ガンダムビルドダイバーズ REBOOT   作:キラメイオレンジ

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採取ミッション後編。

今回は少し短めですがご容赦を(汗)


第12話 採取ミッションinヴァルガ

『チィ! おいテメェら、多方面から一気に囲め! あのFランクの装備じゃ同時に複数は狙えねぇ。一斉にかかれば何機かは確実に懐に入り込める!!』

『ハア!? ふざけんじゃねえぞテメェ! 要するに俺らを囮にテメェで仕留めるつもりだろ! 誰がやるか!』

『ああっ!? 先にテメェからぶっ殺してやろうか!!?』

 

次々に襲い掛かってくるモヒカン共を蹴散らしつつ、通信機越しに聞こえるならず者共の罵倒のし合い。

 

共通の敵を狙っているというだけでフォースでもなければ友人でもない彼らは、互いを利用するという形で共闘する事こそあれど、他の者の指示に耳を貸すこともなければ、勝利の為に我が身を犠牲にするという精神も持ち合わせていない。

 

日頃の研鑽の賜物か、個人個人の戦闘能力は総じて高い。

しかし数を活かした連携は皆無。

 

もし彼らの中に自己犠牲も厭わないという精神があったなら、恐らく俺もマギーさんもとっくに撃墜されていた筈だ。

 

そうしたならず者の足の引っ張り合いを巧く利用し、俺はGNキャノンの砲火で1機ずつ確実に数を減らしていきながら、俺はマギーさんの戦いぶりに意識を向けた。

 

ストライクフリーダムを改造した【ガンダムラブファントム】は、俺の数倍はあるガンプラの猛攻を難なく捌き、主武装であるビームカマで次々に斬り刻んでいく。

 

「それそれそ~~れ♪ 皆まとめておしおきよぉ~~ん♪」

 

ガンプラの完成度とオリジナリティ、ダイバーの実力共に桁外れだ。

戦い方が雑で、数の利を活かせていないとはいえ技量と勝負勘は確かなならず者ダイバー達をまるで赤子の手をひねる様にあしらっていく。

これが世界ランク二桁の実力……。

 

悔しいが今の俺、否、GPDをやり込んでいた高校時代(全盛期)の俺ですら手も足も出ないだろう。

 

こういう“本物のバケモノ”の実力を目の当たりにすると、自分の凡庸さを改めて痛感する。

 

こんな俺が、誰かを教え導くなど出来るのかと、不安になる。

 

『ししょー♡』

 

クッ、脳内で笑顔を向けてくれる弟子マジで可愛いな!

……って、そういえば今何時だっけ? ってもう15時過ぎてるじゃねえか!

ヴァルガ(ここ)のノリが楽し過ぎて時間忘れてた!!

 

「マギーさん! お楽しみのとこ申し訳ないですけどボチボチ花を採取しに行かないとユナとの待ち合わせに遅刻します。突破口を開くんで援護頼みます!」

 

『オッケーよダイ君! ドーンと1発かましちゃいなさいな!!』

 

「了解! トランザム!! ――高濃度圧縮粒子、解放!」

 

次から次に襲い掛かるヒャッハー共の相手をマギーさんに任せ、ゼロクアンタのトランザムを起動し、GNキャノンから極太の粒子ビームを発射。

 

360度どこを見ても敵だらけの包囲網に1点の穴が開け、そのまま一気に突っ込む。

 

『野郎っ! 逃がすかぁ!!』

 

「邪魔だっ!」

 

俺とマギーさんの行く手を阻もうと立ち塞がるガンプラに対し、ゼロクアンタはキャノンに搭載された副砲のGNバルカンで応戦。

 

通常では威嚇にしか使えない小口径の火器も、トランザム中ならばMSの装甲でも数秒の掃射で破壊することが出来る。

 

更に背後からの追手はマギーさんのラヴファントムが牽制してくれ、俺達は無事、包囲網脱出に成功した。

 

 

・・・・・

 

 

「フゥ、あぁ久し振りにハッスルしちゃったわ♡」

 

「なんやかんや30機近く堕としてましたもんねマギーさん。上位ランカーのバケモンっぷりがよく分かりましたよ」

 

「アラ、私なんてまだまだ可愛いモンよ? GBN開始以来常に頂点に君臨し続けるチャンプ【クジョウ・キョウヤ】ちゃんがこのディメンションに着た時なんてみーんな怖がって、廃墟のビルに身を隠してプルプル震えながら通り過ぎるのを待っちゃうんだから♪」

 

「まんま天災扱いじゃないですか……」

 

「本人は修行のつもりで来たのに誰も出て来てなくしょんぼりってオチなんだけどね」

 

弱肉強食を是としたディメンションの在り方さえ根底から覆す、理から外れた現人神って感じなんだな。

 

全く、GPDプレイヤーの中には『傷つかないゲームなど軽い』と否定して離れた者も多いと聞くが、GBN(ココ)も十分魔境じゃないか。

 

不動のチャンプクジョウ・キョウヤか、今度動画で調べてみるか。

 

「けどそういうダイくんも大したものじゃない。何だかんだ機体は殆ど無傷だし、多対一でも物怖じしない判断力と確かな操作技術。何より逐一私や敵の位置取りを把握する視野の広さは流石元GPDプレイヤーってところかしら? 一緒に遊べて楽しかったわよ♪」

 

「それはこっちの台詞ですよマギーさん。教育上よろしくないんでユナと一緒の時は遠慮しときますけど、また機会があれば今度はゆっくりヒャッハーしましょう」

 

「アラァ、可愛いお弟子さんに内緒で逢引きのお誘い? 意外と肉食系なのね♪」

 

などと談笑しつつ、目的地に着いた俺とマギーさんはガンプラから降りて暫く周囲を探し、目当てのアイテムを発見。

 

それは、荒廃した廃墟に咲く、決して枯れない金属(てつ)の花だった。

 

「マギーさん、これって……」

 

「ええ、アイテム名称は【ELS(エルス)フラワー】。事故でこの辺りに落下したELSが荒れ果てたこの大地で尚も強く咲き誇ろうとする名もなき花と融合したっていう設定の素材アイテムよ」

 

金属生命体ELS――劇場版00の敵役であると同時に物語の根幹を成す人物【イオリア・シュヘンベルグ】が予見した。来るべき対話の相手。

 

最終的には共生の道を築いたこの異星生命体をクアンタの改修機に乗って採取する。

00ファンとしてはなかなか感慨深いミッションでもあるな。

 

「さっ、ちゃっちゃと採取して、セントラルエリアに戻りましょ! ――あっ、因みにアイテムはミッションの後にそのまま手に入るから。誰かに“アクセサリー”でも作ってあげてみたらどうかしら?」

 

そう言ってウィンクするマギーさん。

 

何という事だ。個人的にかなり好感を持てる人物だと思っていたが、どうやら俺はまだこの人の事を見くびっていたようだ。

 

短時間で大量のポイントが欲しいなどという俺のたわけた頼みを聞いた上に、鈍った腕を磨きなおす格好の修行場を提供してくれたばかりか、ユナに対するフォローまで完璧とか。

 

人として出来過ぎている!

 

 




次回はユナのガンプラ制作パートです・
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