「ダメだっての。もう時間だ」

 

 

布団越しに揺らしてくる何者かへミミンは寝ぼけながら返す。しかしながら目覚ましは止まらず、彼女は懇願するように。

 

 

「おねがいアストぉ……もうちょっとだけぇ……」

 

 

普段自分を起こしてくれる、今日も恐らくそのために来てくれた秘書の名を呼ぶ。すると、揺れは収まったではないか。アストは社長の願いを聞き届けたのだろうか。

 

 

「ったく」

 

「んにゅうっ!?」

 

 

否、そうではない。手を止めたのはこうして布団を無造作に引き剥がすため。全身を日光と朝特有の冷えた空気に曝されたミミンは、その少女のような身を縮こませ哀願を続けようとする。

 

 

「アストぉ……! おねが――」

 

「アタシだよ、社長」

 

 

呆れたようなその返しに、人違いを指摘するそれに、ミミンは溶け気味の言葉を飲み込む。ふと考えれば違和感があったのだ。ノックの音、歩き方、喋り方、起こし方、布団の剥がし方。どれもいつもとは違う。

 

 

それでいて遮る物がなくなった今、その正体にようやく気づいたのである。起こしに来てくれたのはアストではない。ミミンは寝起きと疑問の目を擦りながら起き上がった。

 

 

「あれぇ…? ラティッカぁ……?」

 

「おはよっさん。ほれ、宝箱」

 

 

そうベッドに宝箱を置いたのは、社員の一人であり製作部門『箱工房』の長を務めるドワーフ、ラティッカ。普段通りにボサッとした髪を後ろで束ね、へそ出しチューブトップとダボついたズボンを履いた彼女に促され、ミミンはようやく箱の中へ。

 

 

「なんでラティッカが起こしにぃ…? 工房は良いのぉ…?」

 

 

箱の縁に腕と頭を垂らし、未だ覚醒せぬ頭でミミンは問う。しかしその疑問は最もである。今日も営業日であり、ラティッカは工房の準備があるはず。なのに何故モーニングコールを。それは普段、秘書であるアストが行うはずだが――。

 

 

「そりゃ、アストの代わりだよ」

 

「ふぇ…?」

 

「まだ寝ぼけてんなぁ。アストは昨日から出かけてるだろ」

 

「…………あ」

 

 

その一言でようやく思い出したのだろう、ミミンは声を漏らす。そう、実は今、アストは不在なのである。そしてこれこそが語り部が普段と違う理由。

 

 

なお不在理由だが、特段大きな問題があった訳では無い。所謂個人的な都合による休暇。なんでも友人であり将来の仕事仲間であるグリモワルス(魔界大公爵)の面々と外せぬ用事があり、数日は帰ってこれない様子。

 

 

無論、アストが社を離れるのは初めてではない。しかしながら、今までのそれのほとんどは会社の休業日を利用しており、そうでなくとも一日程度で帰社をするように努めていた。

 

 

だが、今回は違う。都合が合わなかったようで、その不在日全てが営業日。これは社長秘書として相応しくないスケジュール。故にアストは本当に休暇申請を出すべきかを悩んですらいた。

 

 

しかし、それをミミンは半ば強奪する形で承認したのだ。『数日ぐらいあなたがいなくてもやっていけるわよ! これでもあなたが来る前は一人で回していたんだから!』と、懐の深さを示すように胸を張り、相棒を送り出したのである。

 

 

「あー……そうだったわね」

 

 

そこまで思い返したところで、ミミンは一旦回想を止める。あれだけ豪語した以上、やり遂げなければいけない。彼女は気合を入れるように顔を擦り、一旦箱へパタンと入り――。

 

 

「ラティッカ、朝ご飯はまだ? 一緒に行きましょう!」

 

 

パカッと姿を現した際には、普段のようにピンク髪を揺らす、白ワンピース姿に。その完全覚醒の社長を見て、ラティッカは安心したように頷くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「――それにしても、ふふっ! こうして運んでもらうのはいつ以来かしら!」

 

「アストが来る前まではよくやってたよなぁ。久しぶりの感覚だぜ!」

 

 

ラティッカの頭の上に乗せられ、ミミンは懐かしむ。アストに抱えられている時と同じような高さながら、大股の歩みにより箱は楽し気に揺れ、跳ねる。

 

 

ミミンとラティッカは上司と部下の関係でありつつ、旧知の間柄。アストよりも随分と長い付き合いなのだ。社の黎明期を共に歩んだ彼女達は、今も仲良く廊下を歩む。

 

 

「あの頃は大変だったよなぁ。まだ取引先も人材も何もかも揃ってなかったから、あっち行って素材掘って、こっち行ってスカウトをかけて、そんでそっち行って営業かけて。忙しかったなぁ」

 

「苦労をかけたわねぇ。あなたにはそれこそ秘書代わりを何度も務めて貰っちゃって。好きに箱を作りたくてウチに来てくれたのに」

 

「よせやい! アタシら変わり者の夢を叶えてくれたんだ、あれぐらい屁でもなかったさ。あん時も今も、毎日が楽しくて仕方がないぜ!」

 

 

カラカラと笑って見せるラティッカに、ミミンはつられて微笑む。単身で事業を立ち上げ、世界を巡り人や箱を集め、ひたすらに働き、整え、邁進し、気づけば会社はここまで大きくなった。

 

 

その間、どれほどの人々に助けてもらっただろうか。現魔王を始めとした昔馴染みの面々、賛同し旗の下に集ってくれた仲間、そして――。

 

 

「しかしそう考えると、アストが来てくれてから劇的に改善したなぁ」

 

「ほんと! 本当、助かってるわ……!」

 

 

ラティッカの言葉に強く、そしてしみじみと首肯するミミン。なにせ、その表現には何一つ誇張が含まれていないのだから。

 

 

アストが入社する前には既に、会社は軌道に乗っていた。いや、軌道に乗せるまでのあと一歩が足りなかった。と言うべきであろう。ある程度の取引先も人材もシステムも揃ってはいたが……それだけだった。

 

 

つまり、それらを管理し運用する手が足りていなかったのだ。ミミンの経営手腕は目覚ましかったが、それによる事業拡大が些か早過ぎたのである。人材管理、訓練管理、素材管理、製作管理、金銭管理、取引管理、書類管理、経理業務、種々の手続き、要望対応、クレーム処理、フィードバック、ホスピタリティ……上げればキリがない。

 

 

業務は日に日に膨れ上がるが、それに対処できるのは社長であるミミンのみ。スカウトしたミミック達は派遣に備え鍛える必要があり、ドワーフ達も箱製作が主たる仕事。多少の手伝いこそ出来るものの、やはり彼女一人が馬車馬となる他なかったのだ。

 

 

それこそ、先のように寝坊をすることなんて出来なかった。いや、折角の自室に戻ることも叶わなかった。可能な限りの残業後、社長室の机に座ったままミミックの特性を活かし宝箱で眠る。そして目覚めてすぐさま始業。そんな日々が多かった、一分一秒が惜しかったのだ。

 

 

その鬼気迫る様を見兼ね、せめて食事を摂らせるためにラティッカはよくこうしてミミンを食堂へと運んだのである。ただし、今のように和やかにではない。無理やり宝箱ごと抱え上げ、抵抗を出来る限り防ぐために頭の上に乗せ、大股を更に広げて走って。

 

 

ただし、そのデスマーチは唐突に終焉を迎えた。アスト・グリモワルス・アスタロトの入社によって。友人へ漏らした苦労の愚痴が巡り巡って、彼女との運命を紡ぎ出したのである。

 

 

その行く末はこの通り。晴れて社長秘書となったアストは即座に問題を洗い出し、効率化し、全てを管理せしめたのだ。たった一人で、事も無げに。未だ研鑽を積む若輩の身とは信じられぬ次代大主計の敏腕辣腕に、ミミン達が舌を巻いたのは言うまでもない。

 

 

おかげでミミンは寝坊を出来るようになり、ラティッカ達もまた箱製作の片手間に趣味にひた走ることも出来るようになった。まさにアストは立役者。社の救世主なのである。

 

 

――だが、その運命の始まった時から、ミミンの心は微かに燻り出していた。当初は容易く流せた想いだった。しかし日を追うごとに、かつての業務の心労以上に膨れ上がったそれは、今やふとした隙に苦しさとなり襲い掛かってくるほど。まさにこの瞬間にも。

 

 

「……ねぇ、アストはいつまで――」

 

「ついたぞ! いやー腹減ったぁ! ん? なんか言ったかい?」

 

「…ううん。なんでもないわ。何食べましょうか!」

 

 

しかしミミンはいつものようにその不安を払いのける。耽っている場合ではなく、その意味も無いのだから。ただ今日を歩まなければならないのだから。

 

 

 

 

 

 

「わっ、朝から特盛ステーキ? 変わらないわねぇ」

 

「そういう社長だっていつものチーズリゾットじゃんか」

 

 

それぞれ注文した料理を受け取り、二人は同じテーブルへつく。BGMにM(ミミン)A(アスト)の『箱から飛び出た宝物』がかかる中、彼女達は燦々と日を浴びながら舌鼓を……打とうとしたが。

 

 

「あ。スプーン忘れちゃった。取ってくるわ」

 

「いってら」

 

「ふぅ。……あ、ジュース注文し忘れてたわね。いってきましょ。何かいる?」

 

「いや? それよか早く取りに行かないと冷めるぞ? もっかいいってら」

 

「ただいま。やっぱこれが無いとね♪ いただきまー…熱っちゃぅっ!?」

 

 

ミミンのみ、やけに騒々しい。向かい合い一部始終を見ていたラティッカは不思議そうに首を捻る。

 

 

「どうしたんだい社長? まだ眠いとか?」

 

「しっかり起きてるわよ! ふーっ…あちち…もっと冷まさないと」

 

 

それはよく食べ慣れているメニューのはず、なのに何故諸々を忘れ食べるタイミングすら掴み切れずに四苦八苦しているのか。ラティッカはステーキを口に運びながら考えるが、不意に思い至った。

 

 

「あぁそうか! いつもアストに任せっきりだから」

 

「うっ……!」

 

 

そしてそれは図星である。ミミンが朝食を自ら取りに行くのはいつ以来か。最近はもっぱら寝ぼけまなこで運ばれ席へ安置され、望む料理が運ばれ、フーフーと冷まされ口に運んで貰ってばかりだった。

 

 

当然、その一連の面倒を担当していたのは社長秘書たるアスト。だが彼女が不在な今、ミミンはこうして無様を晒してしまったという訳である。彼女は恥を吹き飛ばすように料理を冷ます。

 

 

とはいえこの程度であれば、可愛いミスといえよう。熱い料理はすぐに口にできるようになり、ようやく二人で朝食を堪能。LBO(リダベルオネカ)の曲を背景とし他愛も無い会話に花を咲かせれば、あっという間に食後のひと時。

 

 

「ん、んん~っ! さ、今日も頑張りましょうか!」

 

 

伸びをし、気合を入れるミミン。ラティッカはおう!と頷きながら、一つ明かす。

 

 

「一応アタシ、アストから秘書代わりを仰せつかってるんだ。だから頼ってくれよ?」

 

「大丈夫よ! 心配性ねぇ、あなたもアストも!」

 

 

余裕を醸すように、ミミンは軽く笑い飛ばす。しかし、それと先程までの醜態が噛み合わなかったのだろう。ラティッカは軽く問う。

 

 

「じゃ、今日の予定言えるか?」

 

「っ…! そりゃぁ…言えるわよ! 今日はダンジョン訪問の予定無いし、訓練と事務仕事と、あと……」

 

 

「朝礼、依頼の手紙や報告書への対応、訓練官との人材調整の打ち合わせ。あと工房視察がてらにアタシらとも話し合い、だな」

 

 

補填するように、ラティッカは読み上げる。その手には少し油で汚れたメモが。恐らくはアストから渡された社長のスケジュールであろう。手を伸ばしてくるミミンを軽く避け、彼女は追加で問いかける。

 

 

「で、今から何をやるかはわかるかい?」

 

「そりゃ朝礼でしょ! この後すぐ……」

 

「じゃあその次は? 何時から?」

 

 

とうとうミミンは声を詰まらせる。すぐには答えられないのだ。スケジュール管理もまた、アストの職務。しかし彼女がいない今、頼ることはできない。このままでは今日何をするべきかが――。

 

 

『10分後より朝礼のお時間です、社長』

 

「!? アスト!?」

 

 

突然、聞き馴染みのある声が軽やかに。ミミンは慌てて辺りを探すが、悪魔族たる彼女の姿は何処にもない。箱入りがデフォルトなミミックや生来背の低いドワーフの中では彼女はとても目立つはずなのに。

 

 

『10分後より朝礼のお時間です、社長』

 

 

しかし、その声は繰り返す。一切の変化なく、録音のように。ミミンは耳を澄まし、気づく。その元は自らの箱の中だと。

 

 

「これね!」

 

 

急ぎ手を入れ引っ張り出したそれは、手乗りサイズのミニ宝箱。蓋が半開きになっており、パカリと開けばなんと、現在時刻と今日の予定が詳細に列記された魔法陣が飛び出て来たではないか。と、ミニ…いやスマート宝箱とでも呼ぶべきそれは仄かに点滅しだす。

 

 

『朝礼の後、届いた依頼書のチェック及び返信をお願い致します。訪問要請を承諾なされる際には、くれぐれもスケジュールカレンダーへの記入をお忘れなく。また、AM10:00より訓練の監督業務が予定されています』

 

 

それを聞き終えたミミンは、カチリとスマート宝箱の蓋を閉じる。すると音声リマインドは繰り返すことなく、次の出番を待つミミックのように静まった。

 

 

「アスト、出かける前にそれの説明してたけどな」

 

「……忘れてたわ」

 

 

メモを仕舞いながらツッコむラティッカへ、頭を掻いてみせるミミン。確かにそうだったのだ。優秀な秘書アストは、社を出る前に幾つかの補佐アイテムをミミンの箱へと入れたのである。当然、それらの説明はなされたはずだが……。

 

 

「聞く耳持たなかったの間違いだろ?」

 

「うぐぅ……」

 

 

悲しいかな、社長としての威厳を見せつけるため、アストがいなくとも問題なくやっていけると示すため、その解説を話半分で切り上げさせたのである。その結果が、これ。

 

 

「ま、アストのことだ。説明なんぞ無くても使えるよう仕上げてくれてるだろうけど……秘書なアタシの出番かい?」

 

「良いわよ今はもう! ほら、朝礼が始まっちゃうから行くわよ、運んで!」

 

 

バツの悪さを勢いで誤魔化し、ミミンはラティッカに運ばれる。しかしその間、仕舞ったスマート宝箱を取り出し安心したかのような手つきで軽く撫でていたのは、誰にも知られることはない。

 

 

 

 

 

 

 

 

「みーみーっくっ! そーれっ!」

 

「「「ふぁいおっ! ふぁいおっ! 1、2! 1、2!」」」

 

 

時間は朝10時を回った頃合い。ミミック派遣会社の訓練場にて、大量の宝箱が走る。その先頭で率いるミミンの顔は、何処か晴れやか。

 

 

朝礼も朝の事務仕事も滞りなく終えた。一日の予定も既に把握済み。今日はこの後午前午後にかけて暫く特訓の監督業務があるのだが、それはまさしく普段通り。ようやく平時と同じ感覚を取り戻せたのだ。

 

 

特にこの訓練は自身の肝入り。自分でメニューを組み立て、自分の手でミミック達を鍛え上げているため、事務作業やスケジュール管理のようにアストに甘えてはいない。だから、秘書がいなくともやれる――。

 

 

『社長、水分補給を致しましょう。面倒がっては駄目ですよ?』

 

「はいはい、ほんと心配性なんだから」

 

 

そう意気込んでいた社長たる心は、いないはずの秘書の声に蕩かされる。スマート宝箱には数多の魔法が財宝の如く詰め込まれているようで、ミミンが休憩をとるタイミングで必ずリマインドがかかり、少し操作すれば飲料水すら生成されるようになっていたのだ。

 

 

アストの徹底ぶりに肩を竦めつつ、その愛を享受するミミン。と――。

 

 

「社長、それなに?」

「アストちゃんの声がする!」

 

 

訓練を共にしていたミミック達が箱を寄せてくる。ミミンが軽く説明すると、皆納得したように。

 

 

「そっか、道理でアストちゃんの姿見ない訳だ」

「いつもなら常に社長のお傍に、って感じだもんね~」

「離れる時にはこうやって自分を残して…愛だね!」

「まさに宝物じゃん! きゅんきゅんしちゃう!」

「てっきり、とうとうアストちゃんを箱に仕舞っちゃったのかと…!」

 

「アンタ達好き放題言うわね……特別メニューがお望みかしら?」

 

 

その一言に、茶化していたミミック達は一斉に口をつぐみブンブンと首を横に振る。その様子に軽く噴き出しつつ、ふと気になったことをミミンは聞く。

 

 

「そうだ、アストが担当していたサポート、今どうなってるの?」

 

 

このような訓練の際、アストは補佐に回っている。記録をとり、補給を促し、時にはメディカルチェック等を行っているのだ。彼女がいないとなれば、穴が発生しているはずだが。

 

 

「安心しな社長、その辺もアストは抜かりないぜ」

 

 

そこにちょうど現れたのは、ラティッカ。更には、宝箱ではなく飲料提供カートに入ったサポート担当のミミック達が。

 

 

「アストちゃんはしっかり振り分けてくださいましたよ」

「記録も補給もチェックも分担して完璧ですとも!」

「ただ、アストちゃん一人でこの量やってたんですね……」

 

 

彼女達は記録用紙の束をカート内から出してみせながら。それはこの後の事務処理がうんざりとなる量。とはいえミミックの数からすればそれぐらいは当然であり、詳細な記録こそが更なるマンパワーの強化に繋がることは言うべくもない。

 

 

ただ、この手間をあの子はおくびにも出さずやってのけていたのか。訓練においては甘えていないなんて、勘違いも甚だしかった――。そんな思いにミミンは胸を詰まらせる。その顔を面倒の色と見たのか、ラティッカは。

 

 

「ま、書類整理は重要なの以外は全部残しておいて良いってアスト言ってたからさ。社長はドンと構えてな!」

 

 

そう励ます。確かに訓練記録の整理は、朝のような客先からの要請処理等と比べればランクは低いであろうが……。

 

 

「それよか、確か今から見回りだろ?」

 

 

その煩悶を掻き消したのは、やはりラティッカ。スケジュールメモを見ながら問いかけてくるそれに、社長は一応スマート宝箱を確認し肯く。訓練に抜かりが無いか、無精者がいないかを確認するのも社長の仕事である。

 

 

「じゃ、ちょいとこっち先に頼んで良いかい? いやー、面目ねえ…!」

 

 

頭を照れくさそうに掻く彼女にミミンは首を傾げながらも了承し、別のミミックへ訓練監督を引き継ぐ。どうやら何か問題が起きてしまったようだ。

 

 

秘書代わりを務めてくれるとはいえ、ラティッカはあくまで製作部門のトップ。アストのように社長につかず離れずとはいかない。特にこういった訓練の際には作業に追われるのだ。箱の修理調整に始まり、他にも――。

 

 

「あらら、大変そうね」

 

 

到着したそこで、ミミンは状況を理解する。そこは洞窟型模擬ダンジョン群による実践修練エリアなのだが……その幾つかの入口前には、冒険者の装いをしたゴーレムオートマタが煙を噴き何体も倒れこんでいる。

 

 

あのオートマタは箱工房謹製、見た目通りに冒険者役として模擬ダンジョンへ侵入する役目を持つ。この訓練ではミミックはそれを倒すことで経験を積むのだが。

 

 

「いやさ、アストがいないからその分アタシらも頑張ろうぜって気合入れたんだよ。そしたら、まあ、やる気が空回りしちまったというか……チューニングを盛大に失敗した連中がな」

 

 

ラティッカがそう首で示した通り、犯人であろう箱工房のドワーフ数人と手伝いのミミックが急ぎ修理を試みている。どうやらピーキーに弄り過ぎたようだ。これでは訓練に滞りが出てしまう。

 

 

とはいえそのオートマタが壊れるのは半ば日常茶飯事の出来事。それにミミンが当初定めた訓練方式では、教官役の手練れミミックが侵入者役をも務めるのが習い。ならば。

 

 

「私が空いた穴を塞ぎましょう!」

 

 

皆の溢れたやる気を集めるように、ミミンは腕をくるくる回す。だがその社長の独断は、秘書の立場によって諫められる。

 

 

「それも出来ればお願いしたいんだけどさ、まだ見回りが残ってるだろ? 箱の出入り訓練とか、プールなり倉庫なりの様子見だってあるし。それに特別メニューが必要な奴らもいるしな」

 

 

恐らく、この場にアストが居ても同じ制止がなされたであろう。ダンジョン訪問等によって訓練に毎日顔を出せる訳では無い以上、こうした見回りの時間は貴重。

 

 

特に、特別メニューと称される無精者へのスパルタ訓練は現状ミミンにしかできない。故にここで手伝いに割いている時間は無いのだ。

 

 

だがしかし、オートマタが直るまでの間、訓練に穴が開いてしまうのは事実。さて、この問題どう解決するべきか。

 

 

「全部終わった後、余裕があったら直々に頼むよ。けど今は、代わりにアストのスクロールを貸して欲しいんだ」

 

「アストの……? あっ!」

 

 

ラティッカに促され、ミミンは慌てて箱の中を探る。思い出したのだ、先日アストが残していったアイテムの一つを。

 

 

「これね!」

 

 

取り出したのは、筒状に丸められ縛られている魔法スクロール。紐を解けばそれはふわりと開き、描かれた数多の魔法陣は輝きだす。

 

 

それらの魔法は全て、アストが普段業務によく用いるもの。彼女は詠唱主たる自分が居なくとも魔法を行使できるように計らっていたのである。

 

 

早速ミミンは場に合った魔法を選び、なんとか記憶に残っている説明に従って、魔法陣を指で地面に向けて払う。すると魔法陣は示された地面へ現れ、起動。現れたのは――不在のはずの秘書アストの姿。

 

 

「アスト、お帰りなさ~い! ふふっ、なんてね」

 

 

ミミンの言葉に、アストは返事をしない。それどころか頷きも、顔もない。それもそのはず、この彼女は分身体。故に更に数体増え、アスト達となる。

 

 

加えて、手乗り小悪魔の使い魔達も出現。そう、これはアストの召喚&分身魔法。手数が必要な際に用いられる魔法であり、それこそ今のように侵入者役として抜擢されることもしばしば。

 

 

あとはこれに命令を出せば問題は解決。たちどころに役目を果たしてくれるであろう。では早速――……。

 

 

「……これ、なんて命令すればいいの? というかこれ、フィードバックあったんじゃ……?」

 

 

ここにきてミミンは固まる。分からないのだ、どう命じれば良いのか。思い出したのだ、アスト曰くこの使い魔や分身には戦闘記録を取るための術者フィードバックがあるということを。

 

 

普段全てを任せている故もあるが、そもそもミミンには魔法の心得が無い。故に仕様がわからないのだ。もし下手に動かして暴走させてしまえば、もしフィードバックが自分になら良いが不在のアストに届いてしまえば……。

 

 

「サンキュ社長! あとはこっちの仕事だ! おーい、魔法担当ー!」

 

「「「はーい!」」」

 

 

その憂慮は、またしてもラティッカの声が打ち破る。彼女の呼びかけに応じ集まってきたのは、数体の上位ミミック達。彼女達は理解したようで、早速魔法陣を囲む。

 

 

「えぇと、探索モードでと。細かな指示は追々で、もっと呼びだしちゃえ」

「三人はあっちのダンジョンで、こっちは五人ぐらいかな。ほい出発!」

「教官、フィードバックしてくる景色、見える? 気持ち悪くない? おっけ!」

 

 

そしてわいわいと魔法を操り、使い魔や分身を動かし、訓練を進行させていくではないか。その鮮やかな捌きように、ミミンは少し呆けたように。

 

 

「わかるのね、あなた達……」

 

「はい社長! アストちゃんに鍛えられましたから!」

「こういう時のために操作方法もしっかりと!」

「アストちゃんのいない間、私達にお任せください!」

 

 

胸を叩いてみせる魔法担当のミミック達。そう、彼女達は社長ではなくアストにも鍛えられた手練れである。

 

 

魔法とは才であり、使いこなせるものは人魔問わず多くはない。しかし、高難度のダンジョンとなれば話は違う。熟練の魔法使いが高頻度で侵入するその場に於いては、ミミック達も魔法を知り魔法で武装しなければ苦戦を強いられかねない。

 

 

その考えの下、一部のミミックには魔法習得のための訓練が行われているのである。だが先も軽く述べた通り、ミミンは魔法が不得手、何一つ使うことができない。それ自体はなんら恥じることではないのだが……ミミック達の増強は見込めず、大きな痛手となってしまう。

 

 

故に、アストが……アスタロト家の嫡女且つ、同じグリモワルスの友人や魔王軍幹部からも一目置かれる魔法の使い手たる彼女が時折教鞭を振るっているのだ。アストの腕が良いのか、ミミンの教育により基礎が出来ていたか、あるいはその両方か。その結実は見事なもの。

 

 

今目の前で集まるミミック達のように魔法陣を自在に操れる者もいれば、既に魔法指導の教官役を拝命したミミックもいる。ミミンの技術と魔法の合わせ技で自身の箱内をカラオケボックス化出来るものもいれば、勇者一行を手玉にとるほどに鮮やかなボス代行を務めあげた者すら。

 

 

そのように魔法行使のできるミミックが増えることを、ミミンはとても喜んでいる。強くなればその分彼女達の行く末が安泰になるから。この会社の設立理由は同胞達の未来のためなのだから。

 

 

「そう……そうね……。アストがいない間は…お願いするわ」

 

 

だが……今、ミミンの胸中にあるのは普段の感情ではない。いや、喜び自体は確かにあれど、大部分を占めているのはまるで中身の分からぬ箱の中の暗闇の如き思い。ただし、本人ですらその仔細を正確には捉えきれていない。

 

 

ただ一つ言えるのは、不安。その心の暗闇の正体は不安に相違ない。そして、恐らく、その中身の一部は、朝によぎったあの不安と同じ――。

 

 

「そういえばラティッカ、あのオートマタにもアストの魔法が使われていたんじゃ? 大丈夫なの?」

 

 

それを振り払うように、ミミンは突然話を振る。ただ、彼女は無意識に不安の種に擦れるような話選びをしてしまった。

 

 

「おうともさ! アストからは魔法の原本貰ってるしな。それをコピーするぐらいならアタシ達もできるし、アストの虎の子な魔法担当達も勢揃いだ。()()()()()()()()()()()()()()()()!」

 

「ッ……!」

 

 

ラティッカはいつも通り、彼女らしい豪放磊落な調子で質問に答えただけである。そう、これはいつもの一日、何の変哲もない毎日の一ページ。だからこそ、だからこそ。

 

 

「…よかった! いや~私魔法は全然ダメじゃない? これの使い方すらよくわかんなくて!」

 

 

社を率いる長として、平静であらなければならない。ミミックらしくいつもの自分を模倣し、ミミンは努めてあっけらかんと肩を竦めてみせる。

 

 

「そりゃアタシもだよ! お互い肩身が狭いぜ!」

 

 

その甲斐はあった。ラティッカは何も気づくことなく笑って同調をしてくれる。と、彼女は内心息つくミミンへ…正しくはミミンの持つスクロールへ顔を近づけて。

 

 

「でもアストのことだ、どれどれ…ほら、ここに。探索って言うだけでいいし、デフォルトでフィードバックは切ってあるってよ。他の細かな設定は魔法担当がやれるってのも」

 

「へ? あっ」

 

 

ラティッカの指摘通り、スクロールには操作方法の詳細や注意事項等も記載されていた。分かりやすく、簡潔に、皆の力を合わせればいつでも使いこなせるように。つまりミミンは単にそれを見逃していただけで。

 

 

「……てへっ☆ じゃ、後でね!」

 

「あははっ! あいよ、打ち合わせの時間忘れんなよー! いや先に昼飯か!」

 

 

ミスを誤魔化すようにミミンはウインクと舌ペロをしてみせ、逃げるようにその場を後にする。手を振り見送るラティッカに軽く振り返しながら。

 

 

 

――そして、その秘書代行が見えなくなってから、周囲に誰一人いないことを確認してから。

 

 

「アスト……あなたってば本当に……。あなたは、本当に……」

 

 

ミミンは丸め直したスクロールをおでこにあてる。感謝と暗闇を吐露するように。遠き温もりを求め、離したくないと叫ぶように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい、社長? いたいた。もう夕食時だぞ?」

 

 

時間は流れ、日暮れ。いつもなら終業しているはずの社長室を訪れたラティッカは、扉を開き声をかける。しかし机に向かっていたミミンは、顔を上げずに答える。

 

 

「まだかかるから先食べててちょうだいな。後から行くわ。えーと…この子はこっちで。あ、議事録を一応見て……うん、ここがそれで……だから訓練メニューは……」

 

 

午前の特訓見回りの後、昼食も午後の特訓見回りも恙なく終えた。更には各部署との打ち合わせも滞りなく。普段アストに任せていた議事録の作成も、やはりスクロールに魔法が載っていた。

 

 

即ち本日のスケジュールのポイントは全て消化済み。残るは一日で溜まった事務仕事のみとなる。だがミミンは些か手間取っている様子である。

 

 

普段このような日にミミンが行う事務仕事は、主に特訓メニューの調整や申請承認。これらだけは彼女にしかできないことであり、秘書のアストはそれを円滑に進めるため、要点の抜粋や書類整理、資料作成やらを一手に引き受けていた。

 

 

だがやはり、今日はアストが不在。そのためにミミンは逐次各作業を行う必要があった。しかしながら、ここで問題が生じた。任せっきりにしていた故に、ミミンはかつてのコツを忘れてしまっていたのだ。

 

 

手間取る事務は当然、メインの作業を圧迫する。そして気づけば残業へと縺れこんでしまったのである。ラティッカは見兼ね、進み出る。

 

 

「なんか手伝うぜ」

 

「んー…? ちょっと待ってね……これで通して見て……うん、問題は無さそうね。調整は終わりと。ふぅっ!」

 

 

どうやら丁度メイン作業を終えたようで、ミミンは伸びをする。そしてそのままラティッカを安心させるために微笑んだ。

 

 

「心配しないで。後は書類をちょちょっと片付ければ終わりだから。まあ……食堂が閉まる前にはいけるでしょ!」

 

 

机の上の書類束を自らの箱の中へと詰め込み、ミミンは椅子からぴょんと飛び降る。そして、既に書類が山となりかけている秘書机へ……アスト用の机へと飛び乗り、先程の束をその一角へと加えた。どうやら、これから締め作業のようだ。

 

 

「片付けならアタシでも……」

 

「だいじょーぶ。場所わかんないでしょ? ま、私もよくわかんないだけど」

 

 

自虐気味に笑ってみせ、ミミンは早速書類のファイリングを始める。種別毎に振り分け、時系列順に並べ替え、要点を書き留め、記録をつけ、必要なものは収納し、不必要なものは処分する。その過程で保管期限が過ぎているものを廃棄し、申請や記載に抜けが無いか等もチェックする。

 

 

ほとんどがそのような単純作業ではあるのだが、独りでやるとなると。しかし手伝いは無用と宣言され、事実門外漢のために手のつけどころすらわからない。故にラティッカはドアの傍で立ち尽くすしかない。

 

 

とはいえ、彼女は引き下がる訳にはいかなかった。かつての苦境を共にした身として、牙が抜け手古摺る社長は見ていられなかった。さりとてあの血走った日々に戻らせるのも忍びなかった。そして、何より――。

 

 

「……なあ。それって今日中にやんなきゃ駄目なやつか?」

 

「んー…整理するだけだからいつでも良いんでしょうけど。でもやっとかないとアストに……」

 

「そっか。なら……失礼するよ!」

 

「へ? ラティッカ…ちょっ!?」

 

 

ラティッカはずかずかとミミンの元へと近づき、彼女を箱ごと持ち上げ頭の上へと乗せる。そして抵抗を落ち着かせるように理由を明かした。

 

 

「アストに託されてんだ。社長が普段通り笑っていられるよう取り計らえってな」

 

「っでも……!」

 

「良いから良いから! アタシが言う事じゃないけど、アストに甘えとけ! あの子は絶対に社長を見限らないからさ!」

 

 

煩わしい書類整理を背に、ラティッカは大股の小走りでミミンを食堂へと運ぶ。アストとの約束を果たすために、自らの上司を助けるために。

 

 

「全くもう……ふふっ」

 

 

そして当の上司は、かつてのように抵抗を諦め、かつてを懐かしむように箱も身も委ねる。その表情には、確かに笑みが浮かんでいるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「――ふぅ。んっ…くぅう……ふあぁぁ……」

 

 

更に時は過ぎ、夜半。場所はミミンの私室。寝間着に着替えた彼女はベッドの上で欠伸を一つ。そして身を箱へと沈ませ、縁に後頭部を軽く擦りつける。

 

 

「たった一日でこれなんて、我ながら情けないわね……」

 

 

結局、夕食の後はいつもの呑みに誘われ、諸々済ませた際には就寝時刻となってしまった。明日に響かせぬために下手な残業をすることは出来ず、結局あの書類整理はそのままである。

 

 

「アストなら許してくれるのは…わかってるけど……」

 

 

布団を捲り、箱から滑り込みながら彼女は呟く。アストのこと、仮に不在中の書類整理を全て放置したとて『任せてください!』と引き受けるだろう。一切の幻滅なく。

 

 

だが、それで良いのだろうか。今日一日で身に染みたはずだ。自分がどれだけアストに依存していたか、アストがいなくなっただけでどれほどもがいてしまったか。このままで良いのだろうか。

 

 

「良いわけないわよね……」

 

 

そう呟き、ミミンは布団の隙間から触手を伸ばし自らの宝箱を引き入れる。次いでごそごそと動き、装着した様子。即ち彼女は布団の中で箱に入っている姿となったのである。普段アストと共に眠る際とは違う、かつての就寝スタイルに似た、それに。

 

 

直後枕に頭を預けたまま、精神統一をするようにゆっくり呼吸を挟み、箱からあのスマート宝箱を取り出す。パカリと開くと、そこには明日の予定が。やはり、不在期間中のスケジュールは全て用意されているようだ。

 

 

それを更に少し弄り、ミミンはとある設定をする。それはアラーム機能。明日朝の分をセットし蓋を閉じると、スマート宝箱は、アストは優しく話す。

 

 

『おやすみなさい、社長。明日も頑張ってください♪』

 

「えぇ、頑張るわよ。あなたに頼ってばかりじゃいけないもの」

 

 

録音の応援に、ミミンはそう返す。気合を入れたと、明日以降への覚悟を決めたとアストへ伝えるように。そして――。

 

 

「……だってあなた、いずれ…………つっ……」

 

 

不意に襲来した『不安』を、漏れ出しかけた恐怖を弾き飛ばすように首を振り、息を強く吐く。今日一日でも薄っすら香るその未来を見ないようにするかの如く、目を瞑る。

 

 

「おやすみなさい、アスト」

 

 

そう呟き明日へと進む彼女の腕には、スマート宝箱が抱かれ続けていた。まるで宝物のように。ミミン自身が宝箱となり、その大切なものを何処にも行かないようにするかの如く――。

 

 

 

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