ガンダムビルドダイバーズ REBOOT   作:キラメイオレンジ

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第31話 罪滅ぼし

 

ユナの様子を見に行ってアキナさんに説教を受け、自宅まで送り届けたユナの友達が実はニシカワさんの妹で、娘を想う父の熱い拳を受け止めた濃ゆい金曜日から一夜明けた土曜日の休日。

 

俺は朝食を済ませると、電車と徒歩で1時間ほどの距離にある実家に顔を出していた。

 

その主な目的は、押し入れの肥やし状態になっていたガンプラ及びそのジャンクパーツの回収だ。

 

一昨日の運用で想定以上の性能を発揮できたゼロクアンタライザーは、まだ調整こそ必要だが“本体”は、一応の完成としていいだろう。

 

しかし、先日の連戦ミッションで思い知ったがGBNの戦闘パターンは多岐にわたる。

 

今の軍刀とドッズライフルの組み合わせで低燃費と重量バランスを追求+トランザムによる性能強化は確かに大概の状況に対応できるだろう。

 

だが逆説的に言えばそれは力業の突破。合理的(スマート)とは言い難い。

 

そこで必要になってくるのは汎用機のお供といえる追加(オプション)装備の充実だ。

 

例えば、ガルムで使っていた手持ちGNキャノンに、バスターソード系の近接装備の組み合わせで、対MA《モビルアーマー》装備。なんて言うのもアリだろう。

 

基本的に本体構成がシンプルなゼロクアンタライザーは、手持ちの武装を少し変えるだけで割合手軽に攻撃パターンを変更できるのもまた強みと言えるだろう。

 

「兄貴、またガンプラバトル始めたんだ?」

「ああ、前やってたGPDじゃなくてGBNだけどな。――って【カイ】、それ俺のジャケットじゃねえか」

 

久し振りに戻った自室でジャンクパーツを漁っていると、その横で6歳下の弟(現在高2)のアカギ・カイがしれっと俺のクローゼットからちょっと高めのジャケットを持ち出した。

 

「別にいいだろ? 兄貴のおさがり押し付けられるのは弟の宿命だ」

 

「おさがりと勝手に着るのは別の話だろ。にしてもヤケに気合入った格好してるけど……もしかしてデートか?」

 

「か、関係ないだろ兄貴には!」

 

全体的に気取ったコーディネイトを指摘すると、弟は顔を赤くして反発し、そのまま出て行ってしまった。フッ、青いな。

 

まあ、あいつも青春真っ盛りだしな?

 

来年は受験生だからあんまり羽目をはずすようならどうかと思うけど、健全な交際なら兄ちゃん、文句は言わないよ。

 

但し、JCはいかんぞJCは。アハハハ!

 

 

・・・・・

 

 

カイ(あの子)、実は今、高校の先生と付き合ってるのよね」

 

「ブゥウウウウウウウウウ!!」

 

いそいそとデートに繰り出した弟を見送った後、俺は昼飯の席で母親からとんでもねえ報告を受けた。ハッ、教師? マジで!? ていうか親公認!!?

 

「ああ、サユリさんっていういい~感じに色気があって、尻も乳もなかなかだぞ?」

 

「うん、とりあえず親父は黙るってよっか? それよりどういう経緯? ていうか何歳!?」

 

昨日の残り物の煮物をつつきながら妻の前で乳がどうとか語る父を軽蔑しつつ、俺は母から諸々の経緯を聞いた。

 

経緯と言っても、カイ(アイツ)が進級時に赴任してきたそのサユリ先生に惹かれ、少しドジっ子な所のある彼女のフォローをする内に禁断の恋に発展したという事らしい。

 

そして母は、先日そのサユリ先生が家に挨拶に来た際に皆で撮った写真を見せてくれた。

 

確かに親父が言う通り、品の良い清楚さの中に色気が見え隠れする美人だ。そしてデカい。どこがとは言わんが、デカい。

 

マジか……ていうかアイツ、どっちかというとロリ系とか妹系みたいな年下が好みじゃなかったっけ?

 

血の繋がらない妹とか、ギャルゲーで真っ先に攻略するタイプじゃなかったっけ??

 

「ええと……母さんは、反対しない感じなの?」

 

「そうねぇ……。正直、最初は素直に賛成できなかったわよ? だってカイってば『早く自立して先生と結婚したいから高校出たら働く』とか言い出すし、お父さん(そこのバカ)に至っては『俺もうすぐボケるから! うっかり息子の嫁がフロ入ってるの覗いても仕方ないから!』とかアホなこと言うし……」

 

「うん、とりあえず母さんは、離婚届に判を押そっか?」

 

マイペースに味噌汁と啜るタコ親父の存在を頭から抹消し、俺と母さんは話を進めた。

 

「けどね? そんなバカなこと言うカイに対して、サユリさんってば先生としてビシッと言ってくれたのよ。『私を言い訳にする様なカッコ悪いカイくんとは付き合えない』って、そしたらカイも素直に進学決めてね? そういうちゃんとした気持ちがある上で付き合いたいっていうなら反対もできないかなって……11歳差だけど」

 

「11歳……アキナさんと同い年か」

 

「アキナさん? ダイチ、あんたもまさか最近いい人が出来たの!? 28歳の!?」

 

「あっ、いや違っ!」

 

しまった。ポロリと漏らした言葉を母に耳ざとく捉えられた俺は自らの失言を後悔した。

 

「いいのよ! アンタはカイと違って昔からしっかりしてるしもう立派に働いてるんだもん! 5歳年上でもお母さん、全然反対しないから! そう、良かったわね~」

 

ア、 アカン。母さんの中ですっかり俺も『28歳の美女といい感じ』という事になっている。

 

しかしここで『違う違う。俺が最近仲良しなのは12歳のJCなんだ!』って正直に言ったらただでさえ女教師と高校生の息子が交際中という事で何かと気が気じゃない母に余計な心労をかけてしまう。……親父はくそどうでもいいが。

 

それにしても……どうなってやがるんだアカギ()の息子たちは?

 

長男は11歳年下の女子中学生と(誓ってやましい感情はないが)仲良くなり。

次男は11歳年上の女教師と交際中。

 

極端すぎるだろ!!

 

 

・・・・・

 

 

昼食後、精神的な疲労を抱えつつマンションに戻った俺は持って帰ったジャンクパーツを置き、ゼロクアンタを持ってガンダムベースへと向かった。

 

明日は仕事で丸1日ダイブできないので、今日はその分、がっつり遊ぶ予定だ。

 

出来れば対人戦、それも実力のある相手と1対1の戦闘データが欲しい所だが、アキラはリエさんと新居探し、マギーさんとクジョウさんはフォース戦で都合が合わないらしい。

 

どこかに実力があって尚且つ暇を持て余しているダイバーがいれば良いが……。

 

「いらっしゃいませ―――――あっ」

 

「ど、どうもです」

 

店内に入ると店頭の新作ガンプラコーナーの前で商品を陳列するニシカワさんと遭遇した。

 

その視線にはいつもの様な軽蔑と疑心の眼差しではなく、昨晩の騒動に対する申し訳なさが感じ取れた。

 

「その……怪我の具合はどう、ですか?」

 

「えっ、ああもう全然大丈夫ですよ。鼻血も止まって腫れも引いたし。ニ、ニシカワさんのお父さんこそ、腰の具合はどうですか?」

 

「あ、その……私が仕事に出かけた時はまだうつ伏せで動けない状態でしたけど、午前中に病院で()てもらったら今日明日安静にしてれば問題ないって、さっき母からメールがありました」

 

「そりゃ良かった。――というか、寧ろ俺の方こそなんかお父さんに怪我をさせた形になってその……申し訳ないです」

 

状況的には俺の方が被害者という形かもしれないが、結果的にはニシカワさんのお父さんの方がダメージがデカい事になってしまった事に、俺は些か罪悪感を覚えた。

 

「~~~~~っ! どうしてそうやって善人ぶってるんですか!? 変態の癖に!!」

 

すると突然、ニシカワさんの怒りが爆発!

逆ギレ的なノリで俺に詰め寄った。

 

「私っ、昨日は怖くて眠れなかったんですよ!? 昨日の事をネタにあなたが店に来て『大事な親父さんを訴えられたくなかったら、分かってんだろお嬢さん? グヘヘ』って無理矢理肉体関係を迫られるんじゃないかって!!」

 

「それ一体どこの鬼畜!? というか店の中でなにとんでもないこと言っちゃってんですかアンタ!!」

 

涙目になりながら大声で自分の被害妄想をぶっちゃけるニシカワさん。

土曜日の昼下がりという人がこの時間帯には、あまりにも似つかわしくない台詞だ。

 

「きょ、脅迫しないんですか……?」

 

「当たり前です!」

 

「……ハッ! やっぱりアカギさんは中学生以下には興味がない性癖という事ですか!?」

 

「そういうのでもないから!!!」

 

クソ! 今日のニシカワさんは何時にも増して酷いな!

何を言っても変態的な解釈をされてしまい、誤解が解ける気配が全くない。

 

……というかアレだよな?

 

ニシカワさんって言動も見た目も真面目な印象だが、何気に発想がエロ方面に飛躍すると言うか、ぶっちゃけ結構、耳年増なところあるよな?

 

生真面目な堅物だけど実は思考がエッチとかそういうギャップ……嫌いじゃないけどさ!

 

「いいですかニシカワさん? この場でハッキリ宣言しますけど、俺は昨日の件であなたやあなたの家族に何か要求したりは絶対にしません。何なら念書でもなんでも書いてあげますよ! だから余計な後ろめたさとか感じず普通に接してください」

 

「で、ですけど……それではあまりに虫が良すぎでは……」

 

俺は糾弾する気は一切ないと主張するも、ニシカワさんはなかなか納得してくれない。

 

多分、彼女なりに昨晩の事に対して責任というか申し訳なさを感じているのだろう。

 

その思考の果てが『肉体関係を迫る鬼畜な俺』なのが納得できないが……。

 

しかし方向性はどうあれ、何事に対してもごまかしたりせず正面から向き合おうとする。

 

ニシカワさんのそうした性分を、俺は嫌いになれない。

 

何とか納得する形で場を納めたいのだが……そうだ!

 

「ニシカワさん。それなら1つだけ頼みを聞いてもらえませんか? 聞いてくれたらチャラって事で」

 

「な、なんですか? い、いかがわしいことじゃなければお聞きします気……」

 

訝しむニシカワさんに対し、俺は努めて爽やかな笑顔を作り、尋ねた。

 

「俺とGBNで1回、フリーバトルしてもらえませんか?」

 

 

 

 




ダイチは散々通報されかけ、顔を合わせる度に変態扱いされてますが、何だかんだ真面目で一生懸命なニシカワさんの事が(人間的に)割りと好きだったりします。だから憎めない。

【ダイチのガンプラメモ】ゼロクアンタライザーのオプションアイディア(仮)

パターン1:キャノン&ブレード。
・ガルムで使用したアリオスのGNキャノンにスローネツヴァイなどの大型実体剣の組み合わせ。ある意味で基本装備(軍刀&ライフル)の攻撃面での上位互換。

・大型装備をメインに据えた攻撃力特化型。取り回しはイマイチなので、同スケールのガンプラとの戦闘には不向きだが、MA(モビルアーマー)MG(マスターグレード)を改修した大型のガンプラを相手するのには有用。イメージ元は【デスティニーガンダム】。


パターン2:スナイパーライフル&ピストル
・ケルディムガンダムの【GNスナイパーⅡ】を持ち、サバーニャガンダムの【GNピストルビッド】を両膝に搭載したオリジナルのホルスターに収めた銃撃戦使用。

・ライザーウィングの大型クラビカルアンテナの恩恵により得た広範囲の索敵能力を利用する形のスタイル。近接特化型のブレイジングエクシアの支援を行う為の装備。但しダイチはビット系装備に対しての適性が著しく低い為、ピストルビッドはあくまで手持ち装備。


その外にもアイディアは鋭意作成中!
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