ガンダムビルドダイバーズ REBOOT   作:キラメイオレンジ

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ご無沙汰しております。
年度初めの配置換えやらなにやらのゴタゴタでなかなか書く時間を確保できませんが、ご容赦を。

また、最近気まぐれに本作の主人公であるダイチやユナなどの登場人物を再利用した【鬼滅の刃】の執筆&投稿を始めました。

よろしかったらそちらも読んでやってください(宣伝)。


第54話 勇気の灯

???Side

 

「…………凄い」

 

ステージ上で最も広大な荒野フィールドを一望できる崖まで移動した私【ユリエ】はバトル開始直後に襲撃をしかけた実力者集団――実況によればサブアカウントを使用して本来の実力を誤魔化して参入した上位ダイバー達と、彼らの凶行を阻む為に割って入った00クアンタのカスタム機が繰り広げる8対1の激闘を見下ろしていた。

 

推定A~Bランクのハイランカー数名を1度に相手取りながら、クアンタの改造機はしなやかな動きと“瞬間的なトランザム起動”という妙技を駆使して対抗し、サブアカ同盟の機体を2機も沈めてみせた。

 

――強い。

 

ライフルに実体剣という極めてシンプルな装備でありながら、ダブルオー系統の優秀な可動域を活かしたマニューバで猛攻を凌ぎ、連携の穴を衝いた(したた)かな反撃。

 

確かな技術と経験に裏打ちされた。派手さはないが堅実なが感じられる。

 

だけど……。

 

「何考えて俺達を連中に喧嘩売ってるのかしれねえが、そう長くは持たねえだろうな。あのクアンタ……」

 

少し前から私と同様に荒野の戦闘を視認していたZ(ゼータ)ガンダムから、通信が届いた。

 

否、彼だけじゃない。

 

よくよく周囲を見渡せば、先のサブアカ同盟の襲撃から対比したガンプラのおよそ半数近くが自分達を(そういう意図があったか真意はわからないけど結果として)救ったクアンタの様子を伺っていた。

 

「……バカな奴だよな。連中が気に入らないにしても、あれだけの技術がありゃテメェ1人生き残るのも難しかなかったのに、態々喧嘩吹っ掛けて……全くなにがしたいんだか」

 

露悪的にも聞こえる言い回しでクアンタのダイバーをこき下ろすZのダイバー。

確かに、彼に言っている事は正論だ。

 

このバトルはあくまで全員が敵であるサバイバルミッション。

身内ならいざ知らず、元来命を奪い合う間柄でしかない他のダイバーを助ける道理は存在しない。

 

だからこそ、私を含む当初サブアカ同盟に狙われていたダイバーも、クアンタの介入に乗じて我先にと戦場を離脱した。

 

撃破数などが考量されず、あくまで『生き延びた者こそ勝者』というこのサバイバルミッションに於いて、情や正義感に絆されて危険を冒すなど愚の骨頂。

 

――なのに、私は、私達は、この場から立ち去り切れない。

 

あのクアンタのダイバーが何を思ってあのような行動に出たかは分からない。

 

だけど結果的に彼の介入により、私達が救われたのは紛れもない事実だ。

 

それをただの“幸運”と割り切り、我関せずとこの場を完全に離脱したダイバー達の判断も間違ってはいないと思う。

 

けれど、それでも、私は……。

 

『早まった真似はしねぇ方がいいと思うぜ? 狙撃型ならいざ知らず、俺らクラスの実力であの場に突っ込んでも、1分保たずに撃墜だ。情に絆されて犬死になんざ、バカのする事だ』

 

葛藤する私の心を読み取った様なタイミングで語り掛けるZのダイバー(初対面なのに妙になれなれしいです)。

 

そうは言ってる彼自身、ビームライフルを握りしめ、片膝を衝いた姿勢から立ち上がり、意を決した様な様子で戦場を見据えていた。

 

「行くつもりですか? バカのする事って言いながら?」

 

『――ああ。けど勘違いするなよ? 俺ぁ別にあのあのクアンタ(お節介野郎)を助けに行くんじゃねえ。小汚い裏技で俺達の戦場を掻きまわしたクソハイランカー共に、1発かましてぇ……それだけだ!』

 

そう言ってZのダイバーは崖から飛び降り、後悔ながら機体WR(ウェイブライダー)形態に変形させて、荒野へと飛び込む。

 

「……それも大概、バカだと思いますよ?」

 

助けてくれたクアンタに報いる為ではない、あくまで自身の誇りを守る為に死地へ飛び込む。……このご時世でなんというベタなツンデレだと呆れ半分、感心半分といった心境ですが、お陰で私の覚悟も決まりました。

 

そう。サバイバルミッションだとか、助けてくれた恩がどうかとか、生き延びる為の最善手がどうなど、難しく考える必要なんてはじめからないのだ。

 

何故ならGBN(ここ)はどこまで行っても“遊びの世界”なのだから。

 

何よりも優先すべきはポイントでも、ランクでも、コインでもない。

それぞれがガンプラの込めた信念――誇りなんだ。

 

「――お姉様、どうか私にお力を……! 【アストレア・リリィ】、戦場に帰投します!」

 

 

・・・・・

 

 

ノハラside

 

『どうした!? 6人がかりでこの程度か? ハイランカーの意地、見せてみろ!!』

 

「喚いてろクソが!」

 

クソ! 認めるのは甚だ癪だが、このクソったれの偽善者は強ぇ……!

 

8対1なんて正気の沙汰とは思えねぇ戦況に関わらず、奇妙なトランザムと連携の繋ぎ目を突く様なえげつない攻撃で既にこちらは2体が討たれ、残った6機の内2機も主武装を喪って戦力が半減している。

 

取り立てて強力な武装やシステムを持っている訳でもなけりゃ、俺達と比べて操縦技術がずば抜けて秀でている訳でもないが、数多の戦闘経験……それも“格上との戦い方”を熟知した動きをしてくるコイツは、有り体に言って()り辛い。

 

おまけに奴自身、『自分の生存』を諦めている節があるのか、攻めに転じた時の勢いが段違いと来ている。最終的に『他の連中を犠牲にしても自分だけは生き残る』というスタンスからどうしても攻撃時の踏み込みが甘くなる俺達にはどうしたって引き出せない動きで数の差を補っている。

 

流石にこのまま頭数で絶え間なく攻撃を続ければすり潰す事は可能だろうが、あまり時間をかけているとこんな奴より遥かに厄介な剣聖が参戦してくるかもしれねぇ。

 

何としても早急にこのクソ野郎には退場してもらわなくちゃならねぇが、腹立たしい事にまだまだ粘る気まんまんの動きを見せつけてきやがる!

 

何か、一瞬でもいい。奴の動きを止める事ができりゃそこから一気に……ハッ!

 

妙案を閃いた俺は即座にサイドスカートから残る2基のファングを射出し、オープンチャンネルで仲間の1人に指示を出す“フリ”をした。

 

「おい、アスター。タナトスの奴がコイツの弟子とかうガキが乗るエクシアを捕捉したらしい。ちょっと加勢して生け捕りにしてこい!!」

 

『何っ!? お前ら、ユナに何を――!』

 

引っ掛かりやがった! バカが!!

 

「逝っちまいな! ファングゥウ!!」

 

一緒にいたガキの話をした途端、それまでとは打って変わった雑な機動でアスターを阻もうとするバカのガンプラに俺はGNファングを見舞う。

 

奴は流石の反応で1基を撃ち落とすが、もう一基は構えたライフルの銃身を貫き破壊。

 

「いまだグラン!!」

 

さらに俺は事前に指図していたスローネアインとドッキングを済ませ、GNメガランチャーを奴に見舞う。

 

ファングに気を取られていた奴はお得意の瞬間トランザムの発動が出来ず、咄嗟に両肩のバインダーを稼働させてGNフィールドを展開。正面から砲撃を受けた。

 

 

・・・・・

 

 

ダイチside

 

[ライザーウィング損傷、GNフィールド展開及びGNマイクロミサイルの使用が不可能となりました]

 

「クソ! やられた!!」

 

ユナの名前を出された途端、頭の中が真っ白になった俺はノハラの策にまんまとハマり、GNファングとGNメガランチャーの連続攻撃をモロに受け、ライフルとシールドという戦闘に於ける攻撃と防御の基盤を1度に失ってしまった!

 

冷静に考えれば今の奴らにユナを捕捉する人的余裕も時間もない事は一目瞭然の筈なのに……なんつー古典的な手に引っ掛かってんだ俺は!?

 

『未だテメーら! 一気に畳みかけろ!!』

 

俺の攻撃力と防御力が大幅に低下した好機を逃すわけもなく、ノハラは更に仲間達に攻撃を命令。

 

それまで少しずつ俺を消耗させようと消極的な攻撃に徹していたガデッサ、グシオン、マスターガンダムの3機が接近戦、レジェンドがドラグーンによる援護射撃を仕掛けてきた!

 

マズい……!

これは流石に凌ぎきれねえ!!

 

自らの愚かさを痛感しつつ、俺は撃墜を覚悟するが次の瞬間、飛来したWR形態のZガンダムビームが俺を包囲するマスターガンダムの肩を掠め、陣形にまずかな綻びが出来る。

 

俺はそれに乗じて動きが止まったマスターガンダムに蹴りを入れてそこから包囲を抜け、GNセイバーでドラグーン数基を斬り裂く。

 

一方、そんな俺に向けGNメガランチャーを構えていた2機のスローネには先程の白いアストレアが2本のビームサーベルを携えて攻撃を仕掛けていた。

 

「君たち! なんで戻ってきたんだ!? 早く離脱しろ!!」

 

『うっせぇよおっさん。何で俺らがテメーの指図受けなきゃならねえんだ?』

『その通りです!!』

 

「なっ!?」

 

通信で直ちにこの場から立ち去るように警告するが返ってきたのは生意気な反論だった。

 

――ていうか、23歳をおっさん言うな!!

 

『……なんでこんな酔狂な真似してんのか皆目見当つかねえが、アンタが俺達を助けてくれたのは分かる。けどよ、俺らだって戦う為にこの場にいるんだぜ? 例え相手がセコい手使って紛れ込んだハイランカーだろうが徒党を組もうが関係ねえんだよ! 売られた喧嘩は買う! 勝つか負けるかなんざ二の次、それがガンプラファイターだろ? ミドルランカー舐めんな!!!』

 

「……っ!」

 

Zガンダムを駆る少年ダイバーのその言葉は、俺にとって衝撃的であった。

そして俺は同時に、無自覚の内に彼らミドルランカーの参加者に対し、サブアカ同盟の奴らとは別の形で失礼なことをしてしまった事を痛感した。

 

――そうだよな。強い相手だから尻尾を撒いてムカつくよな?

――ヒーローを気取ったつもりなんてなかったけど、勝手にしゃしゃり出てきたおっさんに助けられるのも面白くないよな?(俺は断じておっさんではないが)

 

ダイバーランクも実力も関係ない。

 

俺達は皆、この現実のしがらみから解放された電子の世界で『主人公になる為に』ダイブしてるんだ。

 

例え理不尽な状況に陥れられようとも、否、その理不尽すら楽しんでこそのダイバーなのだ。

 

「…………悪かった。別に君たちを軽んじたつもりはなかったけど……いや、ひょっとしたら無自覚の内にそうしてたのかもしれない。それと――ありがとう。助かった」

 

『ハッ、わかりゃいいんだよおっさん。まあ、実際問題俺もアンタもそっちの白アストレアも9割方終わったけどな』

 

『雑な呼び方しないでください。アストレアリリィですから!』

 

「――――君たち、名前は?」

 

『エイジだ!』

『ユリエです!』

 

「そうか。――それじゃあ2人共、まずはコイツらちゃっちゃと片付けた後に、改めてバトルしようか……!」

 

『っ! ……ハッ、いいぜ。かるーく“ゴミ掃除”済ませてトコトンやろうじゃねえの!』

『フフ、そうですね。私負けませんからね!』

 

馳せ参じた2人に背中を預ける体制を取り、サブアカ同盟と対峙する。

 

先程の動きを見る限り、2人の力量はD~Eランク相当。意気込みは別として恐らく連中を相手にするのは難しいだろう。

 

しかし、何故だろう?

ライフルとGNフィールドを失い、戦力さは未だ絶望的ながら、胸の奥から力が沸いてくる感じがする。

 

有り体に言って――負ける気がしない!

 

『……ああ~、なんでかねぇ? 逃げ回る雑魚も鬱陶しいが、何を勘違いしたんだか分を弁えず調子乗ってる雑魚はもっとイラつくわ!! テメェら! 身の程知らずのカス共に現実教えてやれ!!』

 

一方、ミドルランカーの矜持を見せつけられ省みた俺とは反対に、ノハラをはじめとしたサブアカ同盟は彼らに対し苛立ちを覚えた様だ。

 

力を持ちながら自分の戦場から逃げた彼らと、力及ばずとも理不尽に挑む道を選んだこの2人。

 

“現時点”でのランクや実力はどうあれ、潜在的にどちらが“強い”ダイバーなのかなど、彼ら自身もよく分かっているのだろう。

 

分かっているからこそ、彼らを否定する為にムキになるのだ。

 

 

『――成程。3対6の集団戦か。じゃあ僕は、少ない方に加勢しようかな?』

 

――“七星天剣流・瞬剣光斬”!!

 

俺達3人とサブアカ同盟がいざ矛を交えようとしたその瞬間、ひと筋の光が駆け抜けた。

 

そして次の瞬間、6体のサブアカ同盟のガンプラの内、ガデッサとスローネアインが両断され、爆散した。

 

『なっ…………!?』

 

『うん。これで丁度4対4になるね。正々堂々、いい戦いをしよう!』

 

言葉を失うノハラとは対称的に朗らかな声を発するのは、ある意味で彼らサブアカ同盟を生み出すきっかけとなった人物にして、間違いなくこのミドルクラス参加者の中で“最強”と呼べる伝説のファイター。

 

“剣聖”の2つ名を持つツカハラさん。

 

そして、彼が操るのは武者ガンダムシリーズの1作【新SD戦国伝 天星七人衆(てんせいしちにんしゅう)】に登場する【剣聖頑駄無(けんせいがんだむ)】をモチーフにした甲冑に身を包み背中と腰に2本の刀を携えたリアルタイプのガンプラ。

 

【剣聖ガンダム】が立っていた――――!

 

 




名も無きミドルランカーにだって誇りはある!
ガンプラバトルには脇役もモブもない。全員が主人公!
強けりゃ主役、弱けりゃサブキャラというわけじゃない。

それとある読者様からメッセージにてリクエストがあったのでキャラクタープロフィールを載せます。

【キャラクタープロフィール①】

《アカギ・ダイチ》
職業:郵便配達員(5年目)
年齢:23歳
身長:185㎝
体重:78㎏
容姿:大柄でがっしりとした筋肉質。さっぱりとした短髪。無骨な印象の地味顔
服装:休日はジーンズにシャツ+ジャケットかパーカーなどカジュアル系を好む。ストライプやチェック柄はあまり着ず、単色系が多い。地味コーデ。
好きな物:豚の角煮、鶏のから揚げなどがっつりした肉料理、少年漫画や特撮作品。
嫌いな物:上司の無茶ぶり、ロリコンと言ういわれなき世間の評価
GBN以外の趣味:読書(漫画やラノベなど気軽に楽しめる娯楽系)、ジョギング、筋トレ
尊敬するガンプラファイター(ビルダー)は?:リカルド・フェリーニ
特技:力仕事始め体力が必要なこと全般。変わり者に懐かれる特殊な魅力。
最も好きなガンダム作品は?:ガンダム00
好みの異性のタイプは?:笑顔が可愛く元気で根性のある女性
将来の夢は?:30歳位までに結婚し、平凡でも穏やかで笑顔の絶えない過程を築く。子供は2人位ほしい
備考:握力は左右80㎏オーバー、肺活量6000㏄、体力はあるが運はない。
家族構成:父、母、弟(現在高2)
本人より一言:『俺はロリコンじゃない!!!』


以下GBN内データ
ダイバーネーム:
所属フォース:なし(54話時点)
ランク:F(54話時点。Eランク昇格目前)
魂の色:炭?
使用ガンプラ:ゼロクアンタライザー
バトルスタイル:最小限の装備による身軽さと燃費を重視した構成とトランザムモーメントによる瞬間的な性能強化を用いた強襲戦術。
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