ガンダムビルドダイバーズ REBOOT   作:キラメイオレンジ

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繁忙期がひと段落したら疲労困憊でヘタレ中(笑)

投稿ペースが遅れたらすみません。


第37話 ユナVSミズキ①

毎度おなじみ極東ベース・セントラルエリア。

 

ユナに先んじてGBNにダイブした俺はその場から動かず彼女を待ちつつ、メッセージをチェックしていた。

 

未読メールは2件。

 

1つはアホことアキラから[こないだ実装されたリゾートエリアでリエちゃんと行ってきました☆ ちょー楽しかったッス!]というクソどうでもよいお惚気メールと、今やすっかりメル友状態になったミズキさんからだ。

 

先週木曜日にヴァルガでのゴタゴタで出会ったアヴァロンの新人ダイバー(JC)のミズキさんとは土曜日にお誘いのメッセージを断った後も殆ど毎日メールでやり取りしている。

 

と言っても内容は大体『ダイチさんはどのガンダム作品が好きなんですか?』とか『どんな機体がお好みですか?』や『ガンダムヒロインではどんな女の子がお好みですか?』『今現在お付き合いしている女性はいますか?』『過去に何人の女性とお付き合いしましたか?』『年下って恋愛対象に入りますか?』なんていう世間話的なノリの質問ばかりなのだが。

 

――うん。何だか後半の質問に若干偏りがある気もするが……とにかく他愛のない世間話だ! きっと他意はない!!

 

いや実際、答え難い質問をされることも多いのは確かだが、ミズキさんとのメッセージのやり取りは結構楽しかったりする。

 

最初はニシカワさんみたいな真面目系なのかと思ったが、意外とウィットに富んだジョークをユーモアもあるし、育ちの良さを感じさせる礼儀正しさの中に年長者を立てる心配りや頭の良さみたいなものも感じさせられて、何だか会社の若い子の前ではしゃぐ中年サラリーマンみたいなノリになってしまう。

 

何より『会話にツッコミを挟まなくてもよい女性』は俺の身の回りでは希少な為、話していて非常に気が楽なのだ。

 

そんなミズキさんからのメッセージを開くと、件名は[ご意見を伺いたくて]と表示された。

 

何かガンプラ制作で行き詰まったのだろうか?

 

 

――――

 

[件名:ご意見を伺いたくて]

 

こんにちはダイチさん。

極東オープンが近づいてますが、調整の方は如何でしょうか?

 

私は先日の反省も含め、今回の参加は自粛しましたが当日は応援に伺うつもりです。

 

ところでご相談なのですが実は今度、先日オープンしたリゾートエリアにフォースの皆でバカンスに行く予定なのですが、着ていく水着が中々決められず悩んでいます。

 

いくつか試着した際のフォトを送るので、どれが1番良いかご意見をいただけないでしょうか?

 

不躾なお願いだとは思いますが、どうぞよろしくお願いします。

 

追伸:お送りしたフォトは“好きに使っていただいて”結構ですので。

 

【画像データ】

【画像データ】

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【画像データ】

【画像データ】

【画像データ】

 

―――――

 

という文面の下、添付されたのは水着姿ではにかんだ笑顔を向けるミズキさんのフォトだった。

 

「ブフォ!?」

 

システムウィンドいっぱいに映し出された推定Eカップの長身美少女JCの水着写真。

それも全てビキニばかり! 人通りの多い場所で見て良い画像じゃない!

 

俺は慌てて画像を閉じようとするが、そこは運と間の悪さに定評のある俺。

 

お約束は、ベタなタイミングで起きるからこそ、お約束なのだ。

 

「お待たせしましたししょー! って、何を観てらっしゃるんですか!? エッチな奴ですか!? こんな人の多い昼間からエッチな写真を見ながら私の事まってたんですか!!?」

 

「やっぱりね! このタイミングで来ると思ったよ!! 違うからねユナ! これはその……この間知り合ったミズキさんっていう子が水着を選んで欲しいって――」

 

「この間!? カオリお姉ちゃんと2人で楽しんだだけじゃなくて、こんなキレーな女の人と仲良くなったんですか!? しかも水着の写真送るってどういう関係ですか!!? ししょーのスケベ! エッチ! ウワキ者! そんなに水着の女の子が見たかったんなら、どうして一言私に言ってくれなかったんですか!?」

 

「いや、だから誤解……って言うか待て! 俺が見たいって言ったら水着になるつもりなのか!?」

 

「当然です!!」

 

「即答!? 大丈夫かユナ!? やっぱちょっと今日おかしいぞ??」

 

胸を触りたいなら触っていいとか、水着が見たいなら自分に言えとか、聞く人間によっては誤解を招きかねない発言をしたかと思えば、今みたいに急に怒ったり。

 

思春期独特の情緒不安定とか、試験勉強のストレスでイライラしてたのかと思ったが、それにしたって変だ。

 

「おかしいのはこんな往来で水着写真見てヘラヘラしてるししょーの方です! 何ですかそのギラギラしたエッチな目付き! カッコイイ……じゃないイヤらしいです!!」

 

「いや、断じたそんな目はしてない! ていうか今一瞬カッコイイとか言わなかった? 視力大丈夫か!?」

 

やっぱりおかしい。発言や感性が色々おかしい。

もしかすると風邪とかひいて熱でもあるんじゃないだろうか? 

 

 

「こんにちはダイチさん、何だか賑やかですけど、どうかされましたか?」

 

 

と、往来で痴話喧嘩じみたやり取りをして注目を集めつつある俺達の前に、それ以上に人目を引く人物が現れた。

 

GBNの頂点に君臨する気高さを表すアヴァロンの隊服に身を包んだその大人びた少女――。

 

「ミズキさん!」

「ししょーが見てた水着のお姉さん!?」

 

「こんにちはダイチさん。何だか騒がしかったですけど、何かあったんですか? ――ああ、私の水着、選んでくれていたんですね? ありがとうございます」

 

俺がシステムウィンドを開きっぱなしでユナと揉めている状況から凡その状況を察したミズキさんは、上品な笑顔を向けてお礼を言う。

 

相変わらずユナより1つ年上の中2とは思えない落ち着いた雰囲気だ。

 

そして、堅い印象のあるアヴァロンの隊服越しからでもハッキリ存在感を示す双丘……とてもじゃないが、中学生のそれじゃない。いや、ダイバールックだからニシカワさんみたいに盛ってるだけかもしれんが……。

 

「――あっ、因みに身体のスタイルはリアルと一緒ですから安心してくださいね?」

 

「なんで心読めたの!? ガチのニュータイプ!? ていうか安心って何?」

 

「いえ、何となくダイチさんは、この位の大きさの方が喜ばれるかと思って――」

 

いや、確かにそうだけど……って違う! 違わないけど違う!!

 

何なんだ今日は?

ユナとのアクシデントからはじまってここ、何故こんなにもJCの胸に縁があるんだ!?

 

神は俺に、一刻も早くブタ箱にぶち込まれろとでも言うのか!?

 

「し、ししょー!! このお姉さんは一体どこのどなた何ですか!!?」

 

「ああ、うん。この女性(ひと)はミズキさんって言ってこの間知り合った№1フォース【アヴァロン】のメンバーなんだ。ミズキさん、この()は前に話した俺の弟子のユナです。歳はミズキさんの1コ下なんですけど、良かったら仲良くしてあげてください」

 

「い、1コ上……! ちゅ、中学生なんですか??」

 

俺が間に入って2人の紹介をすると、ユナは戦慄した様にミズキさんの胸に視線を集中した。

 

いや、気持ちは分かるけど失礼だからやめよう!

 

「ああ、貴方がダイチさんが話されてたユナさんなんですね? 初めまして、フォースアヴァロンのミズキです。先日はダイチさんに“大変”お世話になった上、こうして友人関係を築かせていただいています。どうぞよろしく。――――フッ」

 

「っ! ししょー見ましたか!? この人、私のこと見て今ちょっと鼻で笑いましたよ! 『この程度の娘なら問題ないな』って顔しました!」

 

「コラ! 初対面の人に失礼なことを言うんじゃありません! すみませんミズキさん。普段はもっといい娘なんですけど、何だか今日はちょっと情緒不安定みたいで……」

 

「ししょー!?」

 

友好的な意味合いで向けた微笑みを邪推して言いがかりみたいなことを言うユナを叱り、代わってミズキさんに頭を下げた。

 

やっぱり今日のユナは様子が変だ。

 

普段のこの娘は間違ってもこんな風に初対面の人間に攻撃的な態度はとらないのに……。

 

「ウフフ、お二人はとても仲が良いんですね? 何だか見てて羨ましいです」

 

「えっ、いやまあ……ハハ」

「な、仲良しに見えますか!?」

 

そんな俺達のわちゃわちゃしたやり取りに対し、ミズキさんは母性を感じさせる暖かい笑みを浮かべながら、仲の良さを称える。

 

今まではやれロリコングだのいかがわしいだの邪推に塗れた評価を受けていただけに、こんな風に真っ当に評価されるのは正直嬉しい。

 

そしてそれはユナも同様らしく、ミズキさんに対して数秒前までの敵意剥き出し状態から一転し『この人実はいい人かも』的な好意的な目を向ける。チョロいなこの子……。

 

「ええ、とっても仲良しに見えますよ。――まるで血の繋がった兄妹(きょうだい)父娘(おやこ)みたいです♪」

 

「………………はい?」

 

ピシッ!

 

ん? なんだ?? 今一瞬、場の空気が凍り付いた気がしたが気のせい……だよな?

 

突如感じた漠然とした危機感を気のせいと断じ、俺は苦笑しながらミズキさんにツッコみを入れる。

 

「オイオイ、勘弁してくれよミズキさん。そりゃ中学生の君やユナからすれば俺なんかもういい歳のおじさんに見えるかもしれないけど、流石にこの歳でお父さん扱いは凹むって」

 

「ウフフ、ごめんなさいダイチさん。――けど、今のはどちらかというとユナさんの子供っぽさ……ああいえ、無邪気な雰囲気からそう感じちゃって。ところでご存じですかダイチさん? 意外と多いんですよ。初恋の相手が学校の若い先生っていう女子中学生。女の子って意外と年齢差とか気にしないんですよ」

 

「えっ? 何故に突然初恋談義? まあ確かに分かるかも……」

 

急な話の転換には些か戸惑ったが、ミズキさんの言ってることは理解できた。

 

何しろ俺自身、初恋の相手は中学校の保健室の先生だった。

中三の時、顔がやらしいと女子から嫌われてた英語教師と結婚した時はショックだったなぁ。まあ、初恋って奴は大概儚く敗れるものだ。

 

「きょ、兄妹(きょうだい)みたいってなんですか兄妹みたいって……! 撤回をよーきゅーします!!」

 

一方、再びミズキさんに対し敵意の炎を燃やしたユナは、憤然とした態度でミズキさんを指差す。ていうか俺みたいなのが兄じゃそんなに嫌? 地味にショックなんだけど……。

 

「フフ、だってユナさんはダイチさんの“お弟子さん”なんでしょう? “弟”に“子”と書いて弟子なら、ダイチさんからすれば妹か娘みたいな存在で間違っていないんじゃないですか? ……実際、さっきの様子なんかまるで駄々っ子とその保護者さんみたいでしたよ?」

 

「~~っ!! わ、私がししょーに、甘えっぱなしのお子様だって言いたいんですか!?」

 

「ウフフ、気に障ったならごめんなさい。ただ見ていてとても微笑ましく感じるって思っただけなんですよ。――だって貴方、今の所ダイチさんから貰ってばっかりじゃないですか?」

 

「っ!! い、言いましたね……!」

 

な、なんだ?

何故か俺を中心に場の空気が急速に冷えていくのを感じるぞ?

 

というか微笑み続けるミズキさんがから発せられる圧が、そこはかとなく怖い!

 

特段おかしなことを言っている訳でも、攻撃的な態度をとっている訳でもない筈なのに、ユナとの間にバトル開始3秒前という位のヒリつく空気が漂っている。

 

「いや、ちょっ……2人共ちょっと落ち着いて――「ししょーは少し黙っててください!!」――ごめんなさい!」

 

宥めようとした矢先に弟子に恫喝され、反射的に謝ってしまう。カッコ悪っ!

 

そこの知れない冷気の様な圧を放つミズキさんに対し、ユナの心は敵意の炎でメラメラと燃えている。氷属性キャラVS炎属性キャラみたいな構図になってる……。

 

「うぅうううう……だ、大体あなたは何なんですか!? 一体どういう経緯でししょーにエッチな水着写真送る仲になったんですか!? せつめーしてください!!」

 

「い、いやちょっと落ち着けユナ! ていうか声がデカい!! エッチな水着写真とか叫ばれるとまた俺の世間体が……!」

 

既に遠巻きで見ている何人かのダイバーから『またあのロリコン何かやらしたのか?』『ていうか新しい子かこってない? あのツラで何様だよ!』的な囁きと侮蔑の視線が俺の心に刺さっている。違うから! 別のハーレムとか修羅場とかじゃないから!!

 

「フフ、“ししょーさん”の行動を全部把握しないと気が済まないなんて、束縛し過ぎる女の子は男性から引かれちゃいますよ? でも知りたいなら教えてあげます。私とダイチさんとの間にあった“あの夜”の出来事を」

 

「あ、あの夜っ!?」

 

「ちょっ……!」

 

いや、確かに俺がヴァイス・ユニオンと揉めたのは夕方過ぎだったから、夜という言い方に間違いはないけれども! 何だかニュアンスが若干いかがわしい感じになってるぞ!?

 

ていうか、さっきからユナを手玉に取るミズキさんってば、そこはかとなく楽しそうじゃない? 生真面目な女の子かと思ったけど、実は意外とS(サド)っ気ある感じなのか?

 

そうしてミズキさんはシステムウィンドを開き、バトルのログデータを出力。

 

ユナに対し、横で解説をしながら戦闘記録を再生して見せた。

 

――――正直な話、個人的にあの日の出来事はユナに秘密にしたかったんだがな……。

 

何しろ、あの娘にとっては初めてのミッションで自分を痛めつけたブサイク3兄弟が出てくるし、行き掛かり上とはいえ、結果的にあいつらを助けてしまった事はユナに対し心苦しい気持ちになる。

 

そして何より、多分に拗らせてしまった面があったとはいえ、技術的にも精神的にも未熟な若者の集団に対し説教垂れた挙句に全滅させた大人げの無さが恥ずかしい。

 

人生経験を鼻にかけ、親や教師でもないのに説教垂れる大人など、中高生からすれば最もウザい存在だろう。ユナに軽蔑されるかもと考えると……恐ろしい!

 

「――という訳で、私はダイチさんと年齢やフォースの垣根を超えた“お友達”になったんです。フフ、自分で言うのもどうかと思いますけど、なかなか運命的に見えません?」

 

そうして、ひと仕切り説明を終えたミズキさんはそこはかとなく恍惚の表情で感慨にふけっている。――大っっっ変失礼だとは思うが、その表情は中学生離れした雰囲気やスタイルが相まって、正直エロい。

 

「ししょー!!!」

 

「は、はい!」

 

一方、説明を聞き終わったユナは何やら怒った様子で俺に詰め寄る。

やっぱりアレかな? 『アレはちょっと大人げないです!』とか怒られる感じ?

 

「……どうしてですか? どうして私がいない間にこんな…………こんなカッコイイ事やっちゃうんですか!? ヒドイです! ズルいです!! 私も、ししょーのご活躍を生で見たかったのに!!」

 

「ええっそういう感想!? いやいやいや、何かノリだけはそれっぽいけど、ぶっちゃけカッコ悪いだろこの時の俺!? お前に酷いことしたバカ共は逃がすし、若者相手に説教垂れつつフルボッコとか、割と最低じゃね?」

 

「そんな訳ないじゃないですか!! 例えどんな人でも、一方的に苦しめられていたら迷わず助けて、強いフォースの権力を傘に弱い者いじめをする人たちに敢然と立ち向かうとか、滅茶苦茶カッコイイじゃないです!! どーしてししょーは、ご自分の活躍をそんな風に卑下しちゃうんですか!? せめて今日お会いした時に教えて欲しかったです!」

 

俺は予想していたものと180度違う好意的(?)な感想に内心安堵しつつ、戸惑った。

 

俺的にアレは、正義の味方を気取っての行動ではなく、半ば衝動的にやった大人げない喧嘩だ。

 

単純に、身動きが取れなくなったブサイク3兄弟を嘲笑しながらいたぶるタクトくんらの所業が見過ごせなかったのと、そんな中にあって哀しそうな顔をしたミズキさんを放っておけなかった。

 

行ってみれば自己満足全開の余計なお節介だ。

 

なのに――

 

「そうですよね!? 実際この時のダイチさんとってもカッコ良かったんです! 私なんてスグに撃墜できたのに、自分から武器を捨てて『――君はこういうの向いてないよ』って優しく語り掛けてくれた瞬間なんてキュンってなって……!」

 

「分かります! あ、あの……良かったらその部分、もう1回再生しませんか?」

 

「いいですよ!」

 

何故かユナとミズキ――2人のJCは、そんな年甲斐のない大人の醜態をまるで男性アイドルのコンサート動画をみるみたいなノリで嬉々として視聴している。

 

ていうか、いつの間にか仲良くなってない君たち?




という訳で、何故かもっさりロリコングにご執心なマニアックな趣味のJC2人による修羅場回でした。

因みにミズキに関しては『前に出た時とキャラ違くない?』とお思いの読者さんもいると思いますが、実際の所、あの時はヴァイス・ユニオンの所業に対する負い目や、密かに恋心を抱いていたタクトの本性への失望などで精神的に追い詰められていた状態でした。

本来の彼女は真面目で淑やかではありますが、同時に色恋などにはアクティブ且つしたたかな一面があり、“敵”と認識した相手にはガンガン牽制しまう。

後、ダイチからのメッセージで事ある毎に『可愛い弟子』として語られるユナに対し、内心で若干イラっとしていた面があり、その八つ当たりもあります(笑)


次回も勿論、ロリコンの修羅場が見れるぜ!(ZZの予告風)
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