ガンダムビルドダイバーズ REBOOT 作:キラメイオレンジ
3~4話くらいと予想。
「よし。ミッションの内容は頭に入ったなユナ? それじゃあ最後に、ミッションのルールとは別にししょーからいくつかの言い付けがある。心して聞けよ?」
「ハイししょー!!」
機体状態とミッションに関する概要を確認した後、俺は姿勢正しく話を聞くユナに指導を始めた。
「まず前提として、このミッションにはここにいる4人でエントリーするが、原則としてマギーさんとアキラは戦闘に介入しない。敵機の撃破は俺とユナだけで行う」
「えっ? マギーさんたちはやらないんですか?」
「ええ、今回私達はまたこの間のELダイバー(?)が出た時の為の保険で来たのよ。だから安心してししょーとの初ミッションを楽しみなさい♪」
「ま、Sランカーの俺とマギーさんが参戦したら一気にヌルゲーになっちゃうっスからね。センパ~イ、可愛いお弟子さん、きっちりエスコートできますかぁ~?」
うん、隙あらば煽ってくるこのクソ後輩の事は一旦スルーしよう。
というか、俺がユナの護衛役として呼んだのはマギーさんだけであって、そもそもお前は読んでないからな? ――まあ、実力だけは信用できるからいる分にはありがたいんだけど。
「このミッションの推奨ランクはDだが、当然4人で受けるミッションに2人で挑むとなると難易度は一気に跳ね上がる。だけどなユナ? その上でも俺とユナなら十分にクリアできるミッションだと確信している。だから臆さずに、自信をもって挑め!」
「ハイ! ししょーが言うなら私、何だって信じます!!」
く~! 無茶ぶりをした師匠に対するこの素直さ!
ヤバくない? マジ俺の弟子って最高じゃない!?
「よし、次に戦闘における
「質問ですししょー! そのロックオンはニールですか? ライルですか? 個人的に私はニールが好きです!! ――あっ、勿論、ししょーはもっともっと大好きです!」
「えっ、疑問に思うのそこなの? うーん、じゃあまあニールって事で」
「やった♡」
相変わらず独特の感性で予想の斜め上を行く質問をする
後、親愛とはいえ人前で大好きはちょっと止めて欲しい。嬉しいけどさ。
「気を取り直して次の注意だ。このミッションの最大の目的は、ユナが
「わ、分かりましたししょー!」
ユナは良くも悪くもトランザムの熱烈なファンだからな。
きっと今日も使うのを楽しみにしていたんだろう。
だが、いくら天性の反射神経で使いこなせるとしても、まず初めは素の状態で出来る事と出来ない事を把握しなければその真価を発揮できない。
切札というのは、使うべき局面で使って初めて意味があるのだ。
「最後に! ――色々あれこれ言ったけど、GBNの本質はゲームだ。ゲームってのは楽しむのが大前提。真面目にやるのは大事だが、あんまり肩ひじ張り過ぎず、めいっぱい楽しむぞ!」
「っ! ハイししょー!! 2人でする初めてのミッション、いっぱい頑張って楽しみます!!」
「よろしい。じゃあ始めるぞ!」
伝えるべき事を全て伝えた俺はシステムウィンドウを操作してガンプラに搭乗。
何度やっても楽しい出撃シーンに突入する。
「ダイチ、ゼロクアンタガルム。――出るぞ!」
『え、ええと……ユナ、ガンダムブレイジングエクシア。――行きます!』
『マギー、ガンダムラヴファントム。――イクわよ♪』
『アキラ、ハイパーフリーダムガンダム。――行くっスよ!』
4機のガンプラはゲートを潜り、ミッションの為に展開されたディメンションに転移した。
・・・・・
最初のステージは青い空と紺碧の海で覆われた海上ステージ。
ゲーム開始直後にスタート地点で待機したマギーさんとアキラを除く
「ユナ、マギーさんの話だと最初のステージの敵は肩慣らしを兼ねた単純な動きになるらしい。落ち着いて、敵の動きをよく見て回避し、距離を詰めたら思い切りぶん殴ってやれ!」
『ハイ!! 私とこの子の戦い、後ろから観ててくださいね!』
俺の助言を聞き終えると同時にブレイジングエクシアは出力を上げて加速。
望遠カメラに姿を捕らえたフラッグ編隊に向かって、愚直なまでに正面から突撃する。
当然、飛行形態のフラッグは機首として設置したリニアライフルを放って応戦。
9つの銃口から放たれる音速の砲弾。
しかしユナが駆るブレイジングエクシアはそれらの弾雨をものともせず見切り、見事なマニューバで全て開始し、正面にいるフラッグに向けてGNフィールドを纏った拳【GNガントレットⅡ】を振り下ろす。
「GNゥウウ……パァアアアアアンチ!!」
潔いまでにシンプルな技名を叫ぶと同士に繰り出した拳を以て、フラッグの細身にボディを粉砕! フラッグは青い空で赤い炎と黒煙を巻き散らし爆散。
射程が長い方が勝つという戦場の理を、正面からうち砕く、燃え上がる能天使の鮮烈なデビューを祝う花火となった。
「更にそこから! ブレイジィイイイングーーキィイイイイイック!!」
更にブレイジングエクシアは1番近くを飛んでいたフラッグを次の標的に定め接近、右足を豪快に回し蹴りを繰り出し、フラッグの上半身を下半身を強引に両断してみせた。
『スゴイ……! このブレイジングエクシア凄いですよししょー!! トランザムを使わなくても、私がしたい動きについてきてくれます!!』
「ああ、いい動きだった。――けど、戦場のど真ん中ではしゃぐのはちょっといただけない――なっ!」
はしゃぐユナを窘めつつ、俺は背後からブレイジングエクシアを狙おうとしたフラッグをGNキャノンで撃墜。
僚機を一瞬で3機討たれた事で残った6機のフラッグは散開。
各々ライフルを構えて距離を保つ動きをしつつ、リニアライフルで反撃に出た。
「わわわっ! 敵がバラバラに動き回ってきました! ししょ~~~!」
正面のみだった先程と違い、前後左右あらゆる角度から散発的に飛来する銃弾を躱しながら俺の名を呼ぶユナ。
俺はGNキャノンの砲撃で蚊トンボの様に飛び回るフラッグを1機堕としつつ、前に出てブレイジングエクシアと背中を合わせになる位置にゼロクアンタを配置した。
「落ち着けユナ! あんな逃げ回りながら苦し紛れに撃ってる雑な射撃、そうそう当たるもんじゃない。仮に当たったとしても
戦いの場に於いて、真の敵とは己自身。
ベタもいいところな使い古されたフレーズだが、それは真理だ。
何故なら戦場にあって、どんな敵よりもまず正確にその力量を把握しなければならないのは己自身なのだから。
ガンプラの性能、自身の力量。体調や精神のコンディション。
それらを正確に理解した上で敵の力を推察し、自分がどれだけの事が出来て、どんな事ができないのかを理解し実践する。
だから自身の力を過信するのは勿論、今のユナの様に自身の力を低く見積もって過剰な警戒をしても力は発揮できないのだ。
「仮にこれが現実の戦いなら、拳が届かない場所から攻撃してくる奴は怖いだろう。けどここは倒されても死なないガンプラバトルだ! 臆せず進め、負ける事を恐れるな!! 大丈夫、ユナなら――俺の可愛い1番弟子ならきっと出来る!」
「は、はいししょー! おおおおおおおおおっ!!」
持ち前の素直さで俺の言葉を受け入れてくれたユナは、再びブレイジングエクシアのスラスターをめいっぱい吹かし、飛び回る5機のフラッグの内1機に狙いを絞り接近。
『ヤアアアアアアッ!!』
牽制の為に応戦するフラッグの砲弾に対し、躱すのではなくGNガントレットで胸部や頭部などの急所をガードして一気に距離を詰め――殴る!
『次っ!』
爆散したフラッグの煙を目くらましに次に近くにいたフラッグと距離を詰めるブレイジングエクシア。
俺は残る3機の内1機を撃ち落としながら、通信でユナに指示を飛ばす。
「あまり打撃の戦いだけに固執するな! ガントレットに内蔵された火器も試してみろ」
「はいっ!!」
ユナはブレイジングエクシアの右腕をフラッグに向かってかざし、GNガントレットに内蔵した射撃兵装を展開。
シャイニングガンダムのあまり知られていない射撃兵装【シャイニングショット】と、アリオスガンダムの腕部機構を参考にした【GNサブマシンガン】から光弾型の圧縮粒子を放ち、フラッグの装甲を蜂の巣にした。
一方、俺は最後のフラッグをすれ違いざまにGNビームサーベルで両断。
第1ステージのNPDはこれで全滅し、次のステージに転移する為のゲートが出現する。
「よし、まずはお疲れユナ。どうだった? ブレイジングエクシアの使い勝手は」
『とっても使いやすいです! 私がしたいと思った動きにキチンとついてきてくれるし、ししょーがくれたこの腕の武器も、すっごく頼もしいです!!』
「喜んでくれたら何よりだ。格闘型の機体のポイントは如何にして相手と距離を詰めるかだから、肉弾戦に固執し過ぎず、射撃兵器やビームサーベルも状況に応じて使い分けられるようにしていこう」
『はいっ!!』
普段と比べて割と厳しめにアレコレ指示を出す俺に対し、気合の入った真摯な返事をするユナ。
正直、エラそうな師匠ムーブ決めつつも、『こんな言い方して感じ悪く思われないかな?』とビクビクしてたが、この真っ直ぐな姿勢、やっぱりこの娘は最高の弟子だ! 可愛いし!
後、ミッションを始めてからのユナの態度は、今朝からの妙なネットリ感が無くなってるのもありがたい。
『……先輩。意外にキチンと指導してるんスね? 俺はてっきり、JCとイチャコラする為の建前かと思ってたっスよ』
と、弟子との神聖な反省会に茶々を入れるクソ後輩が接近。
本当に失礼な奴め、先にコイツから撃墜してやろうかな?
『失礼ですよアキラさん! 私とししょーはそんな軽い関係じゃありません! お互いに真剣な気持ちでお付き合いしてるんだから!!』
と、自分達の関係を軽んじられたユナもアキラに反論。
そうだ。俺はユナを本気でトップランカーに育てようと思ってるし、ユナもその期待に応えようとしてくれている。
……うん、わざわざ確認する事でもないからスルーしたけど、『お付き合い』って言うのはあくまで師弟としての付き合いだよね? ししょーは信じてるからねユナ!
「と、とりあえず次のステージに行くぞ!」
『ハイししょー! どこまでもついていきます!!』
俺達はゲートを潜り、第2ステージへと転移した。
ダイチは現実ではちょっと小心者で人の好い青年ですが、ガンプラバトルになると、若干熱血になります。これは所謂ロールプレイとか二重人格とかではなく、彼が社会人として抑え込んでいる理性のタガが少し外れるから。
GPDにのめり込んでた高校時代は結構熱血なキャラでした。
【ガンダムブレイジングエクシア①】※今回は機体概要のみ
・ユナがダイチの指導の下で本格的にバトルを学ぶにあたり制作したガンダムエクシアリペアⅡの改修機。ユナ曰く『ししょーと私の愛の結晶』。
・父親から格闘技の手解きを受けていたユナが、自身の性分に合ったガンプラを考慮した結果『剣ではなく拳や蹴りで戦うエクシア』という発想に至り、ノートにスケッチしたイメージイラストを参考に、ダイチがGBNのポイントで成形したオリジナルパーツ(腕部・及び肩装甲)を加えた事で完成した。尚、工具及び塗料はダイチが持っていたものを借用。
・00以外のガンダム作品を知らないユナは与り知らない事だが、コンセプトとしては【機動武闘伝Gガンダム】の前期主役機【シャイニングガンダム】の機構を参考にしており、徒手空拳に主幹を置きつつ、ビームサーベルによる剣戟戦。ガントレットに内蔵したGNサブマシンガンによる射撃戦闘に対応できる様にダイチが独自にアレンジを加えた。
・腕部のオリジナルパーツはゼロクアンタと同様にGNフィールドを纏った拳を放てる【GNガントレット】となっており、GN粒子による硬度の上昇と、重力制御機能により瞬間的に非常に強力な拳打を叩き込むことが可能。また、装備を最低限にしたことで総重量の軽量化及び戦闘で使用できるエネルギー量が豊富になった。
・全体的なデザインやコンセプトはユナのアイディアを根幹にしつつ、彼女自身のダイチ=ゼロクアンタへの憧れや『過剰な武装やギミックに依存しない。ファイターと力を合わせて真価を発揮するガンプラ』というダイチの思想が反映されている。
装備や特殊機能などの詳細については次の話にて!